機甲乙女アームドメイデン ~ロボ娘と往く文明崩壊荒野~

日野久留馬

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 メイデンの反応速度はCPU性能に比例する。
 Aクラスメイデンともなれば人間を遥かに凌駕する反射神経を持っているが、それはそのまま戦闘力が高いという事にはならない。
 成長する余地を持つメイデンは裏を返せば初期状態では未熟であり、未経験の分野に関しては持ち得るスペックを引き出しきれない事も多々あるのだ。

「うっ!?」

 店内に飛び込んできた男が放った拳銃の一撃をシオンが咄嗟に左腕で受けたのは、拳銃弾程度ならナノスキンコートには効かないという戦術的な判断ではなく、単純に思わず顔を庇ってしまっただけの事であった。

 ブラウスの袖を弾けさせて着弾した弾丸から、ぞわりとした冷たい怖気が機体内に侵入する。

(こ、これは……!?)

 思わず身を強張らせたシオンであるが、奇怪な怖気は真昼の陽光に晒された霜柱のように、速やかに消失していった。
 かつてフィオ達が持ち帰ったドクのウィルス弾はタウン48で解析され、対抗アップデートが配布されている。
 シオンはショップの店頭モデルを勤めるフラグシップメイデンとして当然のように最新アップデートを受けており、ウィルス弾に侵食される事はない。
 
 だが、ウィルス弾が無効化されるまでに生じた悪寒にシオンの動作は、一瞬停滞していた。
 修羅場をくぐった数ではシオンとは比べものにならないアウトローにとって、十分な時間である。

「おりゃあっ!」

「きゃっ!?」

 カウンターを飛び越した男に組み付かれ、シオンは為す術もなく押し倒された。
 足の踏ん張りが効かない事に愕然とする。
 開きっぱなしの自動ドアから染み込んでくる「何か・・」がシオンの機体を明確な不調に陥れていた。
 ジェネレーターは高稼働状態までシフトアップしているのに、その出力が機体各所に伝わらない。
 子宮ウテルスユニットは熱のような疼きのような不明な情報を続けざまに出力しており、それをCPUへ受信される度にシオンは腰が砕けていくのを感じている。
 男はシオンに覆い被さると、こちらの顔をまじまじと覗き込んだ。

「フレームサイズM、放熱髪は黒のショートボブ、カメラアイも黒、垂れ目がちだが流石はメイデン、愛らしいな」

 シオンの容姿を評すると、男の視線が胸へと移る。

「ジェネレーターは大型、Aクラスか、こいつは大当たりだ!」

 たっぷりとしたバストを包むブラウスに手を掛け、力任せに開いた。
 ボタンを弾け飛ばして引き裂かれたブラウスの下からレースで彩られた白いブラジャーが露わになり、男は小さく口笛を吹く。

「やっ、やめてくださいっ!」

 シオンは男を突き飛ばそうとするも、男の胸を押す両手のアクチュエーターは異様に低いパワーしか発揮できない。
 男はシオンの抵抗をむしろ楽しむように頬を歪めた。
 シオンは薄汚れた男の容貌が意外なほどに整っていると気付いたが、美男であろうがなかろうが彼が暴漢である事には変わりがない。

