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 20分のインターバルを宣言して走り去った解説ちゃんであったが、フィッシャーは相方の突然の離席にも動じず軽妙なトークを続けていた。
 一部の者以外には秘されているが、やんごとない立場である彼女のゴーイングマイウェイっぷりはいつもの事。
 この程度の無茶ぶりを捌けぬようではタウン75主席広報官は務まらないのだ。
 幸いにして話のネタには困らない。
 チャンピオンと相打ちにまで持ち込んだ期待のニューフェイスへのインタビュー、これだ。
 フィッシャーはフリスへのインタビューで場を持たせていた。

「ほほう、フリスさんは発掘品と……。
 これは見事な戦利品、砂潜りの面目躍如という所ですなあ!」

「ええ、わたしのマスターはランクは低くとも優秀な砂潜りなんですよ!」

 マスターへのヨイショでフリスの機嫌はころりと治った。
 次の戦場となるキングサイズベッドの端に腰掛けたフリスは、フィッシャーの質問に微笑みながら応じている。
 短い時間の応答で、フィッシャーはフリスの性格について大方把握していた。
 試合の間、不機嫌そうに顔を顰めていたので気難しい印象であったが、実際のフリスはマスターの事をちょっと褒めればあっさりと上機嫌になるほど単純なメイデンだ。
 プライドの高さと羞恥心が入り交じったゆえの不機嫌さであったのだろう。
 素顔のフリスは、最近売り出し中のスコールとさして変わらない幼さのように見受けられる。
 明確な地雷を回避しつつ誘導すれば、何とでもなろう。
 百戦錬磨の広報官にとって、与しやすい相手であった。
 フィッシャーはにこやかな笑顔を崩さず、観客たちが好みそうな質問を繰り出していく。

「では主殿との初体験は、その発掘された折りに?」

「え……、そ、その……わたし、モスポール状態でしたから……」

「なんと、眠れる美女を目覚めさせるとは、何とも男冥利に尽きる展開ですなあ!」

「そ、そうですか……?」

 実際の所は睡眠レイプそのものであったのだが、気取った言葉で言い換えればどこかロマンチックな風情になる。
 舌先で誤魔化されたフリスの頬が照れで緩んだ。

 フィッシャーがより突っ込んだ質問を発しようとした時、彼の相棒がようやく戻ってきた。

「たっだいまー!
 いやあ、待たせてごめんねえ、みんなぁ!」

 息切らせて戻ってきた解説ちゃんは、席に着くと上気した頬に両手でパタパタと風を送る。

「お帰りなさい、解説ちゃん。
 準備はできましたかな?」

「もっちろん!
 さぁフリスちゃん! 君にタウン75よりつるぎを授けよう!」

「え?」

 解説ちゃんの大仰な台詞と共に、場内の照明が落ちた。
 妙に荘厳なBGMがスピーカーから流れ始めると同時に、一条のスポットライトが閃きプロペラを回転させてゆっくりと飛ぶ一台のドローンマペットを照らし出す。
 マペットはぽかんとしたフリスの頭上にまで飛行すると、下部に抱えていた棒状の物体を投下した。
 フリスの手の中に、屹立した男根を模したディルドーが落ちてくる。

「なっ、なんですかこれーっ!?」

 思わず受け止めてしまったフリスはこの疑似男根が見慣れた主の逸物に酷似している事に気付く。
 より正確には、彼女が記憶している最新の情報よりもわずかに大きい。

「ま、まさか……!」

 フリスは眉をギリギリと吊り上げながら、険しい瞳で大型モニターを見上げた。
 モニターの中の解説ちゃんは満足そうに微笑みながら、芝居がかった口調で煽りを入れる。

「これこそ『砂潜りの剣サンドモールソード』! さあ若きチャレンジャーよ、つるぎを手にして王者に立ち向かうのだー!」

「ふ、ふざけないでください! 貴女、このデータをどこで……!」

「さあ、メイデンバトル第二幕! セックスバトルのスタートだよ! 攻め合うんだから脱いで脱いで!」

 フリスの抗議を完全に無視して解説ちゃんは捲し立てる。
 大きなベッドの反対側に腰掛けて状況を見守っていたシュネーは忍び笑いを漏らしながら立ち上がり、ボディスーツの胸元に指を当てた。
 一息にファスナーを引き下ろすと、スーツの下に押し込められていた豊かな乳房が弾けるような勢いで飛び出した。
 湧きあがる歓声を浴びながら、シュネーは悠々とした動作でスーツから長い両足を抜きさり裸体を晒す。

