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外典 ドラゴンハンター
ep.8 出来レース
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「……
やっぱり、そっちもか。
俺も今から合流する。
1人で潜入しちゃダメだぜ?」
アッシュは伝話鳥での通信を終え、呟く。
「また会う事になりそうだな…シグルズさん・竜の嬢ちゃん…そして、シェイミー女史…!」
シグルズ達がヘスペリデスの塔に辿り着くと、入口は血の海だった。
シェイミー「…な、何?…これ…」
シグルズ「先客がいるみてーだな。」
メリュジーヌ「…やはりここも魔法石の気配がする…」
そこへ、再びアッシュが現れた。
「また会ったな。」
シグルズ「おぅ、こりゃオメーの仕業か?」
アッシュ「いや…でも多分オレの仲間だ。
1人で潜入するなって言ったのに…
アンタらもまた魔法石を探すんだろ?
俺もついてくわ。
仲間も魔法石を追ってるはずだからな。」
かくして、再びアッシュを加えて塔に潜入する。
塔内には、先に潜入したであろう帝国魔導師の手に掛かったと思われる衛兵の死体が、幾つも転がっていた。
「…どうして、単独でこんな事を…?」
アッシュが現れてからほぼ無言を貫いていたシェイミーが、口を開く。
アッシュ「そう…国境の採掘場を制圧した戦力があれば、塔の稼働だって止められるかもしれないのに、なんで命令が下りないんだろうな…
そう思っていた矢先、採掘場から魔法石が運び出された…」
メリュジーヌ「…なるほどな…」
シグルズ「そいつを追ってみたら、敵国の塔に着いちまったって訳か。」
シェイミー「⁉︎
それって…まさか…」
アッシュ「そう…帝国内の誰かが、魔法石を横流ししてたって事だ。」
シェイミー「そんな…!」
一方その頃…
祭壇に新たな魔法石を置く国籍不明兵。
「お待たせしました。」
ヴァナヘイム騎士「待ちかねたぞ。
数の限られた魔導師達で魔力の需要を満たす為、寝る間も削らせていたのだからな。
だが、これでまた魔導師を増やせる。」
そこへ、帝国魔導師が辿り着く。
「貴様ら…どうやって魔法石を持ち出した?
誰かが手引きしたのか?」
国籍不明兵「帝国魔導師…?
つけられたか…ならば、消さねばなるまい…!」
衛兵を蹴散らしながら、祭壇の間へ急ぐシグルズ達。
メリュジーヌ「…警備が手薄になった…」
シグルズ「おい、お前の仲間、敵に見つかったんじゃねぇか?」
アッシュ「言わんこっちゃねぇ…!」
シェイミー「急ぎましょう!」
一行が祭壇の間の目前まで辿り着いた時、国籍不明兵達はその場を立ち去ろうとしていた。
国籍不明兵「とりあえず口は封じた。
後はこの国の国防の問題…彼らが何とかすればいい。
我々は預かり知らん。」
アッシュ「…口を封じたって…どういう事だよ?」
国籍不明兵「チッ…他にもいたか…」
アッシュ「おい、答えろ!」
国籍不明兵「異形化奇病化すれば、余計な事は喋らんという事だ。
そして、お前も黙らせねばならん。」
次の瞬間、兵達は素早く4人を取り囲み、全方位から正確に同時に斬りかかって来た。
すかさずシグルズが迎え撃つ。
アッシュ「バッ…飛び出すな!
いい的だぞ!」
シグルズ「囲まれたら穴ァ開けりゃいいんだよ!」
両手に小太刀を持った兵は、一刀で攻撃を受けつつ、もう一刀での反撃を狙う。
「攻防一体ってか…けどなぁ…!」
シグルズの振るう大剣は、それを受け止めた刀ごと兵を叩き潰した。
次の瞬間、突如吹き荒れた強風で他の兵達も四方に吹き飛び、それを追撃するように火柱が円を描く。
円の中心にいた巨竜が幼女へと姿を変えて佇む時、辺りには炭と化した兵の亡骸が四散した。
祭壇の間への扉…
突然、1人の騎士と数名のヴァナヘイム兵が飛び出す。
騎士「お前達、何を一緒に逃げて来ている⁉︎」
兵士「し…しかし、我々の戦力では歯が…」
騎士「いいからさっさとあの異形化奇病を止めに行かんか!」
シグルズ「…貴族ってのはいいよなァ…
只たまたまその家に生まれたってだけで、何の努力も才覚も無く騎士になって、そうやって自分で出来もしねー事を下のモンに命令すんだからよ。」
騎士「な…何だと、無礼な!
