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本編 第一部
ep.17 人狩り
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聖剣と2体の聖獣を得たミシェル達は、その帰路にて野盗に出くわした。
「女子供か…ボロい稼ぎだな。」
「最近上がりが少ねぇと思ったが、今日はツイてるぜ。」
一行は襲い来る野盗供を返り討ちにする。
野盗が引いていた荷車の中を覗くと、若い娘が囚われていた。
ラグナ「だっ、大丈夫ですか⁉︎」
娘「…はっ、はい…!」
ミシェル「何があったんですか?」
娘「村で畑仕事をしていたら、突然連れ去られて…」
ラン「道案内は出来るかい?
村まで送ったげるからさ。」
娘「はい、ありがとうございます…!」
娘を送る道すがら…
聞けば近頃、アルーヴヘイムにいくつかある村で、先住民を狙った拉致事件が頻発しているという。
南方大陸唯一の新興国であるドゥエルグヘイムから軍が捜索・警備に当たっているが、範囲が広過ぎて手が回らないらしい。
シャールヴィ「オイラ達でやっつけようぜ!」
リン「…ランちゃん…どうする?」
ラン「…野盗はともかく、ミシェルが居る時に新興国の軍と鉢合わせるのは避けたい所だけどね…」
ミシェル「そんな…私の為に困ってる人を放っとくなんて…」
ラグナ「ミシェルさんは、ぼ…僕が守ります!」
ラン「やれやれ…みんなお人好しだねぇ…
ま、しょーがないか…!
世界平和がアタシらの活動目的だもんね。」
かくして野盗討伐作戦が始まった。
村外れの畑で農作業をするリンとシャールヴィ。
そこへ野盗が現れた。
「ケケケ…ガキ2人ゲットだぜ!」
シャールヴィは手にした鍬を、使い慣れた斧の様に構えて言う。
「なんだ⁉︎お前ら!」
リン「(ちょっと、ここでブッ飛ばしちゃったら作戦が台無しでしょ⁉︎)」
シャールヴィ「(あ、そっか。)
ウワー、ダレカー、タスケテー!」
リン「……」
野盗「おとなしくしろ!
そうすりゃ命までは奪らねぇからよ。
何しろ、生きてなきゃ売り物になんねぇからな。」
リン(後は頼んだよ、ランちゃん!)
ラグナ・ミシェル・ランは、2人を連れ去る野盗達を尾行し、彼らのアジトとなっている洞窟に辿り着いた。
洞窟内に潜入するラグナとミシェル。
「あれ、ランさんは?」
ランがやや遅れて入って来た。
「ごめんごめん、ちょっと仕掛けをね…」
洞窟内を探索すると、照明や治水・調理設備・食料保存庫などが整備されており、まるで魔法が供給されているかの様だった。
一方、野盗達によって牢に閉じ込められたリンとシャールヴィ。
牢には他にも、アルーヴヘイムの先住民と思しき人々が囚われていた。
野盗達
「ボスは?」
「客を迎えに行ってる。」
リン「…客って…もしかして人買いかな…?」
シャールヴィ「くそッ、アイツら…!」
野盗達
「どれ…ちょっくら売り物で遊んでも構わねぇよな?」
「商品価値を損なわん程度にな。」
「けっ!減るもんじゃあるまいし…
…どれ、お前がいいな。」
野盗は捕らえた人々の中から、若く美しい娘を指差した。
「いっ、嫌…!」
「ちょっと、やめなさいよ!」
牢に入り娘に近づく男の前に、リンが立ち塞がる。
野盗「なんだぁ?
お前もあと4~5年すりゃぁいいセン行くんだろうがな…ガキにゃ用は無ぇ、どけ。」
シャールヴィ「…ンのヤロー!」
リンとシャールヴィは男を殴り倒すが…
「動くな!」
もう1人の野盗が牢の外から弓を構えて叫んだ。
シャールヴィ「…クソッ…!」
その時である。
ラン「アンタこそ、動かない方が身の為よ?」
野盗「…何?
な…何だお前らッ、コイツらの仲間か⁉︎」
ラン「御名答~♪
その矢がアンタの手を離れるのと、アンタの首と胴が離れるの、どっちが先か賭けてみよっか?」
野盗「ク…クソォアァァァ‼︎」
野盗はラン達の方に襲い掛かって来た。
一行はこれを打ち倒し、鍵を奪って牢を開けると、人々を解放する。
そして逆に野盗達を閉じ込めた。
ラン「さ、ズラかるよ!」
ラグナ「え⁉︎この人達は?」
ラン「アタシらだけでこの人数は送り届けられないからね。
ここに入る前に、伝話鳥で軍に通報しといたのさ。」
ミシェル「仕掛けって、その事だったんですね?」
リン「さっすがランちゃん♪」
ラン「さ、グズグズしてると鉢合わせるよ。」
一行が野盗のアジトを脱出しようとした時…
「オイオイオイオイ…こりゃあ一体どうなってやがる⁉︎」
野盗のボスが手下を引き連れて帰って来た。
「お前らがやったのか?
…ったく、女子供と若造相手にだらしねぇ…!」
野盗達が武器を構えると、その背後から声がした。
「いや、お前達では彼らには勝てん。
アレを出せ。」
ラグナ「…⁉︎
な…何故お前達が…⁉︎」
現れたのは、先だっての廃墟で取り逃がした国籍不明兵だった。
野盗達
「知ってるんですかい?コイツらの事。」
「まさか…俺達がこんなガキ共に?」
「いや、先生方がそう仰るんだ。
アレを連れて来い!」
呼び出されたのは魔導師だった。
しかも既に廃人の様で、異形化奇病化は時間の問題といった様子だ。
それを察してか、国籍不明兵は立ち去った。
「待てッ!」
ラグナが叫ぶが、魔導師が立ち塞がる。
戦いの最中、魔導師は案の定異形化奇病を発症し人面蠍尾猫科猛獣と化したが、ラグナ達はこれを打ち倒した。
切り札たる魔導師が異形化奇病化し、尚且つ倒された様に慄く野盗達を、ランは峰打ちで気絶させる。
一行が脱出して程なく、野盗のアジトはドゥエルグヘイム軍に制圧され、拐われた人々も保護された。
その様子を遠くから望遠鏡で見る国籍不明兵。
「…仕入れ先を1つ失ったか…
まぁいい、代わりの野盗など他にいくらでも居る。」
続く…
「女子供か…ボロい稼ぎだな。」
「最近上がりが少ねぇと思ったが、今日はツイてるぜ。」
一行は襲い来る野盗供を返り討ちにする。
野盗が引いていた荷車の中を覗くと、若い娘が囚われていた。
ラグナ「だっ、大丈夫ですか⁉︎」
娘「…はっ、はい…!」
ミシェル「何があったんですか?」
娘「村で畑仕事をしていたら、突然連れ去られて…」
ラン「道案内は出来るかい?
村まで送ったげるからさ。」
娘「はい、ありがとうございます…!」
娘を送る道すがら…
聞けば近頃、アルーヴヘイムにいくつかある村で、先住民を狙った拉致事件が頻発しているという。
南方大陸唯一の新興国であるドゥエルグヘイムから軍が捜索・警備に当たっているが、範囲が広過ぎて手が回らないらしい。
シャールヴィ「オイラ達でやっつけようぜ!」
リン「…ランちゃん…どうする?」
ラン「…野盗はともかく、ミシェルが居る時に新興国の軍と鉢合わせるのは避けたい所だけどね…」
ミシェル「そんな…私の為に困ってる人を放っとくなんて…」
ラグナ「ミシェルさんは、ぼ…僕が守ります!」
ラン「やれやれ…みんなお人好しだねぇ…
ま、しょーがないか…!
世界平和がアタシらの活動目的だもんね。」
かくして野盗討伐作戦が始まった。
村外れの畑で農作業をするリンとシャールヴィ。
そこへ野盗が現れた。
「ケケケ…ガキ2人ゲットだぜ!」
シャールヴィは手にした鍬を、使い慣れた斧の様に構えて言う。
「なんだ⁉︎お前ら!」
リン「(ちょっと、ここでブッ飛ばしちゃったら作戦が台無しでしょ⁉︎)」
シャールヴィ「(あ、そっか。)
ウワー、ダレカー、タスケテー!」
リン「……」
野盗「おとなしくしろ!
