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第12章 文化祭と、越えられない距離
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第12章 文化祭と、越えられない距離
十月、秋の風がやわらかく校舎を包む季節。
文化祭当日。学校中がざわめきと笑顔にあふれていた。
悠真のクラスは「脱出ゲーム」企画。
教室全体を黒いカーテンとボードで区切り、謎解きゾーンと“牢屋風”の部屋に仕上げた。
小学生や近隣住民まで多くが来場する中、午後、思いがけない人物が現れた。
「こんにちは。来てみたよ」
そこに立っていたのは――西原真紀子だった。
「本当に来てくれたんだ……」
「うん。数学の問題が結構本格的って噂になってたよ」
彼女は、悠真が作成した“論理問題”を嬉しそうに解いていた。
途中で詰まると、悠真が横に寄り添いヒントを出す。
距離が近づき、ふたりの間には静かな空気が流れた。
「ねえ、数学って、苦手だったの?」
ふいに彼女が問いかけた。
「……ⅡB、特にベクトルと数列がボロボロ。夏の模試もそこが崩れて偏差値60ちょっと」
真紀子はゆっくりうなずいた。
「私は逆。ⅠAが苦手。でも、努力してる人は好き」
その言葉は、悠真の胸に静かに染みた。
「ありがとう。……いつか、追いついてみせるよ」
「楽しみにしてる」
初めて交わした、約束に似た言葉だった。
---
越えられない“数列”の壁
文化祭後、模試の結果が返ってきた。
英語:偏差値71
国語:偏差値63
数学:偏差値59(ⅠA 68、ⅡB 50)
「……ⅡB、ほんとに沈んでるな」
隣で結果を見た高村が言う。
「でもⅠAは普通に良い。やっぱ努力してんだな」
「だけど、真紀子は……全部できるんだ」
「まあな。あの子、理想高いけど、ちゃんと結果で示してる。……お前、悔しいんだろ?」
悠真はうなずいた。
その夜、思い切って永井先生にLINEを送った。
> 【数ⅡBがどうしても苦手です。ⅠAはなんとかなってきたけど、ⅡBの感覚がつかめません】
すると、既読の直後に返事が来た。
> 【そろそろ、数学にも“言語”を持ち込むときだな】
> 【君に合いそうなのはマセマシリーズだ。ⅠAからもう一度、丁寧に始めよう。】
そして、おすすめとして送られてきたのはこの3冊だった。
---
永井先生おすすめの“マセマ三種の神器”
1. 初めから始める数学(ⅠA・ⅡB)
→ 基礎の考え方を“語りかけ”で教えてくれる。例題も丁寧。
2. 元気が出る数学(ⅠA・ⅡB)
→ もう一段階レベルアップ。典型問題で“使える知識”を整理。
3. 合格!数学(ⅠA・ⅡB)
→ 共通テスト・二次に向けた仕上げ問題集。
> 【マセマは“数学の核心”を優しい言葉で教えてくれる。
問題を追うな、意味を追え。】
悠真はすぐに書店に走り、3冊を揃えた。
表紙の柔らかい色と語りかけるような文章に、どこか安心感を覚えた。
「“なぜこうなるのか”を、自分の言葉で説明できるようになったら、本物だよ」
永井先生の言葉を思い出しながら、悠真は一から、数ⅡBを学び直す決意をした。
---
追いつくための覚悟
その夜、勉強机の上に並べたマセマの3冊を見て、悠真は手帳を開いた。
『11月中に「初めから始める数ⅡB」完了。
年末までに「元気が出る」と「合格!」へ。
“記述にも強い”ⅡBを作る。西原に追いつくために。東大に受かるために。』
(悔しさも、焦りも、全部力に変えてやる)
夜の静けさの中、参考書をめくる音が響いた。
十月、秋の風がやわらかく校舎を包む季節。
文化祭当日。学校中がざわめきと笑顔にあふれていた。
悠真のクラスは「脱出ゲーム」企画。
教室全体を黒いカーテンとボードで区切り、謎解きゾーンと“牢屋風”の部屋に仕上げた。
小学生や近隣住民まで多くが来場する中、午後、思いがけない人物が現れた。
「こんにちは。来てみたよ」
そこに立っていたのは――西原真紀子だった。
「本当に来てくれたんだ……」
「うん。数学の問題が結構本格的って噂になってたよ」
彼女は、悠真が作成した“論理問題”を嬉しそうに解いていた。
途中で詰まると、悠真が横に寄り添いヒントを出す。
距離が近づき、ふたりの間には静かな空気が流れた。
「ねえ、数学って、苦手だったの?」
ふいに彼女が問いかけた。
「……ⅡB、特にベクトルと数列がボロボロ。夏の模試もそこが崩れて偏差値60ちょっと」
真紀子はゆっくりうなずいた。
「私は逆。ⅠAが苦手。でも、努力してる人は好き」
その言葉は、悠真の胸に静かに染みた。
「ありがとう。……いつか、追いついてみせるよ」
「楽しみにしてる」
初めて交わした、約束に似た言葉だった。
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越えられない“数列”の壁
文化祭後、模試の結果が返ってきた。
英語:偏差値71
国語:偏差値63
数学:偏差値59(ⅠA 68、ⅡB 50)
「……ⅡB、ほんとに沈んでるな」
隣で結果を見た高村が言う。
「でもⅠAは普通に良い。やっぱ努力してんだな」
「だけど、真紀子は……全部できるんだ」
「まあな。あの子、理想高いけど、ちゃんと結果で示してる。……お前、悔しいんだろ?」
悠真はうなずいた。
その夜、思い切って永井先生にLINEを送った。
> 【数ⅡBがどうしても苦手です。ⅠAはなんとかなってきたけど、ⅡBの感覚がつかめません】
すると、既読の直後に返事が来た。
> 【そろそろ、数学にも“言語”を持ち込むときだな】
> 【君に合いそうなのはマセマシリーズだ。ⅠAからもう一度、丁寧に始めよう。】
そして、おすすめとして送られてきたのはこの3冊だった。
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永井先生おすすめの“マセマ三種の神器”
1. 初めから始める数学(ⅠA・ⅡB)
→ 基礎の考え方を“語りかけ”で教えてくれる。例題も丁寧。
2. 元気が出る数学(ⅠA・ⅡB)
→ もう一段階レベルアップ。典型問題で“使える知識”を整理。
3. 合格!数学(ⅠA・ⅡB)
→ 共通テスト・二次に向けた仕上げ問題集。
> 【マセマは“数学の核心”を優しい言葉で教えてくれる。
問題を追うな、意味を追え。】
悠真はすぐに書店に走り、3冊を揃えた。
表紙の柔らかい色と語りかけるような文章に、どこか安心感を覚えた。
「“なぜこうなるのか”を、自分の言葉で説明できるようになったら、本物だよ」
永井先生の言葉を思い出しながら、悠真は一から、数ⅡBを学び直す決意をした。
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追いつくための覚悟
その夜、勉強机の上に並べたマセマの3冊を見て、悠真は手帳を開いた。
『11月中に「初めから始める数ⅡB」完了。
年末までに「元気が出る」と「合格!」へ。
“記述にも強い”ⅡBを作る。西原に追いつくために。東大に受かるために。』
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