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ニールの目ざめ (50) 助っ人 登場
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マリアは、その言葉にドキリとします。彼女は頭が良い分、どうしても理屈で物を考えようとします。それはそれで素晴らしい事なのですが、ただ”ここ一番”という状況においては、判断を遅らせる要因となっていました。
それに引きかえドッジはと言えば、普段はいい加減極まりない性格にも関わらず、ここぞという時に発揮される理屈抜きの洞察力は、一つの才能と言って良いほど適格なのです。いつもドッジをからかっているマリアさえ、そこは認めざるを得ないところでした。
「わ、わかったわ。ニールを信じる」
マリアがニールの方へ顔を向け、ぎこちないながらも笑顔を見せました。
「よし、じゃぁ、早速行動開始だ!」
ニールを差し置いて、ドッジが号令をかけます。
「ちょっと待って。あそこには今、八人の子供がいるわ。私たちだけじゃ心もとない」
持ち前の聡明さを発揮し始めたマリアが、勇むドッジを止めました。
「おい、出鼻をくじくような事、言うなよ」
ドッジの機嫌が、途端に悪くなります。
「ドッジ。ミリナとファリナを呼んで! 確か彼女たち、小さい動物や幼い子供の心を掴む力があるでしょう?」
名参謀が、より確実な作戦を提案しました。
ミリナとファリナとは、誰かって? それは、すぐにわかります。
「そうだね。人出は多い方がいい。頼むよドッジ。一刻を争うんだ」
ニールが、マリアの後押しをしました。
「ん~、しょうがねぇなぁ。今日は特別だぞ」
少し困ったような顔をしたドッジですが、それでも彼らの要請を受け入れたガキ大将は、両手を前に突き出して、手のひらを上に向けます。
「ミリナにファリナ、出て来ておくれ。可愛い笑顔を、振りまき振りまき」
と、ドッジが呪文を唱えると、その手のひらの上に小さな光の粒が二つ、ほわっと現れました。そして二つはクルクルとお互いに回りあいながら、ドンドン大きくなっていきます。
やがて光の中から、ウスバカゲロウのような美しい羽を持った小さな精霊の女の子、ミリナとファリナの二人が現れました。
そうなんです。この身長十三~四センチほどの小さな精霊を呼びだす事が出来るのが、ドジの魔法なんですね。
ただ硬派のガキ大将を気取るドッジとしては、この魔法、とても公開できるものではありません。”恰好悪い”と思ってるんですね。もちろんニールやマリアは、そんな風に考えてはいませんが、そう言った事情から、彼の魔法を知っている人は、ごく少数に限られました。
「なあに、ドッジ」
「なあに、ドッジ」
二人が揃って口を開きます。
「おい、説明は後だ。あそこの砂場にいる連中な。あいつらを砂場の端から最低十、いや十五メートル離れた場所へ引っ張り出せ。わかったな」
ドッジが、横柄な口調で命令します。
「いやよ。私、ドッジの家来じゃないもの」
「いやよ。私、ドッジの家来じゃないもの」
再び精霊たちは、声を揃えます。
そんな光景を見ていたニールが、
「ミリナ、ファリナ、お願いだ。とっても急ぐんだ」
と、彼女たちを見つめて懇願しました。
二人の精霊は、ニールの余りに真剣な表情にとてもビックリしましたが、少しだけ間を置いた後、
「わかったわ」
「わかったわ」
と、快諾します。
「おい、お前たち、何でニールの言う事なら聞くんだよ」
ドッジが抗議すると、ミリナが、
「ニールはドッジと違って、とっても良い子だもの。信用できるわ」
と、事もなげに言い放ち、ファリナもウンウンと頷きました。
「なんだとぉ!」
ドッジが、気色ばみます。
「ドッジ、うるさいわよ! 今は時間がないの。内輪もめは後にして頂戴!」
マリアがそう言うと、ニールも「ミリナにファリナ。ありがとう、よろしく頼むよ」と、二人にお礼を言いました。
それに引きかえドッジはと言えば、普段はいい加減極まりない性格にも関わらず、ここぞという時に発揮される理屈抜きの洞察力は、一つの才能と言って良いほど適格なのです。いつもドッジをからかっているマリアさえ、そこは認めざるを得ないところでした。
「わ、わかったわ。ニールを信じる」
マリアがニールの方へ顔を向け、ぎこちないながらも笑顔を見せました。
「よし、じゃぁ、早速行動開始だ!」
ニールを差し置いて、ドッジが号令をかけます。
「ちょっと待って。あそこには今、八人の子供がいるわ。私たちだけじゃ心もとない」
持ち前の聡明さを発揮し始めたマリアが、勇むドッジを止めました。
「おい、出鼻をくじくような事、言うなよ」
ドッジの機嫌が、途端に悪くなります。
「ドッジ。ミリナとファリナを呼んで! 確か彼女たち、小さい動物や幼い子供の心を掴む力があるでしょう?」
名参謀が、より確実な作戦を提案しました。
ミリナとファリナとは、誰かって? それは、すぐにわかります。
「そうだね。人出は多い方がいい。頼むよドッジ。一刻を争うんだ」
ニールが、マリアの後押しをしました。
「ん~、しょうがねぇなぁ。今日は特別だぞ」
少し困ったような顔をしたドッジですが、それでも彼らの要請を受け入れたガキ大将は、両手を前に突き出して、手のひらを上に向けます。
「ミリナにファリナ、出て来ておくれ。可愛い笑顔を、振りまき振りまき」
と、ドッジが呪文を唱えると、その手のひらの上に小さな光の粒が二つ、ほわっと現れました。そして二つはクルクルとお互いに回りあいながら、ドンドン大きくなっていきます。
やがて光の中から、ウスバカゲロウのような美しい羽を持った小さな精霊の女の子、ミリナとファリナの二人が現れました。
そうなんです。この身長十三~四センチほどの小さな精霊を呼びだす事が出来るのが、ドジの魔法なんですね。
ただ硬派のガキ大将を気取るドッジとしては、この魔法、とても公開できるものではありません。”恰好悪い”と思ってるんですね。もちろんニールやマリアは、そんな風に考えてはいませんが、そう言った事情から、彼の魔法を知っている人は、ごく少数に限られました。
「なあに、ドッジ」
「なあに、ドッジ」
二人が揃って口を開きます。
「おい、説明は後だ。あそこの砂場にいる連中な。あいつらを砂場の端から最低十、いや十五メートル離れた場所へ引っ張り出せ。わかったな」
ドッジが、横柄な口調で命令します。
「いやよ。私、ドッジの家来じゃないもの」
「いやよ。私、ドッジの家来じゃないもの」
再び精霊たちは、声を揃えます。
そんな光景を見ていたニールが、
「ミリナ、ファリナ、お願いだ。とっても急ぐんだ」
と、彼女たちを見つめて懇願しました。
二人の精霊は、ニールの余りに真剣な表情にとてもビックリしましたが、少しだけ間を置いた後、
「わかったわ」
「わかったわ」
と、快諾します。
「おい、お前たち、何でニールの言う事なら聞くんだよ」
ドッジが抗議すると、ミリナが、
「ニールはドッジと違って、とっても良い子だもの。信用できるわ」
と、事もなげに言い放ち、ファリナもウンウンと頷きました。
「なんだとぉ!」
ドッジが、気色ばみます。
「ドッジ、うるさいわよ! 今は時間がないの。内輪もめは後にして頂戴!」
マリアがそう言うと、ニールも「ミリナにファリナ。ありがとう、よろしく頼むよ」と、二人にお礼を言いました。
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