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第54章 ごほうびデート
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第54章 ごほうびデート💑
日曜日の昼下がり。
駅前のカフェのテラス席で、西原がにこっと笑った。
「偏差値72、ほんとにおめでとう。だから今日は、悠真くんの好きなところ、どこでも付き合うよ」
「じゃあ……水族館とかどう?」
「いいね、行こう!」
電車に揺られ、二人は海沿いの大きな水族館へ。
館内は家族連れやカップルで賑わっていた。
ガラスの向こうを泳ぐイルカを見て、西原は目を輝かせる。
「ねえ、イルカって英語で何て言うか知ってる?」
「dolphin」
「正解~!さすが、英語の成川先生に鍛えられてるだけある」
笑いながら、悠真は心の中で思った。
——この笑顔を守るために、自分は来年必ず東大に合格する。
お土産コーナーでは、西原が小さなイルカのキーホルダーを手に取った。
「これ、悠真くんのリュックにつけて。模試のたびに私のこと思い出してね」
照れくさくて、でも嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。
夕方、海の見えるベンチに座ってソフトクリームを食べながら、
西原がふと真剣な顔になる。
「ねえ、来年の今ごろ、私たち赤門の前で写真撮ってるかな」
「撮ってるよ。絶対に」
そう言って、二人は視線を合わせた。
——この日曜が、またひとつ、大切な約束の日になった。
日曜日の昼下がり。
駅前のカフェのテラス席で、西原がにこっと笑った。
「偏差値72、ほんとにおめでとう。だから今日は、悠真くんの好きなところ、どこでも付き合うよ」
「じゃあ……水族館とかどう?」
「いいね、行こう!」
電車に揺られ、二人は海沿いの大きな水族館へ。
館内は家族連れやカップルで賑わっていた。
ガラスの向こうを泳ぐイルカを見て、西原は目を輝かせる。
「ねえ、イルカって英語で何て言うか知ってる?」
「dolphin」
「正解~!さすが、英語の成川先生に鍛えられてるだけある」
笑いながら、悠真は心の中で思った。
——この笑顔を守るために、自分は来年必ず東大に合格する。
お土産コーナーでは、西原が小さなイルカのキーホルダーを手に取った。
「これ、悠真くんのリュックにつけて。模試のたびに私のこと思い出してね」
照れくさくて、でも嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。
夕方、海の見えるベンチに座ってソフトクリームを食べながら、
西原がふと真剣な顔になる。
「ねえ、来年の今ごろ、私たち赤門の前で写真撮ってるかな」
「撮ってるよ。絶対に」
そう言って、二人は視線を合わせた。
——この日曜が、またひとつ、大切な約束の日になった。
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