67 / 67
本格始動
第66話 閑話 異世界にバレンタインはあるか?(三人称)
しおりを挟む
「そこそこ、その草だよ。」
森の少し開けた水場の近くに映えている草の中の、他の草とほんのちょっとだけ形の違う2株を指して、鷺宮エリカが言った。言われた瀬川有希は頷きながら採取する。
「あ…」
根本が切れてしまって戸惑う表情を見せた。
「まあ、最初の方はねしょうがないよ。」
「そうそう。皆ラビちゃん先輩に徹底的に仕込まれたから…」
大野玲奈が頷く。周りを警戒していた、楡崎カンナが口を挟んだ。
「あの人、何者なんですか?私の師匠とものすごく仲がよさそうで。あなた達が来て早々こういう訓練していたのは驚いたし」
エリカが肩を竦めた。
「それがわかれば誰も苦労はしないよ。どういうわけか、ラビちゃん先輩は、王女様と仲が良くて、その側近のフリネリアさんにも訓練受けたとか聞いたし、カディス師匠はいいライバルっぽいし~。で、魔道具も作れて、魔法は凄いし、剣の腕もたつし、ドラゴンも倒しちゃうしね~」
ぎょっとした顔をしてカンナと有希がエリカを見た。
「あ…あー。内緒だよ?僕達の方の迷宮もね、ラビちゃん先輩と王女様が罠にかかって消えたんだ。ラビちゃん先輩は裏ボスとか言ったけど。白いドラゴンだったって。そのドロップ品マジックバックだったみたい。えーと、収納袋?このアイテムボックスの大きいの。くれたでしょ、これ。」
エリカは指輪を見せた。
「相当今はレベル上がってるんじゃないかなあ……魔力切れなさそうだもんね。ラビちゃん先輩はほんとはもっと早くこの世界に来てたっぽいよ。個人訓練つけてもらってたみたいだし。魔法は魔族の師匠がいるって言ってたから。どう考えてもそっちの魔法の先生じゃないでしょ?」
カンナと有希は顔を見合わせている。
「もう、ラビちゃん先輩が勇者でいいと思うんだけどな―僕。」
エリカのその呟きは森の中に意外なほど響いた。
依頼を無事終えて4人は城に戻ってきた。一旦座学の部屋に戻って報告をしてから各々自由行動をすることになっている。他の面子も帰ってきていて中は騒がしい。
「ねえねえ、えりりん、今日何日か知ってる?」
そこに亜由美が声を掛けてきた。
「ただいまーうん?2月10日?」
エリカはきょとんとした顔して首を傾げた。
「もうすぐバレンタインデーじゃない?ラビちゃん先輩にチョコ贈んないのー??」
鈴木亜由美はにやにやした顔でエリカに詰め寄った。
「な、な、な、ぼ、僕はっそ、そんなの、あげないよ!?」
顔が真っ赤になっていて説得力はなかった。
「えー? この世界でバレンタインデーって有効なの? エリカってそういう……」
カンナが面白そうな顔をして二人を見ていた。
「わー!!わー!!わー!!」
女子組が全員集まって盛り上がってしまった。
それを見ていた他の男性陣は聞いてないふりをしながら聴き耳を立てていた。
(俺かな!?)
(もちろん俺だよな!?)
(どうせ俺には関係ない)
(今日の夕飯なんだろう)
もちろん当日に結果はわかるのだが、空しい期待と言っておこう。
(バレンタインデーってなんだ?)
報告を受ける立場のカディスは一人、この世界には存在していないイベント名を聞いて首をひねるのだった。
この世界にはバレンタインデーは存在しないがなぜか同じ日に南の方の小国家バランという国で愛の告白を初めて女性からした記念日、としてその日だけは、女性から思いを打ち明けてもはしたないと言われずに済む日とされている。地球のチョコに似たお菓子を贈るところまで一緒だ。
聖バランティアの日と呼ばれ、他国でも真似をして贈り物をし合うことがある。それはここ、王都でも一般的であり、貴族の間でも婚約者には贈り物をする習慣があった。
(どうしましょう。贈り物をしたいけれど、あからさまに告白というか!!)
