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「両者共にダウーン! 立ち上がれませんっ! こーれーはー……」
「ダブルノックアウトだねえ」
大型モニターから流れるアナウンスに、もつれ合うように倒れたままシュネーは小さく嘆息した。
「どうにも締まらない結末ですわね」
そう呟きながらも、シュネーの顔には満足そうな微笑みが浮かんでいた。
ヒルデガルド自身が相手ではないとはいえ、この一戦でシュネーは胸の奥に潜み続けた後ろめたさを受け入れていた。
元より、ヒルダとの再戦が叶うはずもないのだ。
過去は過去であり、失われた者は還りはしない。
彼女への意趣返しをする機会は永遠に訪れない。
そして、ヒルダと黒髪の彼女への後ろめたさを抱えつつ数十年護り続けた王座もまた、決して無価値では無いはずだ。
ヒルダの面影を持ちながらも明確に別人であるフリスとの一戦を経て、シュネーは改めてその事実を噛み締めていた。
疑似精神に安定をもたらす納得を得られたという意味で、良い戦いであったとシュネーは思う。
「まあ、どうでもいいですけど……」
一方、気のない台詞を口にするフリスの表情は憮然としており、言葉とは裏腹の不満を露わにしていた。
メイデンバトルに出場する事自体乗り気ではないフリスだったが、やるからには勝利を掴むつもりであった。
その結果がダブルKOとあっては消化不良も甚だしい。
フリスは内心の苛立ちを隠しもせず、己の上にのし掛かるシュネーを睨み付けた。
「いい加減に退いて下さい、もう馬鹿馬鹿しい出し物はお終いなんでしょう」
「退けと言われましても、まだ私の機体は撃破判定を受けたままですし……」
二体のメイデンはフリスが最後に敢行した突進の勢いのまま激突し、一塊にもつれて転がっていた。
シュネーが上になる姿勢でフリスの顔を豊かな胸で押しつぶすような体勢である。
「相打ちでも終了は終了でしょうに、いい加減機体の制御を返して貰えないんでしょうか」
首から下の制御が利かないままでは、目の前のシュネーの巨乳を押しのける事もできない。
ぼやくフリスを尻目に、大型モニターの中ではフィッシャーと解説ちゃんの会話が続いていた。
「ここ数十年、シュネー嬢の天下でダブルKOの記録はありませんが、この場合どうなるのでしょうか?」
「そうだねえ、勝者なしだからお楽しみもなし……」
場内から物凄いブーイングが上がった。
「ってなったら、みんな納得しないよねえ?」
観客達は同意の雄叫びを上げ、床を踏み鳴らして応じる。
「なので、第2ラウンドだ!
戦場はベッドの上! 攻め手はどっちも!
裸一貫で勝負してもらおうか、セックスバトルだよ!」
「はぁぁ!?」
フリスは血相を変えて立ち上がった。 いつの間にか機体の制御が戻っている。
歓声に湧きあがる場内に反発するように叫んだ。
「ふ、ふざけないでください! ダブルKOならノーカウントでいいじゃないですか!」
モニターの中の解説ちゃんはフリスを見下ろすと、小悪魔染みた微笑みを浮かべて小首を傾げた。
「あれれぇ、フリスちゃん、戦意喪失? 戦闘放棄?」
「戦闘じゃなくって見世物でしょうが!」
「いいよー、別にフリスちゃんにやる気がなくても。
シュネーちゃんがしっかり可愛がってくれるからさ-」
解説ちゃんの台詞にフリスは白銀の淑女に鋭い視線を向けた。
立ち上がったシュネーは土埃をはたきながら苦笑する。
「まあ、これもお勤めですから。
私、メイデンのお相手に関しては百戦錬磨と自負しております。
気持ちよくしてさしあげましてよ?」
「くっ……」
淑女の微笑みにフリスはぞっとして豊かな胸をかき抱いた。
いっそ本気でレーザーを叩き込み全部ぶち壊しにしてやりたいとも思うが、フリスの制御系にレーザークリスタルと武装ユニットの操作権限は戻ってきていない。
体ひとつの勝負に武器はいらないという事であろうが、力任せの反逆も企てる事ができずフリスは唇を噛んだ。
半ばやけくそで大型モニターを睨みつける。
「本当にこのタウンの連中と来たら……いいでしょう、やってやろうじゃないですか!」
「よく言ったぁ! それじゃあ、お楽しみタイムだ!」
「あー、その、解説ちゃん、ひとつ懸念があるのですが」
ノリノリで煽る解説ちゃんにフィッシャーが口を挟んだ。
「シュネー嬢は『守護者の剣』をお持ちですが、フリス嬢は無手です。
互いに攻めあう以上、シュネー嬢が『守護者の剣』を用いるのはアンフェアでしょう。
今回、『守護者の剣』は置くべきでは?」
フィッシャーの提案に場内から不満の唸りが上がった。
敗者をディルドーで貫くフィニッシュを毎度楽しみにしている観客たちとしては、『守護者の剣』なしでは物足りないのだ。
「うーん……それじゃあ、フリスちゃんの方にも『剣』を用意しよう!
