「私ってダメ男に引っかかるんだよねー」って私の彼氏は人間ですら無いんだが!?

ひっしゃん

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第1章

1話 彼氏"は"いるのである

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「私ダメ男に引っかかるんだよねー」

会社での昼休憩
誰にも絡まれないように社内食堂の隅っこに座り一人でご飯を食べていたら、何故か前に座って来た同僚の藤井さんが勝手に愚痴り始める。


この前は「私って男っぽいから、みんな女としてみてくれないんだよね」と言っていたのに、もう忘れたのだろうか。


夢を追うミュージシャン→無名のホスト→売れないクリエイターと半年の間に自分から彼氏を3回も鞍替えしておいて何様のつもりなのか、私には分からない。分かりたくもない。


「藤井さんって面倒見いいから、そういう男が寄ってくるのかもね」

「やっぱわかるー?面倒見いいってほんと損しかないの、あーあ、みんなに冷たくできる人だったらよかったのに」


こういう時は煽てていれば満足してどこかへ行ってくれる、私は職場では一人でいたいのだ。


「新井さんはそういう男が寄って来なさそうだからいいよね、私も新井さんみたいになりたかったな」


なるほど、私は親切アピールと共にアナタって不親切よねとディスりに来たのか、なるほどこれが女というやつか。
あ、私も女か


まあ、私はそういうのにはもう慣れっこだし、そこまで仲良くない同僚に何を言われたところで全く気にしない。


「新井さんって彼氏いるの?会社でそういう浮ついた話何も聞かないからさ」

「いるよ」

「え!?いるの?どこの誰?会社の人?」

「教えない、ごちそうさまでした」


しつこく聞いて来くる同僚に背を向けスタスタと歩き出す。


もちろん彼氏がいるというのは嘘ではない。
そう、彼氏"は"いるのである。
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