「できればゆっくり楽しみたい所であるが、レックスの能力もいつまで効果範囲にあるかわからんからな。
 さっさと認証を済まさせてもらう!」

 シオンには意味不明な事を呟くと、男はズボンの下から逸物を引きずり出した。

「ひ……!」

 データとしての知識はあるものの、初めて見る実物の男根にシオンは怯えた声を漏らす。

 男はシオンの下半身に指先を伸ばし、タイトスカートの裾をめくり上げた。
 その指がピタリと止まる。

「く、黒スト……! 黒ストッキングだと……!?
 しかも下にうっすらと白いショーツが透けて……!」

 黒いストッキングに包まれたシオンの腰回りをまじまじと見つめ、男は感に堪えないと言わんばかりの震え声を漏らした。

「な、何言ってるんです、貴方……」

 唐突に情緒不安定に声を震わす暴漢に、シオンは怯えながら困惑する。

「さらに内側から染みが! 潤滑液愛液が染みた色合いのグラデーションが!」

「ど、どこに注目してるんですっ!」

 息を荒げた男は力の入らないシオンの両足を拡げさせると、股間に顔を寄せた。

「う、うぅ……」

 シオンは羞恥に顔を染めると俯いた。
 製造後、なかなか主を得られないメイデンにありがちな事だが、シオンもまた初めて殿方と契る時をロマンチックに想像していた。
 その乙女妄想には、潤滑液愛液の染みた下着とストッキングに興奮する変態に股間を注視されるなどというシチュエーションは、間違っても存在していない。
 
 男はストッキングの中心、股間を走る縫い目に両手の親指を添えると、慎重かつ繊細な力の入れ具合で左右に開き始めた。
 ついでにその下に秘められたシオンの秘唇も割り開かれていく。

「い、いやぁ……♡」

 思わず上げた嫌悪の声に明らかな艶が混ざっている事を自覚し、シオンは内心激しく動揺する。
 自分の機体はどうなってしまったのか。
 混乱するシオンの股間で、黒いストッキングは縫い目に沿って丁寧に左右に分割されていった。
 黒い薄布の下からレースで飾られたショーツを露出させ、男は実に爽やかな笑顔を浮かべる。

「よし! ビリビリに引きちぎる作法もあろうが、初手は丁寧にやるべきだしな!
 このストッキングは記念に持ち帰ろう、良い土産ができた」

「あ、あげませんよ!」

「何を言っている?」

 男は指先でショーツのクロッチをずらす。
 内側から雫を滲ませる、ぷっくりとした秘裂が露わになった。

「お前は俺の獲物だ。 身につけているものも、お前自身も全部な」

「なっ……」

 一転して冷徹な口調で告げる男にシオンは絶句する。
 男は屹立した逸物を秘裂に向けた。
 不可解な事にシオンの秘所は潤い、淡く開いてしまっている。

「くくっ、この急を要する時に前戯要らずとはありがたい!」

 男は頬を歪めて笑うと、腰を突き込んだ。
 亀頭が乙女の秘唇にずぶりとめり込む。

「い、いやぁぁっ!?」

 垂れ目に洗浄液を滲ませたシオンは必死に突き飛ばそうと男の胸を押す。
 だが、Aクラスメイデンの出力を発揮できない今のシオンには儚い抵抗しかできない。
 むしろ胸板を押された男の腰が逆に密着する始末だ。

「積極的だな、メイデン! そんなに奥まで咥え込みたいか!」

「そ、そんなっ、ちがいますっ!」

 必死で否定するシオンの膣壁は、突如侵入してきた肉棒に戸惑ったかのようにうねり、締め付ける。
 本人の意思とは無関係のその動作は全てのメイデンにプレインストールされた機能。
 疼く子宮ウテルスユニットからの指令による、種を絞ろうとする雌の反応だ。
 Aクラスメイデンの極上の媚肉に、男は唸りを上げる。

「うっ、俺とした事が少々逸りすぎたか、まあいい。
 受け取れ、メイデン!」

「やだぁぁぁっ!?」
 
 乙女の無垢な蜜壺に種汁がぶちまけられた。
 不可思議な熱に侵された子宮ウテルスユニットへ、熱い精液がどぷどぷと注ぎ込まれる。

「ひあっ♡ やあぁっ♡」

 待機状態にあった性感センサーが、ロックが掛かったまま起動した。
 シオンにとって初めての快楽情報をCPUへと伝達する。
 同時にヴァージンメイデンの子宮ウテルスユニットは初めて受け入れた精液のDNA情報を読み取り、マスターパーティションポイントの過半数を割り振った。

