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売りやすくするためにマーケティング。その3
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思いの外、早く“いざという時”が来たかもしれない。
「姫、何故トラップの種類は豊富なのに、モンスターは全く居ないのでしょうか?」
「それは、トラップが好きだからね。……ごめーんね。怒っちゃヤダ」
「……もういいです」
売りやすいダンジョンに作り変えようと、ミッツは1階の編集画面を開き設置物を選択しようとしたところ――
――モンスター(0)
既に設置されている数だろうかと、続き選択――
――選択出来るモンスターはいません。
ミッツは引き攣りそうになる。
だが、まだ望みが無いわけでは無い。
――《モンスターを解放する》
地獄に垂れた蜘蛛の糸。
迷いなく押す。
ミッツには、そのアイコンが輝いて見えていたに違いない。
小さく無い問題が発生した。
初めから問題だらけのこの状況だから、大した変化では無いとも言えたが、それは当人達には言ってはならない。
消滅までのタイムリミットを削るかどうか。
6日しかない残りの内の1日を支払うか、4日を支払うかの選択。
モンスターをダンジョンに配置するためには、3つのダンジョンポイント消費が待っていた。
一つは、新モンスターの解放。これは解放時に一度支払うだけで済むが、それなりに纏まった額を必要とする。
二つ目。モンスターは1匹づつの購入では無い。モンスターを一定時間毎に生み出す【モンスター発生器】をダンジョンのフロアに設置すれば、自動で産み続ける。
この【モンスター発生器】をフロアに設置するのにも、当然の如く費用が発生する。
三つ目。【モンスター発生器】の維持のコスト。
他にも例外に発生することはあるにはあるが、基本はこうだ。
「どうしたものか……」
「やっぱり、トラップで冒険者を倒した方が良いんじゃ――」
「――姫、それは忘れると言ったじゃ無いですか。それより、このモンスター、どんなモンスターなのですか?」
「えーっと、一番弱いモンスターだよ」
「一番弱いのは【スライム】じゃないんですか?」
「【スライム】は、それと同じ魔法生物系だけど、もっと強いやつだよ」
画面には写真もなく、モンスターの名称と必要なコストが記載されているのみ。
現在解放候補のモンスターは2種類。
解放100DPの魔法生物系の【跳び掛かる硬貨】か500DPの亜人系の【直立する狗】だ。
ミッツが思う最弱モンスターの【スライム】も【ゴブリン】も候補に無い。ゲームで得たモンスター知識は、当て嵌らなかったようだ。
どちらも、名前から見た目と弱さが想像出来るようで出来ない微妙なライン。
姫も『どっちも弱いモンスター』これ以上の情報を持ち合わせていない。
ミッツは勿論ヘルプのモンスターの項目も確認したが、未解放のモンスター情報はロックされていたので、頼れるものは勘だけとなってしまう。
モンスターを配置しないという選択も覚悟はしていたミッツだが、選べるのに選ばないというのは並の胆力では選択できない。
ミッツはそこまで豪胆では無い。それどころか、一介の社畜でしかないのだ。
悩む。
大いに悩む。
「こっちにします。……どう思いますか?」
「んー。分かんない」
悩んだ末に出した結果は、【跳び掛かる硬貨】。
理由は、悩んでもどういったモンスターか分かる筈もなく、結局コストを比較しただけのこと。
そして、より余裕の残る方を選択した消極的選択という結果。
正解の分からない命が掛かった選択。これが吉と出るか凶と出るかは、まだ2人には分からない。
早速1階に【モンスター発生器】を設置し、【跳び掛かる硬貨】を発生させてみる。
日付の切り替えまで待った方がお得だが、【モンスター発生器】の設置費用は一度切り、それに【跳び掛かる硬貨】の維持コストは1日1DEという安さ。
なので、商材を理解するために、どのようなモンスターか確認しようと先行したのだ。
「ねぇミッツ。これで本当に大丈夫なの?」
「ま、任せてください。問題ありません……恐らく、問題ないはずです……」
実際に1階に上がって戦ってみたところ、2人を不安が襲う。
設置時の簡易説明に『落ちている硬貨の振りをして、ダンジョンで獲物を待ち構える魔法生物。不用意に近づくと集団で襲いかかる』と書かれていたので少しは期待したのだが――
感覚的に一番近いのは、コガネムシ科に属する昆虫、金蚉。