「流石チャンピオン、思い切りがいい! 4カメさん、もっとアップで!」

 フィッシャーの声に答えてカメラマペットがシュネーに近寄り、大画面モニターに優美な裸身を映し出した。
 シュネーは悠然と微笑みながら頭の後ろで両腕を組み、巨乳を強調するかのように胸を反らせてポーズを取る。
 ここ数十年無敗ゆえに披露される事のなかったチャンピオンのヌードに観客は色めき立った。

「は、破廉恥な……!」

 目の前で脱ぎだした敵手にフリスは思わず吐き捨てる。
 だが、シュネーは悪罵を気にした様子もなく優雅に微笑んだ。

「お見せして恥ずかしいものではありませんから。
 それとも自信がありませんの?」

「なっ……!」

 プライドの高いフリスへの殺し文句だ。
 ディルドーのデータの出所への怒りに加えて新たな火種がぶち込まれ、フリスのCPUは激発する。

「この身に自信のない所など、ひとつとしてありません!」

 売り言葉に買い言葉、激情のままにスーツを左右に割り広げる。
 フリスのボディスーツは胸部レーザークリスタルに干渉しないよう胸元を広く露出させた、ある意味脱がせやすいデザインだ。
 左右に広げれば、一気に股間まで剥き出しになってしまう。
 体格からすれば過積載気味の巨乳の先端に色付く特徴的な乳首と、放熱髪と同色のアンダーヘアがカメラマペットの前に晒け出された。

「陥没! 陥没乳首ですっ! これは珍しい、KA・N・BO・TSU!」

「連呼しないでください!」

「アンダーもっさりとか、フリスちゃんマニアックボディだね!」

「誰がマニアックですか!」

 アナウンスにいちいち反論しつつフリスはボディスーツを脱ぎ捨てる。
 勢い任せで裸体になった所で胸や股間に突き刺さる多数の視線を感じ、フリスは慌てて両手で局部を隠した。
 メンテナンスの際にヘイゲン老の前で裸身を晒したが、その時とは段違いの数の視線、しかも露骨な情欲の色を含んだ大量の視線はフリスを怯ませる。

「どうしました、自信のない所など無いのではなかったのかしら?」

 耳元で囁かれた言葉にフリスは慌てて振り返る。
 その唇に素早く淑女の唇が押しつけられた。




 
「んんっ!?」

「ファーストアタックはチャンピオンから! シュネー嬢の素早い接吻にフリス嬢反応できないっ!」

 背後から絡みついたシュネーは、唇を合わせながらフリスの両腕を左手一本で後ろ手に捉えた。
 フリーの右手を伸ばすとフリスの豊かな乳房を手のひらで下から掬い上げ、先端に向けて揉み上げていく。
 主以外には許されない行為の数々にフリスは激怒に煮えたぎった。
 咄嗟にシュネーを振り払おうとするが、ジェネレーター出力がまるで上がらない。

「んむぅっ!?」

 唇を塞がれたままフリスは驚愕の呻きを漏らす。
 センサーリングによる制御はレーザークリスタルのみならず出力系そのものにも及んでいた。
 今のフリスは民生用メイデン程度の出力も発揮できず、外見相応の腕力しか振るえない。

 対するシュネーも同様の出力抑制を受けていたがフリスよりも長身な分リーチで勝り、何よりも長年培ってきた技量がある。
 もがくフリスの両肘の関節を左手だけでまとめてロックしつつ、巧みな愛撫を続行した。
 先端に向けて乳絞りのように右の手のひらを滑らせると、乳輪を人差し指と薬指でぐっと押し開く。
 中心に恥ずかしがるかのように埋まった乳頭を中指の腹でくりくりと撫で回した。

「んっ♡」

 胸の先端から痺れるような感触が走り、フリスの呻きに甘い響きが混じる。
 背後から被さる体勢のシュネーは長い足で鋭くフリスの足下を払うと、諸共にベッドに倒れ込んだ。
 倒れ込みつつも唇も両手も獲物を捕らえたまま放さない辺り、シュネーの蓄積した研鑽の発露である。 

