バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記

バルファ旅行記6

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「ラルクスだね!知ってるよ。あっちにいる」

「おお!」


やった。やっぱりバルファの生き物だったんだな。

俺は緩む顔を抑えられないままメリルについていく。

木の密集したところでメリルが止まったが、ラルクスは見当たらない。


「んー、ここにいると思うんだけど…。あ!」


突然驚くメリルの視線を追って見ると、人影が見えた。


「あいつ…」


俺に声をかけてきた男だ。嫌な予感がする。


「オミ!あいつたぶん、ラルクス持ってた!」

「それって…」


こういう話の定番からするとラルクスはさらわれてる。そう考えた俺は走ってあの男を追いかける。


「…どっちだ?」


早く追いかけてればよかった。走っても男の姿が見つからない。


「んー…、あっち!」


妖精パワーか、メリルが感じとったらしい。あっちというほうへと向かう。


「いた!」

「ふざけんなよ…」


俺がどんだけこの日を楽しみにしたと思ってんだ!


「ぐはっ」

「わっ、オミすごい!」


男に一気に間合いを詰めて、後ろから腕をとって捻りしゃがませる。男はバッグを大事そうに抱えていたので、それを奪う。


「やっぱりか。てめえ…」


中からラルクスの子供らしき動物が出てきた。


「あ!逃げた」


俺が確認しているうちに男が走りだした。どうするべきか?捕まえたほうがいいと思うが…。

と迷っていたが、青い光がしたと思ったら、男はぐぴゃっとか変な声を出して倒れた。


「おー、俺んときに馬鹿がやってくるとはな…」

「まったく…。どうしてやりましょうか?」

「面倒だから、すぐ引き渡せ」

「………そうですね」


あの騎士の2人がやってきていた。騎士2人によって男は倒されたのだろう。

きっと魔法を使った。痛い?のだろうが、魔法使えないかわりに、受けてみたいとか思ってしまった。決してそういう趣味はない。


「よー、オミ。さすが俺が認めた男だな」

「ご協力ありがとうございます」

「いや…」


2人は俺に気づくと近寄ってきた。シャルハが男を引きずっている。


「なるほど、子供を捕まえたのか」

「ええ。子供なら抵抗が弱いですからね」

「どういうことか、よく分からないんだが…」


俺に体を擦り寄せてきたラルクスの子供を抱いてやっているのを2人の騎士が見ている。


「ああ、功労者のようだしな。話しくらいいいぞ」

「では、この男を牢に入れるので、ついてきていただけますか」

「わかった」


頷き、2人の騎士の後をついていく。


城の中に案内されて、シャルハが男を連れていってる間に、ルーバルトの案内でどこかの部屋にやってきた。

机の上に書類らしきものがあったので執務室か?


「ほれ、飲め、食え」

「はあ……。いただきます」


お茶とお菓子が出てきた。メリルはすでにお菓子を食べている。人の食い物も食べられるんだな。


「戻りました。ルーバルトはオミに何もしていないですよね?」

「…ねえよ。戻ってくんの早すぎだろ」

「それはよかった。では、今回の話をしますね。これは一応他言無用にお願いします」

「…ああ」


話によると、2人はラルクスから仲間がさらわれたと聞いて男を探していたのだとか。

バルファの生き物が捕まえられ、地球に連れてかれることは最近増えてきたので、こうして地球の人間が来た時は警戒しているらしい。

ラルクスは幻獣で、小さいながら魔力があり、大人ラルクスなら普通の人は捕まえることは出来ないのだが、子供なら、力の使い方も上手でなく猫を捕まえるのと変わらないとか。


「つまり、あの男は事前にそのことを知ってたってことだ。組織の人間かもしれない」

「難しいでしょうが、あの男が手がかりになるといいのですが」

「……………すまん」

「あ?なんでオミが謝る?」

「いや…、俺らの世界の奴が悪い…」


同じ人間として恥ずかしい。


「ああ、それなら気にすんな。こっちの人間もからんだ組織があるみたいでな。そっちの物も色々持ち込んでるようだ」

「そうなのか…」


どこにでもいい奴と悪い奴がいるということだな。少し安心した。
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