41 / 52
プロポーズと招待と(2)
しおりを挟む
「スヴェンに聞いた。また、治癒に時間がかかるんだって?」
「はい。これでは初めに戻ったも同じだ、と言われてしまいました」
「そうか……」
ヴィルマーは椅子をベッドの近くに運んでどっかりと座る。ミリアは読んでいた書物を閉じて、サイドテーブルに置いた。
「なので、今からまた4か月、ここでお世話になることになりそうです。町長にはまだ話をしていないのですが……」
「ああ、この家のことか。大丈夫だろう。町長は、むしろここに永住して欲しいぐらいのことを言っていたぞ」
「まあ」
「とはいえ、あれだ。俺の父がひとまず5人をここに派遣をしてくれたわけなんだが」
そう言われればそうだった。5人を連れて来たとヴィルマーは言ったが、そもそも5人程度で何が出来るんだろうか。そうちらりと思ったことをミリアは思い出す。
「来月になれば、追加でまた5人が来る。だが、警備隊には引き続きこの町の警備を任せたいんだ」
「それは……どういうことでしょうか?」
どうやら、サーレック辺境伯が派遣をしてくれた兵士たちも、そう熟練の者ではないのだと言う。なので、彼らと「協力をして」いくことになるという話だった。
「わかりました。それは、来月追加される5人も……」
「そうだな。それでも、これで俺の父がヤーナックを無視しているわけではないとはわかってもらえるといいんだが、ちょっと逆効果になるかな……ああ、でも、魔獣討伐はしたことがある連中なので、それに関しては警備隊のメンバーよりは経験がある。なので、その辺りは、彼らから警備隊に教えることになるだろう」
「それは助かります。ギスタークに対しての備えも我々には足りなかったので……」
そうか、とヴィルマーは少しほっとした表情になった。その話については、明日警備隊の訓練に5人を連れて合流するとヴィルマーは説明をした。
「それから、君に、俺の父から手紙を預かっている。魔法を使ってのやりとりなので、昨日のギスターク退治が終わった後にやりとりをしてな」
「魔法を使って? サーレック辺境伯から?」
驚きの表情を見せるミリア。確かに魔法を使った手紙のやり取りというものがあるとは知っていたが、それを出来るのは王族ぐらいだと思っていたからだ。それぐらい、その魔法を使える者は限られている。そして、そんな人材は王城方面に行ってしまうとも思っていた。
ヴィルマーは「俺たちは広い領地を回り続けているのでな。それなりに、リアルタイムで報告を出来ないと困ることも多いので、逆に王城方面から派遣をしてもらっているんだ」と告げた。なるほど、国王がそれなりに「サーレック辺境伯領を放置してしまっている」ことを理解しているということか。
「で、だな。これを渡す前に、君に正式にプロポーズをしたいんだが……」
「プロポーズ!?」
突然の言葉にミリアの声が裏返り、頬が紅潮する。その様子を見て、今度はヴィルマーの方が「おかしいことを俺は言ったのか!?」と声が裏返る。
「……いえ……その……」
「昨日、言っただろう。正式なプロポーズはまた後でって……」
「は……はい」
ミリアは突如不安げにヴィルマーを見て、それから目を逸らす。
「わたし、で、いいのですか」
「おいおい、昨日の君はどこにいってしまったんだ……?」
そう言ってヴィルマーは笑い出す。それから、手を伸ばしてそっとミリアの手に触れた。
「失礼」
「あ……」
「君が、いい」
そう言って、彼はミリアの手の甲を持ち上げ、そこにキスを落とした。それから、静かにその手を自分の両手で上下に挟んで、彼女を見つめる。
「君がいいんだ。俺は。だが、まあそれは俺の話で、君が俺では足りないというなら、そう言ってくれ」
「そんな……そんな、ことは」
ミリアは驚いて、それから口ごもる。が、ヴィルマーはいつもならば、そう強く追及をしないだろうに、今日ははっきりと言葉を重ねた。
「昨日の言葉は、ただの勢いだったのか? もし、そうなら、そうだと言ってくれ」
「そうではないんです。ヴィルマーさん。そうではないんです。その……」
「うん」
「わたし、が、足りないのではないかと……突然不安になって。昨日は、あなたに助けてもらって、心が浮き立ってしまっていたし」
「何故? 何も足りなくない。君は、そのままで何一つ足りないことはないぞ」
そう言って、ヴィルマーは両手で挟んだ彼女の手を、ぎゅっと握りしめる。彼の手のひらの熱が伝わり、ミリアは目を伏せながら、頬をわずかに紅潮させる。