みんなちょっと待ってて、製造部ですぐに作らせるから!
20分くらい休憩ね!」
解説ちゃんはそう言い捨てると、モニターの中から姿を消した。
フィッシャーだけが残る解説席の映像を見上げ、フリスは不審げに呟く。
「……剣?」
「フィオくぅーん!」
解説席のある放送室からVIPルームまで全力ダッシュしてきたナコは、ドアを開けるなりフィオに飛びついた。
「放送聞いてたよね? さあ準備するよ!」
「じゅ、準備!?」
話の流れについて行けないフィオは目を白黒させる。
助けを求めてデュークへ顔を向けるも、老武人は恐ろしく自然な仕草で虚空に視線をさまよわせ目を合わせない。
「隣の部屋行くよ、フィオくん!」
「ちょ、ちょっとぉ!?」
小型のSSフレームながらもメイデンのパワーで引っ張られては逆らえない。
真の漢として覚醒しようとも、フィオの腕力は貧弱な坊やのままだった。
隣室、予備のVIPルームへと引きずり込まれてしまう。
「何すんですか、一体」
ほとんど投げ出されるような勢いでソファに座らされたフィオは、流石に不愉快そうに顔を歪めた。
だが、時間を気にするナコはフィオの不機嫌に頓着しない。
「聞いてたでしょ? 20分しかないの、フリスちゃんの『剣』を用意するよ!」
「剣って……そんなもん、どこにあるんですか」
「あるじゃない、ここに♡」
ナコはねっとりとした手付きでズボンの上からフィオの股間を撫で上げた。
フィオの頭の中で諸々の事情が連結される。
「……シュネーさんの持ってた張り型ってまさか」
「うん、デュークちゃんのだよ」
「何やってんですかデュークさん……」
常識的な人だと思っていたのに、と内心かなりがっかりするフィオ。
「このままじゃフリスちゃん一方的に串刺しだよー。
フィオ君の『真の漢の剣』で反撃しなきゃ!」
「そのネーミングやめてください、色んな意味で」
「じゃあ『砂潜りの剣』で」
ナコはソファに座ったフィオの両足の間に跪くと、手早くベルトを外した。
強引なマザーメイデンに最早抗う気力もなくフィオはなすがままだ。
下着をずらして皮を被った年相応の大きさの逸物を引っ張り出すと、ナコはフィオの顔を見上げる。
「ボクの口で君のモノの型を取るよ。
データを製造部に転送すれば3Dプリンタですぐに出来上がるから。
しっかり大きくしてね♡」
未だ柔らかいフィオのペニスにナコは桜色の唇を寄せた。
カバーが掛かったままの先端に息を吹きかけ軽くキスを送ると、ぱくりと丸呑みにするかのように口に含む。
「うっ……」
たっぷりと潤んだ熱い粘膜の感触にフィオは背筋を震わせた。
タウン48を発ってから、若い精力を発散させる機会に恵まれていない。
フリスと二人旅ならあるいはその時間もあったかも知れないが、ヒュリオとスゥも一緒とあってはフィオとて自重する。
久方ぶりの性感に若い陰茎はみるみると硬度を増していった。
「ん……」
ナコは蒼い瞳を見張る。
口の中で膨れ上がっていく逸物の膨張率は異様とも言える程だ。
あっという間に口内を占拠し、喉奥にまでも侵入していく。
「んむぅぅ……♡」
ナコは瞳を細めると幹に舌先で幹をなぞった。
柔らかな舌で丁寧に上下に擦る内に、逸物は雄々しさを増していく。
「ぷあっ♡ なんだぁ、フィオくん結構立派なの持ってるじゃない♡」
ナコの声音は楽しげで、満更リップサービスという訳でもないらしい。
「フリスが言うにはどんどん大きくなってるらしいです」
小柄なフィオの股間にそそり立つ逸物は、彼の体格からすれば不釣り合いな程の大きさに膨れ上がっている。
ヴァトーのように人間の範疇から逸脱したサイズではないものの、十分に大きい。
