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ニールの目ざめ (28) ニールの異変
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さて、ここで皆さん、ちょっと疑問に思っている事はありませんか?
”学校で神様がどうこうなんて話を、現実の延長として生徒に話すなんて”
とかね。
ヴォルノースの森というのは、地方もある程度はそうですが、特に東西南北の森の中心にある「決め事の都市」ともなれば、かなり近代的な大都市です。そんな都市が統べる世界で、単に宗教学の一片としてならばともかく、神様云々という話を大々的に学校で教えるなんて普通なら問題でしょう。
でも、それには理由があるのです。
ヴォルノースの森では魔法が普通の事として存在しますが、実は魔法自体、未だ科学では殆ど解明できていなのですね。そして必要は発明の母とは良く言ったもので、そもそも全ての人が魔法を使える関係上、科学的な思考自体が他の分野と比べて余り発展していないのでした。
つまりは”魔法で大抵の事が解決するのだから、別にそれでいいじゃん”となってしまうのです。
よって魔法に関する事柄も、科学的に解明しようというアプローチよりは、考古学上、信頼のおける古文書に頼る傾向が強いのですね。
実際、ある特定の時代から前には神々に関する魔法の他は、魔法の記述が殆ど存在せず「ある時点から、急に全ての人々が魔法を使えるようになった」事は、間違いないようですし……。
はなはだイビツな形に見えますが、ヴォルノースの科学と魔法の関係は、そのようなものなのでした。
さて、一方こちらは校門をくぐったばかりのニール、マリア、ドッジの仲良し三人組。
「神々の恩賜の話、良かったわよね。私、今日の夜、ちゃんと眠れるか心配だわ」
授業の余韻を色濃く残しているマリアが、興奮気味に言いました。
「なんで?」
ドッジが、不思議そうに尋ねます。
「はぁ? あんた、あれだけの話を聞いて、何も感じないの? ベッドで目をつぶったら、その頃の情景とか色々浮かんで、ちゃんとテンションが抑えられるかどうか、心配って事よ」
マリアが、呆れたように言い返しました。
「俺は、ぐっすり眠れると思うな。まぁ、夜更かしして、明日、寝坊しないようにな、ハハハッ」
遅刻の常連が、あっけらかんと笑います。
「なんですって!?」
マリアの顔が、一気に紅潮しました
ニールは、いつも通りの二人の掛け合いを聞きながら、
魔法が封じ込まれた光の粒かぁ……。さっきの話じゃ、赤ん坊の頃に既に体に入っているらしいけど、ちゃんとボクの中にもあるのかなぁ。
彼は自分の体を見下ろしながら、そう思います。本当は、光の粒が見える魔法を使える人に、今すぐにでも確認してほしい心持ちでした。
あっ……。
ニールが心の中で、声をあげます。色々な事を考えている内に、例の公園のすぐ前まで来てしまっていたのです。朝は遠回りをしてきたので、変な感覚に襲われないで済みましたが、再び公園を通ったら……。
ドッジやマリアと一緒に帰ればこうなる事は分かっていたものの、彼は対策を考えていませんでした。もっとも彼らに”遠回りして帰ろう”なんて言う、都合のよい口実なんて、あるわけがないんですけどね。
なるようになれ。
ニールは意を決して、公園の入り口を通ります。歩くスピードは他の二人と合わせながらも、彼はおっかなびっくりと園内を進みました。
……大丈夫みたいだ……。
何事もなく、公園の中ほどまで来たニールが一安心します。
「ニール、なんだい。なんかあるのか?」
昨日の事もあってか、友人のおかしな態度に気のついたドッジが声を掛けました。マリアもその言葉に、ニールの方を振り返ります。
「え? いや、特に……」
ニールが、そう言いかけた時でした。
突然、襲ってきたのです。あの感覚が!
ニールは思わず周りを見回します。今日は昨日より時間が遅い事もあり、彼らに比べ、かなり小さい子供を連れた大人たちもまばらに見えました。ですが、彼らが原因でないのはわかっています。昨日は、誰もいないのに、この変な感覚に襲われたのですからね。
”学校で神様がどうこうなんて話を、現実の延長として生徒に話すなんて”
とかね。
ヴォルノースの森というのは、地方もある程度はそうですが、特に東西南北の森の中心にある「決め事の都市」ともなれば、かなり近代的な大都市です。そんな都市が統べる世界で、単に宗教学の一片としてならばともかく、神様云々という話を大々的に学校で教えるなんて普通なら問題でしょう。
でも、それには理由があるのです。
ヴォルノースの森では魔法が普通の事として存在しますが、実は魔法自体、未だ科学では殆ど解明できていなのですね。そして必要は発明の母とは良く言ったもので、そもそも全ての人が魔法を使える関係上、科学的な思考自体が他の分野と比べて余り発展していないのでした。
つまりは”魔法で大抵の事が解決するのだから、別にそれでいいじゃん”となってしまうのです。
よって魔法に関する事柄も、科学的に解明しようというアプローチよりは、考古学上、信頼のおける古文書に頼る傾向が強いのですね。
実際、ある特定の時代から前には神々に関する魔法の他は、魔法の記述が殆ど存在せず「ある時点から、急に全ての人々が魔法を使えるようになった」事は、間違いないようですし……。
はなはだイビツな形に見えますが、ヴォルノースの科学と魔法の関係は、そのようなものなのでした。
さて、一方こちらは校門をくぐったばかりのニール、マリア、ドッジの仲良し三人組。
「神々の恩賜の話、良かったわよね。私、今日の夜、ちゃんと眠れるか心配だわ」
授業の余韻を色濃く残しているマリアが、興奮気味に言いました。
「なんで?」
ドッジが、不思議そうに尋ねます。
「はぁ? あんた、あれだけの話を聞いて、何も感じないの? ベッドで目をつぶったら、その頃の情景とか色々浮かんで、ちゃんとテンションが抑えられるかどうか、心配って事よ」
マリアが、呆れたように言い返しました。
「俺は、ぐっすり眠れると思うな。まぁ、夜更かしして、明日、寝坊しないようにな、ハハハッ」
遅刻の常連が、あっけらかんと笑います。
「なんですって!?」
マリアの顔が、一気に紅潮しました
ニールは、いつも通りの二人の掛け合いを聞きながら、
魔法が封じ込まれた光の粒かぁ……。さっきの話じゃ、赤ん坊の頃に既に体に入っているらしいけど、ちゃんとボクの中にもあるのかなぁ。
彼は自分の体を見下ろしながら、そう思います。本当は、光の粒が見える魔法を使える人に、今すぐにでも確認してほしい心持ちでした。
あっ……。
ニールが心の中で、声をあげます。色々な事を考えている内に、例の公園のすぐ前まで来てしまっていたのです。朝は遠回りをしてきたので、変な感覚に襲われないで済みましたが、再び公園を通ったら……。
ドッジやマリアと一緒に帰ればこうなる事は分かっていたものの、彼は対策を考えていませんでした。もっとも彼らに”遠回りして帰ろう”なんて言う、都合のよい口実なんて、あるわけがないんですけどね。
なるようになれ。
ニールは意を決して、公園の入り口を通ります。歩くスピードは他の二人と合わせながらも、彼はおっかなびっくりと園内を進みました。
……大丈夫みたいだ……。
何事もなく、公園の中ほどまで来たニールが一安心します。
「ニール、なんだい。なんかあるのか?」
昨日の事もあってか、友人のおかしな態度に気のついたドッジが声を掛けました。マリアもその言葉に、ニールの方を振り返ります。
「え? いや、特に……」
ニールが、そう言いかけた時でした。
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