「くっ、はっ、離しなさいっ!」

 必死に首を振って何とかシュネーの唇から逃れたフリスは、淑女の拘束から逃れようと身を捩る。
 だがシュネーは腕のみならず両足も器用に絡ませて、よりフリスに密着する。
 シュネーはフリスを膝の上に乗せた状態から大きく足を開く。
 そのついでに膝小僧を閉じようとする内股に割り込ませれば、フリスの両足も無理矢理開かれてしまうという寸法だ。
 すかさずカメラマペットが回り込み、剥き出しになった秘唇を至近距離から捉える。
 大画面モニターに濃い陰毛の奥で息づく秘裂がドアップで映し出された。

「アンダーヘアを備えたメイデンを観戦するのは初めてですが、これはこれでそそるものがありますなあ!」

「や、やめてっ! 見ないでぇ!」

 フィッシャーの感想に、フリスは己の秘所を大写しにしたモニターから目を背けながら涙目で叫ぶ。
 数十年のキャリアに裏打ちされたシュネーの関節技はフリスを完全に絡め取った。
 これまで出力任せの性能頼りで乗り切ってきたフリスには、今の状況を覆す術がない。
 せめてイェンファから素手の立ち回りを学ぶ時間があればと思うも、無い物ねだりである。
 打つ手を無くしたフリスは我が身に迫った危機を改めて実感し、身を震わせた。
 このままでは裸身以上に無様な姿を大衆に晒してしまう。

「ふふっ、そんなに怯えないでくださいな。
 たくさん可愛がってさしあげますから♡」

「や、やだっ」

 淑女の甘い囁き声と共に、耳たぶを甘噛みされる。
 思わず嫌悪の声を上げるフリスだが、彼女の体の方は徐々に反応を示しつつあった。
 体勢を大きく変える間も変わらずに捏ね回され続けた結果フリスの乳首はすっかり立ち上がり、埋没していた敏感な乳頭は淑女の中指で弄ばれ続けている。

「んぅっ♡ くぅぅ……♡」

 顔を顰めて堪えようとも、性感センサーのロックが外れたフリスの機体は快楽に対して敏感であり、貪欲でもある。
 両乳首から発する痺れるような快感を受け、フリスの子宮ウテルスユニットは本人の意思によらず男を受け入れる準備を行う。
 大型モニターに映し出された秘所、乙女の密林の奥からとろりとした雫が垂れる様を目敏く見つけ、フィッシャーのモノクルがキラリと光った。

「シュネー嬢の愛撫の前に、フリス嬢早くも蜜を滴らせ始めました!
 愛らしい顔立ちとは裏腹に何とも敏感!」

「体つきのドスケベボディっぷりにはぴったりのいやらしさだけどねー」 

「うぅ……」

 実況の指摘にフリスは耳まで真っ赤に染めて俯いた。
 自身の感じやすさは真の男の精を受けた証であり、誇らしいものとすら思っているフリスだが、それをあからさまに指摘されるのは流石に羞恥が勝る。
 
「ふふ、感じやすいこと♡
 まるでスコールさんのようですわね」

 シュネーは楽しげな含み笑いを漏らすと、たっぷり弄くり回されて堅く隆起した乳首を中指で弾いた。

「あうっ♡」

「胸だけでは物足りないでしょう?
 そろそろ本格的に参りましょうか♡」

 シュネーの指先がフリスの下腹を滑る。
 硬質な色合いとは裏腹に柔らかなアンダーヘアで覆われた恥丘を撫でさすり、潜められた秘唇に到達するとしっとりと潤いつつある割れ目を中指でなぞった。

「うっ……」

 ぞくりと身を震わせるフリスの耳元に淑女は唇を寄せる。

「怖いですか?」

 囁かれる言葉は図星そのもの。
 頼みの綱である機体性能のアドバンテージを制限された今、シュネーに対して勝ち目がないとフリスの戦術予測は判断していた。
 身じろぎを繰り返そうとも、シュネーの左手ひとつで関節を極められた両腕は自由にならず、膝の裏から制された両足は閉じることもできない。
 反撃どころか離脱もできないほどに拘束されてしまっては、シュネーの責め手を回避するのは不可能だ。
 そして、敏感な自分の機体は彼女の熟練の技に抗しえない。
 シュネーに弄ばれ、あられもない表情で絶頂し続けるスコールの姿が記憶領域の奥底からロードされた。
 我知らず、ごくりと喉が鳴る。
 あのような恥を晒す事への恐怖にCPUが染め上げられつつも、フリスの口を突いたのは折れそうな負けん気が引っ張り出した言葉だった。