「わたしはあなたに何度も言ったように、甘えることが苦手です。いえ、そうではなくて……甘えていても、うまく、そうだと伝えることが出来ない、要するに……可愛げがない女ですから……」
「君も馬鹿だな」
そのヴィルマーの声音は優しい。ミリアは、恐る恐る彼を見た。
「いや。わかってる。悪いのは俺の方だ。先日の話で俺は自分が馬鹿だってよくわかったんだ」
「えっ?」
「君が、俺に甘えてくれていることに、うまく気づいていなかった。だが、それは、君が常に礼節を重んじた態度でいてくれたからだ。それに、俺は勝手に騙されてしまっていた。それを、まず詫びよう。あれから考えたら、その……君が、俺に甘えてくれていたということが理解出来たというか……」
そう言いつつ、ヴィルマーは「こんなことを当人の前で口に出すのは傲慢かもしれないが」と苦々しい表情を見せた。
彼の言葉に驚いて、軽く目を瞬くミリア。何も言わないミリアを見つつ、彼は照れくさそうに「俺も色々考えたんだ、これでも」と笑った。
「それに、だ。第一、本当に可愛げがない女性は、そんなことは言わない。申し訳ない話だが……君が、そうやって自信がなさそうな姿は、とても、その……可愛げがあるように俺には見えるんだが」
「はい。これでは初めに戻ったも同じだ、と言われてしまいました」
「そうか……」
ヴィルマーは椅子をベッドの近くに運んでどっかりと座る。ミリアは読んでいた書物を閉じて、サイドテーブルに置いた。
「なので、今からまた4か月、ここでお世話になることになりそうです。町長にはまだ話をしていないのですが……」
「ああ、この家のことか。大丈夫だろう。町長は、むしろここに永住して欲しいぐらいのことを言っていたぞ」
「まあ」
「とはいえ、あれだ。俺の父がひとまず5人をここに派遣をしてくれたわけなんだが」
そう言われればそうだった。5人を連れて来たとヴィルマーは言ったが、そもそも5人程度で何が出来るんだろうか。そうちらりと思ったことをミリアは思い出す。
「来月になれば、追加でまた5人が来る。だが、警備隊には引き続きこの町の警備を任せたいんだ」
「それは……どういうことでしょうか?」
どうやら、サーレック辺境伯が派遣をしてくれた兵士たちも、そう熟練の者ではないのだと言う。なので、彼らと「協力をして」いくことになるという話だった。
「わかりました。それは、来月追加される5人も……」
「そうだな。それでも、これで俺の父がヤーナックを無視しているわけではないとはわかってもらえるといいんだが、ちょっと逆効果になるかな……ああ、でも、魔獣討伐はしたことがある連中なので、それに関しては警備隊のメンバーよりは経験がある。なので、その辺りは、彼らから警備隊に教えることになるだろう」
「それは助かります。ギスタークに対しての備えも我々には足りなかったので……」
そうか、とヴィルマーは少しほっとした表情になった。その話については、明日警備隊の訓練に5人を連れて合流するとヴィルマーは説明をした。
「それから、君に、俺の父から手紙を預かっている。魔法を使ってのやりとりなので、昨日のギスターク退治が終わった後にやりとりをしてな」
「魔法を使って? サーレック辺境伯から?」
驚きの表情を見せるミリア。確かに魔法を使った手紙のやり取りというものがあるとは知っていたが、それを出来るのは王族ぐらいだと思っていたからだ。それぐらい、その魔法を使える者は限られている。そして、そんな人材は王城方面に行ってしまうとも思っていた。
ヴィルマーは「俺たちは広い領地を回り続けているのでな。それなりに、リアルタイムで報告を出来ないと困ることも多いので、逆に王城方面から派遣をしてもらっているんだ」と告げた。なるほど、国王がそれなりに「サーレック辺境伯領を放置してしまっている」ことを理解しているということか。
「で、だな。これを渡す前に、君に正式にプロポーズをしたいんだが……」
「プロポーズ!?」
突然の言葉にミリアの声が裏返り、頬が紅潮する。その様子を見て、今度はヴィルマーの方が「おかしいことを俺は言ったのか!?」と声が裏返る。
「……いえ……その……」
「昨日、言っただろう。正式なプロポーズはまた後でって……」
「は……はい」
ミリアは突如不安げにヴィルマーを見て、それから目を逸らす。
「わたし、で、いいのですか」
「おいおい、昨日の君はどこにいってしまったんだ……?」
そう言ってヴィルマーは笑い出す。それから、手を伸ばしてそっとミリアの手に触れた。
「失礼」
「あ……」
「君が、いい」
そう言って、彼はミリアの手の甲を持ち上げ、そこにキスを落とした。それから、静かにその手を自分の両手で上下に挟んで、彼女を見つめる。