そうすりゃ命までは奪らねぇからよ。
何しろ、生きてなきゃ売り物になんねぇからな。」
リン(後は頼んだよ、ランちゃん!)
ラグナ・ミシェル・ランは、2人を連れ去る野盗達を尾行し、彼らのアジトとなっている洞窟に辿り着いた。
洞窟内に潜入するラグナとミシェル。
「あれ、ランさんは?」
ランがやや遅れて入って来た。
「ごめんごめん、ちょっと仕掛けをね…」
洞窟内を探索すると、照明や治水・調理設備・食料保存庫などが整備されており、まるで魔法が供給されているかの様だった。
一方、野盗達によって牢に閉じ込められたリンとシャールヴィ。
牢には他にも、アルーヴヘイムの先住民と思しき人々が囚われていた。
野盗達
「ボスは?」
「客を迎えに行ってる。」
リン「…客って…もしかして人買いかな…?」
シャールヴィ「くそッ、アイツら…!」
野盗達
「どれ…ちょっくら売り物で遊んでも構わねぇよな?」
「商品価値を損なわん程度にな。」
「けっ!減るもんじゃあるまいし…
…どれ、お前がいいな。」
野盗は捕らえた人々の中から、若く美しい娘を指差した。
「いっ、嫌…!」
「ちょっと、やめなさいよ!」
牢に入り娘に近づく男の前に、リンが立ち塞がる。
野盗「なんだぁ?
お前もあと4~5年すりゃぁいいセン行くんだろうがな…ガキにゃ用は無ぇ、どけ。」
シャールヴィ「…ンのヤロー!」
リンとシャールヴィは男を殴り倒すが…
「動くな!」
もう1人の野盗が牢の外から弓を構えて叫んだ。
シャールヴィ「…クソッ…!」
その時である。
ラン「アンタこそ、動かない方が身の為よ?」
野盗「…何?
な…何だお前らッ、コイツらの仲間か⁉︎」
ラン「御名答~♪
その矢がアンタの手を離れるのと、アンタの首と胴が離れるの、どっちが先か賭けてみよっか?」
野盗「ク…クソォアァァァ‼︎」
野盗はラン達の方に襲い掛かって来た。
一行はこれを打ち倒し、鍵を奪って牢を開けると、人々を解放する。
そして逆に野盗達を閉じ込めた。
ラン「さ、ズラかるよ!」
ラグナ「え⁉︎この人達は?」
ラン「アタシらだけでこの人数は送り届けられないからね。
ここに入る前に、伝話鳥で軍に通報しといたのさ。」
ミシェル「仕掛けって、その事だったんですね?」
リン「さっすがランちゃん♪」
ラン「さ、グズグズしてると鉢合わせるよ。」
一行が野盗のアジトを脱出しようとした時…
「オイオイオイオイ…こりゃあ一体どうなってやがる⁉︎」
野盗のボスが手下を引き連れて帰って来た。
「お前らがやったのか?
…ったく、女子供と若造相手にだらしねぇ…!」
野盗達が武器を構えると、その背後から声がした。
「いや、お前達では彼らには勝てん。
アレを出せ。」
ラグナ「…⁉︎
な…何故お前達が…⁉︎」
現れたのは、先だっての廃墟で取り逃がした国籍不明兵だった。
野盗達
「知ってるんですかい?コイツらの事。」
「まさか…俺達がこんなガキ共に?」
「いや、先生方がそう仰るんだ。
アレを連れて来い!」
呼び出されたのは魔導師だった。
しかも既に廃人の様で、異形化奇病化は時間の問題といった様子だ。
それを察してか、国籍不明兵は立ち去った。
「待てッ!」
ラグナが叫ぶが、魔導師が立ち塞がる。
戦いの最中、魔導師は案の定異形化奇病を発症し人面蠍尾猫科猛獣と化したが、ラグナ達はこれを打ち倒した。
切り札たる魔導師が異形化奇病化し、尚且つ倒された様に慄く野盗達を、ランは峰打ちで気絶させる。
一行が脱出して程なく、野盗のアジトはドゥエルグヘイム軍に制圧され、拐われた人々も保護された。
その様子を遠くから望遠鏡で見る国籍不明兵。
「…仕入れ先を1つ失ったか…
まぁいい、代わりの野盗など他にいくらでも居る。」
続く…
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