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バルファ旅行記つー
つー8
しおりを挟む「あ、しかし、イチトは?」
「ふふふ。会長、俺は特殊警察だって言ったでしょ。俺はほら、これがあるから大丈夫!」
一十は自慢げに派手めの銃を取り出した。
「違法だろ!」
「ここは日本じゃありませーん! それに見た目だけで、結局は魔法具なんだよねー」
「は?だとしてもなんでそんな形だ?」
「これは特注でモデルガンを作って、それをバルファで魔法具にしてもらったんだ」
「厨二ってやつか…」
銃は銀色に光っていて装飾がほどこされている。一十が考えたデザインなんだろう。
「もっとはっきりつっこんで!しみじみ言われると逆にいたたまれない!」
「はじめて見た」
俺は交友狭いから、実際の中2時にそんなタイプに遭遇していない。
「やーめーてー!男の子は誰でも武器とか憧れるもんでしょー」
「まあな。俺も格好いいと思うぞ。ただ、もう少し実用的なほうがいいがな」
「ほら、じゃれてないで行くぞ」
「おう、そうだな」
ルーバルトの言葉に視線を向ければシャルハはすでに歩き出していたので、その後をついていく。
密猟者だと思われる男達の後をつけると、神殿の屋上のようなところで男達が生き物を取り囲んでいる場面を目撃する。
俺達は壁に隠れてその様子を窺った。
「今度はヘマすんなよ」
「そっちこそ!」
男達が囲んでいるのは鳥のようだ。ぺリカンくらいの大きさで青緑の体毛をしていて飛べない鳥のようだ。
翼を広げて威嚇しているが捕まるのも時間の問題のようだ。
「オミ、お前はあっち頼む」
「ん」
ルーバルトが小声で指示をしてきたので、俺は男達に気づかれないように右側へと向かう。
指示は言葉少なだったが、相手は6人とこっちよりも多いので、正面から向かっていくのは得策ではない。ここは連中が鳥に気をとられている間に取り囲んで、逃げられないようにするのだろう。
そして俺達素人3人はひとまず時間稼ぎが仕事だろうな。
俺達がうまく連中を囲む前に鳥に危機が訪れたのか、キーと鳴き声を出した。ので、ルーバルトは早めに姿を見せる。
「騎士団だ!大人しくしろ!」
「な!なんでこんなとこに!」
「チッ運がなかったな」
こんな寂れたところに騎士がいるなんて思わなかったんだろう。密猟者達はかなり驚いている。しかしすぐに武器を取り出しルーバルトのほうへ向かっていく。
そんな勇敢?な男だけでなく、早くも逃げ出した奴もいる。
「逃がさねえよ?」
「!くそっ」
逃げ出したから弱いとも限らない。短剣を取り出した男は、俺に向かってきた。さて、どうしたものか?
たいした腕ではないのか、短剣は簡単によけられるが、反撃する隙は見つけられない。
簡単に避けられることにいらついたのか、男は新たな道具を取り出した。まさか…。
「飛べ、炎!」
「うおっ、卑怯な!」
バルファ初心者に魔法具つかってきた。大人げないぞ、おっさん!
「お前も持ってるのか…」
「そんな弱そうに見えたか?」
はい、初めてですが魔法具が使えました。ルーバルトが貸してくれた魔法具は空気を変化させる魔法が使えるもので、初めてのバルファ訪問でルーバルトが使っていた透明な盾がそれだ。
それをイメージして湧き上がる何かを放出する感じで作れました。それによって炎を防いだんですよ。
「もう一度だ!炎、盾を壊せ!」
再び男が出した炎の玉?を盾で防ぐ。その後、新たなイメージを作り出す。透明な棍を作りだし、男へと叩きつけた。
男は呻いて倒れたので素早く男の体を転がしうつ伏せにして、持ってきてた蔓をつかって手首を縛る。
前から学んだのだ。逃がしはしない。
さらに男を片足で踏みつけつつ、他の状況を見る。
ちょうど一十が一番に見えた。
相手は長剣のようで、避けるのに苦労していた。それでも顔は余裕なので大丈夫だろう。
その通りで、相手の大振りによってできた大きな隙をついて、一十が構える。そして銃口から魔法の光が放たれた。ドバーという感じだ。銃の弾とは違って幅がある。
それを避けられず男は吹き飛ばされた。そのまま気絶したようだ。
一十は飛び上がって喜ぶ。しかしそんな隙を狙われる。危ない!と俺が口を開こうとしたが、一十を横から狙った男はあっさりと倒れた。
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