6 / 49
バルファ旅行記
バルファ旅行記6
しおりを挟む
「ラルクスだね!知ってるよ。あっちにいる」
「おお!」
やった。やっぱりバルファの生き物だったんだな。
俺は緩む顔を抑えられないままメリルについていく。
木の密集したところでメリルが止まったが、ラルクスは見当たらない。
「んー、ここにいると思うんだけど…。あ!」
突然驚くメリルの視線を追って見ると、人影が見えた。
「あいつ…」
俺に声をかけてきた男だ。嫌な予感がする。
「オミ!あいつたぶん、ラルクス持ってた!」
「それって…」
こういう話の定番からするとラルクスはさらわれてる。そう考えた俺は走ってあの男を追いかける。
「…どっちだ?」
早く追いかけてればよかった。走っても男の姿が見つからない。
「んー…、あっち!」
妖精パワーか、メリルが感じとったらしい。あっちというほうへと向かう。
「いた!」
「ふざけんなよ…」
俺がどんだけこの日を楽しみにしたと思ってんだ!
「ぐはっ」
「わっ、オミすごい!」
男に一気に間合いを詰めて、後ろから腕をとって捻りしゃがませる。男はバッグを大事そうに抱えていたので、それを奪う。
「やっぱりか。てめえ…」
中からラルクスの子供らしき動物が出てきた。
「あ!逃げた」
俺が確認しているうちに男が走りだした。どうするべきか?捕まえたほうがいいと思うが…。
と迷っていたが、青い光がしたと思ったら、男はぐぴゃっとか変な声を出して倒れた。
「おー、俺んときに馬鹿がやってくるとはな…」
「まったく…。どうしてやりましょうか?」
「面倒だから、すぐ引き渡せ」
「………そうですね」
あの騎士の2人がやってきていた。騎士2人によって男は倒されたのだろう。
きっと魔法を使った。痛い?のだろうが、魔法使えないかわりに、受けてみたいとか思ってしまった。決してそういう趣味はない。
「よー、オミ。さすが俺が認めた男だな」
「ご協力ありがとうございます」
「いや…」
2人は俺に気づくと近寄ってきた。シャルハが男を引きずっている。
「なるほど、子供を捕まえたのか」
「ええ。子供なら抵抗が弱いですからね」
「どういうことか、よく分からないんだが…」
俺に体を擦り寄せてきたラルクスの子供を抱いてやっているのを2人の騎士が見ている。
「ああ、功労者のようだしな。話しくらいいいぞ」
「では、この男を牢に入れるので、ついてきていただけますか」
「わかった」
頷き、2人の騎士の後をついていく。
城の中に案内されて、シャルハが男を連れていってる間に、ルーバルトの案内でどこかの部屋にやってきた。
机の上に書類らしきものがあったので執務室か?
「ほれ、飲め、食え」
「はあ……。いただきます」
お茶とお菓子が出てきた。メリルはすでにお菓子を食べている。人の食い物も食べられるんだな。
「戻りました。ルーバルトはオミに何もしていないですよね?」
「…ねえよ。戻ってくんの早すぎだろ」
「それはよかった。では、今回の話をしますね。これは一応他言無用にお願いします」
「…ああ」
話によると、2人はラルクスから仲間がさらわれたと聞いて男を探していたのだとか。
バルファの生き物が捕まえられ、地球に連れてかれることは最近増えてきたので、こうして地球の人間が来た時は警戒しているらしい。
ラルクスは幻獣で、小さいながら魔力があり、大人ラルクスなら普通の人は捕まえることは出来ないのだが、子供なら、力の使い方も上手でなく猫を捕まえるのと変わらないとか。
「つまり、あの男は事前にそのことを知ってたってことだ。組織の人間かもしれない」
「難しいでしょうが、あの男が手がかりになるといいのですが」
「……………すまん」
「あ?なんでオミが謝る?」
「いや…、俺らの世界の奴が悪い…」
同じ人間として恥ずかしい。
「ああ、それなら気にすんな。こっちの人間もからんだ組織があるみたいでな。そっちの物も色々持ち込んでるようだ」
「そうなのか…」
どこにでもいい奴と悪い奴がいるということだな。少し安心した。
「おお!」
やった。やっぱりバルファの生き物だったんだな。
俺は緩む顔を抑えられないままメリルについていく。
木の密集したところでメリルが止まったが、ラルクスは見当たらない。
「んー、ここにいると思うんだけど…。あ!」
突然驚くメリルの視線を追って見ると、人影が見えた。
「あいつ…」
俺に声をかけてきた男だ。嫌な予感がする。
「オミ!あいつたぶん、ラルクス持ってた!」
「それって…」
こういう話の定番からするとラルクスはさらわれてる。そう考えた俺は走ってあの男を追いかける。
「…どっちだ?」
早く追いかけてればよかった。走っても男の姿が見つからない。
「んー…、あっち!」
妖精パワーか、メリルが感じとったらしい。あっちというほうへと向かう。
「いた!」
「ふざけんなよ…」
俺がどんだけこの日を楽しみにしたと思ってんだ!