「こ、怖くなんか、ありません!」
 
「あらそう」

 シュネーはフリスの虚勢を鼻で笑うと、秘唇の割れ目を撫で回していた中指を一気に突き立てた。

「ひっ」

 ずぷりと指が侵入してくる感覚にフリスは悲鳴を上げる。
 主の物以外の許可されない異物が、膣肉を掻き分けて深々と突き刺さった。
 シュネーは根元まで突き込んだ中指をぐいと曲げる。

「あうぅっ♡」

 白い喉を晒して仰け反るフリスに、シュネーは黄金の瞳を細めた。

「本当に良い反応をしますね、フリスさん♡」

 楽しげに囁きながら、指を増やす。
 人差し指と薬指も侵入を果たすと、淑女の指先は独立した生き物のように動き始めた。

「やっ♡ あっ♡ あぁぁっ♡」

 三本の指先が膣壁を引っ掻き、狭い膣道を無理矢理広げ、好き放題に蹂躙する。
 同時に親指がクリトリスを押し潰すかのような強さで捏ね回した。

「あうぅっ♡ やっ、やめてぇっ♡」

 淑やかな振る舞いとは裏腹の暴虐を示すチャンピオンの指先に、フリスは嬌声とも怯えともつかない声音で訴える。
 しおらしくなってきたチャレンジャーにシュネーは笑みを深めつつ、当然のようにフリスの訴えを無視した。
 淑女の手首が激しく翻り、獰猛に媚肉を蹂躙する指先を奥深くまで侵入させる。
 好き放題に嬲られる粘膜からの快楽情報に、フリスは涙を滲ませながら首を必死で振った。

「やあっ♡ それ以上、だめっ♡ やめてぇっ♡」

 喘ぎ混じりのフリスの声は切羽詰まって欠片の余裕も無い。
 
「あら、もう限界ですの? 達してしまいそうですか?」

 からかうようなシュネーの問いに、涙目のフリスは悔しげに俯く。

「では、皆様に見ていただきましょうね♡
 フリスさんがはしたなくイってしまうところ♡」

 淑女の手の動きが加速した。
 三本の指が縦横に暴れ回り、親指はクリトリスを押しつぶす。
 膣内を蹂躙されたフリスは、あっさりと限界に達した。

「あっ♡ やっ♡ やだぁぁぁっ♡♡♡」

 悲鳴を上げながらフリスは絶頂に放り込まれる。
 蕩けて開いた秘唇から熱い蜜が飛沫のように溢れ出し、淑女の指先を濡らした。
 快楽とそれを押さえようとする嫌悪が入り交じって歪んだフリスのイキ顔が大画面モニターにくっきりと映し出された。
 フリスは羞恥と屈辱の余り周囲を拒絶するかのようにぎゅっと目を閉じる。
 真っ赤に上気した頬と引き結んだ唇がエクスタシーの余韻にひくひくと震えていた。
 トランジスタグラマーな少女人形の痴態に、場内は一際湧きあがった。

「フリス嬢絶頂ーーーっ! 我慢しようとしている様がまた愛らしい!」

「気の強い子はそこがいいよねえ! 堪えきれなくって乱れるのがまた乙でさぁ!」

 盛り上がる実況を聞きながら、先取点を取ったシュネーは会心の微笑みを浮かべつつフリスに囁く。

「イってしまいましたわね?
 いかがですか、フリスさんの可愛らしいところを皆様に見ていただいた感想は?」

 意地悪な煽りに、唇を噛み締めたフリスはぷいと顔を背ける。

「あら、強情なこと」

 一度達してしまった事でより意固地になったのか、フリスは顔を背けたまま応じようともしない。
 シュネーは楽しげな忍び笑いを漏らしつつ、伝家の宝刀を引き抜いた。
 黒光りするシリコンの曲刀を逆手に握り、切っ先をフリスの股間へ向ける。

「そんなに強情ですと、わたくし、乱暴にしてしまいたくなりますわ」

「……散々乱暴にしておいて、今更」

 恨み節満載の声音で吐き捨てるフリス。
 剥き出しの秘唇をからかうように突く疑似亀頭を、悔し涙の滲んだ瞳で睨み付けている。
 だが、屈辱と怒りを露わにするフリスはシュネーにしてみれば良い玩具だ。