かつては貧弱なソーセージだったとは思えない成長ぶりであった。
「ふぅん、真の漢だからなのかなぁ?」
ナコは小首を傾げながら、己の唾液に塗れた逸物に細い指先を絡めた。
「んっ♡ れろ……♡」
包皮の下から顔を出したピンク色の亀頭を舌先でキャンディーのように舐めつつ、幹を握った両手を上下に動かす。
柔らかな手のひらが堅い幹の凹凸全てを覚えようとするかのように密着してくる。
タウン75最高権力者が己の前に跪き、熱心に奉仕する様にフィオはごくりと唾を呑んだ。
単純な快感だけではない、優越感のようなものが腹の奥からじわりと湧く。
仮にもマザーがこんな事をする相手など、そうそう居ようものか。
「ナコ様、上手いですね。 こんなのどこで覚えたんです?」
「タウン75のメイデン達からのフィードバックだよ。
集めたデータの再現だけど、結構いい感じでしょ?」
体型的にできないご奉仕もあるけどねーと自らの胸元に視線を落としながら続ける。
エプロンドレスに包まれたナコの胸は平坦で、スコールとどっこいのまな板っぷりだ。
「まあ、それはそれで……小さいのも趣があると思いますし」
「フィオくんは口が上手いねー、ボク、嬉しくなっちゃうよ」
ナコは愛らしい顔に満面の笑みを浮かべると、片手を己の下腹に当てた。
「そんな事言ってると、ボク、ここに欲しくなっちゃうよ?
タウン75のマザーのマスターに、なってみる?」
思いのほか真摯な声音で囁かれた言葉に、軽口を叩いていたフィオの舌が凍り付いた。
「い、いや、流石にそれは……」
思わず口ごもるフィオを見上げ、ナコは悪戯っぽく笑う。
「冗談冗談! さ、びっくりしておちんちん小っちゃくなっちゃう前に、型を取っちゃおうね!」
ナコは大きく口を開けると、フィオの逸物を根元まで呑み込んだ。
そのまま頬を窄めて吸引する。
潤んだ口腔粘膜がぴったりと肉槍に吸い付いてくる感触にフィオは思わず呻きを漏らした。
「ん……♡ じゅぷ……♡」
そのままナコはゆっくりと頭を前後に動かし始める。
「ナ、ナコ様?」
型取り自体は喉まで咥えた時点で完了している。
ナコの動きは明らかに射精を促すものだ。
「んっ♡ んじゅっ♡ んぶっ♡」
唇の端から涎が垂れる。
ナコの口腔粘膜は肉槍をすっぽりと包み込み、中身を吐き出せとばかりに絞り上げてくる。
熱烈なフェラチオを行いながら見上げるナコの頬は上気して桜色に染まり、瞳にはからかうような光が浮かんでいた。
「くっ……このっ!」
そっちがその気なら、もう遠慮はしない。
フィオはナコの柔らかな金髪に指を突っ込むと、頭を両手で掴んで荒々しく動かした。
激しいイラマチオを強要する。
「んぶぅっ♡ んぐっ♡ んんぅっ♡」
ぺたりと床に尻をつけたナコの口を存分に犯す。
ナコのエプロンドレスはメイド服を思わせるデザインで、フィオは小さなメイドに無体を働いているかのような倒錯的な興奮を覚える。
彼女の本来の立場を思えば尚更高ぶった。
「くぅっ、ナコ様っ!」
ぐっと両腕を引き、ナコの頭を引き寄せる。
フィオの股間にナコの顔が押しつけられ、喉の奥深くまで逸物が突き立った。
目を白黒させるナコの喉奥で、思う存分ぶちまける。
「んんんーーっ♡♡♡」
悲鳴とも歓喜ともつかない呻きを漏らすナコの喉に真の漢の精液が注ぎ込まれる。
「んっ♡ んくっ♡ んぐっ♡」
喉の奥で跳ね返り口内に逆流する粘度の高い液体を、ナコは目尻に洗浄液を浮かべながら呑み下していった。
「ぷぁ……♡」
真っ赤に顔を染めたナコが蒼い瞳を潤ませて唇を開くと、出したばかりながら硬度を失わない肉槍がぶるんと飛び出した。
鈴口から飛び散った残り汁が半ば呆けたナコの可憐な顔を汚す。
「ボクの口、フィオくんのオナホにされちゃった……♡」
「……すいません」
唇の端から垂れる精液混じりの涎も拭わずに呟くナコに、フィオは思わず謝った。
出す物を出して理性が戻ってくると、流石にやらかしてしまったという思いが湧いてくる。
内心焦るフィオであったが、ナコは鷹揚に微笑んだ。
「いいよいいよ、溜まってたんでしょ? ちょっとはすっきりしたかな?」
ぺろりと舌を伸ばして口の周りに飛び散った残り汁を舐め取り、立ち上がる。
「それじゃ、向こうのVIPルームで待っててよ。
すぐに準備して試合再開だからさ」
「は、はい」
ズボンを上げたフィオはナコに急かされて隣室へと向かう。
フィオを追い出したナコは大きく吐息を吐き出すと、たった今までフィオが座っていたソファに崩れ落ちるように腰を下ろした。
「やっばぁ……ジェネレーターすっごい回りっぱなしだよぅ……」
頬の紅潮が治まらないまま、ナコはロングスカートの裾をつまんでめくり上げる。
彼女の股間を覆う青白ストライプの縞パンは内側から溢れ出す蜜でぐっしょりと濡れ、ぷっくりとした秘唇の形が浮き出していた。
「うわぁ……こんなんなっちゃってる……」
おそるおそる指を伸ばし、クロッチの上からでも位置が判るほどに勃起したクリトリスに触れる。
「ひぅっ♡」
電撃のように走り抜けた快感にナコは背を仰け反らせた。
全身がおそろしく過敏になっている。
フィオの、真の漢の精液が原因であるのは明白だ。
ナコの子宮ユニットは、経口摂取で人工胃に取り込んだ真の漢の精液をこっちに寄越せと疼き続けている。
「口から飲んだだけでこんなになっちゃうなんて、直に注がれちゃったらどうなるんだろ。
フリスちゃん、いっつもこんなの味わってるのかな……」
じんじんと切なく疼く陰核を持て余しながら呟いたナコの声音には、知らず羨望の色が宿っていた。
今、彼女の人工胃にはフィオの精液が入っている。
これを取り出して子宮ユニットに注ぎ入れれば……。
そこまで考えてナコは首を振った。
「流石にそれは情けないよ、ちゃんと相手の同意を得ないと駄目」
このまま時間を置けば、人工胃の中で焼却プロセスが行われフィオの精液は跡形もなくなる。
若干の名残惜しさはあれど、それを振り払いナコは立ち上がった。
「さて、製造部からフリスちゃんの分の『剣』を受け取ってこないと」
フィオの逸物の形状データは喉奥まで受け入れた時点で製造部へリンク通信で連携してある。
シリコン製の『剣』はそろそろ3Dプリンタから吐き出されているはずだ。
未だ駄々をこねるように疼く子宮ユニットからの熱を感じながら、ナコは部屋を後にした。
「ダブルノックアウトだねえ」
大型モニターから流れるアナウンスに、もつれ合うように倒れたままシュネーは小さく嘆息した。
「どうにも締まらない結末ですわね」
そう呟きながらも、シュネーの顔には満足そうな微笑みが浮かんでいた。
ヒルデガルド自身が相手ではないとはいえ、この一戦でシュネーは胸の奥に潜み続けた後ろめたさを受け入れていた。
元より、ヒルダとの再戦が叶うはずもないのだ。
過去は過去であり、失われた者は還りはしない。
彼女への意趣返しをする機会は永遠に訪れない。
そして、ヒルダと黒髪の彼女への後ろめたさを抱えつつ数十年護り続けた王座もまた、決して無価値では無いはずだ。
ヒルダの面影を持ちながらも明確に別人であるフリスとの一戦を経て、シュネーは改めてその事実を噛み締めていた。
疑似精神に安定をもたらす納得を得られたという意味で、良い戦いであったとシュネーは思う。
「まあ、どうでもいいですけど……」
一方、気のない台詞を口にするフリスの表情は憮然としており、言葉とは裏腹の不満を露わにしていた。
メイデンバトルに出場する事自体乗り気ではないフリスだったが、やるからには勝利を掴むつもりであった。
その結果がダブルKOとあっては消化不良も甚だしい。
フリスは内心の苛立ちを隠しもせず、己の上にのし掛かるシュネーを睨み付けた。
「いい加減に退いて下さい、もう馬鹿馬鹿しい出し物はお終いなんでしょう」
「退けと言われましても、まだ私の機体は撃破判定を受けたままですし……」
二体のメイデンはフリスが最後に敢行した突進の勢いのまま激突し、一塊にもつれて転がっていた。
シュネーが上になる姿勢でフリスの顔を豊かな胸で押しつぶすような体勢である。
「相打ちでも終了は終了でしょうに、いい加減機体の制御を返して貰えないんでしょうか」
首から下の制御が利かないままでは、目の前のシュネーの巨乳を押しのける事もできない。
ぼやくフリスを尻目に、大型モニターの中ではフィッシャーと解説ちゃんの会話が続いていた。
「ここ数十年、シュネー嬢の天下でダブルKOの記録はありませんが、この場合どうなるのでしょうか?」
「そうだねえ、勝者なしだからお楽しみもなし……」
場内から物凄いブーイングが上がった。
「ってなったら、みんな納得しないよねえ?」
観客達は同意の雄叫びを上げ、床を踏み鳴らして応じる。
「なので、第2ラウンドだ!
戦場はベッドの上! 攻め手はどっちも!
裸一貫で勝負してもらおうか、セックスバトルだよ!」
「はぁぁ!?」
フリスは血相を変えて立ち上がった。 いつの間にか機体の制御が戻っている。
歓声に湧きあがる場内に反発するように叫んだ。
「ふ、ふざけないでください! ダブルKOならノーカウントでいいじゃないですか!」
モニターの中の解説ちゃんはフリスを見下ろすと、小悪魔染みた微笑みを浮かべて小首を傾げた。
「あれれぇ、フリスちゃん、戦意喪失? 戦闘放棄?」
「戦闘じゃなくって見世物でしょうが!」
「いいよー、別にフリスちゃんにやる気がなくても。
シュネーちゃんがしっかり可愛がってくれるからさ-」
解説ちゃんの台詞にフリスは白銀の淑女に鋭い視線を向けた。
立ち上がったシュネーは土埃をはたきながら苦笑する。
「まあ、これもお勤めですから。
私、メイデンのお相手に関しては百戦錬磨と自負しております。
気持ちよくしてさしあげましてよ?」
「くっ……」
淑女の微笑みにフリスはぞっとして豊かな胸をかき抱いた。
いっそ本気でレーザーを叩き込み全部ぶち壊しにしてやりたいとも思うが、フリスの制御系にレーザークリスタルと武装ユニットの操作権限は戻ってきていない。
体ひとつの勝負に武器はいらないという事であろうが、力任せの反逆も企てる事ができずフリスは唇を噛んだ。
半ばやけくそで大型モニターを睨みつける。
「本当にこのタウンの連中と来たら……いいでしょう、やってやろうじゃないですか!」
「よく言ったぁ! それじゃあ、お楽しみタイムだ!」
「あー、その、解説ちゃん、ひとつ懸念があるのですが」
ノリノリで煽る解説ちゃんにフィッシャーが口を挟んだ。
「シュネー嬢は『守護者の剣』をお持ちですが、フリス嬢は無手です。
互いに攻めあう以上、シュネー嬢が『守護者の剣』を用いるのはアンフェアでしょう。
今回、『守護者の剣』は置くべきでは?」
フィッシャーの提案に場内から不満の唸りが上がった。
敗者をディルドーで貫くフィニッシュを毎度楽しみにしている観客たちとしては、『守護者の剣』なしでは物足りないのだ。
「うーん……それじゃあ、フリスちゃんの方にも『剣』を用意しよう!
