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本編 第一部
ep.18 ネクロマンサー
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アルーヴヘイム領のとある村にて宿泊中…
未明にカーバンクルが部屋の窓を叩き、ミシェルは目を覚ます。
「どうしたの?カーバンクル…」
そう言って窓の外に目をやると、薄明るい空を行く、翼ある獣の群れが見えた。
それぞれの背には人影らしきものが騎乗している。
「あれって…帝国魔導師?」
騒ぎで目覚めたランが言う。
カーバンクルは、群れが向かう方角を見たまま興奮している。
ミシェル「もしかして…あの先にまた、アグエルの遺物が…?」
ラン「追いかけてみようか?」
ミシェル「はい…!」
ラン「よしっ、みんな起きな、チェックアウトだよ!」
かくして一行は、帝国魔導師らしき影が飛び去った方角を目指す。
リン「だけどランちゃん、向こうは飛んでるんでしょ?
追いつけないんじゃ…」
ラン「いや…アイツら低空を飛んでた…たぶん目標は割と近くにあるのよ。
あの廃墟…戦場跡みたいだったからね。
もっと何かあっても不思議じゃない。
どの道このジャングルじゃ、向こうも歩いて探すしかないさ。」
カーバンクルの先導で、緑に浸食された廃墟を探索していると、ランが何かの気配に気付く。
「(シッ…!)」
茂みの向こうでは、1人の帝国魔導師が複数の野盗に囲まれていた。
だが、圧倒的な実力差で野盗は倒され、その中の1人に帝国魔導師は手にした杖を突き付ける。
杖の先端には、淡い光を放つ魔法石に似た鉱石が据えられていた。
帝国魔導師「見ろ。
私の家族は、貴様らの様な者に捕らわれ売られた挙句、こんな姿にされた。」
野盗「…な、何を言って…」
「我らの苦しみを、身を以て知るがいい。」
そう言って念じると、鉱石から放たれたオーラが帝国魔導師を覆い、その長い髪に複数の苦悶に満ちた顔が投影される。
シャールヴィ「(あれって、もう異形化奇病化してるんじゃ…?)」
リン「(だけど、意識はまだあるみたい…どういう事?)」
帝国魔導師「生きたまま四肢でも引きちぎれば、我らの苦しみも理解できるかな?」
野盗「ひいィィィ…や、やめてくれ!」
「待って!」
見兼ねたミシェルが茂みから飛び出した。
ラン「(あッ、ちょっ…!)」
「ミシェルさん!」
ラグナも後を追い、2人は野盗と帝国魔導師の間に割って入る。
ラン(やれやれ…懲りないねェ…)
帝国魔導師は人の姿に戻る。
「姫様⁉︎
…いや、違う…
そうか、君がミシェルだな?
そして君は…」
ラグナ「ラグナ=ヴァルホルです。」
帝国魔導師「噂は聞いている。
父親と決別してテロリストになったそうだな。
…で、なぜ野盗などを庇う?」
ミシェル「…この人が貴方の家族を拐った訳じゃないでしょう?」
帝国魔導師「だが、同罪だ。
放っておけば、いずれ別の誰かを不幸にする。」
ラグナ「でも、これじゃ虐殺だ。
然るべき裁きを…
帝国魔導師「然るべき裁きとは何だ?
それを裁くべき者の長たる君の父親と君が決別したのは、つまりそういう事だろう?」
ラグナ「そ、それは…」
その時である。
「…くたばれや、バケモノがぁァァァ‼︎」
野盗が帝国魔導師に背後から襲い掛かった。
だが、帝国魔導師は振り返りもせず、魔法で野盗を瞬時に焼き尽くす。
「見ただろう?
彼らは反省などしない…生かす価値など無いのだ。
…だが、不覚にも苦しませずに死なせてしまったな…
まぁ、感謝してもらおう。
さて…君達の目的も、アグエル文明の遺産なのだろう?
私怨に囚われ仲間とはぐれてしまったが、足止めとしての役割は果たせそうだ。」
ラグナ「やめてくれ…貴女とは戦いたくない…!」
帝国魔導師「私を哀れむより、自分達の心配をするがいい。」
その時、茂みの中からラン達が姿を現した。
ラン「全くその通りだね。
ラグナ、あんたはミシェルを連れて先に行きな。」
リン「シャールヴィ、アンタもよ。」
シャールヴィ「なに言ってんだ、オイラは戦える!」
リン「ここは先輩に任せなさ~い♪
…アンタはミシェルちゃん達を守ってあげて。」
シャールヴィ「…ちぇっ、偉そうに…
気をつけろよ…!」
ラグナ・ミシェル・シャールヴィは、再びカーバンクルの導きに従い先に進む。
ミシェル「あの人の杖のアレ…魔法石に似てた…」
ラグナ「家族がこんな姿に…って、どういう事だろう…?」
一方、帝国魔導師と対峙するランとリン。
魔法攻撃をかわしながら言う。
ラン「いいのかい?
そんな盛大に魔法使いまくって。」
帝国魔導師「見ての通り、私にはまだ猶予がある様だ。」
リン「そう、それ!
なんでそんな姿になっても、まだ意識があるの?」
帝国魔導師「私の魔力の源が、他の魔導師達とは少し違うからかもしれんな。」
ラン「…その杖かい?」
リン「どゆ事?」
帝国魔導師「お喋りしてる余裕があるのか?」
射程の長い魔法攻撃の前に、近接戦しか出来ない2人は攻めあぐねていたが、持ち前の素早い動きで攻撃をかわし続けると、やがて帝国魔導師に疲労の色が見え始めた。
「…やはり、人間の叡智など…まだアグエルのそれには遠く及ばぬ様だな…」
ラン「あんた…まさか⁉︎」
帝国魔導師「私の名は…ダンタリアン…
聞け…私にまだ、理性があるうちに…」
ダンタリアンは攻撃の手を止め、杖の先端に据えられた鉱石を見て語り出す。
「…これは、アリハマ博士の…ネクロマンサー計画によって…人工的に精製された魔法石だ…
彼はこれを…アトモスと名付けた…」
ラン「魔法石を…人工的に…⁉︎」
リン「でも、どやって…?」
ダンタリアン「…アリハマ博士は、魔法石を構成する成分が何なのか…つきとめた。
それは…全ての生き物が持つ、生命と精神の根源…
いわゆる、魂と呼ばれるものを集め、結晶化した物質だ。」
リン「魂⁉︎」
ラン「それじゃあ、まさか…⁉︎」
ダンタリアン「そう…
野盗や人買いに売られた人々の魂から…人工魔石は造られた…
コレは文字通り、私の家族の…成れの果て…」
リン「ヒドイ…!」
ラン「なんてこった…!」
ダンタリアン「どうやら…時間切れの…様…だ…
頼む…せめて、私が…人間であるうち…に…ニン…ゲン…ト…シ…テ…!」
リン「…そんな!」
「わかった…
ウロボロス団・ラン=タテハヤが介錯させてもらうよ…!」
頭を垂れるダンタリアンに、ランは刀を振り下ろした。
「…感…謝ス…る…」
そう言い残してダンタリアンの身体は灰と化し、風に消えた。
リン「ランちゃん…」
ラン「……
…ラグナ達を追いかけよう。」
続く…
未明にカーバンクルが部屋の窓を叩き、ミシェルは目を覚ます。
「どうしたの?カーバンクル…」
そう言って窓の外に目をやると、薄明るい空を行く、翼ある獣の群れが見えた。
それぞれの背には人影らしきものが騎乗している。
「あれって…帝国魔導師?」
騒ぎで目覚めたランが言う。
カーバンクルは、群れが向かう方角を見たまま興奮している。
ミシェル「もしかして…あの先にまた、アグエルの遺物が…?」
ラン「追いかけてみようか?」
ミシェル「はい…!」
ラン「よしっ、みんな起きな、チェックアウトだよ!」
かくして一行は、帝国魔導師らしき影が飛び去った方角を目指す。
リン「だけどランちゃん、向こうは飛んでるんでしょ?
追いつけないんじゃ…」
ラン「いや…アイツら低空を飛んでた…たぶん目標は割と近くにあるのよ。
あの廃墟…戦場跡みたいだったからね。
もっと何かあっても不思議じゃない。
どの道このジャングルじゃ、向こうも歩いて探すしかないさ。」
カーバンクルの先導で、緑に浸食された廃墟を探索していると、ランが何かの気配に気付く。
「(シッ…!)」
茂みの向こうでは、1人の帝国魔導師が複数の野盗に囲まれていた。
だが、圧倒的な実力差で野盗は倒され、その中の1人に帝国魔導師は手にした杖を突き付ける。
杖の先端には、淡い光を放つ魔法石に似た鉱石が据えられていた。
帝国魔導師「見ろ。
私の家族は、貴様らの様な者に捕らわれ売られた挙句、こんな姿にされた。」
野盗「…な、何を言って…」
「我らの苦しみを、身を以て知るがいい。」
そう言って念じると、鉱石から放たれたオーラが帝国魔導師を覆い、その長い髪に複数の苦悶に満ちた顔が投影される。
シャールヴィ「(あれって、もう異形化奇病化してるんじゃ…?)」
リン「(だけど、意識はまだあるみたい…どういう事?)」
帝国魔導師「生きたまま四肢でも引きちぎれば、我らの苦しみも理解できるかな?」
野盗「ひいィィィ…や、やめてくれ!」
「待って!」
見兼ねたミシェルが茂みから飛び出した。
ラン「(あッ、ちょっ…!)」
「ミシェルさん!」
ラグナも後を追い、2人は野盗と帝国魔導師の間に割って入る。
ラン(やれやれ…懲りないねェ…)
帝国魔導師は人の姿に戻る。
「姫様⁉︎
…いや、違う…
そうか、君がミシェルだな?