何か打つかったなという衝撃しかない威力の体当たり。手の平で叩き落とすだけで倒せる機動性と耐久力。
「モンスターってより、虫じゃねえか!」
思わずミッツが叫んでしまったほどだ。
それでも、社長の命令は絶対。社畜にノーという権利は無い。成否を問われたら“出来る”か“実行する”の答えしか用意されていないのだ。
例え唯一の雑魚モンスター、謂わば主力モンスターが想定外に弱くても、“出来ません”とは口が裂けても言えなかった。
――選択を誤った。
ミッツが密かにそう思ってしまったのも、しかたがないことだろう。
疑う余地の無い正真正銘最弱のモンスター【跳び掛かる硬貨】。
当然この弱さだから、得られる経験値もドロップアイテムも、大した物であるなんてことはない。
基本的にモンスターが強ければ強いほど、冒険者に取って見返りが大きくなる。
同じように、強い冒険者からの方が得られるダンジョンエナジーは多くなる。
だがしかし、冒険者はモンスターを倒せなければ、モンスターは冒険者を痛めつけなければ得られるものは何も無い。
即ち、弱すぎる【跳び掛かる硬貨】は冒険者から見れば特に旨味のあるモンスターではなく、ダンジョンに取っては冒険者からダンジョンエナジーを回収出来るようなモンスターではないということだ。
せめてもう少しだけでもダンジョンエナジーが残っていれば、もっと真面なモンスターが用意出来たかもしれない。
だがそんなことを嘆いても、無い袖は振れないのだ。手元にあるもの、いや、何もなくても結果を出さねばならないのが、社畜としての使命なのだから。
残り日数の少なさから、地道に広告・広報活動を行なっている余裕はない。
なのでミッツは、『知らせること』を目的達成とするのではなく、購買行動に直接結びつける“プロモーショナルマーケティング”を考えていた。
それには、“戦略”・“手法”・“ツール”。用意しなくてはいけないことも沢山ある。
そして、それらを用意するのには“知識”と“時間”が必要不可欠。
「そういえば……」
そこでミッツは、普段から不規則のため重要視していないが、生きていく為には欠かす事が出来ない事柄を思い出す。
感覚的には1度、常人であれば3度行なっていても不思議でない時間が経過しているはずの事柄。
「姫、お腹減ってませんか?」
「ミッツは何か食べたいの?」
一体何を言っているのか分からないといったように、自然に質問を返される。
それをミッツは、『飯なんて食えると思っているのか?』という躾を施されていると解釈。
社畜は結果を出さねば休憩などない。
であるからして、ミッツに休憩はない。Q.E.D.
普段から遅い時間に飯を食っているため、飯が食えなくてもそれほど空腹は苦にならない。特に今は強がりでもなんでもなく、ミッツはこれっぽっちも腹は減っていなかった。
そう解釈したのだが――
「食べる必要ないけど、食べたいなら食べる?」
「えっ!? 食事しなくていいんですか!!」
「食べたいんじゃないの?」
ミッツに取って、驚くべき発見と朗報。
モンスターの体は食事をする必要などない。
食事だけではない。睡眠もいらない。排泄もしない。
これだけの間、尿意すら感じなかったので気付いても可笑しくはないのだが、全く気付いていなかった。
『24時間戦えますか?』と、昔の栄養剤のCMでサラリーマンに問いかけていたそうだが、今ならそんなものがなくても24時間戦える。サビ残も泊まり込みも余裕で熟せる。間違いない。
目の前には、どのように解決するのか取っ掛かりすら見えていない問題があるというのに血が滾っている。
今晩も徹夜は確定だが、寧ろ心地良い。
ミッツは謎の万能感に包まれていた。
少しミッツの行動から離れ、この世界の時間というものを説明しておこう。
現在の時刻は“風の後刻”。日本の時間で表すと、大体午後8時くらいといったところである。
日の出から日没までを“光の時間”といい、水の前刻、水の後刻、水土の刻、土の前刻、土の後刻と進んで行く。日没から日の出までは“闇の時間”で、風の前刻、風の後刻、風火の刻、火の前刻、火の後刻と進んでいく。
1刻は100分。1分は100秒。なので、地球より1日が長い。
尚、正確な規則を知らないままでも、ダンジョンコンソール上に於いて時刻はアナログ時計の様な表示がされていた為、大雑把ではあるがミッツは時間を認識出来ていた。
ただ、ミッツの常識では天辺を指すのは0時若しくは12時――即ち昼間と夜中なのに対し、此方では明け方と夕方くらいに天辺を指す事になるという大きな違いは、ダンジョン内ということで景色から時間を予測することは敵わず、どれくらいの時間が経過したかという目安以上の意味は持ち合わせていなかった。
