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外典 ドラゴンハンター 第二部
ep.10 竜騎士(本編 ep.25)
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アリハマ博士「君の様な優秀な人材が戻って来てくれて嬉しいよ、シェイミー君。
当時は知らなかった事とは言え、君たち助手にも済まない事をしたね。
…ところで…あの時持ち出した魔法石は…?」
シェイミー「…申し訳ありません…テロリストに…」
アリハマ博士「…そうか…
君が無事だったならいいさ。
そんな事よりここ数週間、研究の成果が目覚ましくてね。
私が…いや、我々人類がアグエルの叡智を凌駕する日も、そう遠くないかもしれないよ。」
帝国に潜り込んでいた内通者・パズズに捕われ、アースガルドに護送されているラグナとミシェルを救出する為、陽動と魔法石奪取を兼ねてアースガルドの魔法供給施設・ユグドラシルの襲撃を敢行するシグルズとメリュジーヌ。
シグルズ「陽動だからな。
真正面からド派手に行くぜ!」
メリュジーヌ「生き生きしておるな…」
翼竜へと姿を変えたメリュジーヌの背に乗り、塔の正面入口に降り立つシグルズ。
アースガルド兵
「異形化奇病の背に…シグルズ殿⁉︎」
「あれが、テロリストが飼い慣らしていると噂の異形化奇病か⁉︎」
「シグルズ殿…本当にテロリストになってしまわれたのか…何故…⁉︎」
シグルズ「シグルズ様が魔法石を頂きに来たぜ‼︎
めんどくせぇから、まとめてかかって来な‼︎
命が惜しくねぇ奴ァな‼︎」
群がる兵士達を、翼竜の羽ばたく暴風で吹き飛ばす。
程なく、自ら護送に同行していたオーディンに、シグルズによるユグドラシル襲撃の一報が伝えられた。
オーディン「…陽動だな…こちらの人員を割く必要は無い。
魔法石などくれてやれ。
今や代えは幾らでも造れる。」
再びユグドラシル…
メリュジーヌ「増援の気配が無いな…」
シグルズ「チッ…オーディンの野郎…その手は食わねぇか…
だったら普通に魔法石を頂くまでよ。」
烏合の衆を蹴散らして、労せず祭壇の間に辿り着き、そこに祀られた魔法石に向かってメリュジーヌは唱える。
「…忌まわしきアグエル文明により封印されし我が眷族よ…
その戒めを今、解き放たん…」
すると魔法石は砕け散って光の粒子となり、ワイバーンより一回り大きな翼竜の姿を象った。
「我はニーズヘッグ…
我が戒めを解き放てし眷族よ…
汝が力を我に示せば、盟約に従い我が力を授けん。」
ニーズヘッグは舞い上がり、雷撃のブレスを放つ。
メリュジーヌ「射手が居らぬからな…
地上からでは打つ手がない。」
シグルズ「チッ…肝心な時に居ねぇ奴…
ワイバーンは?」
メリュジーヌ「体格差に比例して、少々分が悪い。
汝、補えるか?」
シグルズ「ヘッ、誰に言ってやがる。」
メリュジーヌ「愚問であったな。
では、我の背に乗るがいい。
盟約に従い受け継ぎし翼竜の力と、其を振るうに相応しき姿を解き放たん…」
比較的小柄なワイバーンはニーズヘッグの雷撃をかわし、シグルズの刃圏まで間合いを詰める。
体格で優るとて、その巨体を浮かせるため軽さに特化した身体構造は、シグルズの剣を弾く程の強固な外皮を持ち合わせてはいなかった。
2人は協力して空中戦を征する。
「見事なり…盟約に従い我が力を汝に授けん。」
ニーズヘッグはそう言うと、砕け散って無数の光の粒子となり、メリュジーヌに吸収された。
かくしてメリュジーヌは、雷精より強力かつ広範囲な雷撃魔法を得る。
メリュジーヌ「魔法石は手に入ったが、陽動としては失敗だな。」
シグルズ「オーディンの野郎…魔法石を捨ててでも、2人は渡さねぇか。」
メリュジーヌ「自ら造り出す手段も確立した様じゃからな…」
ユグドラシル出口…
メリュジーヌ「…この気配は…アトモスと言ったか…人造の魔法石、それも複数。
包囲されておるぞ。」
シグルズが外の様子を伺う。
「あれは…ヨトゥンヘイム兵?
ヘッ…!
誇り高い巨人の戦士も、頭が代わったら隣国のパシリかよ。」
塔を取り囲んだヨトゥンヘイム兵達は人工魔石を取り出し念じると、みな次々に意図的異形化した。
「上等だぜ!」
シグルズは、塔に近づいて来る巨人1体の足を斬り付け、倒れ込んだ所で頸動脈を切断する。
だが、すぐさま別の巨人が息を吐くと、それは猛吹雪と化して吹き荒れた。
2人は再び塔内へ逃げ込む。
シグルズ「あのテの攻撃が、お前ら竜の弱点だったな。」
メリュジーヌ「うむ…しかもあの数…いかな我らとて、退けるのは易くないぞ。」
やがて巨人達は、塔の外壁を破壊し始める。
シグルズ「クソ…!
このままじゃジリ貧だぜ。」
メリュジーヌ「このまま塔ごと我らを生き埋めにするつもりか…」
徐々に強度を失った外壁は、やがて自重を支えきれなくなり、ユグドラシルの塔は崩壊を始めた。
続く…
当時は知らなかった事とは言え、君たち助手にも済まない事をしたね。
…ところで…あの時持ち出した魔法石は…?」
シェイミー「…申し訳ありません…テロリストに…」
アリハマ博士「…そうか…
君が無事だったならいいさ。
そんな事よりここ数週間、研究の成果が目覚ましくてね。
私が…いや、我々人類がアグエルの叡智を凌駕する日も、そう遠くないかもしれないよ。」
帝国に潜り込んでいた内通者・パズズに捕われ、アースガルドに護送されているラグナとミシェルを救出する為、陽動と魔法石奪取を兼ねてアースガルドの魔法供給施設・ユグドラシルの襲撃を敢行するシグルズとメリュジーヌ。
シグルズ「陽動だからな。
真正面からド派手に行くぜ!」
メリュジーヌ「生き生きしておるな…」
翼竜へと姿を変えたメリュジーヌの背に乗り、塔の正面入口に降り立つシグルズ。
アースガルド兵
「異形化奇病の背に…シグルズ殿⁉︎」
「あれが、テロリストが飼い慣らしていると噂の異形化奇病か⁉︎」
「シグルズ殿…本当にテロリストになってしまわれたのか…何故…⁉︎」
シグルズ「シグルズ様が魔法石を頂きに来たぜ‼︎
めんどくせぇから、まとめてかかって来な‼︎
命が惜しくねぇ奴ァな‼︎」
群がる兵士達を、翼竜の羽ばたく暴風で吹き飛ばす。
程なく、自ら護送に同行していたオーディンに、シグルズによるユグドラシル襲撃の一報が伝えられた。
オーディン「…陽動だな…こちらの人員を割く必要は無い。
魔法石などくれてやれ。
今や代えは幾らでも造れる。」
再びユグドラシル…
メリュジーヌ「増援の気配が無いな…」
シグルズ「チッ…オーディンの野郎…その手は食わねぇか…
だったら普通に魔法石を頂くまでよ。」
烏合の衆を蹴散らして、労せず祭壇の間に辿り着き、そこに祀られた魔法石に向かってメリュジーヌは唱える。
「…忌まわしきアグエル文明により封印されし我が眷族よ…
その戒めを今、解き放たん…」
すると魔法石は砕け散って光の粒子となり、ワイバーンより一回り大きな翼竜の姿を象った。
「我はニーズヘッグ…
我が戒めを解き放てし眷族よ…
汝が力を我に示せば、盟約に従い我が力を授けん。」
ニーズヘッグは舞い上がり、雷撃のブレスを放つ。
メリュジーヌ「射手が居らぬからな…
地上からでは打つ手がない。」
シグルズ「チッ…肝心な時に居ねぇ奴…
ワイバーンは?」
メリュジーヌ「体格差に比例して、少々分が悪い。
汝、補えるか?」
シグルズ「ヘッ、誰に言ってやがる。」
メリュジーヌ「愚問であったな。
では、我の背に乗るがいい。
盟約に従い受け継ぎし翼竜の力と、其を振るうに相応しき姿を解き放たん…」
比較的小柄なワイバーンはニーズヘッグの雷撃をかわし、シグルズの刃圏まで間合いを詰める。
体格で優るとて、その巨体を浮かせるため軽さに特化した身体構造は、シグルズの剣を弾く程の強固な外皮を持ち合わせてはいなかった。
2人は協力して空中戦を征する。
「見事なり…盟約に従い我が力を汝に授けん。」
ニーズヘッグはそう言うと、砕け散って無数の光の粒子となり、メリュジーヌに吸収された。
かくしてメリュジーヌは、雷精より強力かつ広範囲な雷撃魔法を得る。
メリュジーヌ「魔法石は手に入ったが、陽動としては失敗だな。」
シグルズ「オーディンの野郎…魔法石を捨ててでも、2人は渡さねぇか。」
メリュジーヌ「自ら造り出す手段も確立した様じゃからな…」
ユグドラシル出口…
メリュジーヌ「…この気配は…アトモスと言ったか…人造の魔法石、それも複数。
包囲されておるぞ。」
シグルズが外の様子を伺う。
「あれは…ヨトゥンヘイム兵?
ヘッ…!
誇り高い巨人の戦士も、頭が代わったら隣国のパシリかよ。」
塔を取り囲んだヨトゥンヘイム兵達は人工魔石を取り出し念じると、みな次々に意図的異形化した。
「上等だぜ!」
シグルズは、塔に近づいて来る巨人1体の足を斬り付け、倒れ込んだ所で頸動脈を切断する。
だが、すぐさま別の巨人が息を吐くと、それは猛吹雪と化して吹き荒れた。
2人は再び塔内へ逃げ込む。
シグルズ「あのテの攻撃が、お前ら竜の弱点だったな。」
メリュジーヌ「うむ…しかもあの数…いかな我らとて、退けるのは易くないぞ。」
やがて巨人達は、塔の外壁を破壊し始める。
シグルズ「クソ…!
このままじゃジリ貧だぜ。」
メリュジーヌ「このまま塔ごと我らを生き埋めにするつもりか…」
徐々に強度を失った外壁は、やがて自重を支えきれなくなり、ユグドラシルの塔は崩壊を始めた。
続く…
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