みんなちょっと待ってて、製造部ですぐに作らせるから!
20分くらい休憩ね!」
解説ちゃんはそう言い捨てると、モニターの中から姿を消した。
フィッシャーだけが残る解説席の映像を見上げ、フリスは不審げに呟く。
「……剣?」
「フィオくぅーん!」
解説席のある放送室からVIPルームまで全力ダッシュしてきたナコは、ドアを開けるなりフィオに飛びついた。
「放送聞いてたよね? さあ準備するよ!」
「じゅ、準備!?」
話の流れについて行けないフィオは目を白黒させる。
助けを求めてデュークへ顔を向けるも、老武人は恐ろしく自然な仕草で虚空に視線をさまよわせ目を合わせない。
「隣の部屋行くよ、フィオくん!」
「ちょ、ちょっとぉ!?」
小型のSSフレームながらもメイデンのパワーで引っ張られては逆らえない。
真の漢として覚醒しようとも、フィオの腕力は貧弱な坊やのままだった。
隣室、予備のVIPルームへと引きずり込まれてしまう。
「何すんですか、一体」
ほとんど投げ出されるような勢いでソファに座らされたフィオは、流石に不愉快そうに顔を歪めた。
だが、時間を気にするナコはフィオの不機嫌に頓着しない。
「聞いてたでしょ? 20分しかないの、フリスちゃんの『剣』を用意するよ!」
「剣って……そんなもん、どこにあるんですか」
「あるじゃない、ここに♡」
ナコはねっとりとした手付きでズボンの上からフィオの股間を撫で上げた。
フィオの頭の中で諸々の事情が連結される。
「……シュネーさんの持ってた張り型ってまさか」
「うん、デュークちゃんのだよ」
「何やってんですかデュークさん……」
常識的な人だと思っていたのに、と内心かなりがっかりするフィオ。
「このままじゃフリスちゃん一方的に串刺しだよー。
フィオ君の『真の漢の剣』で反撃しなきゃ!」
「そのネーミングやめてください、色んな意味で」
「じゃあ『砂潜りの剣』で」
ナコはソファに座ったフィオの両足の間に跪くと、手早くベルトを外した。
強引なマザーメイデンに最早抗う気力もなくフィオはなすがままだ。
下着をずらして皮を被った年相応の大きさの逸物を引っ張り出すと、ナコはフィオの顔を見上げる。
「ボクの口で君のモノの型を取るよ。
データを製造部に転送すれば3Dプリンタですぐに出来上がるから。
しっかり大きくしてね♡」
未だ柔らかいフィオのペニスにナコは桜色の唇を寄せた。
カバーが掛かったままの先端に息を吹きかけ軽くキスを送ると、ぱくりと丸呑みにするかのように口に含む。
「うっ……」
たっぷりと潤んだ熱い粘膜の感触にフィオは背筋を震わせた。
タウン48を発ってから、若い精力を発散させる機会に恵まれていない。
フリスと二人旅ならあるいはその時間もあったかも知れないが、ヒュリオとスゥも一緒とあってはフィオとて自重する。
久方ぶりの性感に若い陰茎はみるみると硬度を増していった。
「ん……」
ナコは蒼い瞳を見張る。
口の中で膨れ上がっていく逸物の膨張率は異様とも言える程だ。
あっという間に口内を占拠し、喉奥にまでも侵入していく。
「んむぅぅ……♡」
ナコは瞳を細めると幹に舌先で幹をなぞった。
柔らかな舌で丁寧に上下に擦る内に、逸物は雄々しさを増していく。
「ぷあっ♡ なんだぁ、フィオくん結構立派なの持ってるじゃない♡」
ナコの声音は楽しげで、満更リップサービスという訳でもないらしい。