「姫、何故トラップの種類は豊富なのに、モンスターは全く居ないのでしょうか?」
「それは、トラップが好きだからね。……ごめーんね。怒っちゃヤダ」
「……もういいです」
売りやすいダンジョンに作り変えようと、ミッツは1階の編集画面を開き設置物を選択しようとしたところ――
――モンスター(0)
既に設置されている数だろうかと、続き選択――
――選択出来るモンスターはいません。
ミッツは引き攣りそうになる。
だが、まだ望みが無いわけでは無い。
――《モンスターを解放する》
地獄に垂れた蜘蛛の糸。
迷いなく押す。
ミッツには、そのアイコンが輝いて見えていたに違いない。
小さく無い問題が発生した。
初めから問題だらけのこの状況だから、大した変化では無いとも言えたが、それは当人達には言ってはならない。
消滅までのタイムリミットを削るかどうか。
6日しかない残りの内の1日を支払うか、4日を支払うかの選択。
モンスターをダンジョンに配置するためには、3つのダンジョンポイント消費が待っていた。
一つは、新モンスターの解放。これは解放時に一度支払うだけで済むが、それなりに纏まった額を必要とする。
二つ目。モンスターは1匹づつの購入では無い。モンスターを一定時間毎に生み出す【モンスター発生器】をダンジョンのフロアに設置すれば、自動で産み続ける。
この【モンスター発生器】をフロアに設置するのにも、当然の如く費用が発生する。
三つ目。【モンスター発生器】の維持のコスト。
他にも例外に発生することはあるにはあるが、基本はこうだ。
「どうしたものか……」
「やっぱり、トラップで冒険者を倒した方が良いんじゃ――」
「――姫、それは忘れると言ったじゃ無いですか。それより、このモンスター、どんなモンスターなのですか?」
「えーっと、一番弱いモンスターだよ」
「一番弱いのは【スライム】じゃないんですか?」
「【スライム】は、それと同じ魔法生物系だけど、もっと強いやつだよ」
画面には写真もなく、モンスターの名称と必要なコストが記載されているのみ。
現在解放候補のモンスターは2種類。
解放100DPの魔法生物系の【跳び掛かる硬貨】か500DPの亜人系の【直立する狗】だ。
ミッツが思う最弱モンスターの【スライム】も【ゴブリン】も候補に無い。ゲームで得たモンスター知識は、当て嵌らなかったようだ。
どちらも、名前から見た目と弱さが想像出来るようで出来ない微妙なライン。
姫も『どっちも弱いモンスター』これ以上の情報を持ち合わせていない。
ミッツは勿論ヘルプのモンスターの項目も確認したが、未解放のモンスター情報はロックされていたので、頼れるものは勘だけとなってしまう。
モンスターを配置しないという選択も覚悟はしていたミッツだが、選べるのに選ばないというのは並の胆力では選択できない。
ミッツはそこまで豪胆では無い。それどころか、一介の社畜でしかないのだ。
悩む。
大いに悩む。
「こっちにします。……どう思いますか?」
「んー。分かんない」
悩んだ末に出した結果は、【跳び掛かる硬貨】。
理由は、悩んでもどういったモンスターか分かる筈もなく、結局コストを比較しただけのこと。
そして、より余裕の残る方を選択した消極的選択という結果。
正解の分からない命が掛かった選択。これが吉と出るか凶と出るかは、まだ2人には分からない。
早速1階に【モンスター発生器】を設置し、【跳び掛かる硬貨】を発生させてみる。
日付の切り替えまで待った方がお得だが、【モンスター発生器】の設置費用は一度切り、それに【跳び掛かる硬貨】の維持コストは1日1DEという安さ。
なので、商材を理解するために、どのようなモンスターか確認しようと先行したのだ。
「ねぇミッツ。これで本当に大丈夫なの?」
「ま、任せてください。問題ありません……恐らく、問題ないはずです……」
実際に1階に上がって戦ってみたところ、2人を不安が襲う。
設置時の簡易説明に『落ちている硬貨の振りをして、ダンジョンで獲物を待ち構える魔法生物。不用意に近づくと集団で襲いかかる』と書かれていたので少しは期待したのだが――
感覚的に一番近いのは、コガネムシ科に属する昆虫、金蚉。
何か打つかったなという衝撃しかない威力の体当たり。手の平で叩き落とすだけで倒せる機動性と耐久力。
「モンスターってより、虫じゃねえか!」
思わずミッツが叫んでしまったほどだ。
それでも、社長の命令は絶対。社畜にノーという権利は無い。成否を問われたら“出来る”か“実行する”の答えしか用意されていないのだ。
例え唯一の雑魚モンスター、謂わば主力モンスターが想定外に弱くても、“出来ません”とは口が裂けても言えなかった。
――選択を誤った。
ミッツが密かにそう思ってしまったのも、しかたがないことだろう。
疑う余地の無い正真正銘最弱のモンスター【跳び掛かる硬貨】。
当然この弱さだから、得られる経験値もドロップアイテムも、大した物であるなんてことはない。
基本的にモンスターが強ければ強いほど、冒険者に取って見返りが大きくなる。
同じように、強い冒険者からの方が得られるダンジョンエナジーは多くなる。
だがしかし、冒険者はモンスターを倒せなければ、モンスターは冒険者を痛めつけなければ得られるものは何も無い。
即ち、弱すぎる【跳び掛かる硬貨】は冒険者から見れば特に旨味のあるモンスターではなく、ダンジョンに取っては冒険者からダンジョンエナジーを回収出来るようなモンスターではないということだ。
せめてもう少しだけでもダンジョンエナジーが残っていれば、もっと真面なモンスターが用意出来たかもしれない。
だがそんなことを嘆いても、無い袖は振れないのだ。手元にあるもの、いや、何もなくても結果を出さねばならないのが、社畜としての使命なのだから。
残り日数の少なさから、地道に広告・広報活動を行なっている余裕はない。
なのでミッツは、『知らせること』を目的達成とするのではなく、購買行動に直接結びつける“プロモーショナルマーケティング”を考えていた。
それには、“戦略”・“手法”・“ツール”。用意しなくてはいけないことも沢山ある。
そして、それらを用意するのには“知識”と“時間”が必要不可欠。
「そういえば……」
そこでミッツは、普段から不規則のため重要視していないが、生きていく為には欠かす事が出来ない事柄を思い出す。
感覚的には1度、常人であれば3度行なっていても不思議でない時間が経過しているはずの事柄。
「姫、お腹減ってませんか?」
「ミッツは何か食べたいの?」
一体何を言っているのか分からないといったように、自然に質問を返される。
それをミッツは、『飯なんて食えると思っているのか?』という躾を施されていると解釈。
社畜は結果を出さねば休憩などない。
であるからして、ミッツに休憩はない。Q.E.D.
普段から遅い時間に飯を食っているため、飯が食えなくてもそれほど空腹は苦にならない。特に今は強がりでもなんでもなく、ミッツはこれっぽっちも腹は減っていなかった。
そう解釈したのだが――
「食べる必要ないけど、食べたいなら食べる?」
「えっ!? 食事しなくていいんですか!!」
「食べたいんじゃないの?」
ミッツに取って、驚くべき発見と朗報。
モンスターの体は食事をする必要などない。
食事だけではない。睡眠もいらない。排泄もしない。
これだけの間、尿意すら感じなかったので気付いても可笑しくはないのだが、全く気付いていなかった。
『24時間戦えますか?』と、昔の栄養剤のCMでサラリーマンに問いかけていたそうだが、今ならそんなものがなくても24時間戦える。サビ残も泊まり込みも余裕で熟せる。間違いない。
目の前には、どのように解決するのか取っ掛かりすら見えていない問題があるというのに血が滾っている。
今晩も徹夜は確定だが、寧ろ心地良い。
ミッツは謎の万能感に包まれていた。
少しミッツの行動から離れ、この世界の時間というものを説明しておこう。
現在の時刻は“風の後刻”。日本の時間で表すと、大体午後8時くらいといったところである。
日の出から日没までを“光の時間”といい、水の前刻、水の後刻、水土の刻、土の前刻、土の後刻と進んで行く。日没から日の出までは“闇の時間”で、風の前刻、風の後刻、風火の刻、火の前刻、火の後刻と進んでいく。
1刻は100分。1分は100秒。なので、地球より1日が長い。
尚、正確な規則を知らないままでも、ダンジョンコンソール上に於いて時刻はアナログ時計の様な表示がされていた為、大雑把ではあるがミッツは時間を認識出来ていた。
ただ、ミッツの常識では天辺を指すのは0時若しくは12時――即ち昼間と夜中なのに対し、此方では明け方と夕方くらいに天辺を指す事になるという大きな違いは、ダンジョン内ということで景色から時間を予測することは敵わず、どれくらいの時間が経過したかという目安以上の意味は持ち合わせていなかった。
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