「君がいいんだ。俺は。だが、まあそれは俺の話で、君が俺では足りないというなら、そう言ってくれ」
「そんな……そんな、ことは」
ミリアは驚いて、それから口ごもる。が、ヴィルマーはいつもならば、そう強く追及をしないだろうに、今日ははっきりと言葉を重ねた。
「昨日の言葉は、ただの勢いだったのか? もし、そうなら、そうだと言ってくれ」
「そうではないんです。ヴィルマーさん。そうではないんです。その……」
「うん」
「わたし、が、足りないのではないかと……突然不安になって。昨日は、あなたに助けてもらって、心が浮き立ってしまっていたし」
「何故? 何も足りなくない。君は、そのままで何一つ足りないことはないぞ」
そう言って、ヴィルマーは両手で挟んだ彼女の手を、ぎゅっと握りしめる。彼の手のひらの熱が伝わり、ミリアは目を伏せながら、頬をわずかに紅潮させる。
「わたしはあなたに何度も言ったように、甘えることが苦手です。いえ、そうではなくて……甘えていても、うまく、そうだと伝えることが出来ない、要するに……可愛げがない女ですから……」
「君も馬鹿だな」
そのヴィルマーの声音は優しい。ミリアは、恐る恐る彼を見た。
「いや。わかってる。悪いのは俺の方だ。先日の話で俺は自分が馬鹿だってよくわかったんだ」
「えっ?」
「君が、俺に甘えてくれていることに、うまく気づいていなかった。だが、それは、君が常に礼節を重んじた態度でいてくれたからだ。それに、俺は勝手に騙されてしまっていた。それを、まず詫びよう。あれから考えたら、その……君が、俺に甘えてくれていたということが理解出来たというか……」
そう言いつつ、ヴィルマーは「こんなことを当人の前で口に出すのは傲慢かもしれないが」と苦々しい表情を見せた。
彼の言葉に驚いて、軽く目を瞬くミリア。何も言わないミリアを見つつ、彼は照れくさそうに「俺も色々考えたんだ、これでも」と笑った。
「それに、だ。第一、本当に可愛げがない女性は、そんなことは言わない。申し訳ない話だが……君が、そうやって自信がなさそうな姿は、とても、その……可愛げがあるように俺には見えるんだが」
69
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
『有能すぎる王太子秘書官、馬鹿がいいと言われ婚約破棄されましたが、国を賢者にして去ります』
しおしお
恋愛
王太子の秘書官として、陰で国政を支えてきたアヴェンタドール。
どれほど杜撰な政策案でも整え、形にし、成果へ導いてきたのは彼女だった。
しかし王太子エリシオンは、その功績に気づくことなく、
「女は馬鹿なくらいがいい」
という傲慢な理由で婚約破棄を言い渡す。
出しゃばりすぎる女は、妃に相応しくない――
そう断じられ、王宮から追い出された彼女を待っていたのは、
さらに危険な第二王子の婚約話と、国家を揺るがす陰謀だった。
王太子は無能さを露呈し、
第二王子は野心のために手段を選ばない。
そして隣国と帝国の影が、静かに国を包囲していく。
ならば――
関わらないために、関わるしかない。
アヴェンタドールは王国を救うため、
政治の最前線に立つことを選ぶ。
だがそれは、権力を欲したからではない。
国を“賢く”して、
自分がいなくても回るようにするため。
有能すぎたがゆえに切り捨てられた一人の女性が、
ざまぁの先で選んだのは、復讐でも栄光でもない、
静かな勝利だった。
---
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです
あおまる三行
恋愛
王都の洗礼式で「厄災をもたらす」という烙印を持っていることを公表された令嬢・ルーチェ。
社交界では腫れ物扱い、家族からも厄介者として距離を置かれ、心がすり減るような日々を送ってきた彼女は、家の事情で辺境伯ダリウスのもとへ嫁ぐことになる。
辺境伯領は「貧乏」で知られている、魔獣のせいで荒廃しきった領地。
冷たい仕打ちには慣れてしまっていたルーチェは抵抗することなくそこへ向かい、辺境の生活にも身を縮める覚悟をしていた。
けれど、実際に待っていたのは──想像とはまるで違う、温かくて優しい人々と、穏やかで心が満たされていくような暮らし。
そして、誰より誠実なダリウスの隣で、ルーチェは少しずつ“自分の居場所”を取り戻していく。
静かな辺境から始まる、甘く優しい逆転マリッジラブ物語。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる