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家に帰りたい
私はクラスで目立たないどこにでもいる普通の女子高生…だった。
ある日一人で帰っていると、同じクラスの、頭がお花畑で痛いので有名なクラスメイトに絡まれた…と思いきや次の瞬間には刺されていた。
彼女とは友達でもなければ話したこともない。というか話してる内容が幼稚すぎというかガキすぎるというか、とにかく相手にしたくないから必要以上に関わりたくなかったから接点がないはずなのに、何故か殺されてしまったのだ。
「お願い神様!私をゲームの世界に連れてって!」
なんか人の血で不気味な魔法陣?みたいなのを書くと、このお花畑女は空に向かって何か言いだした。
まじかよ、そんな黒魔術的なことをすつために私を殺したってこと?というかそんなんで行けるわけないじゃんバカだろ…と思った直後、私の意識は真っ暗になった。
あー死んだか。ごめんよお父さんお母さん、私こんなキチガイ女のせいで先に逝くことになっちゃったよ。
しかし気が付くと私は知らない天井を見ることとなった。
なんだここは?と思った私は起き上がると、知らないおばさんが「まだ寝てるのかい?今日は入学式だろう、遅刻するよ」と言ってきた。どうやらこの寮の寮母さんらしい。
寮母さんに言われるがまま私は制服に着替え、何故か分かった学園への道を歩く…というかもしかして
「ここってゲームの世界?」
『そうだよ』
そういえばあのキチガイ女もゲームの世界に行きたいって言ってた。そのことを思い出すと声が聞こえてきた。脳に響く感じの、男だか女だかわからない謎の声だ。
「え、だれ?」
『お前の言うキチガイ女が神様と呼んでいた存在だ。それとこの声は他の人間には聞こえないから黙っていることをおすすめする』
おすすめされたからにはそうするが、謎の声こと神様?は私に説明してくれた。この世界は私の予想した通り、いつか前にやったことのあるゲームの世界であること。私を殺したあのキチガイ女はこの世界にヒロインとして転生し、イケメンたちとイチャイチャするために私を生贄にしたとのこと。
なるほどわからん。ふざけんなよクソが。マジであの女キチガイじゃねぇか。
なんでお前の逆ハーライフのために私が犠牲にならなきゃいけないんだよ。
とか思ってたら目的地の学園の校門前に到着した…そこであいつを見つけた。姿は変わってもなんでか分かった。
あいつはまさにヒロインって感じの容姿を手に入れて、これからイケメンたちとキャッキャうふふしていくのかと思うとイライラしてきた。
『その心配はいらないと思うぞ』
ふつふつと怒りが湧き上がっていると謎の声は言う。それってどういうこと?
『まあ見てろ』
私の疑問には答えてくれず、もやもやしたまま学園生活を送ることにした。
前世のように目立たず過ごし、あの女の様子を観察してみる…あいつは生徒会長でもあるこの国の第一王子なる男子生徒に声をかけえてアプローチしてるけど、王子様はなんだか不愛想というか…そっけない態度で受け流していた。
他に声かけられた男子生徒もそんな感じだ。みんなあいつに対して好意的じゃない。むしろ嫌悪感丸出しに見える。
さすがにこれはおかしい。私もこのゲームをやったことあるから彼らの性格を知っている。さっきあいつが話しかけている王子は誰にでも分け隔てなくやさしいキャラなのに、あいつを邪険に扱っている。
他の奴らもそんな感じ、ゲームでは最初は冷たくしてくるキャラはいれど、あそこまで露骨ではなかった。
謎の声がいうには、あいつはこの世界への転生を願っても、ゲームのように愛されるようにとは願っていないため、漫画とかでよく見る強制力的なものはないらしい。容姿に至ってはたまたまヒロインとよく似た見た目になっただけだとか。
そして邪険にされている理由だが、あいつの日ごろの行いが彼らをそうさせているのだとか。
日頃から勉強も碌にしないしあいつは攻略対象以外の周囲には偉そうにしてて、自分が一番偉いと勘違いしてるのか命令もしているらしい。聞くやつはいないけど。
『転生させろとは言われたがそういう能力が欲しいとは言われてないからな』
なるほど。つまりあいつはゲームの世界に行きたいと願ったけれど、ヒロインになりたいとかモテたいとか言ってないから、彼らに愛されることはないのだ。
そうとも知らずにあいつはめげずにアタックしてるけど全然効果なしだ。
なんか見てたら笑えてきた。ざまぁみろってんだ。
『ところで元の世界に帰る方法があるとしたらどうする?』
今日もそんな様子を観察していたある日、謎の声は唐突にそんなことを言い出した。
それなら当然戻りたい。私もゲームの世界に行ってみたいと思ったことはあれど実際にそうなって欲しいとは思ってない。
お母さんのご飯食べて、お父さんの趣味である懐かしのアニメを見まくったり、ゲーム仲間と一緒にオンラインゲームしたりしてた生活に戻りたい。
「どうしたらいいの」
『簡単だ、それは…』
*****
そして時は流れ、あの女は処刑台送りになった。私はその様子を民衆たちに交じって見守っている。
あいつがいつまでも見向きしない王子たちにしびれを切らして惚れ薬を入手しようとしていた。それを私は密告したのだ。
『王族に毒を盛ろうとしている女子生徒がいる』と
嘘は言ってない。この国では媚薬も毒の一種として取り扱われている。この国のお偉いさんにそれを使おうとするなんてとんでもないからだ。
そしてそのままあいつは処刑されることとなり、断頭台で首ちょんぱ。処刑が終わり人だかりがなくなり…私は放置されたあいつの遺体に近づく。
『お前を生贄にした女を殺してその血で私を呼び出す魔法陣を書け』
あいつと同じやり方をやれということだ。私は首と胴体が分かれているそれを見下ろす。処刑後はしばらくこうして遺体をさらし者にするそうだ。
…あまり直視したくない。死体なんてまじまじと見るもんじゃない。なるべく私は見ないようにし、必要な血を集める。そして教えられたとおりに魔法陣を描き、願う。
「元の世界に帰りたい」
すると目の前が真っ白になり、気が付けば私は病院にいた。
ぼんやりしているとお母さんたちがやってきて、泣きながら私を抱きしめてくれた。どうやら私は通り魔に刺されて、一命はとりとめたけど一週間眠り続けていたらしい。
犯人は未だ見つかっていないとか…おそらく一生見つからないだろうな。
それから異常がないということで退院し、元の日常に戻ることができた。
だけど…あいつがどれだけ最低なクズでも、直接ではなくても他人の命を奪ったことには変わらない。
自分の願いのために他人を犠牲にした。私もあいつと変わらない……そのことに嫌悪感を抱いていると、不意にあの声が聞こえてくる。
『願いは叶えてやっただろ』
ある日一人で帰っていると、同じクラスの、頭がお花畑で痛いので有名なクラスメイトに絡まれた…と思いきや次の瞬間には刺されていた。
彼女とは友達でもなければ話したこともない。というか話してる内容が幼稚すぎというかガキすぎるというか、とにかく相手にしたくないから必要以上に関わりたくなかったから接点がないはずなのに、何故か殺されてしまったのだ。
「お願い神様!私をゲームの世界に連れてって!」
なんか人の血で不気味な魔法陣?みたいなのを書くと、このお花畑女は空に向かって何か言いだした。
まじかよ、そんな黒魔術的なことをすつために私を殺したってこと?というかそんなんで行けるわけないじゃんバカだろ…と思った直後、私の意識は真っ暗になった。
あー死んだか。ごめんよお父さんお母さん、私こんなキチガイ女のせいで先に逝くことになっちゃったよ。
しかし気が付くと私は知らない天井を見ることとなった。
なんだここは?と思った私は起き上がると、知らないおばさんが「まだ寝てるのかい?今日は入学式だろう、遅刻するよ」と言ってきた。どうやらこの寮の寮母さんらしい。
寮母さんに言われるがまま私は制服に着替え、何故か分かった学園への道を歩く…というかもしかして
「ここってゲームの世界?」
『そうだよ』
そういえばあのキチガイ女もゲームの世界に行きたいって言ってた。そのことを思い出すと声が聞こえてきた。脳に響く感じの、男だか女だかわからない謎の声だ。
「え、だれ?」
『お前の言うキチガイ女が神様と呼んでいた存在だ。それとこの声は他の人間には聞こえないから黙っていることをおすすめする』
おすすめされたからにはそうするが、謎の声こと神様?は私に説明してくれた。この世界は私の予想した通り、いつか前にやったことのあるゲームの世界であること。私を殺したあのキチガイ女はこの世界にヒロインとして転生し、イケメンたちとイチャイチャするために私を生贄にしたとのこと。
なるほどわからん。ふざけんなよクソが。マジであの女キチガイじゃねぇか。
なんでお前の逆ハーライフのために私が犠牲にならなきゃいけないんだよ。
とか思ってたら目的地の学園の校門前に到着した…そこであいつを見つけた。姿は変わってもなんでか分かった。
あいつはまさにヒロインって感じの容姿を手に入れて、これからイケメンたちとキャッキャうふふしていくのかと思うとイライラしてきた。
『その心配はいらないと思うぞ』
ふつふつと怒りが湧き上がっていると謎の声は言う。それってどういうこと?
『まあ見てろ』
私の疑問には答えてくれず、もやもやしたまま学園生活を送ることにした。
前世のように目立たず過ごし、あの女の様子を観察してみる…あいつは生徒会長でもあるこの国の第一王子なる男子生徒に声をかけえてアプローチしてるけど、王子様はなんだか不愛想というか…そっけない態度で受け流していた。
他に声かけられた男子生徒もそんな感じだ。みんなあいつに対して好意的じゃない。むしろ嫌悪感丸出しに見える。
さすがにこれはおかしい。私もこのゲームをやったことあるから彼らの性格を知っている。さっきあいつが話しかけている王子は誰にでも分け隔てなくやさしいキャラなのに、あいつを邪険に扱っている。
他の奴らもそんな感じ、ゲームでは最初は冷たくしてくるキャラはいれど、あそこまで露骨ではなかった。
謎の声がいうには、あいつはこの世界への転生を願っても、ゲームのように愛されるようにとは願っていないため、漫画とかでよく見る強制力的なものはないらしい。容姿に至ってはたまたまヒロインとよく似た見た目になっただけだとか。
そして邪険にされている理由だが、あいつの日ごろの行いが彼らをそうさせているのだとか。
日頃から勉強も碌にしないしあいつは攻略対象以外の周囲には偉そうにしてて、自分が一番偉いと勘違いしてるのか命令もしているらしい。聞くやつはいないけど。
『転生させろとは言われたがそういう能力が欲しいとは言われてないからな』
なるほど。つまりあいつはゲームの世界に行きたいと願ったけれど、ヒロインになりたいとかモテたいとか言ってないから、彼らに愛されることはないのだ。
そうとも知らずにあいつはめげずにアタックしてるけど全然効果なしだ。
なんか見てたら笑えてきた。ざまぁみろってんだ。
『ところで元の世界に帰る方法があるとしたらどうする?』
今日もそんな様子を観察していたある日、謎の声は唐突にそんなことを言い出した。
それなら当然戻りたい。私もゲームの世界に行ってみたいと思ったことはあれど実際にそうなって欲しいとは思ってない。
お母さんのご飯食べて、お父さんの趣味である懐かしのアニメを見まくったり、ゲーム仲間と一緒にオンラインゲームしたりしてた生活に戻りたい。
「どうしたらいいの」
『簡単だ、それは…』
*****
そして時は流れ、あの女は処刑台送りになった。私はその様子を民衆たちに交じって見守っている。
あいつがいつまでも見向きしない王子たちにしびれを切らして惚れ薬を入手しようとしていた。それを私は密告したのだ。
『王族に毒を盛ろうとしている女子生徒がいる』と
嘘は言ってない。この国では媚薬も毒の一種として取り扱われている。この国のお偉いさんにそれを使おうとするなんてとんでもないからだ。
そしてそのままあいつは処刑されることとなり、断頭台で首ちょんぱ。処刑が終わり人だかりがなくなり…私は放置されたあいつの遺体に近づく。
『お前を生贄にした女を殺してその血で私を呼び出す魔法陣を書け』
あいつと同じやり方をやれということだ。私は首と胴体が分かれているそれを見下ろす。処刑後はしばらくこうして遺体をさらし者にするそうだ。
…あまり直視したくない。死体なんてまじまじと見るもんじゃない。なるべく私は見ないようにし、必要な血を集める。そして教えられたとおりに魔法陣を描き、願う。
「元の世界に帰りたい」
すると目の前が真っ白になり、気が付けば私は病院にいた。
ぼんやりしているとお母さんたちがやってきて、泣きながら私を抱きしめてくれた。どうやら私は通り魔に刺されて、一命はとりとめたけど一週間眠り続けていたらしい。
犯人は未だ見つかっていないとか…おそらく一生見つからないだろうな。
それから異常がないということで退院し、元の日常に戻ることができた。
だけど…あいつがどれだけ最低なクズでも、直接ではなくても他人の命を奪ったことには変わらない。
自分の願いのために他人を犠牲にした。私もあいつと変わらない……そのことに嫌悪感を抱いていると、不意にあの声が聞こえてくる。
『願いは叶えてやっただろ』
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