「ぐはっ」
「わっ、オミすごい!」
男に一気に間合いを詰めて、後ろから腕をとって捻りしゃがませる。男はバッグを大事そうに抱えていたので、それを奪う。
「やっぱりか。てめえ…」
中からラルクスの子供らしき動物が出てきた。
「あ!逃げた」
俺が確認しているうちに男が走りだした。どうするべきか?捕まえたほうがいいと思うが…。
と迷っていたが、青い光がしたと思ったら、男はぐぴゃっとか変な声を出して倒れた。
「おー、俺んときに馬鹿がやってくるとはな…」
「まったく…。どうしてやりましょうか?」
「面倒だから、すぐ引き渡せ」
「………そうですね」
あの騎士の2人がやってきていた。騎士2人によって男は倒されたのだろう。
きっと魔法を使った。痛い?のだろうが、魔法使えないかわりに、受けてみたいとか思ってしまった。決してそういう趣味はない。
「よー、オミ。さすが俺が認めた男だな」
「ご協力ありがとうございます」
「いや…」
2人は俺に気づくと近寄ってきた。シャルハが男を引きずっている。
「なるほど、子供を捕まえたのか」
「ええ。子供なら抵抗が弱いですからね」
「どういうことか、よく分からないんだが…」
俺に体を擦り寄せてきたラルクスの子供を抱いてやっているのを2人の騎士が見ている。
「ああ、功労者のようだしな。話しくらいいいぞ」
「では、この男を牢に入れるので、ついてきていただけますか」
「わかった」
頷き、2人の騎士の後をついていく。
城の中に案内されて、シャルハが男を連れていってる間に、ルーバルトの案内でどこかの部屋にやってきた。
机の上に書類らしきものがあったので執務室か?
「ほれ、飲め、食え」
「はあ……。いただきます」
お茶とお菓子が出てきた。メリルはすでにお菓子を食べている。人の食い物も食べられるんだな。
「戻りました。ルーバルトはオミに何もしていないですよね?」
「…ねえよ。戻ってくんの早すぎだろ」
「それはよかった。では、今回の話をしますね。これは一応他言無用にお願いします」
「…ああ」
話によると、2人はラルクスから仲間がさらわれたと聞いて男を探していたのだとか。
バルファの生き物が捕まえられ、地球に連れてかれることは最近増えてきたので、こうして地球の人間が来た時は警戒しているらしい。
ラルクスは幻獣で、小さいながら魔力があり、大人ラルクスなら普通の人は捕まえることは出来ないのだが、子供なら、力の使い方も上手でなく猫を捕まえるのと変わらないとか。
「つまり、あの男は事前にそのことを知ってたってことだ。組織の人間かもしれない」
「難しいでしょうが、あの男が手がかりになるといいのですが」
「……………すまん」
「あ?なんでオミが謝る?」
「いや…、俺らの世界の奴が悪い…」
同じ人間として恥ずかしい。
「ああ、それなら気にすんな。こっちの人間もからんだ組織があるみたいでな。そっちの物も色々持ち込んでるようだ」
「そうなのか…」
どこにでもいい奴と悪い奴がいるということだな。少し安心した。
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
タトゥーの甘い檻
マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代)
どのお話も単体でお楽しみいただけます。
「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」
真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。
それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。
「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。
アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。
ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。
愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。
「……お前のわがままには、最後まで付き合う」
針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。
執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる