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ニールの目ざめ (51) 作戦決行!
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「じゃぁ、作戦開始! 時間との戦いよ!」
ドッジとニールを差し置いて、最終的にはマリアが号令をかけました。
三人と二人の精霊は、全速力で砂場へと向かいます。
「ねぇ、あなたたち……」
まずはマリアが、女の子二人に声を掛け、言葉巧みに砂場外へと誘います。どうすれば、小さい子供が興味を持つか、マリアはちゃんと知っているのですね。彼女ははやる気持ちを抑えつつ、でも確実に二人を場外へと連れ出しました。慌ててしまっては、小さな子供に不安を与えるだけですから。
これで砂場に残っているのは、あと六人。
続いてドッジが、砂でお城を作っている男の子三人の前に立ちはだかります。
「よぉ、お前ら。俺が、とっても楽しい遊びを教えてやろう」
あらあら。ドッジとしては魅力的な言葉で、連れ出そうとしたようですが、突然、自分たちより遥かに体の大きい、しかも如何にも乱暴そうな男の子が迫って来たのです。彼らは、恐ろしさで身が固まりました。
「おい、どうした。言う事を聞け」
思い通りに子供たちが反応しない事態に、ドッジが苛立ちます。
しかしドッジの恫喝とも取れる物言いに、彼らは半分泣き始めました。
こりゃ、やばい。
ドッジは、思います。
ここで号泣でもされたひには、当然、一緒に来ている彼らの親たちが気がついて、連れ出すどころの話ではなくなるのは明白でした。
どうする? どうする?
いつになく、ガキ大将が狼狽します。
ですが、ここで一つの小さな奇跡が起こりました。
「おい、お前、オスカーじゃないか?」
ドッジが、三人の内の一人を見て話しかけます。オスカーとは、ドッジの友人の弟で、その友人の家で遊ぶ際には、オスカーも一緒に面倒を見るという事も、時々はあったのでした。
「あっ、ドッジ兄ちゃん」
突然現れた大男(小さなオスカーには、ドッジがそう見えます)に驚いて気づくのが遅れましたが、自分の名前を呼ばれ、彼はようやくそれが誰なのかを悟りました。
そうなれば、もうこちらのものです。ドッジが悪い人ではない事を知っているオスカーは、安心して彼の命に従おうとします。それに伴って、残りの二人もドッジについていきました。
さぁ、これで残り三人。
「ねぇ、お嬢ちゃん。私たちと遊びましょ」
ミリナとファリナが、一人で遊んでいた女の子の前に現れます。彼女は突然の事に、目をパチクリとさせました。
ヴォルノースの世界では、彼女たちのような精霊の存在は知られていますが、大抵は森や山の奥深くで時たま見かけられる程度に過ぎません。こんな街中に現れて、しかも親しく話しかけて来るなんて事は滅多にないのです。
「さぁ、こっちよ、こっち」
ミリナとファリナは女の子の前から、少しずつ離れて行きます。母親から聞いた物語の中でしか、精霊の存在を知らなかった女の子は、二人の後をヨチヨチとついていきました。もっともこれには、精霊特有の幻惑魔法も使われていたのですけどね。
これで残りは二人。
「ねぇ、君たち。これ知ってる?」
ニールは優しく二人の男の子に声を掛けました。彼らはいきなりの事に少し戸惑いますが、ニールの穏やかな表情にこれといった警戒感を抱きません。ドッジとは大違いです。まぁ、これが人徳というものでしょうか。
ニールはポケットの中をゴソゴソと探り、小さいコマのような物を取り出しました。そしてそれを手のひらの上で回します。すると、どうでしょう。コマは勢いを増すにつれ、周囲から小さな羽のような光を発しました。それはクルクルと回り、とてもきれいな軌跡を描きます。
ドッジとニールを差し置いて、最終的にはマリアが号令をかけました。
三人と二人の精霊は、全速力で砂場へと向かいます。
「ねぇ、あなたたち……」
まずはマリアが、女の子二人に声を掛け、言葉巧みに砂場外へと誘います。どうすれば、小さい子供が興味を持つか、マリアはちゃんと知っているのですね。彼女ははやる気持ちを抑えつつ、でも確実に二人を場外へと連れ出しました。慌ててしまっては、小さな子供に不安を与えるだけですから。
これで砂場に残っているのは、あと六人。
続いてドッジが、砂でお城を作っている男の子三人の前に立ちはだかります。
「よぉ、お前ら。俺が、とっても楽しい遊びを教えてやろう」
あらあら。ドッジとしては魅力的な言葉で、連れ出そうとしたようですが、突然、自分たちより遥かに体の大きい、しかも如何にも乱暴そうな男の子が迫って来たのです。彼らは、恐ろしさで身が固まりました。
「おい、どうした。言う事を聞け」
思い通りに子供たちが反応しない事態に、ドッジが苛立ちます。
しかしドッジの恫喝とも取れる物言いに、彼らは半分泣き始めました。
こりゃ、やばい。
ドッジは、思います。
ここで号泣でもされたひには、当然、一緒に来ている彼らの親たちが気がついて、連れ出すどころの話ではなくなるのは明白でした。
どうする? どうする?
いつになく、ガキ大将が狼狽します。
ですが、ここで一つの小さな奇跡が起こりました。
「おい、お前、オスカーじゃないか?」
ドッジが、三人の内の一人を見て話しかけます。オスカーとは、ドッジの友人の弟で、その友人の家で遊ぶ際には、オスカーも一緒に面倒を見るという事も、時々はあったのでした。
「あっ、ドッジ兄ちゃん」
突然現れた大男(小さなオスカーには、ドッジがそう見えます)に驚いて気づくのが遅れましたが、自分の名前を呼ばれ、彼はようやくそれが誰なのかを悟りました。
そうなれば、もうこちらのものです。ドッジが悪い人ではない事を知っているオスカーは、安心して彼の命に従おうとします。それに伴って、残りの二人もドッジについていきました。
さぁ、これで残り三人。
「ねぇ、お嬢ちゃん。私たちと遊びましょ」
ミリナとファリナが、一人で遊んでいた女の子の前に現れます。彼女は突然の事に、目をパチクリとさせました。
ヴォルノースの世界では、彼女たちのような精霊の存在は知られていますが、大抵は森や山の奥深くで時たま見かけられる程度に過ぎません。こんな街中に現れて、しかも親しく話しかけて来るなんて事は滅多にないのです。
「さぁ、こっちよ、こっち」
ミリナとファリナは女の子の前から、少しずつ離れて行きます。母親から聞いた物語の中でしか、精霊の存在を知らなかった女の子は、二人の後をヨチヨチとついていきました。もっともこれには、精霊特有の幻惑魔法も使われていたのですけどね。
これで残りは二人。
「ねぇ、君たち。これ知ってる?」
ニールは優しく二人の男の子に声を掛けました。彼らはいきなりの事に少し戸惑いますが、ニールの穏やかな表情にこれといった警戒感を抱きません。ドッジとは大違いです。まぁ、これが人徳というものでしょうか。
ニールはポケットの中をゴソゴソと探り、小さいコマのような物を取り出しました。そしてそれを手のひらの上で回します。すると、どうでしょう。コマは勢いを増すにつれ、周囲から小さな羽のような光を発しました。それはクルクルと回り、とてもきれいな軌跡を描きます。
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