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パターンその4・おまけ
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事故にあって死んでしまった私は、大好きだった乙女ゲームのヒロインに転生していた。
聖女しか使えない光魔法を授かって、いずれこの国を、世界に光を与える聖女として崇められ、イケメンの王子様たちに愛される…そんな夢みたいな生活が待っているのだと思うと胸が躍った。
ゲーム知識を覚えている私は学園生活を彼らと過ごすのに費やした。勉強なんてやってられない。生前もそんなに好きじゃなかったし、王子様達を攻略するのに忙しいのだから、そんなことにかまけてる場合じゃないからだ。
魔法の訓練だって自主的にはやりたくない。訓練とか面倒だし、私はヒロインだからか他の生徒と比べれ強く魔力を持ってるんだから、習わなくたってすぐ使えるようになるわよ。
怪我の治療だってやりたくない。擦り傷とかだったらともかく、怪我って結構グロかったりするし、病気の人とかにも触りたくない。汚いし
聖女候補は訓練の一環として被災地とかに行って怪我人の治療をしたり炊き出ししたりするらしいけど、私は行かなかった。そんな面倒なことしてる暇があるなら、攻略対象たちとデートへ行ったり、おしゃれに気を配った方が有意義だからだ。
そしたら教会から、聖女候補としてそれらしい振る舞いをしろ。そんなことでは他の聖女候補と差がついてしまうと言われたけど…最終的に私が聖女になるのは決まってるんだから別に気にしなくていいわね。私の他にも聖女候補がいるのは驚いたけど、どうせ取るに足らないモブキャラだもの
そうしていく内に月日が経ち、あっという間に悪役令嬢の断罪イベントが終わり、そして待ちに待ったエンディングが近づいてくる。
いよいよ逆ハーお姫様生活が送れるのね!期待に胸を膨らませた私を待っていたのは…他の女が聖女に認定されたという現実だった。
なんで!?どうしてそいつが聖女なの!?ヒロインは私なのにどうしてそんなモブ女が選ばれてるのよ!
ゲームにない展開に頭が付いていけずに私が詰め寄ると、私を愛してくれるはずの王子様がモブ女を私から守るように立ちふさがって説明した。
「確かにキミは最有力候補だったけど、彼女はずっとたゆまぬ努力を続け、周囲に認められるほどの力を得たのだ。それに引き換えキミはこの3年間何をしてきた?私を含める婚約者のいる男子生徒たちに言い寄り、聖女としてすべきことには参加しないどころか勉学にすら励まなかったそうだな。いくら強力な魔力を兼ね備えているとしても、うまく扱うことができなければそれは宝の持ち腐れに過ぎない。実際、キミは簡単な怪我の治療もできないそうじゃないか」
そこまで言われてしまい、私は言葉に詰まってしまう。そして思い出した。確かゲームでも王子様達の攻略をする傍ら、ミニゲームとかでパラメーターを上げることもハッピーエンドクリアの条件だったことも…じゃあこれってバッドエンド!?せっかく悪役令嬢も断罪されてみんなから愛され崇められるお姫様生活が待ってるはずだったのにこんなのってないよ!
