プレゼント

つくねこだま

文字の大きさ
1 / 1

プレゼント

しおりを挟む
気がつくと、ぼくはみーちゃんのいえの にわにいた。
みーちゃんは、「ようちえん」ってとこに いってるみたい。
きょうも にこにこしながら
ようちえんであったことを
はなしてくれた。

すこしまえに「はつゆき」が ふった日、
みーちゃんと おとうさん、おかあさんが
ぼくを つくってくれたんだ。

あたまには ちいさいあかいばけつ。
くびには みどりいろのマフラー。
マフラーの下には、 ちゃいろい もよう。
ちょっぴり 土がついたみたい。

ぼくは はなしができない。
みーちゃんのはなしを きいているだけ。
だけど、なんだかたのしくて、
むねのあたりが ぽかぽかしてくる
そんなきがするんだ。


みーちゃんが ようちえんにいっているあいだ、
ぼくは ひとり にわに立っている。
おひるは おひさまがあつくて、ちょっとたいへんだけど、
へいの上を じょうずにあるいてくる ねこや
こどもにごはんをあげている すずめたちをみていると
ほっこりしてくる。

ちょっとすると みーちゃんが にこにこしてかえってくる。
ぼくも まいにちがたのしかった。


ある日のよる。
みーちゃんがなきながら、パジャマのまま
ぼくにかけよってきた。
「うそだよね。しろちゃんは、とけてなくなっちゃうって、うそだよね。」
ぼくのつめたいからだをぎゅっとだきしめて、
みーちゃんは ないていた。
みどりのマフラーがはらりとおちて、
ちゃいろい もようが見えた。

ほんとは
しってたんだ。

ぼくは おひさまが ちょっと にがてなことも、
だんだん からだが ほそくなっていくことも。

みーちゃんは ないたまま、おうちのひとにだっこされて、
いえのなかに つれていかれた。
まどのあかりがきえて、あたりは しん となった。

よるのくうきが きもちよかった。
でも なんだか むねのあたりが きゅっとした。


ぼんやり そらをみていた。
ちいさなほしが ちかちか ひかっていた。
そこに、ひかりのすじが つーっとみえた。
ながれぼしかな。
みーちゃんが いつかはなしてくれたっけ。
ながれぼしって、ねがいをかなえてくれるって。

もっと、みーちゃんといっしょに、いたかったな…。
あたまがぼんやりしてきた。
ぼやぼやのめのまえに にこにこ笑うおじいさんがいた。
白いひげが、ふかふかとゆれていた。
きょうは、しろいひげの おじいさんが、
プレゼントをくれるひ なんだって…。
ほわほわしたきもち。
だんだん からだが ちいさくなっていくきがした。


ぼくは さむくてめをさました。
ぶるぶると体をふるわせて、 こまかいゆきを ふりおとした。
そうか、きのうのよる、ぼくはねちゃったんだ。
さむくて おきるなんて はじめてだ。

みあげると…みーちゃんがいる!
ふしぎそうに、ぼくを見ている。
「しろちゃん、しろちゃんでしょ!」
みーちゃんは ぼくをだっこすると、ぎゅっとつめたいほっぺにくっつけた。

あれ ぼく ふわふわだ。
おうちの まどガラスにうつった みーちゃんと ぼく。
くびのあたりに、ちゃいろいもようがある ふわふわのぼく。
「わん!」
ぼくは はじめて はなしができた。
とってもうれしくて、「だいすきっ!」ていえた。

おしまい
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

緑色の友達

石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。 こちらは小説家になろうにも投稿しております。 表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。

そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。

桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。 それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。 でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。 そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。

青色のマグカップ

紅夢
児童書・童話
毎月の第一日曜日に開かれる蚤の市――“カーブーツセール”を練り歩くのが趣味の『私』は毎月必ずマグカップだけを見て歩く老人と知り合う。 彼はある思い出のマグカップを探していると話すが…… 薄れていく“思い出”という宝物のお話。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

魔女は小鳥を慈しむ

石河 翠
児童書・童話
母親に「あなたのことが大好きだよ」と言ってもらいたい少女は、森の魔女を訪ねます。 本当の気持ちを知るために、魔法をかけて欲しいと願ったからです。 当たり前の普通の幸せが欲しかったのなら、魔法なんて使うべきではなかったのに。 こちらの作品は、小説家になろうとエブリスタにも投稿しております。

小さな歌姫と大きな騎士さまのねがいごと

石河 翠
児童書・童話
むかしむかしとある国で、戦いに疲れた騎士がいました。政争に敗れた彼は王都を離れ、辺境のとりでを守っています。そこで彼は、心優しい小さな歌姫に出会いました。 歌姫は彼の心を癒し、生きる意味を教えてくれました。彼らはお互いをかけがえのないものとしてみなすようになります。ところがある日、隣の国が攻めこんできたという知らせが届くのです。 大切な歌姫が傷つくことを恐れ、歌姫に急ぎ逃げるように告げる騎士。実は高貴な身分である彼は、ともに逃げることも叶わず、そのまま戦場へ向かいます。一方で、彼のことを諦められない歌姫は騎士の後を追いかけます。しかし、すでに騎士は敵に囲まれ、絶対絶命の危機に陥っていました。 愛するひとを傷つけさせたりはしない。騎士を救うべく、歌姫は命を賭けてある決断を下すのです。戦場に美しい花があふれたそのとき、騎士が目にしたものとは……。 恋した騎士にすべてを捧げた小さな歌姫と、彼女のことを最後まで待ちつづけた不器用な騎士の物語。 扉絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

お月様とオオカミのぼく

いもり〜ぬ(いもいもぶーにゃん)
絵本
ある日の雲一つない澄みわたった夜空にぽっかり浮かぶ大きな満月。その下に広がる草原に一匹の…まだ子供の真っ黒なオオカミがちょこんと座っていた。 「今日は、すごい大きくて、すごい丸くて、立派なお月様…こんなお月様の夜は、人間になれるって森の図書室の本で読んだけど…ええっと…えーっと…どうするんやっけ…?」 と、うーんと考え込む子供のオオカミ。 「えーっと、まずは、立つんやったっけ?」 うーん…と言いながら、その場で立ち上がってみた。 「えーっと、次は、確か…えーっと…お月様を見上げる?…」 もしよろしければ、続きは本文へ…🌝🐺

ねえ きいて

トマト
絵本
大人もこどもも一生懸命いきてるよなあと。 それから、こどもも小説がすきになるように、 縦書きの絵本も なくならないでほしいなあとおもってます。

処理中です...