「フリスが言うにはどんどん大きくなってるらしいです」
小柄なフィオの股間にそそり立つ逸物は、彼の体格からすれば不釣り合いな程の大きさに膨れ上がっている。
ヴァトーのように人間の範疇から逸脱したサイズではないものの、十分に大きい。
かつては貧弱なソーセージだったとは思えない成長ぶりであった。
「ふぅん、真の漢だからなのかなぁ?」
ナコは小首を傾げながら、己の唾液に塗れた逸物に細い指先を絡めた。
「んっ♡ れろ……♡」
包皮の下から顔を出したピンク色の亀頭を舌先でキャンディーのように舐めつつ、幹を握った両手を上下に動かす。
柔らかな手のひらが堅い幹の凹凸全てを覚えようとするかのように密着してくる。
タウン75最高権力者が己の前に跪き、熱心に奉仕する様にフィオはごくりと唾を呑んだ。
単純な快感だけではない、優越感のようなものが腹の奥からじわりと湧く。
仮にもマザーがこんな事をする相手など、そうそう居ようものか。
「ナコ様、上手いですね。 こんなのどこで覚えたんです?」
「タウン75のメイデン達からのフィードバックだよ。
集めたデータの再現だけど、結構いい感じでしょ?」
体型的にできないご奉仕もあるけどねーと自らの胸元に視線を落としながら続ける。
エプロンドレスに包まれたナコの胸は平坦で、スコールとどっこいのまな板っぷりだ。
「まあ、それはそれで……小さいのも趣があると思いますし」
「フィオくんは口が上手いねー、ボク、嬉しくなっちゃうよ」
ナコは愛らしい顔に満面の笑みを浮かべると、片手を己の下腹に当てた。
「そんな事言ってると、ボク、ここに欲しくなっちゃうよ?
タウン75のマザーのマスターに、なってみる?」
思いのほか真摯な声音で囁かれた言葉に、軽口を叩いていたフィオの舌が凍り付いた。
「い、いや、流石にそれは……」
思わず口ごもるフィオを見上げ、ナコは悪戯っぽく笑う。
「冗談冗談! さ、びっくりしておちんちん小っちゃくなっちゃう前に、型を取っちゃおうね!」
ナコは大きく口を開けると、フィオの逸物を根元まで呑み込んだ。
そのまま頬を窄めて吸引する。
潤んだ口腔粘膜がぴったりと肉槍に吸い付いてくる感触にフィオは思わず呻きを漏らした。
「ん……♡ じゅぷ……♡」
そのままナコはゆっくりと頭を前後に動かし始める。
「ナ、ナコ様?」
型取り自体は喉まで咥えた時点で完了している。
ナコの動きは明らかに射精を促すものだ。
「んっ♡ んじゅっ♡ んぶっ♡」
唇の端から涎が垂れる。
ナコの口腔粘膜は肉槍をすっぽりと包み込み、中身を吐き出せとばかりに絞り上げてくる。
熱烈なフェラチオを行いながら見上げるナコの頬は上気して桜色に染まり、瞳にはからかうような光が浮かんでいた。
「くっ……このっ!」
そっちがその気なら、もう遠慮はしない。
フィオはナコの柔らかな金髪に指を突っ込むと、頭を両手で掴んで荒々しく動かした。
激しいイラマチオを強要する。
「んぶぅっ♡ んぐっ♡ んんぅっ♡」
ぺたりと床に尻をつけたナコの口を存分に犯す。
ナコのエプロンドレスはメイド服を思わせるデザインで、フィオは小さなメイドに無体を働いているかのような倒錯的な興奮を覚える。
彼女の本来の立場を思えば尚更高ぶった。
「くぅっ、ナコ様っ!」
ぐっと両腕を引き、ナコの頭を引き寄せる。
フィオの股間にナコの顔が押しつけられ、喉の奥深くまで逸物が突き立った。