内心悩んでいるアーリアはソファーで身を捩った。
2月14日が近付くにつれてアーリアの情緒不安定が増大しているのをやや諦めた目で見ているフリネリアは、そっと声をかけた。
「殿下。何かお悩み事があるのでしたら、私に聞かせてもらえますか?」
そう真面目な顔で問いかけるとアーリアが真っ赤になった。
「えっ…あ、あ、あの…バ、バ、バランティアの…日が、ち、近いですね!?」
「………。」
あからさまな動揺を見てフリネリアはスルースキルを使った。
「殿下、何かプレゼントの品を見繕いたいと、そういうことですか?」
真っ赤な顔で泣きそうな表情のアーリアは縦に首を何度も振った。
(もうバレバレなのに隠してる感じが可愛いですね)
慈愛の女神のような目をアーリアに向けてフリネリアは言った。
「では殿下、外出許可を取りましょう。」
そして数日後護衛を連れて買い物に出かけるアーリアの姿があった。
その間宇佐見明良は坂上智樹の指導に余念がなかった。故に、この二人だけはその話題に周りが浮ついていたことは気が付いていなかった。
そしてバレンタインデー(バランティアの日)当日。
「なんだあ? これ?」
座学の部屋の教壇の机の上に女子の人数分の包みが置いてあった。
「義理チョコでーす!! でも本命があるかもねー?」
明良は目をぱちくりとして頬を少し赤らめて指でそこを掻いた。
「お、おう?サンキュー?じゃあホワイトデーは奮発するな?」
きゃーやったー!! と女性陣が喜びの声をあげた。
(死ねばいいのに)
(リア充爆発しろ)
(もげろ)
当然男性陣には田村光春にしか義理チョコは行かなかった。日頃の行いがものを言うのだ。
(ああ、バランティアの日か。異世界ではバレンタインデーなんだな。女の子が騒ぐわけだ。義理チョコなんて初めて聞いたが、悪くないな。)
ちなみにカディスも義理チョコは女子人数分もらっている。
明暗が分かれた容赦ない日だった。
そしてその日の夜、いつものアーリアとの報告会に部屋を訪れるとアーリアが緊張して待っていた。
「? どうしたんだ? アーリア……」
明良は首を傾げつつ、椅子に腰を下ろした。
「あ、あの……今日はバランティアの日、なので……これを。」
小さな箱の包みにリボンがかかっていた。
「……あ、ありがとう……」
(バランティアの日? この世界でも、もしかしてバレンタインデーとか、そういう? 後で調べなきゃまずいな……)
内心少し動揺しながら明良は包みを受け取る。
「開けていいか?」
真っ赤な顔のアーリアに聞く。
「も、もちろんです!」
中には小粒のチョコに似た菓子が入っていた。
(まんま、バレンタインデーだな。え、俺、アーリアに告白されてる? うわ、なんかすげえ嬉しいんですけど!!)
