私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。

アーエル

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第九章

第423話

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バラクビル国…………ダイバたちが生まれて、隣国の侵略を機に捨てざるを得なかった国。

「コルデさん。むかし住んでいた国のことを聞いてもいいですか?」

そう聞いたら……不貞腐れた。なんでやねん!

「エミリアちゃん、コルデは父親になったのに他人行儀なのが寂しいらしいぞ」
「あっ! 俺も俺も! ダイバの兄なのに他人行儀が寂し……グエエ……し、しまる……!」
「オヤジもアニキもいい加減にしろ」
「だって……エミリアちゃんを抱っこしてるじゃないか。俺だって、ヒザに抱っこあんなこと頭なでなでこんなことをしたいぞ!」
「……ミリィおねえちゃあん。あのおにいちゃんが、えっちぃ……」

そういってミリィさんに抱きつくと、代わりにエリーさんがふらりと立ち上がった。

「オボロ……」
「ま、まて、エリー……ぎゃああああああ!!!」

ダイバに首を絞められて逃げ出せなかったオボロさんは、あっさりエリーさんにつかまり、逆エビ固めで悲鳴をあげることとなった。
ちなみにここは私の店。『ひみつの会合』真っ只中だ。二階の一室を会議室にしたのは、話し合う人がダイバ以外に増えたからだ。
ダイバとピピンたちと話した結果、大陸を越えた問題に発展していることで、協力者が多い方がいいという話になったからだ。
メンバーはダイバとミリィさん、エリーさん、コルデさん、アルマンさん、オボロさん、ルーバー、そして私だ。

「エミリアちゃん、ルーバーには私から話して意見を聞くわ」
「お願いします」

ルーバーは店の仕事があって直接話に入れないときは、あとからミリィさんが話をしてくれることになっている。
そして……ダイバから私の話は聞いているらしい。

「簡単に『召喚だなんだという部分は夢でみたが思い出したわけではない。ただ、召喚前のことは思い出している』と話してある」
「それでみんなは納得してる?」
「するしかないだろう。実際にエミリアは覚えていないんだから。ただ『思い出してもらえる希望がもてた』と喜んでいたぞ」

それでも、今までと変わらない関係でいてくれるようだ。そんなことより、もっと重大なことがある。

「魅了の女神に関する一件は?」
「…………話した。珍しくオヤジ組がブチ切れそうだったけどな。しかし、今はアゴールのハラの中だ。どうすることもできん」
「アルマンさんもブチ切れたの?」
「ああ、オヤジ以上に怖かったぞ」
「アゴールよりも?」
「…………アゴールが赤子のようだったぞ」

怒らせないように気をつけよ……

「それで、エミリアちゃん。第一回目の話し合いは、もちろん魅了の女神のことよね?」

なにがなんだろう? ダイバが「怒っていた」と言っていたから、やっつけたいのだろうか。

「いいえ、魅了の女神に関しては火龍の協力で対応ができています」

そういったら、エリーさんにあからさまにガッカリされた。

「いまは竜人のことです」

そして冒頭に戻る。その結果、エリーさんのガッカリに対する鬱憤ばらしは、オボロさんに向けられることとなった。
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