「フリスさんたら、そんな物欲しそうな顔をして♡」

「だっ、誰が物欲しそうな顔ですかっ!」

 噛みつくように反論するフリスの秘唇にシュネーは切っ先を浅く突き立てる。
 エラの張った亀頭が濃いアンダーヘアに隠された秘所を割り裂き、黒光りするシリコン棒の先端が媚肉の壺へと押し入った。
 奥まで突き入れず、疑似亀頭だけを埋めた状態で淑女は手首をくるりと回す。
 膣口を浅く穿った切っ先は、その形を誇示するかのような回転運動でフリスを苛んだ。
 
「くぅっ……♡」

 主以外に蹂躙される悔しげな呻きには隠しようのない快感の色が滲む。
 フリスの意思が如何に嫌悪しようとも、一度絶頂を味わってしまった機体は雄を迎える準備が万端に整ってしまっている。
 子宮ウテルスユニットが痺れるように疼き、奥深くから潤滑液愛液が溢れ出してやまない。
 精巧に肉棒を模したディルドーを根元まで咥え込もうと、フリスの膣肉は黒いシリコン棒に纏わり付いた。

 そんなメイデンの性を露わにしたフリスの機体状況は、百戦錬磨のシュネーには全てお見通しである。
 シュネーは粘りつく媚肉を焦らすかのように逆手に持ったディルドーを浅く抜き差しした。 熱い蜜をとろとろと垂らす秘唇に、亀頭だけが出入りする。
 ぷっくりとした陰唇は持ち主の意思に反して、物欲しげにシリコン塊に吸い付いていた。

「んっ♡ くぅっ♡ んんっ♡」 

 眉を寄せたフリスの口から漏れる噛み殺した喘ぎは、甘みの色を増していく。
 膣口付近を浅く攻めたてられたフリスの雌穴は、たっぷりと熱い蜜を溢れさせ繁る陰毛までぐっしょりと濡らしていた。

「そろそろ頃合いですわね、いい具合に仕上がりました♡」

 シュネーは満足げに頷くと、ゆっくりとフリスの膣口を耕していた守護者の剣ガーディアンソードの進軍を開始させる。

「くぅぅっ♡」

 ずぷずぷと粘った音を立てながら侵入してくるディルドーに対し、フリスは必死で膣道を締め上げて抵抗した。
 少しでも中に入れまいという泥縄のような足掻きである。
 わずかに増した手応えに、シュネーは苦笑した。

「あら、そんなに締め付けて。 よっぽど待ち遠しかったのかしら♡」

 シュネーの言葉通り、フリスの抵抗は待ち望んだ肉棒に対する反応に似通っている。

「ちっ、違っ♡ あうっ♡」

 否定しようとしたフリスだったが、ディルドーをぐるりと回転させられ仰け反った。
 大きく反った守護者の剣ガーディアンソードの刀身がみっちりと詰まった膣肉を掻き回し、己の形を刻みつける。

「如何ですか、わたくしのマスターのペニスのレプリカは?
 スコールさんもお気に入りなんですよ♡」

「こっ、こんな粗末な物、どうという事はありませんっ」

 何にでも噛みつくフリスの気性が、この状況下でも減らず口を叩かせた。
 フリスの生意気な言動を年長者の余裕でスルーしてきたシュネーであったが、主のレプリカを粗末と言われてしまっては流石に看過しえない。  
 淑女は黄金の瞳をすっと細めると、守護者の剣ガーディアンソードをどすんと根元まで突き込んだ。

「ひぎっ♡」

 子宮口に大振りな疑似亀頭を叩き付けられ、一瞬フリスの両目が裏返る。
 衝撃で浅く達し、ディルドーで広げられた陰唇からぷしゅっと飛沫が噴き出した。

「粗末な物とは言ってくれますね。
 では、その粗末な物を存分に味わいなさい」

 シュネーは冷徹な口調で宣言すると、ゆっくりと焦らしていたこれまでとは打って変わった強さと早さでディルドーのピストンを開始した。
 大きく反った刀身が特徴の守護者の剣ガーディアンソードがごりごりと膣壁を削る。