「あ、あぁ……♡」

 シオンの唇から、快感と諦念の入り交じった吐息が漏れる。
 想像したロマンチックな状況とはかけ離れた強姦であろうとも、子宮ウテルスユニットは最初の精を注いだ男を主と認証してしまう。
 強姦魔であるはずの男への愛しさが急激に湧き起こり、シオンは逆らえないシステムの呪縛を受け入れた。

「さて、お前の名前を教えてもらおうか」

 顔を覗き込んで問う主となった男へ、シオンは淑やかに微笑んで応える。

「シオンと申します、マスター」

 目尻に浮かんでいた洗浄液の雫が、なめらかな頬へ伝い落ちた。




 シオンを我が物としたスマッグであったが、彼の行動はここで一端停滞した。
 メイデンを入手した後はレックスらに合流、あるいは状況を見て逃亡を行う算段であったのだが、メイデンショップのカウンターの中から動けないでいた。

「んあっ♡ あっ♡ あぁんっ♡」

 手に入れたばかりのメイデン、シオンが絶品なのが悪い。
 スマッグは床に押し倒したシオンの左足を抱える、松葉崩しの体位で潤んだ蜜壺を貫いていた。
 互いの股が食い込む合うような姿勢は一際深い結合を生む。
 スマッグが腰を動かす度に亀頭が子宮口をぐりぐりと刺激し、シオンの膣壁は激しくうねった。

「はうぅっ♡ おくでっ♡ こすれてぇっ♡」

 本来大人しく淑やかなシオンの美貌は初めて味わう快楽情報に蕩けきっている。
 半開きの唇からは桜色の舌がはみ出し、潤んだ垂れ気味の瞳からはボロボロと洗浄液が零れて無様なよがり泣きを上げていた。

 精液を注がれ起動したばかりの性感センサーは、レックスの能力の余波により極度に過敏になっている。
 ロックこそ外れていないものの、未熟なおぼこメイデンを惑乱させるには十分であった。
 そしてマスターの方はと言えば。

「はぐっ、じゅるっ……ぷはぁっ!
 やはりメイデンの足は甘露……! たまらんっ!」

 抱え上げる姿勢となったシオンの足、そのストッキングの爪先にしゃぶりついていた。
 著しく屹立してシオンの胎奥を抉る逸物は、媚肉の味に興奮しているのか、爪先の味に興奮しているのか、解ったものではない。
 黒いストッキングの下でひくつく小さな足指を一本一本舌先で舐めしゃぶりながら、スマッグはソムリエの如く独りごちる。

「パンプスの中でたっぷりと蒸されて、乙女とは裏腹の濃厚な味わいに……」

「むっ、蒸れてませんっ♡ それはマスターの唾液ですっ♡」

「はっはっはっ、そう照れるな、素晴らしい芳しさだぞシオン」

「はうぅぅ……♡」 

 奥をズンズンと突かれるシオンは息も絶え絶えに反論するも、主は快活に笑って流すと足指の賞味を再開した。
 不快感と同時に爪先から背筋へと走る、ぞくりとした快感にシオンは徐々に慣らされていく。
 足を舐めしゃぶって興奮する変態が主となってしまった事を内心嘆くも、同時にこんな主でも面倒を見なくてはという思いが湧きあがる。
 子宮ウテルスユニットを掌握された事によるシステムの強制力と理解しつつも、シオンはその思いを受け入れていた。
 メイデンとはそのような存在であるという自覚は、ある意味でシオンを開き直らせていた。

「むぅっ!」

 口一杯にシオンの指を含んだスマッグが呻きと共に、精を放つ。
 
「あぁぁっ♡ またっ♡ 出てるぅぅっ♡♡♡」

 子宮ウテルスユニットを満たす新たな精液の注入に、シオンは仰け反って達した。
 快楽に霞んだ瞳で、満足げに足を咥えている主を見上げ、小さく苦笑する。

同型機姉妹達に紹介しづらいマスターを得てしまいました……♡)

 自嘲するように思いながらも、同時に幸福感にも満たされているシオンであった。
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