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③僕とエルフメイド姉妹の三人暮らし

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『僕とエルフメイド姉妹の三人暮らし』

発売日:2017/9/1
著者:青橋由高
挿絵:やんよ
発行:株式会社フランス書院(美少女文庫)


あらすじ
 主人子は十八歳の青年“ティト”。彼は相続した家督や多額の財産と引き換えに愛する双子エルフ、“フィカ”と“リーザ”を奴隷から解放してあげます。そしてその日から、美しい姉妹はティトに全てを捧げるメイドさんになってくれたのです。
 おっとりとした口調に癒しといやらしを秘める姉のフィカ。
 からかいのなかに隠しきれない愛情を見せる妹のリーザ。
 素敵すぎるエルフメイド姉妹とH三昧ざんまいただれたスローライフを送るジュブナイルポルノ!!


キャラ紹介
・フィカ
金髪ヒロインで、双子エルフの姉。表情をあまり変えず、話し方含めて全体的にスローペース。しかしHのときには淫語を多用して積極的にティトを興奮させます。

・リーザ
銀髪ヒロインで、双子エルフの妹。姉とは正反対に、思っていることがすぐ出てしまいます。ティトをよくいじりますが、その実ドMで、Hではお仕置きをおねだりしちゃいます。

・ティト
十八歳の人間の主人公。年齢に反して見た目は幼く、双子エルフによくからかわれています。Hではケダモノご主人様としてメイド姉妹に均等に愛を注ぎ、二人を容赦なく牝悦へ導きます。


Hシーン紹介
※処女を卒業する場合はVと表記。またフィニッシュは基本膣内射精なかだし
1章:3P相互オナニー➡正常位V(フィカ)&後背位V(リーザ)
2章:正常位(リーザ)&正常位(フィカ)➡3P正常位(フィカ&リーザ)
3章:Wパイズリ、お仕置きスパンキング後背位(リーザ)&言葉責め正常位(フィカ)➡正常位貝合わせ3P(フィカ&リーザ) ※膣外ぶっかけフィニッシュ
4章:授乳+フェラチオ赤ちゃんプレイ➡耳舐め3P後背位(フィカ&リーザ)
5章:ウエディング騎乗位➡正常位(リーザ)&ウエディング対面座位(フィカ)


感想
・魅力的すぎる双子エルフメイド!
 エロラノベの魅力は、やはり可愛らしいHなヒロインが大部分を握っていると思います。そしてWヒロインであるフィカとリーザは、ヒロインとして充分に輝いていました。
 普段はクールに表情を変えないのに時おり卑語を連発する姉のフィカと、対称的に常日頃から主を罵倒しからかう妹のリーザ。二人に共通するのはティトへの深い愛情であり、共に大好きなご主人様に忠誠を誓っています。
 そのため失敗してしまったときには二人して不安そうな瞳を向け、嫌われてない証拠として愛の言葉をおねだりします。逆にティトが本当に悩んでいるときには助けになりたいと願い、優しく気遣う一面も見せてくれるのです。このギャップ、面倒くささのバランスがとても愛らしいなと感じました。
 また双子ならではのシンクロも会話のテンポを心地よくしてくれていました。姉が無自覚な一言で突き崩し、妹がそれをえぐり広げる。からかい上手にティトから言葉やリアクションを引き出す様も見ていてとても面白かったです。
 最初から好感度MAXな上に褒められたらすぐに喜んじゃうチョロイン姉妹がとても可愛らしく、個人的にはニマニマして読むことが出来ました。

・ほのぼの安心仕様のストーリー!
 物語の縦糸は複数ありますが、どれもそこまで重要ではありません。基本的にはやる意志を固めるまでの段階と、やったという結果しか描かれないからです。そのためストーリーの起伏、目的を達成するまでの段階を楽しむというより、甘々ご奉仕エロコメを楽しむという意識のほうが正しいでしょう。ちょうどエロゲにおける「萌えゲー」と「ヌキゲー」を1:3で混ぜたような感覚です。
 悪く言えば物語性の弱い作品ですが、ストレスフリーに楽しめる点は充分評価できます。完全無欠のハッピーエンドを目指す展開、そしてフィナーレは清々しいほど一貫していますし、日々に疲れた人を癒すことに特化していると考えれば納得できます。
 ジュブナイルポルノに相応しい、安心安全安定設計のストーリーにアナタも癒されてみませんか?

・過激に淫靡に愛されるH描写の数々
 Wヒロインであるフィカとリーザは、物語開始時点でティトへの好感度はMAXです。また3Pに対しても一切の抵抗がないため、初夜の段階から二人同時に夜伽よとぎ奉仕をしてくれます。美しい双子の姉妹を同時に犯す姉妹丼プレイなんて、男なら誰もが憧れるシチュエーションでしょう。
 特徴的なのは、主人公であるティトが早い段階からご主人様として主導権を握り始める点です。二度目にはもう焦らしプレイを覚え、三度目にはマゾメイドをたっぷりいじめ可愛がります。一度赤ちゃんプレイに興じて甘やかされても、その後のHでは立場逆転。二人のことを徹底的に凌辱りょうじょくし、女悦の極みへいざないます。二人同時に相手をするに慣れるのも早く、かなり豊富に3Pを扱っていたなと思いました。
 惜しむらくは、プレイ内容に因果関係がない点でしょうか。そのプレイを行なう必然性が弱いため、なんとなくパラレルにHを楽しんでいるだけな気がしてしまいました。結果的に一つ一つはとても刺激的なのに、今一つ印象に残りません。もう一歩踏み込んで物語と絡めて欲しかったなというのが率直な感想です。
 それでも確かな筆力を感じさせる数々の描写はやはり非常に官能的で実用的。日中はティトをいじめからかう姉妹が、夜にはエロエロに喘ぎ、悶え、愛と忠誠を訴え、浅ましく懇願こんがんし、大好きなご主人様の精を受け止めて絶頂するという展開もやはり刺激的であること間違いなし。特にリーザのマゾ堕ちギャップは凄まじく、個人的にはかなり興奮しました。しっかり満足できたので、Hシーン自体の評価は高めです。


まとめ
[ここが良かった!]
・安定して楽しめるほっこりエロコメ
・最初から全力な甘々エロエロ3Pご奉仕姉妹丼
・絶対にハッピーエンドに持っていこうという強い意思を感じる終わり方
[ここが気になる!]
・ストーリーに起伏はない(連作短編的であり、良くも悪くもイチャイチャエロコメ)
・物語とプレイ内容のリンクがやや薄い(最後のH以外、物語の流れとは無関係)


総評:73点
 可愛らしい双子エルフとの姉妹丼が非常に魅力的な作品ですが、一冊を通した満足度は少し物足りなかったです。個々のHシーンもよく練られていますが、どうにも前後のまとまりを感じづらい。所々をつまむように楽しむ上では申し分ない作品だったなという印象です。
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