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ニールの目ざめ (26) 大スペクタクルの終わり
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ニールは、その言葉を聞いて、次のように考えました。
なるほど……。外からの攻撃に備えて守りは固めておきたいけれど、そうすると、森の人たちの暮らしが成り立たなくなるかも知れない。今まで上手くいっていたのは、神様の魔法のおかげなわけだから、その魔法を置いていけば、今まで通り生活できるってわけか。
「魔法を置き土産にするって、具体的にはどうやってしたんですか?」
ドッジが、少し先走った問いをメリドルに投げかけます。先ほどまで睡魔とケンカをしていた彼も、既にこの話の虜となっていました。
「うん。そこが、正に重要なんだ。
神様たちは、自分の持っている魔法の一部を切り取った後、更にそれを何千何万という小さな塊に分けたんだよ。そしてその魔法の欠片を天に放り投げると、欠片たちは光の粒となって全ての森の人々の体の中に入っていった。
気がつくと、人々は皆、何がしかの魔法を使えるようになっていたってわけさ。
それを確認した神様たちは、これまでの楽しかった暮らしを人々に感謝して、名残を惜しみながらも別の世界へと旅立って行ったんだ」
神様たちとの別れを語るメリドルの言葉とともに、子供たちも皆、しんみりとします。
「さぁ、どうだい。これで”神々の恩賜”の意味が、わかったろう?」
メリドルが、話を締めくくりに入りました。
「あぁ! 神々の恩賜、つまり神様からの贈り物。その贈り物は”魔法!”」
全てに合点のいったマリアが、小さな声で叫びます。彼女の好奇心が、隅々まで満たされた瞬間でした。
クラスの知の象徴に導かれ、大半の生徒が”神々の恩賜”の意味を理解します。
にわかにざわつく生徒たちを眺めまわしたメリドルは、授業が成功した事を確信しました。彼はこれまで何十回となく神々の恩賜に関する授業を行ってはきましたが、その度に大きなプレッシャーを感じていたのです。
なぜかって? ヴォルノールの森の人達にとって魔法は正に生活の一部ですから、その起源を知る事は、長い人生を送る上で非常に大切な要素です。授業の仕方次第で、子供たちの魔法に対する理解が左右されると思うと、神々の恩賜の授業をしなければならない日の朝は、いつも胃がキリキリと痛むメリドルでした。
あぁ、でも今日は、生徒たちに随分と助けられたな。
メリドルは、授業の成功に胸をなでおろしながら、そう思います。
ニール、マリア、ドッジ、ホランショを始め、生徒たちが事あるごとに、的確な疑問を投げかけてくれたおかげで、皆の興味を失わせる事なく最後まで話を続けられたのですからね。
教師は生徒に教えるだけでなく、生徒に教えられる事も沢山あると、メリドルは改めて思いました。
さぁてと、それじゃあ最後の仕上げといくか。
メリドルは、しっかりとした調子で、
「そして魔法の元である光の粒は、人が亡くなるとその体を離れ、また別の赤ん坊の体に入ると言われています。
でも皆さん、そんな光を見た経験はないと思います。私もありません。どうやらその光は、普通の人には見えないらしいのですね。しかし、中には”魔法の光の粒が見える魔法”を持っている人がいて、その人にはキチンと見えているそうですよ」
と、言いました。
メリドルからの新情報に、生徒たちは驚きます。だってそれは、今、自分たちに直接関係する話なのですからね。
「でも、先生。一人で幾つも違う種類の魔法を使える人もいますよね。それは、どういうわけなんでしょうか?」
マリアは心の中に浮かんだ、新たな疑問をぶつけます。
「う~ん。それはまだ、よくわかっていないんだけどね。一つの光の粒には一つの魔法が封じ込められていて、人によっては一人で幾つもの光の粒を体に取り込んでいるという説が有力です。
これも先ほど言った、その光を見られる人の協力によって、分かってきた話なんですけどね」