「あぁぁっ♡ あうぅっ♡♡ ひああぁぁーーっ♡♡♡」

 長さと太さも申し分のない疑似逸物が荒々しくフリスの姫穴を蹂躙した。
 これこそが雄の形であるばかりに生意気な機械乙女の媚肉を存分に抉って自らを刻み込み、躾けていく。
 減らず口とは裏腹に一杯一杯だったフリスは容赦なく責め立てられ、たやすく絶頂した。
 最早声を抑える事もできず、あられもないエクスタシーの悲鳴が乙女人形の口から溢れ出す。

守護者の剣ガーディアンソードのラッシュの前にフリス嬢連続絶頂!
 可愛らしいイキ顔を晒しております! これは最早陥落寸前、シャットダウンも近いか!
 シュネー嬢には珍しく容赦のない責めです!」

「怒ってるねー、シュネーちゃん。
 これはフリスちゃんが悪いよ、相手のマスターの事を悪く言うのはマナー違反だよー」

「なるほど、メイデン同士のタブーに触れてしまった故の制裁と……。
 おっとシュネー嬢、砂潜りの剣サンドモールソードにも手を伸ばします!」

 もう一本のディルドーは、シュネーがフリスを押し倒された弾みに取り落とされ、シーツの上に放置されている。
 シュネーはフリスの膣穴奥深くまで守護者の剣ガーディアンソードを突き立てると、愛剣のグリップから手を離した。
 子宮口を強打されたフリスはまたも絶頂し、秘所から飛び出したディルドーの柄は白い内股の痙攣が伝染したかのようにびくびくと震えている。
 仰け反り舌をはみ出させたフリスの無様な絶頂イキ顔を見下ろしながら、シュネーはもう一本の剣を手に取った。
 若きライバルの主の物を模した刀身を根元から舐め上げ、唾液で濡らす。

「私の主の物が気に入らないというのなら、自分の主の物はどうなのかしら?」

 自らの腰を下から突き上げてフリスの尻の位置を前にずらすと、露わにした菊門に砂潜りの剣サンドモールソードの切っ先を当てた。

「だ、めぇ……♡ やめてぇ……♡」

 シュネーの猛攻の前に立て続けの絶頂を刻み込まれたフリスの声は弱々しく、儚い乙女そのものとなっている。
 認めたくはないが、守護者の剣ガーディアンソードが雄のレプリカとして恐るべき逸物であるとフリスのCPUも理解していた。
 この上、主のレプリカまで突き込まれてしまっては最早耐えられない。
 フィッシャーの実況通りシャットダウンしてしまう。
 大画面モニターに絶頂の様を映し出される屈辱を受けた身ではあるが、シャットダウンの恥だけは晒すわけにはいかない。
 涙目でしおらしく懇願するフリスに、シュネーは尻穴を砂潜りの剣サンドモールソードの切っ先で突きながら優しく囁く。

「もう限界ですか?」

「んぅっ♡ これ以上は、だめ、お願い……」

「お願いと来ましたか。
 そうですねぇ……可愛い妹のお願いなら聞いてあげてもいいんですけど♡」

「い、妹?」

 シュネーの言葉にフリスは蒼い瞳を瞬かせる。

「ええ、お姉様にお願い、できるでしょう?」

「うっ……」

 フリスは一瞬唇を噛んだ。
 それはシュネーを己の上位機と認める屈辱的な発言だ。
 だが、この場においてフリスがシュネーに太刀打ちできる要素がない以上、言葉だけで恥を回避できるとあれば悪くはない。
 性技で完敗しようとも戦闘では互角だったのだ、まだ負けたつもりはない。
 いずれ必ず雪辱を果たすと内心誓いながら、フリスは屈辱的な呼称を口にした。

「わ、わかりました、お姉様……。 お願いですから、もうやめてください」

 シュネーは瞳を弓の形に細めて満面の笑みを浮かべながら頷くと、フリスの耳元で囁いた。

「だぁめ♡」

 同時にフリスの狭い菊座をこじ開けて砂潜りの剣サンドモールソードが突き立てられる。

「ひいぃぃーーっ♡♡♡」

 不意を打たれたフリスはたやすく絶頂し、甲高い嬌声をあげて脱力する。
 二本差しの衝撃で半ばシャットダウンしかかったフリスの機体を、シュネーはぐるりと上下にひっくり返した。
 下に回した頭を自らの両太腿の間に置くと、二本のディルドーで前後の穴を埋められた下半身がよく見えるようにフリスの両足を大きく開かせる。