何者だ⁉︎
貴様らも侵入者ならば排除する!」
シグルズ「ヘッ、急に威勢がいいな。
異形化奇病よりゃ俺のが楽に勝てそうに見えたか?負け犬が。」
騎士「ナメるなあぁぁァァ‼︎」
シグルズは騎士達を瞬殺し、一行は祭壇の間へ…
シェイミー「…何て事…!」
アッシュ「…ビュネ…だから1人で入るなっつったのに…」
メリュジーヌ「あれが、汝の仲間だった者か?」
アッシュ「…今でも仲間さ…だからこそ、止める!」
4人は共闘し、祭壇の前でヴァナヘイム兵達を虐殺していた異形化奇病を葬り去る。
アッシュ「ビュネ…後は俺らに任せて、ゆっくり休みな…」
再び魔法石の祀られた祭壇…
メリュジーヌはその前に立ち、唱えた。
「…忌まわしきアグエル文明により封印されし我が眷族よ…
その戒めを今、解き放たん。」
すると魔法石は砕け散って光の粒子となり、巨大な陸亀の姿を象った。
「我はアガレス…
我が戒めを解き放てし眷族よ…
汝が力を我に示せば、盟約に従い我が力を授けん。」
アガレスの四肢が光輝くと、足元に亀裂が走り、大地が激しく揺れ始める。
「‼︎
皆、我の背に乗れ!」
翼竜の姿になったメリュジーヌが、3人を乗せて舞い上がった次の瞬間、床一面が石の刃と化した。
シグルズ「危ねぇ危ねぇ…
しっかしコイツも硬そうだなぁオイ!」
アッシュ「俺がいる事に感謝してよ?」
シェイミー「…‼︎
まさか貴方また…⁉︎」
再びアッシュの冷気魔法が炸裂する。
4人は共闘の末、アガレスを打ち破った。
「見事なり…盟約に従い我が力を汝に授けん。」
アガレスはそう言うと、砕け散って無数の光の粒子となり、メリュジーヌに吸収される。
かくしてメリュジーヌは地震魔法の力を得て、一行は塔を脱出した。
シェイミー「…あなた、これからどうするの?」
アッシュ「戻って、裏切り者を探す。」
シグルズ 「気を付けるこった。
それが誰かわからねぇ内に迂闊に誰かに喋れば、お前が消されかねねぇぜ。」
「…あぁ、肝に命じておくよ。」
アッシュはそう答えると翼ある狼を召喚し、飛び去った。
続く…
やっぱり、そっちもか。
俺も今から合流する。
1人で潜入しちゃダメだぜ?」
アッシュは伝話鳥での通信を終え、呟く。
「また会う事になりそうだな…シグルズさん・竜の嬢ちゃん…そして、シェイミー女史…!」
シグルズ達がヘスペリデスの塔に辿り着くと、入口は血の海だった。
シェイミー「…な、何?…これ…」
シグルズ「先客がいるみてーだな。」
メリュジーヌ「…やはりここも魔法石の気配がする…」
そこへ、再びアッシュが現れた。
「また会ったな。」
シグルズ「おぅ、こりゃオメーの仕業か?」
アッシュ「いや…でも多分オレの仲間だ。
1人で潜入するなって言ったのに…
アンタらもまた魔法石を探すんだろ?
俺もついてくわ。
仲間も魔法石を追ってるはずだからな。」
かくして、再びアッシュを加えて塔に潜入する。
塔内には、先に潜入したであろう帝国魔導師の手に掛かったと思われる衛兵の死体が、幾つも転がっていた。
「…どうして、単独でこんな事を…?」
アッシュが現れてからほぼ無言を貫いていたシェイミーが、口を開く。
アッシュ「そう…国境の採掘場を制圧した戦力があれば、塔の稼働だって止められるかもしれないのに、なんで命令が下りないんだろうな…
そう思っていた矢先、採掘場から魔法石が運び出された…」
メリュジーヌ「…なるほどな…」
シグルズ「そいつを追ってみたら、敵国の塔に着いちまったって訳か。」
シェイミー「⁉︎
それって…まさか…」
アッシュ「そう…帝国内の誰かが、魔法石を横流ししてたって事だ。」
シェイミー「そんな…!」
一方その頃…
祭壇に新たな魔法石を置く国籍不明兵。
「お待たせしました。」
ヴァナヘイム騎士「待ちかねたぞ。
数の限られた魔導師達で魔力の需要を満たす為、寝る間も削らせていたのだからな。
だが、これでまた魔導師を増やせる。」
そこへ、帝国魔導師が辿り着く。
「貴様ら…どうやって魔法石を持ち出した?
誰かが手引きしたのか?」
国籍不明兵「帝国魔導師…?
つけられたか…ならば、消さねばなるまい…!」
衛兵を蹴散らしながら、祭壇の間へ急ぐシグルズ達。
メリュジーヌ「…警備が手薄になった…」
シグルズ「おい、お前の仲間、敵に見つかったんじゃねぇか?」
アッシュ「言わんこっちゃねぇ…!」
シェイミー「急ぎましょう!」
一行が祭壇の間の目前まで辿り着いた時、国籍不明兵達はその場を立ち去ろうとしていた。
国籍不明兵「とりあえず口は封じた。
後はこの国の国防の問題…彼らが何とかすればいい。
我々は預かり知らん。」
アッシュ「…口を封じたって…どういう事だよ?」
国籍不明兵「チッ…他にもいたか…」
アッシュ「おい、答えろ!」
国籍不明兵「異形化奇病化すれば、余計な事は喋らんという事だ。
そして、お前も黙らせねばならん。」
次の瞬間、兵達は素早く4人を取り囲み、全方位から正確に同時に斬りかかって来た。
すかさずシグルズが迎え撃つ。
アッシュ「バッ…飛び出すな!
いい的だぞ!」
シグルズ「囲まれたら穴ァ開けりゃいいんだよ!」
両手に小太刀を持った兵は、一刀で攻撃を受けつつ、もう一刀での反撃を狙う。
「攻防一体ってか…けどなぁ…!」
シグルズの振るう大剣は、それを受け止めた刀ごと兵を叩き潰した。
次の瞬間、突如吹き荒れた強風で他の兵達も四方に吹き飛び、それを追撃するように火柱が円を描く。
円の中心にいた巨竜が幼女へと姿を変えて佇む時、辺りには炭と化した兵の亡骸が四散した。
祭壇の間への扉…
突然、1人の騎士と数名のヴァナヘイム兵が飛び出す。
騎士「お前達、何を一緒に逃げて来ている⁉︎」
兵士「し…しかし、我々の戦力では歯が…」
騎士「いいからさっさとあの異形化奇病を止めに行かんか!」
シグルズ「…貴族ってのはいいよなァ…
只たまたまその家に生まれたってだけで、何の努力も才覚も無く騎士になって、そうやって自分で出来もしねー事を下のモンに命令すんだからよ。」
騎士「な…何だと、無礼な!
何者だ⁉︎
貴様らも侵入者ならば排除する!」
シグルズ「ヘッ、急に威勢がいいな。
異形化奇病よりゃ俺のが楽に勝てそうに見えたか?負け犬が。」
騎士「ナメるなあぁぁァァ‼︎」
シグルズは騎士達を瞬殺し、一行は祭壇の間へ…
シェイミー「…何て事…!」
アッシュ「…ビュネ…だから1人で入るなっつったのに…」
メリュジーヌ「あれが、汝の仲間だった者か?」
アッシュ「…今でも仲間さ…だからこそ、止める!」
4人は共闘し、祭壇の前でヴァナヘイム兵達を虐殺していた異形化奇病を葬り去る。
アッシュ「ビュネ…後は俺らに任せて、ゆっくり休みな…」
再び魔法石の祀られた祭壇…
メリュジーヌはその前に立ち、唱えた。
「…忌まわしきアグエル文明により封印されし我が眷族よ…
その戒めを今、解き放たん。」
すると魔法石は砕け散って光の粒子となり、巨大な陸亀の姿を象った。
「我はアガレス…
我が戒めを解き放てし眷族よ…
汝が力を我に示せば、盟約に従い我が力を授けん。」
アガレスの四肢が光輝くと、足元に亀裂が走り、大地が激しく揺れ始める。
「‼︎
皆、我の背に乗れ!」
翼竜の姿になったメリュジーヌが、3人を乗せて舞い上がった次の瞬間、床一面が石の刃と化した。
シグルズ「危ねぇ危ねぇ…
しっかしコイツも硬そうだなぁオイ!」
アッシュ「俺がいる事に感謝してよ?」
シェイミー「…‼︎
まさか貴方また…⁉︎」
再びアッシュの冷気魔法が炸裂する。
4人は共闘の末、アガレスを打ち破った。
「見事なり…盟約に従い我が力を汝に授けん。」
アガレスはそう言うと、砕け散って無数の光の粒子となり、メリュジーヌに吸収される。
かくしてメリュジーヌは地震魔法の力を得て、一行は塔を脱出した。
シェイミー「…あなた、これからどうするの?」
アッシュ「戻って、裏切り者を探す。」
シグルズ 「気を付けるこった。
それが誰かわからねぇ内に迂闊に誰かに喋れば、お前が消されかねねぇぜ。」
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