あやふやな情報を余り喋りたくないメリドルが、少し口ごもりました。
なるほど……。外からの攻撃に備えて守りは固めておきたいけれど、そうすると、森の人たちの暮らしが成り立たなくなるかも知れない。今まで上手くいっていたのは、神様の魔法のおかげなわけだから、その魔法を置いていけば、今まで通り生活できるってわけか。
「魔法を置き土産にするって、具体的にはどうやってしたんですか?」
ドッジが、少し先走った問いをメリドルに投げかけます。先ほどまで睡魔とケンカをしていた彼も、既にこの話の虜となっていました。
「うん。そこが、正に重要なんだ。
神様たちは、自分の持っている魔法の一部を切り取った後、更にそれを何千何万という小さな塊に分けたんだよ。そしてその魔法の欠片を天に放り投げると、欠片たちは光の粒となって全ての森の人々の体の中に入っていった。
気がつくと、人々は皆、何がしかの魔法を使えるようになっていたってわけさ。
それを確認した神様たちは、これまでの楽しかった暮らしを人々に感謝して、名残を惜しみながらも別の世界へと旅立って行ったんだ」
神様たちとの別れを語るメリドルの言葉とともに、子供たちも皆、しんみりとします。
「さぁ、どうだい。これで”神々の恩賜”の意味が、わかったろう?」
メリドルが、話を締めくくりに入りました。
「あぁ! 神々の恩賜、つまり神様からの贈り物。その贈り物は”魔法!”」
全てに合点のいったマリアが、小さな声で叫びます。彼女の好奇心が、隅々まで満たされた瞬間でした。
クラスの知の象徴に導かれ、大半の生徒が”神々の恩賜”の意味を理解します。
にわかにざわつく生徒たちを眺めまわしたメリドルは、授業が成功した事を確信しました。彼はこれまで何十回となく神々の恩賜に関する授業を行ってはきましたが、その度に大きなプレッシャーを感じていたのです。
なぜかって? ヴォルノールの森の人達にとって魔法は正に生活の一部ですから、その起源を知る事は、長い人生を送る上で非常に大切な要素です。授業の仕方次第で、子供たちの魔法に対する理解が左右されると思うと、神々の恩賜の授業をしなければならない日の朝は、いつも胃がキリキリと痛むメリドルでした。
あぁ、でも今日は、生徒たちに随分と助けられたな。
メリドルは、授業の成功に胸をなでおろしながら、そう思います。
ニール、マリア、ドッジ、ホランショを始め、生徒たちが事あるごとに、的確な疑問を投げかけてくれたおかげで、皆の興味を失わせる事なく最後まで話を続けられたのですからね。
教師は生徒に教えるだけでなく、生徒に教えられる事も沢山あると、メリドルは改めて思いました。
さぁてと、それじゃあ最後の仕上げといくか。
メリドルは、しっかりとした調子で、
「そして魔法の元である光の粒は、人が亡くなるとその体を離れ、また別の赤ん坊の体に入ると言われています。
でも皆さん、そんな光を見た経験はないと思います。私もありません。どうやらその光は、普通の人には見えないらしいのですね。しかし、中には”魔法の光の粒が見える魔法”を持っている人がいて、その人にはキチンと見えているそうですよ」
と、言いました。
メリドルからの新情報に、生徒たちは驚きます。だってそれは、今、自分たちに直接関係する話なのですからね。
「でも、先生。一人で幾つも違う種類の魔法を使える人もいますよね。それは、どういうわけなんでしょうか?」
マリアは心の中に浮かんだ、新たな疑問をぶつけます。
「う~ん。それはまだ、よくわかっていないんだけどね。一つの光の粒には一つの魔法が封じ込められていて、人によっては一人で幾つもの光の粒を体に取り込んでいるという説が有力です。
これも先ほど言った、その光を見られる人の協力によって、分かってきた話なんですけどね」
あやふやな情報を余り喋りたくないメリドルが、少し口ごもりました。
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