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第1話
しおりを挟む「あなたが精霊の話を聞けることは誰にも話してはダメよ?」
「ちちうえにも?」
「そうよ。父上にも内緒よ。そうねぇ、あなたがこの人なら絶対に大丈夫って人なら話してもいいかな?パールだけの王子様♡」
「ちちうえはパールのおうじさまじゃないもんね!」
「そうよ。だから、これは母上との大事な秘密よ?話さないって約束できる?」
「ははうえとのひみつだもん!だいじにする!」
「うふふ、いいこね。約束よ!」
懐かしい夢を見た。この夢を見て数日後に母上は儚くも亡くなったんだっけ?私はパール=ガイダール。侯爵家の長女。母上に似た緑の目は私も気に入っている。ガイダール侯爵家の人間は皆茶髪らしい。
母上の喪も開けないうちに父上は義母を連れてきた。
私に義妹が出来た。義妹の名前はウラル=ガイダール。私より3つ年下かな?不思議と庇護欲が湧かなかった。
それというのも、母上との約束である精霊さんが義妹のウラルの事を好きじゃなかったみたいだというのが理由なんだけど……。他にもやたらと私の持ち物を欲しがる傾向にあるという事もあった。欲しがっているものについては事前に精霊さんが教えてくれてたから対処が出来ていたんだけど……。
それもお終いかなぁ?
「おい、聞いているのか?」
と、上から目線で言うのはそうですね、身分もいる場所も私よりも高い場所ですから。何故だか私は謁見の間に呼び出され、王太子殿下に叱責を受けています。事前に内容とか聞いていたんですけどね。
正直聞いてませんでした。
精霊さんのお話を聞いていました。
『あのバカ王太子。パールと婚約破棄して、意地悪ウラルと婚約する気だよ。この国終わったね』
私、結構一生懸命王太子教育受けてたんだけどなぁ。
『ウラルのどこがいいの?私にはわかんない』
『俺も』
『僕も』
たくさんの精霊さんが私を支持してくれる。
「で、話は聞いてたか?俺は今日でお前みたいなよくわからん、話が通じない女とは婚約破棄をして、お前の義妹のウラルと婚約することにした。ガイダール侯爵家としては全く被害がないだろう?あ、‘お前’という厄介者が生じただけか。アハハハハハハ」
こんなのが次期国王なのか世も末。
精霊さんから聞いていた展開なので、驚きもしません。逆に、王太子のような人から解放されたという爽快感すらあります。
王太子教育からも解放されました。
「ゴメンなさい?義姉様。私が王太子を好きになってしまったばかりに!」
「何を言う!私の方がウラルの魅力に敵わなかったんだ!」
なんだ?この茶番は?
王太子殿下からは見えていないでしょうけど、ウラルの片側の口角が上がったのを私は見逃さなかった。
『ウラルは意地悪なだけじゃなくて性悪~』
『卑怯?』
『底意地が悪い?』
全部当てはまると思うわよ?
会話ができるわけじゃないから、話に耳を傾けていた。
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