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目が覚めると、ベッドに縋りつき気が狂わんばかりに号泣するリュートとやつれたアテノールさんがいた。
これ前も見たわ。

こんな事が続くといつかサクッと殺されちゃうよ。怖っ

その恐怖を感じ取ったのか、声に出てたのか。アテノールさんに、つがいの儀式の様なものを終えると体も寿命も竜人寄りになるから安心して下さいと言われた。寿命、とてつもなく長いらしい。リュートは800歳アテノールさんは1000歳くらいらしい。
すっごいおじいちゃん、ではないらしい。
まだまだ若い方なんだって
16の私は赤ちゃんみたいな感じですか…

あれだね。ジェネレーションギャップ?

つがってもいいなんて言っちゃだだけど…
歳も世界も種族も違うって大丈夫なのかなぁ~共通点ゼロ…
やっぱりやめてもいいかな。

流石に800歳敬うべきだよね。
「リュートさ、ん…」
そっと呼びかけると、この世の終わりの様な顔をされた。
アテノールさんまで蒼白

「結、やめて、なんで…やっとリュートって…」
昼間なのに窓の外がなんかどす黒い…竜巻見たいのが3本程見えるんですけど…
アテノールさんが私に向かった拝みだしたんだけど…

ごめんなさい。
「リュート…やっぱりつがうのは、」
アテノールさんが平伏した…⁈

リュートを見ると…⁈
怖い!目が、目が私を見てるのに、見てない様な…コレヤバイヤツ

「つがうのは……つがうのはやっぱり早い方がいいと思んだけど私まだ成長途中だからもう少し成長したいって思うの」
胸が、主に胸、あと胸ね。

勢いで捲し立てたあと恐る恐るリュートを窺うと、目がいつもの、いつもの目だ~。助かった。

「大丈夫、結はどこもかしこも、もちろん胸も今のままで最高だよ」
勢いで心の中の声もダダ漏れ…
アテノールさんは平伏したままプルプルしてる。あいつ絶対笑ってるな!

「さあ、結、つがいの絆を結ぼうか。」




つがいの儀式、絆。魔力のない私は魔力を馴染ませる事から始めるはずだったのが、抱き枕よろしく寝ている間にサクッと済ませられ、美味しく頂かれました。気づけば1ヶ月以上たっていた。蜜月ってって言うものを死ぬ思いで経験して今や私も準竜人って感じかな。
私にベッタリだったリュートも蜜月を経て落ち着くってアテノールさんから聞いたんだけど…聞いたんだけど!

時々異世界の常識についていけず、リュートの地雷をぶち抜き、異世界の人達を振り回し、振り回されてリュートのつがいやってます。

元の世界は私が居なくても変わりなく進んでいた。両親も悲しみもなく変わりなく生活していた。また誰かが異世界に迷い込むと困るからね。これが最後…
いままでありがとうございました。親不孝だよね。ごめんなさい。

リュート、最近わかったよ。
私はリュートの事愛してるって

力一杯抱きしめられそうになったのを躱し、リュートの手を引く
さあ、責任とってこの世界に居るかも知れない地球人を探しにいくよ!
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