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第2話
しおりを挟む「なんだか、もう王宮内でも話題になっているから来てみれば。ああ、王太子殿下。ご機嫌麗しゅう!」
「貴殿の娘のせいで機嫌はそんなに良くはないが、もう一人の娘に免じて、まぁよい。私はパールと婚約破棄をし、ウラルと婚約をするぞ!」
「我が家としては有難きお言葉でございます。しかし、何ゆえにパールと婚約破棄?」
「何を考えているのかわからなく気色悪い。将来を共にするなど考えられん!それに比べて、ウラルは何でもわかりやすく表情も豊かで愛くるしいなぁ」
「はぁ、有難き」
淑女として、考えていることが顔に出るのってマズいんじゃない?
ウラルはきちんと淑女教育してたのかしら?父上はこれでも宰相をしてるから城内であったことで飛んで来たんだろうけど……。‘表情豊か’とか‘なんでもわかりやすい’とかは淑女として褒め言葉じゃない事くらいわかってるよね?宰相だし。
『ウラルは勉強嫌いで昔っから教師から逃げ回ってたんだよ』
『脚速いんじゃない?』
『きっとそうだよ』
はぁ、なるほど。
「王太子殿下から婚約破棄を言われるなんて、家の恥!我が家から出ていくんだ!」
はぁ?家から追放?
「ついでにこの国からも出ていくといいだろう。どうせこの国でろくな婚約者が見つかるとも思えないしな。アハハハハハハ」
国外追放ですか?
『僕たちがついてるよ!』
『そうそう』
『俺達も一緒に追放されるからな!』
『精霊に嫌われた王国なんてあっという間に崩壊するだろう』
恐ろしい。実際に手を下さないでほしい。精霊さんが手を汚すまねはしないでほしい。勝手に滅ぶなら自業自得。
私は家に帰り、荷物をまとめた。
ドレスは……必要なのかな?持ってて換金可能かもしれないし。
あと、現金に貴金属とか換金できそうなもの。
「これは大事よね。母上の形見!」
多分写真が入ってると思うんだけど、開け方がわからないペンダント。金銭的価値がないとみなされたのか、ウラルにとられることなかったなぁ。
まとめてみると、そんなにかさばらなかった。一番かさばったのはドレス。流行があるし、売ってしまおう。
『強欲ウラルが「この家の物は持ち出さないでよ」とか言いそう』
『ああ、あり得る』
『僕も思う』
そういうわけで、私はさっさと邸から出ていくことにした。
母上の時からの使用人はいなくなった。
父上が再婚してからというもの、使用人も一新してしまった。
私を惜しむような人も私が惜しむ人もいない。家を出る時は非常にアッサリと出てきた。
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