「まんぐり返し! まんぐり返しです!
 これは最早フィニッシュホールドだ!」

「うーん、ずっぽり両穴咥え込んじゃってぇ……フリスちゃんエローい!」

 シュネーはフリスの太腿を両腕で押さえて抵抗を完全に封じながら、二本のディルドーの柄を握って激しい抜き差しを開始する。
 前後から弱点を責め立てられ、半ば放心していたフリスは正気づいた。

「なっ♡ なんでぇっ♡ 言ったのにっ♡ わたしっ♡ おねえさまってぇっ♡」

「姉としては妹の可愛らしい所を見たくなるものですからー♡」

「うそつきっ♡ うそつきぃっ♡」

「ええ、大人は嘘をつくものですのよ、フリスさん♡
 さあフィニッシュと参りましょうか、恥ずかしい穴を両方抉られてフリスさんがシャットダウンしてしまう所、皆さんに見ていただきましょうね♡」

「いやぁっ♡ やだぁぁぁっ♡」

 癇癪をおこした童女のように涙を零しながらブンブンと首を振るフリスだが、シュネーの拘束は緩まず責め手の激しさは逆に増すばかり。

「やあっ♡ あうぅっ♡ あぁぁぁっ♡」

 直腸を抉る砂潜りの剣サンドモールソードと膣穴を制圧した守護者の剣ガーディアンソードが薄い肉の壁越しにぶつかり合い、その度にフリスの性感センサーが振り切れそうな程の快楽情報が発生する。

「あっ♡ あぐっ♡ もうだめっ♡ だめぇぇっ♡」

「イってしまいなさい♡ ほら♡ ほらぁ♡」

 シュネーはダメ押しとばかりに二本のディルドーを深く突き込むと、奥底でぐりっと捻りを入れた。

「あがっ♡ あうぁぁぁーーーっ♡♡♡」

 乙女に似つかわしくない獣染みた断末魔の嬌声と共に、フリスの秘唇から一際大量の飛沫が噴き出す。
 まんぐり返しの姿勢ゆえ、自ら噴き出した潤滑液愛液が絶頂に歪んだフリスの顔に降り注いだ。

「あひ……♡ ひあぁ……♡」

 至近距離まで近づいたカメラマペットに撮影されながら、フリスの蒼い瞳から光が失われていく。
 分割された大画面モニターには舌をはみ出させたフリスのアヘ顔と、ディルドーを突き立てられてヒクつく前後の穴が大写しになった。

「フリス嬢シャットダウーン! お姉様からの過酷な責めに妹は耐えきれませんでした!」

「うーん、フリスちゃん、いい所なかったねえ……。
 お客さん喜んでるんだからいいけどさあ、もっと反撃して欲しかったなー」

 解説ちゃんの残念そうな感想にシュネーは苦笑しつつ、カメラマペットが映しやすいように脱力したフリスの両足をさらに開かせた。
 カメラマペットが二本差しに貫かれた秘所にピントを合わせているのを確認した所で、二本のディルドーを一息に引き抜く。
 雄のレプリカの痕跡を残してフリスの両穴はぽっかりと開き、湯気を立てそうな熱さの媚肉がヒクついている光景がモニターに映し出された。

 場内を揺るがす一際大きな歓声に女王は完爾と笑うと、敗者たる新たな妹の裸体をそっとベッドに横たえる。
 碧の放熱髪を手のひらで撫でつけると立ち上がり、勝者インタビューに備えて大型モニターに向き直った。

 その腰に背後から抱きつくかのように腕が回される。

「フ、フリスさん!?」

「油断大敵、ですよぉ!」

 シャットダウンしていたはずのフリスは未だ力が入らない四肢を引きずるようにシュネーにしな垂れかかると、その股間に右拳を突き込んだ。

「あぐぅっ!?」

「おおーっと場外乱闘か、これはーっ!
 フリス嬢、イった振りからの不意打ちです!」

 フィッシャーのアナウンスを浴びながら、フリスは必死の形相で拳を突き上げる。
 荒淫の余韻で体に力が入らないフリスは、恨みと怒りを全て拳に注ぎ込んでいた。

「ぐぅっ♡ やっ、やめなさいっ♡」

 性技というよりも暴行に近いフィストファックであるのに、シュネーの声にわずかな甘みを感じ取ったフリスのCPUは自分の姉妹機の行状を思い出す。

「このままっ、レーザーでも撃ち込んであげましょうか、お姉様ぁ!」

「やっ、やめなさいっ♡ それはっ、いけませんっ♡」

 機体制御を受けたままのフリスのレーザー機構はロックされたままだ。
 見え見えのはったりだというのに、シュネーは美貌を怯えに歪ませる。
 先代女王の暴虐はシュネーの中に未だに拭いきれないトラウマを残していた。
 フリスはシュネーの膣穴の中で拳を開く。