そして君は…」
ラグナ「ラグナ=ヴァルホルです。」
帝国魔導師「噂は聞いている。
父親と決別してテロリストになったそうだな。
…で、なぜ野盗などを庇う?」
ミシェル「…この人が貴方の家族を拐った訳じゃないでしょう?」
帝国魔導師「だが、同罪だ。
放っておけば、いずれ別の誰かを不幸にする。」
ラグナ「でも、これじゃ虐殺だ。
然るべき裁きを…
帝国魔導師「然るべき裁きとは何だ?
それを裁くべき者の長たる君の父親と君が決別したのは、つまりそういう事だろう?」
ラグナ「そ、それは…」
その時である。
「…くたばれや、バケモノがぁァァァ‼︎」
野盗が帝国魔導師に背後から襲い掛かった。
だが、帝国魔導師は振り返りもせず、魔法で野盗を瞬時に焼き尽くす。
「見ただろう?
彼らは反省などしない…生かす価値など無いのだ。
…だが、不覚にも苦しませずに死なせてしまったな…
まぁ、感謝してもらおう。
さて…君達の目的も、アグエル文明の遺産なのだろう?
私怨に囚われ仲間とはぐれてしまったが、足止めとしての役割は果たせそうだ。」
ラグナ「やめてくれ…貴女とは戦いたくない…!」
帝国魔導師「私を哀れむより、自分達の心配をするがいい。」
その時、茂みの中からラン達が姿を現した。
ラン「全くその通りだね。
ラグナ、あんたはミシェルを連れて先に行きな。」
リン「シャールヴィ、アンタもよ。」
シャールヴィ「なに言ってんだ、オイラは戦える!」
リン「ここは先輩に任せなさ~い♪
…アンタはミシェルちゃん達を守ってあげて。」
シャールヴィ「…ちぇっ、偉そうに…
気をつけろよ…!」
ラグナ・ミシェル・シャールヴィは、再びカーバンクルの導きに従い先に進む。
ミシェル「あの人の杖のアレ…魔法石に似てた…」
ラグナ「家族がこんな姿に…って、どういう事だろう…?」
一方、帝国魔導師と対峙するランとリン。
魔法攻撃をかわしながら言う。
ラン「いいのかい?
そんな盛大に魔法使いまくって。」
帝国魔導師「見ての通り、私にはまだ猶予がある様だ。」
リン「そう、それ!
なんでそんな姿になっても、まだ意識があるの?」
帝国魔導師「私の魔力の源が、他の魔導師達とは少し違うからかもしれんな。」
ラン「…その杖かい?」
リン「どゆ事?」
帝国魔導師「お喋りしてる余裕があるのか?」
射程の長い魔法攻撃の前に、近接戦しか出来ない2人は攻めあぐねていたが、持ち前の素早い動きで攻撃をかわし続けると、やがて帝国魔導師に疲労の色が見え始めた。
「…やはり、人間の叡智など…まだアグエルのそれには遠く及ばぬ様だな…」
ラン「あんた…まさか⁉︎」
帝国魔導師「私の名は…ダンタリアン…
聞け…私にまだ、理性があるうちに…」
ダンタリアンは攻撃の手を止め、杖の先端に据えられた鉱石を見て語り出す。
「…これは、アリハマ博士の…ネクロマンサー計画によって…人工的に精製された魔法石だ…
彼はこれを…アトモスと名付けた…」
ラン「魔法石を…人工的に…⁉︎」
リン「でも、どやって…?」
ダンタリアン「…アリハマ博士は、魔法石を構成する成分が何なのか…つきとめた。
それは…全ての生き物が持つ、生命と精神の根源…
いわゆる、魂と呼ばれるものを集め、結晶化した物質だ。」
リン「魂⁉︎」
ラン「それじゃあ、まさか…⁉︎」
ダンタリアン「そう…
野盗や人買いに売られた人々の魂から…人工魔石は造られた…
コレは文字通り、私の家族の…成れの果て…」
リン「ヒドイ…!」
ラン「なんてこった…!」
ダンタリアン「どうやら…時間切れの…様…だ…
頼む…せめて、私が…人間であるうち…に…ニン…ゲン…ト…シ…テ…!」
リン「…そんな!」
「わかった…
ウロボロス団・ラン=タテハヤが介錯させてもらうよ…!」
頭を垂れるダンタリアンに、ランは刀を振り下ろした。
「…感…謝ス…る…」
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…ラグナ達を追いかけよう。」
続く…
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