東大受験物語

けんしろー

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第39章 12月、共通テスト一本 

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第39章

「12月、共通テスト一本」
——“総力戦”へ向けた、静かなる決意の月。


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■ 全科目の総仕上げ、12月の開始

「今日から、共通テストモード一本だ。」

12月初日、永井先生はいつもの飄々とした様子を少しだけ引き締めて言った。

「東大志望でも、この一ヶ月は共テに全集中。8割じゃ足りない、9割を“最低ライン”にする」

悠真、高村、西原、3人の視線が交差した。
この冬、勝負の火蓋が落とされたのだ。


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■ 一日のスケジュール

三人は共通テスト専用の学習スケジュールを組んだ。
永井先生が作ってくれた「共通テスト専用ノート」には、こう書かれていた。

> 【午前】

国語過去問1セット(80分)→自己採点&復習

地歴2科目(1日交互に)インプット確認テスト




> 【午後】

数IA/ⅡB 予想問題→解き直し・分析

英語リーディング&リスニング→過去問&音読




> 【夜】

今日の全教科の誤答分析ノート作成

永井先生の音声添削メモ(LINE配信)を聞く




特に英語リスニングと国語の現代文・古典は「一日でもサボると点数が下がる」科目だ。
悠真は、電車移動中もイヤホンでリスニングを聴き、古文単語を毎日20個確認した。


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■ 焦燥と焦り――点数の波

だが、12月中旬。
ある予想問題演習で、悠真は合計点が700点台前半まで下がってしまった。

> 「やばい……なんでこんなに数学が崩れたんだ……」



数IA:56点

数IIB:48点

リーディング:60点

世界史:平均以下


「このままじゃ……ダメだ」

そう口にした悠真の背中を、西原がそっと押した。

「ねえ、誰でも一度は崩れるんだって。今立て直せば、間に合う」


---

■ 高村の意地、西原の支え

高村も、理科の点数が安定せず苛立っていた。
「もうやめたくなる……」
そう言いかけたとき、西原が毅然と言った。

「高村くんが踏ん張らなかったら、私たち全員崩れるよ。…戦おう、最後まで」

悠真も言った。

「俺たちは**“受かるチーム”**だろ? 永井先生が言ってたじゃん。最後まで“得点を積み重ねた奴が勝つ”って」


---

■ 永井先生の最後の指示

12月25日。
永井先生は3人を前に、静かに語った。

「共通テストはな、“合格するための第一関門”だ。
だけど、お前らはここで終わる人間じゃない」

> 「“共通テストは“通過点”であって、ゴールじゃない。
恐れず、冷静に、そして貪欲に点を取りに行け」



悠真は頷いた。

> 「取りにいく。9割、いや、限界以上の点を」




---

■ 年末——いざ、勝負の年へ

12月31日。
静かな勉強部屋で、3人はそれぞれの参考書に最後の書き込みをしていた。

「やれるだけのことはやった」

「次は、結果を掴みにいく番だ」

「俺たちは受かる」


そう自分に言い聞かせながら、
新年、共通テスト本番へ向けての一歩を踏み出した。

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