もしもゲーム通りになってたら？

パターンその３・おまけ

✳︎おまけです。

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事故で死んでしまった私は、気が付いたら大好きだった乙女ゲームの主人公として転生していた。

最初は驚いたけど、夢にまで見たゲームの世界に転生したんだから楽しまないと！

どうせなら逆ハールートを攻略したいなー。イケメン達に愛されて、誰もが羨むお姫様生活を送るの！

そのために私は、すっかり暗記できるほど覚えた逆ハールートへの手順を踏んで、彼らと親交を深めていった。

途中で悪役令嬢にイジメられたけど、この先に待つ未来のことを思うとなんてことないわ！精々つかの間の平穏を味わってなさい！

悪役令嬢の嫌がらせもなんのその、あっという間に私は彼らの好感度も最大にまで上がり、ついに待ちに待ったエンディング！

あの生意気で意地悪な悪役令嬢も断罪され、私はこの国で何よりも尊い聖女として、皆から愛される存在として幸せな人生を歩むの！

…そう思ったその時だった。

「………え？」

私は呆然とした。だってさっきまでエンディングを迎えて、彼らにエスコートされながら城に向かってたはずだったのに…

「ここって…学園の、校、門？」

「やぁ、そこでどうかしたの？」

気が付けば私は一人で、学園の校門前に立っていた。

何が起こってるの？私が呆然としていると、攻略対象の王子様が、まるで初めて会ったかのように声をかけてきた。
覚えてる。そう、これは…出会いイベントだ。

「もしかして…最初に戻されたの？」

王子様を見送り、私はつぶやく。
思えばこのゲームは確か、エンディングを迎えたら周回プレイとして最初からやり直しになる仕様だった。

ということは私はこれから先、エンディングを迎えるたびに、また最初に戻されるってこと……？

それから私は何度も攻略した。

逆ハールートを何回もやり直した。彼らの個別ルートも攻略した…バッドエンドも迎えた。

だけど何度繰り返しても、何を試しても私はエンディングのその先を迎えることなく、またゲームの最初に戻されてしまう。

元の世界に戻ることすら叶わず、同じセリフ、同じ選択肢を選んでいく内に私は考えるのはやめた。


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パターンその３
ゲームのエンディングを迎えたらまた最初からやり直すこととなるパターン

無限ループが一番つらい。