「うぐぅっ♡」

 淑女らしからぬ濁った呻きを聞きながら五本の指をでたらめに動かし、再度拳を握ると強く突き上げる。

「はぐぅぅんっ♡」

 子宮ウテルスユニットを文字通り殴りつけられたシュネーの秘唇から潤滑液愛液がドッと溢れ出す。

「イきましたね? こんなのでイくなんて変態じゃないですか、貴女!」

 フリスは腰砕けになったシュネーを押し倒しながら罵った。
 そのまま、子宮ウテルスユニットを殴り潰さんとばかりに連続で拳を突き上げて責め立てた。

「ひいっ♡ あぐっ♡ あひぃぃっ♡」

「フリス嬢、乾坤一擲のフィストファック! シュネー嬢、為す術もありません!
 ご覧ください、我らが女王、我らが守護女神がルーキーに責め立てられ、乱れております!
 5カメさん、顔アップで! 3カメさんは股間を!」

「うーん、トラウマ炸裂してるねー、シュネーちゃんにフィストする子なんてヒルダちゃん以来だしねえ。
 それにしてもフリストグリーズル型って、根っから悪玉ヒール志向なのかなあ。
 フリスちゃん、ちょっと悪玉ヒール似合いすぎ……」

 解説ちゃんの引き気味の感想もフリスには気に留める余裕もない。
 己の蜜に塗れたまま放り出されている守護者の剣ガーディアンソードを左手で鷲掴みにすると、突き込んだ右拳を乱暴に引き抜いた。

「ひぎぃぃっ♡」

 シュネーの裸身が跳ね、長い足が踊る。
 フリスは全身でのし掛かって淑女の動きを封じると、ぽっかりと開いた膣穴にシュネー自身の主のレプリカを叩き込んだ。

「ふあぁぁんっ♡♡♡」

 拳で荒々しく責め苛まれた所に最愛の主の模造品を突き込まれ、シュネーはこれまで以上の嬌声をあげて達する。
 ようやくペースを握ったフリスは獰猛な笑みを浮かべながら砂潜りの剣サンドモールソードを手に取った。
 だが、先ほど自分がされたように、二本差しをやるつもりはない。
 レプリカといえど主の逸物を他人に味わわせるなど以ての外だ。

 フリスは砂潜りの剣サンドモールソードのグリップの底を、シュネーの股間から飛び出した守護者の剣ガーディアンソードの底に押し当てた。
 ディルドーの底には普段シュネーが纏っているボディスーツの股間アタッチメントに連結するための凹凸が刻まれている。
 凹凸同士を押しつけて軽く捻れば二本のソードは一本のツインブレードと化した。

「な、なにを、する気です……?」

 息も絶え絶えなシュネーは、己の股間から生えたようにも見える砂潜りの剣サンドモールソードに当惑の声を上げる。
 唇の端を吊り上げたフリスはシュネーの腰を跨ぐと、主のレプリカの切っ先を己の秘唇に押し当てた。

「わたしはCPUの処理能力に自信があります、さっきのでもシャットダウンしてませんから。
 貴女はどうですか?
 わたしと貴女、どっちが長く耐えれるか、我慢比べと行こうじゃありませんか、お姉様?」

 嘲るような口調で囁くと、フリスは腰を落とした。

「はぅんっ♡」

「あぅっ♡」

 互いの膣奥をそれぞれの主の模造品が激しく突く。
 こうなってしまっては性技も何もあったものではない、純然たる我慢比べだ。
 二体のメイデンの媚肉がぶつかりあい、蜜の混じる湿った音と嬌声が響き合う。
 ゲームセットからの思わぬ延長戦に、満員御礼の観客は更なる歓声をあげた。
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