私はそのまま学園を卒業した。王子様どころか攻略対象の誰も私に告白してくれず、それぞれの婚約者と結婚した。
私はロクに勉強もしてこなかったから、今では魔法が全く関係ない掃除婦として働き、その日暮らすためのお金を稼いでいる…夢見ていた生活とは全くの逆な生活だ。
「なんでこうなっちゃうのよ!私がゲームのヒロインなのに!」
今日の新聞を見ながら私は叫んでしまった。新聞にはあのモブ女がこの国の大聖女として成長し、私のものになるはずだった王子様と結ばれ、幸せそうな笑顔を振りまいている姿が映っていたのだった…
*****
パターン④
好感度だけあげてもパラメーターがちゃんとクリア条件を満たせてなかったパターン
昔やってた恋愛ゲームでパラメーターを上げなきゃ両想いエンドにならなかったのがあったことを思い出し、書いてみました。
聖女しか使えない光魔法を授かって、いずれこの国を、世界に光を与える聖女として崇められ、イケメンの王子様たちに愛される…そんな夢みたいな生活が待っているのだと思うと胸が躍った。
ゲーム知識を覚えている私は学園生活を彼らと過ごすのに費やした。勉強なんてやってられない。生前もそんなに好きじゃなかったし、王子様達を攻略するのに忙しいのだから、そんなことにかまけてる場合じゃないからだ。
魔法の訓練だって自主的にはやりたくない。訓練とか面倒だし、私はヒロインだからか他の生徒と比べれ強く魔力を持ってるんだから、習わなくたってすぐ使えるようになるわよ。
怪我の治療だってやりたくない。擦り傷とかだったらともかく、怪我って結構グロかったりするし、病気の人とかにも触りたくない。汚いし
聖女候補は訓練の一環として被災地とかに行って怪我人の治療をしたり炊き出ししたりするらしいけど、私は行かなかった。そんな面倒なことしてる暇があるなら、攻略対象たちとデートへ行ったり、おしゃれに気を配った方が有意義だからだ。
そしたら教会から、聖女候補としてそれらしい振る舞いをしろ。そんなことでは他の聖女候補と差がついてしまうと言われたけど…最終的に私が聖女になるのは決まってるんだから別に気にしなくていいわね。私の他にも聖女候補がいるのは驚いたけど、どうせ取るに足らないモブキャラだもの
そうしていく内に月日が経ち、あっという間に悪役令嬢の断罪イベントが終わり、そして待ちに待ったエンディングが近づいてくる。
いよいよ逆ハーお姫様生活が送れるのね!期待に胸を膨らませた私を待っていたのは…他の女が聖女に認定されたという現実だった。
なんで!?どうしてそいつが聖女なの!?ヒロインは私なのにどうしてそんなモブ女が選ばれてるのよ!
ゲームにない展開に頭が付いていけずに私が詰め寄ると、私を愛してくれるはずの王子様がモブ女を私から守るように立ちふさがって説明した。
「確かにキミは最有力候補だったけど、彼女はずっとたゆまぬ努力を続け、周囲に認められるほどの力を得たのだ。それに引き換えキミはこの3年間何をしてきた?私を含める婚約者のいる男子生徒たちに言い寄り、聖女としてすべきことには参加しないどころか勉学にすら励まなかったそうだな。いくら強力な魔力を兼ね備えているとしても、うまく扱うことができなければそれは宝の持ち腐れに過ぎない。実際、キミは簡単な怪我の治療もできないそうじゃないか」
そこまで言われてしまい、私は言葉に詰まってしまう。そして思い出した。確かゲームでも王子様達の攻略をする傍ら、ミニゲームとかでパラメーターを上げることもハッピーエンドクリアの条件だったことも…じゃあこれってバッドエンド!?せっかく悪役令嬢も断罪されてみんなから愛され崇められるお姫様生活が待ってるはずだったのにこんなのってないよ!
私はそのまま学園を卒業した。王子様どころか攻略対象の誰も私に告白してくれず、それぞれの婚約者と結婚した。
私はロクに勉強もしてこなかったから、今では魔法が全く関係ない掃除婦として働き、その日暮らすためのお金を稼いでいる…夢見ていた生活とは全くの逆な生活だ。
「なんでこうなっちゃうのよ!私がゲームのヒロインなのに!」
今日の新聞を見ながら私は叫んでしまった。新聞にはあのモブ女がこの国の大聖女として成長し、私のものになるはずだった王子様と結ばれ、幸せそうな笑顔を振りまいている姿が映っていたのだった…
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パターン④
好感度だけあげてもパラメーターがちゃんとクリア条件を満たせてなかったパターン
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