心の動揺を抑え、明良はアーリアに包装を解く許可を乞う。
「食べていい?」
アーリアはこくこくと頷いた。それに目を細めた明良は口に一粒放り込んだ。
「おいしい。ありがとう……嬉しいよ。」
そういうと、アーリアは息を吐きだしほっとした表情になった。
「よ、よかった。受け取ってもらえなかったら、どうしようかと思いました。」
明良は愛しそうにアーリアを見てもう一粒口に入れた。
「アーリアからの贈り物はいつだって嬉しい。もらってばっかりだけどな。」
その言葉を聞くとアーリアは横に首を振る。
「私の方こそいっぱいいただいてます。その、その言葉が何より嬉しいです。」
そっと、アーリアの膝上の手に明良の手を乗せる。
「アーリア。いつも感謝している。俺はしたいことをしている。気に病まないでほしい。」
少し力を手に込めた。
(ホワイトデーがあるかわからないけど、お返しは倍返しだな。なにか守護のお守りとか贈ろう)
「はい。」
嬉しそうにアーリアは微笑んで、そこからいつもの報告に戻った。
何ももらえなかった面々は、その日枕を濡らしたという。
森の少し開けた水場の近くに映えている草の中の、他の草とほんのちょっとだけ形の違う2株を指して、鷺宮エリカが言った。言われた瀬川有希は頷きながら採取する。
「あ…」
根本が切れてしまって戸惑う表情を見せた。
「まあ、最初の方はねしょうがないよ。」
「そうそう。皆ラビちゃん先輩に徹底的に仕込まれたから…」
大野玲奈が頷く。周りを警戒していた、楡崎カンナが口を挟んだ。
「あの人、何者なんですか?私の師匠とものすごく仲がよさそうで。あなた達が来て早々こういう訓練していたのは驚いたし」
エリカが肩を竦めた。
「それがわかれば誰も苦労はしないよ。どういうわけか、ラビちゃん先輩は、王女様と仲が良くて、その側近のフリネリアさんにも訓練受けたとか聞いたし、カディス師匠はいいライバルっぽいし~。で、魔道具も作れて、魔法は凄いし、剣の腕もたつし、ドラゴンも倒しちゃうしね~」
ぎょっとした顔をしてカンナと有希がエリカを見た。
「あ…あー。内緒だよ?僕達の方の迷宮もね、ラビちゃん先輩と王女様が罠にかかって消えたんだ。ラビちゃん先輩は裏ボスとか言ったけど。白いドラゴンだったって。そのドロップ品マジックバックだったみたい。えーと、収納袋?このアイテムボックスの大きいの。くれたでしょ、これ。」
エリカは指輪を見せた。
「相当今はレベル上がってるんじゃないかなあ……魔力切れなさそうだもんね。ラビちゃん先輩はほんとはもっと早くこの世界に来てたっぽいよ。個人訓練つけてもらってたみたいだし。魔法は魔族の師匠がいるって言ってたから。どう考えてもそっちの魔法の先生じゃないでしょ?」
カンナと有希は顔を見合わせている。
「もう、ラビちゃん先輩が勇者でいいと思うんだけどな―僕。」
エリカのその呟きは森の中に意外なほど響いた。
依頼を無事終えて4人は城に戻ってきた。一旦座学の部屋に戻って報告をしてから各々自由行動をすることになっている。他の面子も帰ってきていて中は騒がしい。
「ねえねえ、えりりん、今日何日か知ってる?」
そこに亜由美が声を掛けてきた。
「ただいまーうん?2月10日?」
エリカはきょとんとした顔して首を傾げた。
「もうすぐバレンタインデーじゃない?ラビちゃん先輩にチョコ贈んないのー??」
鈴木亜由美はにやにやした顔でエリカに詰め寄った。
「な、な、な、ぼ、僕はっそ、そんなの、あげないよ!?」
顔が真っ赤になっていて説得力はなかった。
「えー? この世界でバレンタインデーって有効なの? エリカってそういう……」
カンナが面白そうな顔をして二人を見ていた。
「わー!!わー!!わー!!」
女子組が全員集まって盛り上がってしまった。
それを見ていた他の男性陣は聞いてないふりをしながら聴き耳を立てていた。
(俺かな!?)
(もちろん俺だよな!?)
(どうせ俺には関係ない)
(今日の夕飯なんだろう)
もちろん当日に結果はわかるのだが、空しい期待と言っておこう。
(バレンタインデーってなんだ?)
報告を受ける立場のカディスは一人、この世界には存在していないイベント名を聞いて首をひねるのだった。
この世界にはバレンタインデーは存在しないがなぜか同じ日に南の方の小国家バランという国で愛の告白を初めて女性からした記念日、としてその日だけは、女性から思いを打ち明けてもはしたないと言われずに済む日とされている。地球のチョコに似たお菓子を贈るところまで一緒だ。
聖バランティアの日と呼ばれ、他国でも真似をして贈り物をし合うことがある。それはここ、王都でも一般的であり、貴族の間でも婚約者には贈り物をする習慣があった。
(どうしましょう。贈り物をしたいけれど、あからさまに告白というか!!)
内心悩んでいるアーリアはソファーで身を捩った。
2月14日が近付くにつれてアーリアの情緒不安定が増大しているのをやや諦めた目で見ているフリネリアは、そっと声をかけた。
「殿下。何かお悩み事があるのでしたら、私に聞かせてもらえますか?」
そう真面目な顔で問いかけるとアーリアが真っ赤になった。
「えっ…あ、あ、あの…バ、バ、バランティアの…日が、ち、近いですね!?」
「………。」
あからさまな動揺を見てフリネリアはスルースキルを使った。
「殿下、何かプレゼントの品を見繕いたいと、そういうことですか?」
真っ赤な顔で泣きそうな表情のアーリアは縦に首を何度も振った。
(もうバレバレなのに隠してる感じが可愛いですね)
慈愛の女神のような目をアーリアに向けてフリネリアは言った。
「では殿下、外出許可を取りましょう。」
そして数日後護衛を連れて買い物に出かけるアーリアの姿があった。
その間宇佐見明良は坂上智樹の指導に余念がなかった。故に、この二人だけはその話題に周りが浮ついていたことは気が付いていなかった。
そしてバレンタインデー(バランティアの日)当日。
「なんだあ? これ?」
座学の部屋の教壇の机の上に女子の人数分の包みが置いてあった。
「義理チョコでーす!! でも本命があるかもねー?」
明良は目をぱちくりとして頬を少し赤らめて指でそこを掻いた。
「お、おう?サンキュー?じゃあホワイトデーは奮発するな?」
きゃーやったー!! と女性陣が喜びの声をあげた。
(死ねばいいのに)
(リア充爆発しろ)
(もげろ)
当然男性陣には田村光春にしか義理チョコは行かなかった。日頃の行いがものを言うのだ。
(ああ、バランティアの日か。異世界ではバレンタインデーなんだな。女の子が騒ぐわけだ。義理チョコなんて初めて聞いたが、悪くないな。)
ちなみにカディスも義理チョコは女子人数分もらっている。
明暗が分かれた容赦ない日だった。
そしてその日の夜、いつものアーリアとの報告会に部屋を訪れるとアーリアが緊張して待っていた。
「? どうしたんだ? アーリア……」
明良は首を傾げつつ、椅子に腰を下ろした。
「あ、あの……今日はバランティアの日、なので……これを。」
小さな箱の包みにリボンがかかっていた。
「……あ、ありがとう……」
(バランティアの日? この世界でも、もしかしてバレンタインデーとか、そういう? 後で調べなきゃまずいな……)
内心少し動揺しながら明良は包みを受け取る。
「開けていいか?」
真っ赤な顔のアーリアに聞く。
「も、もちろんです!」
中には小粒のチョコに似た菓子が入っていた。
(まんま、バレンタインデーだな。え、俺、アーリアに告白されてる? うわ、なんかすげえ嬉しいんですけど!!)
心の動揺を抑え、明良はアーリアに包装を解く許可を乞う。
「食べていい?」
アーリアはこくこくと頷いた。それに目を細めた明良は口に一粒放り込んだ。
「おいしい。ありがとう……嬉しいよ。」
そういうと、アーリアは息を吐きだしほっとした表情になった。
「よ、よかった。受け取ってもらえなかったら、どうしようかと思いました。」
明良は愛しそうにアーリアを見てもう一粒口に入れた。
「アーリアからの贈り物はいつだって嬉しい。もらってばっかりだけどな。」
その言葉を聞くとアーリアは横に首を振る。
「私の方こそいっぱいいただいてます。その、その言葉が何より嬉しいです。」
そっと、アーリアの膝上の手に明良の手を乗せる。
「アーリア。いつも感謝している。俺はしたいことをしている。気に病まないでほしい。」
少し力を手に込めた。
(ホワイトデーがあるかわからないけど、お返しは倍返しだな。なにか守護のお守りとか贈ろう)
「はい。」
嬉しそうにアーリアは微笑んで、そこからいつもの報告に戻った。
何ももらえなかった面々は、その日枕を濡らしたという。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる