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バルファ旅行記つー
つー9
しおりを挟む「わわわ、なにこれ」
「イチト。油断しすぎだ。その男に攻撃されそうだったんだぞ?」
本人は状況が見えてなかったようで、男が倒れた音で吃驚していた。なので俺が教えてやった。
「じゃあ、委員長が助けてくれたんだねー。ありがとー」
「ああ」
そう、一十を助けたのは誠那だ。どうやったのかは見えなかったが。
「委員長が担当してた敵は?」
「そこだ」
誠那が指したところには男が1人倒れていた。
「となると後は…」
いまだ音のする方へ目をやれば、ルーバルトが戦っていた。シャルハはすでに終わっているようだ。俺達の中で一番強いだろうルーバルトが長引くとは、相手もそれほどの使い手なのだろう。
実際、シャルハは2人に割って入ることができないでいる。接近してる2人に魔法を使うのは危ないしな。
長剣同士であり少しの魔法をまじえた戦いだ。俺達も見ているしかない。
ただ、ルーバルトのほうが押している気がする。
それは当然当事者がよく分かってることで、このままではまずいと判断したのか、敵は新たに武器を取り出した。魔法具だろうかと思ったが、
「なにあれ!」
一十が叫ぶ。その理由は、男が取り出した物は、銃、だった。
それが一十と同じ魔法具だとは思えないでいると、引き金が引かれ、銃声が響く。
本物の銃だ。それはたぶん、俺達世界産。
銃口の向けられていたルーバルトはなんとか当たらなかったようで安堵する。しかし、何度も避けれるだろうか?
ルーバルトはさすがにヤバイと考えたのか、足を踏みだし攻撃を仕掛けるが男は思わぬ行動に出た。
銃口を近くにいたシャルハに向けたのだ。
それにはルーバルトの足も止まる。
銃を持つ相手が雑魚なら気にせず攻撃したほうがいいだろうが、こいつはヤバイ。
ルーバルトやシャルハは銃に対する対策なんて知らないだろう。
俺達が動けないでいると男は笛を吹いた。
仲間を呼んだのは明白で、すぐに1人の男が現れた。その男は銃を構える男の近くの地面に魔法陣らしきものを作り出す。
その上に2人が乗ったことから、転移の魔法だろう。他の仲間は捨ててくんだな。
そして魔法陣が光り出した。
銃を構える男はにやりと口角を上げ、ルーバルトに向けて引き金を引いた。再び銃声が響く。その後すぐに2人の男は消えていく。
「やっぱりルーバルトは実力は隠すタイプだったんだな」
ルーバルトは魔法を使った。おそらく魔法具なしでの。それは氷の魔法で、いくつもの氷が発生して、弾の威力を殺したのだろう。
「上手くいくかは未知数だったがな。これでふせげるなら、今後もなんとかなるな。しかし、あんなのがこっちに溢れられると困る」
「…悪い」
「またなんで謝るんだ。オミは」
「また、こっちが悪いだろ?」
「だから前も言ったろ?お互い様なんだよ。向こうで魔法発動した事件は何度かあるらしい」
「…マジか」
一十を見ると頷いていた。そうか。だから特殊警察とかできるんだよな。
その後、見捨てられた連中を本格的に縛る。
捕まえられそうになっていた鳥は、数の少ない幻獣で、神殿に巣を作っていたようだ。怯えていたが、誠那が近づいて撫でると大人しくなった。すでに誠那が現地の人だと分かっているので、嫉妬はしないぞ。羨ましいとは思ったが。
基本はやはり人に触れられるのを嫌うようなので、俺は目に焼き付けるように鳥を眺めて姿を記憶した。
そして、帰るか、となって神殿の外に出たが、
「これは…、駄目ですね…」
屋上にいた時はまだ曇りだった天気がひどくなっていた。真っ黒な雲となり雷が響きだす。風も強く雨が降り始めている。
シャルハが何を駄目だと言ったかというと、ドラゴンに乗って帰ることができない。ドラゴンは平気だが、上に乗る人が堪らないよな。
しかたないと神殿の中へと引き返す。するとちょうど雨が激しくなった。
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