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ニールの目ざめ (62) ちょっとした対立
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「先生。魔力消費ゆえの、疲労という事はないでしょうか?」
メリドルが慎重な声ぶりで、保険医に質問します。
「魔力消費? でもニールはまだ、魔法が使えないはずでは……」
ポッテルが、不審げに尋ねました。
ここで、ちょっと解説。
ヴォルノースの森では、魔法が使えるようになった時、必ず魔法を扱う役所である「魔法管理局」に届けを出さなければなりません。一口に魔法といっても様々です。まれに大変危険な魔法も存在しますから、役所としてはある程度の把握をしておく必要があるのですね。
そして管理局に魔法が認定されると、それは学校にも知らされます。子供たちがどういう魔法を使えるか知らないと、生徒指導もままなりませんから。
但し魔法局や学校の職員は、この事について非常に厳しい守秘義務を負っています。もしそれに反すると、次第によっては免職になる場合さえありました。
「一応、調べていただけませんか?」
いつになく真剣なメリドルの口調に、ポッテルは、すぐさま魔力の計測器を取り出して、ニールの首筋に当てました。
「あら、まぁ」
果たして計測器の表示部には、魔力の枯渇を示す赤いマークが出ています。この計測器、魔法を使えない者には元々反応しないので、これは重要な結果となりました。
「ニール、魔法が使えるようになったの?」
ポッテルが、真剣なまなざしで問いかけます。保険医としては、生徒の健康管理の一環として、是非とも知っておかなくてはいけない情報だからです。
ドッジとマリアも、顔を見合わせました。
そんな二人を横目に、ニールが口を開こうとすると、メリドルがそれを止めるように、
「ポッテル先生。それについては、これからニールに話を聞きます。
ただですね。
彼がどういう魔法を使えるのか、そしてそれをどう使ったのか、これは先ほどの轟音、正体は公園の主と言われている大木が倒れた事によるものなのですが、それと大いに関係しているようなのですよ」
と、機先を制して言いました。
「えっ? あの巨木がですか? でも、それとニールの魔法が関係あるというのは……」
意外な展開に、ポッテルが仰天します。
「それでですね。今から私がニールに詳しい話を聞くにあたって、先生も同席して頂きたいのです。魔法と健康の関係について、魔女である先生はエキスパートでいらっしゃられるわけだから」
メリドルの表情や口調から、これはのっぴきならない状況だと瞬時に察したポッテルは、彼の依頼を快諾しました。
「じゃぁ、マリアにドッジ。二人はここで、待っていなさい。
ニールとの話が終ったら、君たちの保護者に連絡をして学校まで迎えに来てもらう。さっきの騒ぎで、君たちの顔を覚えている人がいるかも知れないからね」
メリドルとしては、子供たちが家に帰る際、先ほどの中年女性が起こしたようなトラブルがあると困ると思ったのでした。
「ちょっと、まってよ、先生」
珍しくマリアが、食って掛かるような物言いをします。
「どうして、私とドッジは、ここで待っていなきゃいけないんですか?」
「そうだ、そうだ。俺たちにだって、話を聞く権利はあるぞ!」
おかぶを奪われたドッジが、負けじと抗議をしました。
「う~ん……」
二人の談判に、メリドルは悩みます。
その時、彼の顔を横から眺めていたニールが、
「ボクからも、お願いします。もしこれが魔法なら、その兆しみたいな事が前からあって、それを調べるのに、二人には色々と協力してもらってたんです」
と、言いました。
「えっ、そうなのか、二人とも」
少し驚いたメリドルが、マリアとドッジの方を振り向きます。
「当たり前のコンコンチキですよ、先生」
ドッジが、さも当然だという顔で答えました。続いてマリアも、大きくうなずきます。
メリドルが慎重な声ぶりで、保険医に質問します。
「魔力消費? でもニールはまだ、魔法が使えないはずでは……」
ポッテルが、不審げに尋ねました。
ここで、ちょっと解説。
ヴォルノースの森では、魔法が使えるようになった時、必ず魔法を扱う役所である「魔法管理局」に届けを出さなければなりません。一口に魔法といっても様々です。まれに大変危険な魔法も存在しますから、役所としてはある程度の把握をしておく必要があるのですね。
そして管理局に魔法が認定されると、それは学校にも知らされます。子供たちがどういう魔法を使えるか知らないと、生徒指導もままなりませんから。
但し魔法局や学校の職員は、この事について非常に厳しい守秘義務を負っています。もしそれに反すると、次第によっては免職になる場合さえありました。
「一応、調べていただけませんか?」
いつになく真剣なメリドルの口調に、ポッテルは、すぐさま魔力の計測器を取り出して、ニールの首筋に当てました。
「あら、まぁ」
果たして計測器の表示部には、魔力の枯渇を示す赤いマークが出ています。この計測器、魔法を使えない者には元々反応しないので、これは重要な結果となりました。
「ニール、魔法が使えるようになったの?」
ポッテルが、真剣なまなざしで問いかけます。保険医としては、生徒の健康管理の一環として、是非とも知っておかなくてはいけない情報だからです。
ドッジとマリアも、顔を見合わせました。
そんな二人を横目に、ニールが口を開こうとすると、メリドルがそれを止めるように、
「ポッテル先生。それについては、これからニールに話を聞きます。
ただですね。
彼がどういう魔法を使えるのか、そしてそれをどう使ったのか、これは先ほどの轟音、正体は公園の主と言われている大木が倒れた事によるものなのですが、それと大いに関係しているようなのですよ」
と、機先を制して言いました。
「えっ? あの巨木がですか? でも、それとニールの魔法が関係あるというのは……」
意外な展開に、ポッテルが仰天します。
「それでですね。今から私がニールに詳しい話を聞くにあたって、先生も同席して頂きたいのです。魔法と健康の関係について、魔女である先生はエキスパートでいらっしゃられるわけだから」
メリドルの表情や口調から、これはのっぴきならない状況だと瞬時に察したポッテルは、彼の依頼を快諾しました。
「じゃぁ、マリアにドッジ。二人はここで、待っていなさい。
ニールとの話が終ったら、君たちの保護者に連絡をして学校まで迎えに来てもらう。さっきの騒ぎで、君たちの顔を覚えている人がいるかも知れないからね」
メリドルとしては、子供たちが家に帰る際、先ほどの中年女性が起こしたようなトラブルがあると困ると思ったのでした。
「ちょっと、まってよ、先生」
珍しくマリアが、食って掛かるような物言いをします。
「どうして、私とドッジは、ここで待っていなきゃいけないんですか?」
「そうだ、そうだ。俺たちにだって、話を聞く権利はあるぞ!」
おかぶを奪われたドッジが、負けじと抗議をしました。
「う~ん……」
二人の談判に、メリドルは悩みます。
その時、彼の顔を横から眺めていたニールが、
「ボクからも、お願いします。もしこれが魔法なら、その兆しみたいな事が前からあって、それを調べるのに、二人には色々と協力してもらってたんです」
と、言いました。
「えっ、そうなのか、二人とも」
少し驚いたメリドルが、マリアとドッジの方を振り向きます。
「当たり前のコンコンチキですよ、先生」
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