バルファ旅行記

はるば草花

文字の大きさ
16 / 49
バルファ旅行記つー

つー8

しおりを挟む

「あ、しかし、イチトは?」

「ふふふ。会長、俺は特殊警察だって言ったでしょ。俺はほら、これがあるから大丈夫!」


一十は自慢げに派手めの銃を取り出した。


「違法だろ!」

「ここは日本じゃありませーん! それに見た目だけで、結局は魔法具なんだよねー」

「は?だとしてもなんでそんな形だ?」

「これは特注でモデルガンを作って、それをバルファで魔法具にしてもらったんだ」

「厨二ってやつか…」


銃は銀色に光っていて装飾がほどこされている。一十が考えたデザインなんだろう。


「もっとはっきりつっこんで!しみじみ言われると逆にいたたまれない!」

「はじめて見た」


俺は交友狭いから、実際の中2時にそんなタイプに遭遇していない。


「やーめーてー!男の子は誰でも武器とか憧れるもんでしょー」

「まあな。俺も格好いいと思うぞ。ただ、もう少し実用的なほうがいいがな」

「ほら、じゃれてないで行くぞ」

「おう、そうだな」


ルーバルトの言葉に視線を向ければシャルハはすでに歩き出していたので、その後をついていく。

密猟者だと思われる男達の後をつけると、神殿の屋上のようなところで男達が生き物を取り囲んでいる場面を目撃する。

俺達は壁に隠れてその様子を窺った。


「今度はヘマすんなよ」

「そっちこそ!」


男達が囲んでいるのは鳥のようだ。ぺリカンくらいの大きさで青緑の体毛をしていて飛べない鳥のようだ。

翼を広げて威嚇しているが捕まるのも時間の問題のようだ。


「オミ、お前はあっち頼む」

「ん」


ルーバルトが小声で指示をしてきたので、俺は男達に気づかれないように右側へと向かう。

指示は言葉少なだったが、相手は6人とこっちよりも多いので、正面から向かっていくのは得策ではない。ここは連中が鳥に気をとられている間に取り囲んで、逃げられないようにするのだろう。
そして俺達素人3人はひとまず時間稼ぎが仕事だろうな。

俺達がうまく連中を囲む前に鳥に危機が訪れたのか、キーと鳴き声を出した。ので、ルーバルトは早めに姿を見せる。


「騎士団だ!大人しくしろ!」

「な!なんでこんなとこに!」

「チッ運がなかったな」


こんな寂れたところに騎士がいるなんて思わなかったんだろう。密猟者達はかなり驚いている。しかしすぐに武器を取り出しルーバルトのほうへ向かっていく。

そんな勇敢?な男だけでなく、早くも逃げ出した奴もいる。


「逃がさねえよ?」

「!くそっ」


逃げ出したから弱いとも限らない。短剣を取り出した男は、俺に向かってきた。さて、どうしたものか?

たいした腕ではないのか、短剣は簡単によけられるが、反撃する隙は見つけられない。

簡単に避けられることにいらついたのか、男は新たな道具を取り出した。まさか…。


「飛べ、炎!」

「うおっ、卑怯な!」


バルファ初心者に魔法具つかってきた。大人げないぞ、おっさん!


「お前も持ってるのか…」

「そんな弱そうに見えたか?」


はい、初めてですが魔法具が使えました。ルーバルトが貸してくれた魔法具は空気を変化させる魔法が使えるもので、初めてのバルファ訪問でルーバルトが使っていた透明な盾がそれだ。

それをイメージして湧き上がる何かを放出する感じで作れました。それによって炎を防いだんですよ。


「もう一度だ!炎、盾を壊せ!」


再び男が出した炎の玉?を盾で防ぐ。その後、新たなイメージを作り出す。透明な棍を作りだし、男へと叩きつけた。

男は呻いて倒れたので素早く男の体を転がしうつ伏せにして、持ってきてた蔓をつかって手首を縛る。

前から学んだのだ。逃がしはしない。

さらに男を片足で踏みつけつつ、他の状況を見る。
ちょうど一十が一番に見えた。

相手は長剣のようで、避けるのに苦労していた。それでも顔は余裕なので大丈夫だろう。

その通りで、相手の大振りによってできた大きな隙をついて、一十が構える。そして銃口から魔法の光が放たれた。ドバーという感じだ。銃の弾とは違って幅がある。

それを避けられず男は吹き飛ばされた。そのまま気絶したようだ。

一十は飛び上がって喜ぶ。しかしそんな隙を狙われる。危ない!と俺が口を開こうとしたが、一十を横から狙った男はあっさりと倒れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

龍の寵愛を受けし者達

樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、 父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、 ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。 それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。 それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。 王家はある者に裏切りにより、 無惨にもその策に敗れてしまう。 剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、 責めて騎士だけは助けようと、 刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる 時戻しの術をかけるが…

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

処理中です...