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たから島のぼうけん8
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ヘビはその大きな口を開け、私たちに近づいてきた。まずい、逃げろ!言葉に出さなくても分かった。それほど危険な状況だった。
巨大はヘビは辺りの木をなぎ倒しながら、ものすごい勢いで迫ってくる。私たちは必死に走った。森の中の道を必死に。だから、道を間違えたことに気づかなかった。木が少なくなってきたことに気づいたのは、しばらくしてからだった。
「はぁ、はぁ、あれ?」
「どうした、スーフォ」
「へ、ヘビがいない。」
振り向くと、ヘビの姿はなかった。何とか逃げ切ったようだ。
私たちは一息つこうとして、道のわきに腰を下ろした。その時、何かがおかしいときに気がついたのだ。
なんだか空気が冷たい。おまけに木の代わりにキラキラとした柱がそこら中に生えている。
「こ、これは…。」
イーワンがその透き通った柱をなでる。
「冷たっ!これは氷の柱だ!」
私は気づいた。ヘビがあきらめたのではない。この先に来られなかったのだ。
そう、ここは氷に囲まれた、北国のような場所だったのだ。
いくら寒いとはいえ、戻ることはできない。あの大蛇が、道の途中で待っていないとも限らない。私たちは震えながら、前に進むしかなかった。
「なんだか、前が見えづらいな。」
先頭を行くイーワンがつぶやく。霧というか煙というか、もやもやした白いものがあたりに立ち込めていた。幸いなことに進むべき道は見える。私たちは自分たちの目を頼りに進み続けた。
薄煙の中に、トンネルが現れた。道はその奥に続いている。仕方ない、危険を冒すことになるが、そこをくぐっていくしかなさそうだ。
「通って、だいじょうぶかなぁ。」
スーフォが震える声で言った。怖くても進むしかない…が、以外にもトンネルはすぐに終わった。トンネルというより門か、アーチのようだった。
私が最後にそのアートをくぐった時、
「グルルルル…」
という低いうなり声を聞いた。また、危険な動物か…。
「イーワン、スーフォ、さっきのアーチを背にするんだ!何かが近くにいる!」
私がそう叫ぶと、とっさに二人は背を柱にぴったりとつけ、息を殺した。うなり声は続いている。一体、どこからやってくるのか…。
「ジャン、いやな予想なんだが…。」
イーワンがつぶやく。
「ぼ、ぼくも同じこと考えてるかも…。」
スーフォもつぶやく。
私もうすうす感づいていた。
声は、上から聞こえている!
巨大はヘビは辺りの木をなぎ倒しながら、ものすごい勢いで迫ってくる。私たちは必死に走った。森の中の道を必死に。だから、道を間違えたことに気づかなかった。木が少なくなってきたことに気づいたのは、しばらくしてからだった。
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「どうした、スーフォ」
「へ、ヘビがいない。」
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そう、ここは氷に囲まれた、北国のような場所だったのだ。
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薄煙の中に、トンネルが現れた。道はその奥に続いている。仕方ない、危険を冒すことになるが、そこをくぐっていくしかなさそうだ。
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