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第31話 初めての体験練習
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部活奮闘記 ― 初めての体験練習
翌日、放課後。
俺はジャージ姿でグラウンドに立っていた。
胸の奥がドクドクと波打っている。
「お、昨日の見学の子だな。準備できたか?」
先輩が笑顔で声をかけてくれる。
「はい!」と答えた声が、少し震えていた。
最初のメニューはキャッチボール。
クォーターバック役の先輩が軽く投げてくれる。
そのスパイラルの美しさに、一瞬見惚れてしまい、
ボールを取り損ねて胸にドスンと当たった。
「ナイスキャッチ……胸で!」
周りの先輩たちが笑う。
俺も苦笑いしながらボールを拾った。
何度か繰り返すうちに、少しずつ手の感覚が掴めてくる。
スパイラルがかかったボールは思ったより重く、
捕るたびに手のひらがじんじんと熱くなった。
次はルート練習。
短い距離を走って振り返り、ボールをキャッチする。
風を切って走る感覚。
自分の影が芝生の上で躍る。
一度、タイミングが合って、
完璧なスパイラルが胸に吸い込まれた。
その瞬間、電気が走った。
(これだ……これがやりたかった。)
練習の終わりに、汗だくで芝生に倒れ込む。
空は少しだけオレンジ色に染まり始めていた。
「センスあるな。入部、待ってるぞ。」
先輩の言葉に、
自然と笑みがこぼれた。
(よし、俺……やる。)
翌日、放課後。
俺はジャージ姿でグラウンドに立っていた。
胸の奥がドクドクと波打っている。
「お、昨日の見学の子だな。準備できたか?」
先輩が笑顔で声をかけてくれる。
「はい!」と答えた声が、少し震えていた。
最初のメニューはキャッチボール。
クォーターバック役の先輩が軽く投げてくれる。
そのスパイラルの美しさに、一瞬見惚れてしまい、
ボールを取り損ねて胸にドスンと当たった。
「ナイスキャッチ……胸で!」
周りの先輩たちが笑う。
俺も苦笑いしながらボールを拾った。
何度か繰り返すうちに、少しずつ手の感覚が掴めてくる。
スパイラルがかかったボールは思ったより重く、
捕るたびに手のひらがじんじんと熱くなった。
次はルート練習。
短い距離を走って振り返り、ボールをキャッチする。
風を切って走る感覚。
自分の影が芝生の上で躍る。
一度、タイミングが合って、
完璧なスパイラルが胸に吸い込まれた。
その瞬間、電気が走った。
(これだ……これがやりたかった。)
練習の終わりに、汗だくで芝生に倒れ込む。
空は少しだけオレンジ色に染まり始めていた。
「センスあるな。入部、待ってるぞ。」
先輩の言葉に、
自然と笑みがこぼれた。
(よし、俺……やる。)
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