目を白黒させるナコの喉奥で、思う存分ぶちまける。
「んんんーーっ♡♡♡」
悲鳴とも歓喜ともつかない呻きを漏らすナコの喉に真の漢の精液が注ぎ込まれる。
「んっ♡ んくっ♡ んぐっ♡」
喉の奥で跳ね返り口内に逆流する粘度の高い液体を、ナコは目尻に洗浄液を浮かべながら呑み下していった。
「ぷぁ……♡」
真っ赤に顔を染めたナコが蒼い瞳を潤ませて唇を開くと、出したばかりながら硬度を失わない肉槍がぶるんと飛び出した。
鈴口から飛び散った残り汁が半ば呆けたナコの可憐な顔を汚す。
「ボクの口、フィオくんのオナホにされちゃった……♡」
「……すいません」
唇の端から垂れる精液混じりの涎も拭わずに呟くナコに、フィオは思わず謝った。
出す物を出して理性が戻ってくると、流石にやらかしてしまったという思いが湧いてくる。
内心焦るフィオであったが、ナコは鷹揚に微笑んだ。
「いいよいいよ、溜まってたんでしょ? ちょっとはすっきりしたかな?」
ぺろりと舌を伸ばして口の周りに飛び散った残り汁を舐め取り、立ち上がる。
「それじゃ、向こうのVIPルームで待っててよ。
すぐに準備して試合再開だからさ」
「は、はい」
ズボンを上げたフィオはナコに急かされて隣室へと向かう。
フィオを追い出したナコは大きく吐息を吐き出すと、たった今までフィオが座っていたソファに崩れ落ちるように腰を下ろした。
「やっばぁ……ジェネレーターすっごい回りっぱなしだよぅ……」
頬の紅潮が治まらないまま、ナコはロングスカートの裾をつまんでめくり上げる。
彼女の股間を覆う青白ストライプの縞パンは内側から溢れ出す蜜でぐっしょりと濡れ、ぷっくりとした秘唇の形が浮き出していた。
「うわぁ……こんなんなっちゃってる……」
おそるおそる指を伸ばし、クロッチの上からでも位置が判るほどに勃起したクリトリスに触れる。
「ひぅっ♡」
電撃のように走り抜けた快感にナコは背を仰け反らせた。
全身がおそろしく過敏になっている。
フィオの、真の漢の精液が原因であるのは明白だ。
ナコの子宮ユニットは、経口摂取で人工胃に取り込んだ真の漢の精液をこっちに寄越せと疼き続けている。
「口から飲んだだけでこんなになっちゃうなんて、直に注がれちゃったらどうなるんだろ。
フリスちゃん、いっつもこんなの味わってるのかな……」
じんじんと切なく疼く陰核を持て余しながら呟いたナコの声音には、知らず羨望の色が宿っていた。
今、彼女の人工胃にはフィオの精液が入っている。
これを取り出して子宮ユニットに注ぎ入れれば……。
そこまで考えてナコは首を振った。
「流石にそれは情けないよ、ちゃんと相手の同意を得ないと駄目」
このまま時間を置けば、人工胃の中で焼却プロセスが行われフィオの精液は跡形もなくなる。
若干の名残惜しさはあれど、それを振り払いナコは立ち上がった。
「さて、製造部からフリスちゃんの分の『剣』を受け取ってこないと」
フィオの逸物の形状データは喉奥まで受け入れた時点で製造部へリンク通信で連携してある。
シリコン製の『剣』はそろそろ3Dプリンタから吐き出されているはずだ。
未だ駄々をこねるように疼く子宮ユニットからの熱を感じながら、ナコは部屋を後にした。
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