竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える

たま

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その後の日々

自責

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あの日、結が消えた。


拒絶され、背中を向けた結との間に見えない壁が現れた。結に、結に触れられなくなった。

「結⁈結‼︎頼む、やめてくれ!違うんだ!聞いてくれ、騙したんじゃなぃ…」
結はこちらを向く事なく消えた。
同時に手を置いていた見えない壁も消えた。
結の気配がこの世界から消えた…

「あっあぁぁぁー」
結がいた場所に手を伸ばしても、その場には何も温もりも、気配すら最初っから存在していなかったかの様に何も残さず消えてしまった…
…結、お前は私が最後に見た幸せな夢、幻だったのか




「ーーー!おい‼︎しっかりしろ‼︎」
頬に鈍い痛みを感じ顔を上げると見知った顔があった。
アテノールか…

「リュート、つがい殿はどうした⁈洒落にならないぞ!早く仲直りしてくれよ。」

「…えた。」
「えっ?」

「消えた。どこにもいないんだ。」
「はぁ?…
おい!とにかく、しっかりしろ‼︎お前つがい殿を諦めるのか‼︎」

諦める?…結を?
「そんな事出来るわけない!」

「とにかくしっかりしろ!今世界は大荒れだ!つがい殿がこの世界の何処かにいるかもしれないだろ!とにかく落ち着け!落ち着け!それから…とにかく何があったか全部話せ!」
自分より慌ててる奴を見ると、かえって冷静になるんだな。

「アテノールまずお前も落ち着け」

「…あぁ」






「つまり蜜月が終わった事を教えず黙っていて、寝室に2年も閉じ込めていたと。
…つがい殿は2年も…気づかなかったのか?」

「あぁ…」

「この世界の常識を知らないって、ここまでなのか?」

竜人族の蜜月は普通は半年から1年で落ち着く、あくまで落ち着くであって明確な終わりはない。あくまで落ち着くだけで、竜人族の男はつがいをとことん愛し、欲する。ある意味一生蜜月だと言えなくもない。

「お前仕事はしてたよな…」
「あぁ」
「その間つがい殿は…」
「…寝てた」
「…抱き潰してたと…2年間」
「…」
「お前、すげーな…いや、ひでーな。」

お前に俺の気持ちが分かるか!
同じつがいを見分けられる獣人族をつがいにしたお前に。
人族はつがいに縛られない。もし、結の心が他の誰かに移ったらと思うと…
耐えられなかった…

あぁー、だから俺は…
閉じ込めていたのかもしれない。
結の世界が俺だけである様にしたかったんだ…

でも結局、それで結を失ってしまった
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