獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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状況把握って難しい

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どうしよう・・・
状況把握をしてから戻ろうと決めて城門がギリギリ見える場所を探し、陣取ったまでは良かった。が、がっ!コレで何が分かるのか…いや、私に何が分かるのかが問題だ。

今門は閉まっている。昼間、常に開いている門が閉まっているこの状況は安全ではないから閉まっているのだと思われる。そして、獣人騎士団は今来ているのか、もうすぐそこまで来ているのか、それともまだまだなのか…。

いや、今戦っているとか?街は、人々が家の中で息を潜めているのか静まりかえっている。こんなに静かに戦うはずないよね。この世界ての戦い方がわからない…。大体魔法での戦い方なんて知らないし、最終奥義的なでっかい火の玉とか?かまいたちみたいな切れ味鋭い風とか?津波の様な大量の水とか?魔法があるのは知っているが、この想像であってるの?まさか!もっと精神的な攻撃とか?

やけにリアルに浮かぶ映像に、あれ?私記憶を失う前、魔法使えてたの?この世界で、魔法が使える事があんなに嬉しかったのに?危機感無く混乱してしまった。

私が師匠から教えてもらった魔法は、人を傷つけないものばかり、人を癒す魔法しか知らないはずなのに。

私がここに居ても役に立たない事が分かった。

「とりあえず、帰ろう。」

誰に言うでも無く口に出た言葉に1人納得して、帰ろうとすると

『我がベルギアはハーデン国の英雄マカミ国獣人騎士団の方々を歓迎する。門を開けよ。英雄の凱旋だ。』

突然響いた声と共に城門が開き始めたのが見えた。

これは、大丈夫って事だよね。

なんか色々ありすぎて、疲れちゃったし早く帰ろうっと。
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