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前夜編
八、「じゃあね、ルーディ」
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その日、足早にミッテンラード通りを下町に向かって下りながら、ルードルフはささやかな満足感を得ていた。面倒な依頼だったが、なんとか、依頼主の言葉をそのまま実現することができた。秋の空は冷たく灰色に曇り、散り敷く街路樹の葉は茶褐色に朽ち始めている。ルードルフの長靴は、枯れた葉を踏んだときすらも、ほとんど音を立てず、当然ながら僅かにも重心を崩すことがなかった。屋台で夕食を買い求めたかったが、名誉決闘の直後では、顔を見られて騒がれるのがオチだ。夕食は、フラウ・アーカイムの酒場で買って部屋に持ち込むのがいいだろう。あれこれと酔客に勝ち方やなぜ負傷を許したのかと、面倒な質問をされたくない。
赤毛の相棒は、ありったけの薪を暖炉に焚べ、たらいで湯を使っていた。たまに灰汁で髪を洗うことはあっても、ほとんど石けんに触れる習慣がないルードルフは、白い泡が気前よくレッチェンの長い髪に絡み、時にしゃぼん玉が髪から離れて虹色に弾ける様子を興味深く眺めた。
「ルーディ? 帰ったのか?」
背を向けたまま、レッチェンは聞いた。「寒っ! さっさと閉めろよ」
「悪い」
上半身だけ裸になった青年の、痩せた背には尖った貝殻骨が浮き上がり、暖炉の明かりに影を作っている。彼は、屈み込んで、髪をたらいの湯に浸けた。手ぐしで梳きながら、泡を洗い流していく。
「長いの、面倒なんだよな……もう、切っちまおうかな。ほら、襟足くらいにさ。その方が虫もつかないし」
「もったいないだろ」
ルードルフは、床板を踏んで彼に近づいた。「面倒なら、俺がやってやろうか? 石けん使うの、楽しそうだし」
「自分に使ったらどうなんだよ」
レッチェンは言った。ルードルフは外套と手袋を椅子に置き、恋人の側に跪いた。手を伸ばし、濡れた髪に触れる。指先で、絡みをほぐしながら、髪が滑らかな流れを作るまで梳いていく。
「もう、石けんの泡なんて残ってないだろ……」
レッチェンは目を薄く開けて言った。
「おまえの髪に触るの、好きなんだよ」
ルードルフは言い、乾いたリネンを取ると、青年の肩にかけた。
その時だった…
ルードルフの肘から、ぽたりと血液が落ち、リネンに一つ赤いしみができた。
「あ、悪い」
剣士は、ごく平静に言って、身体を引いた。「止まったと思ってた」
レッチェンの表情が変わった。彼は、ルードルフを振り返った。
「なに…おまえ、怪我してるのか?」
「大した傷じゃない」
シャツの左袖には、血が滲みて花のようになっていた。
「馬鹿、おまえ」
レッチェンが、ルードルフのシャツを乱暴に引っ張ったので、胸元のボタンが一つ弾け飛んだ。
「見せろ!」
「大した傷じゃないって」言いながらも、ルードルフは逆らわず、シャツを脱いで左腕を示した。敵の細剣の先端が軽くかするように調整した結果、血の脈が傷ついて一見派手に見える出血こそしたものの、肉も骨もほとんど影響はなかった。
「動脈ではないな……」レッチェンはつぶやき、リネンに歯を立てて細く破った。「これなら、縫わなくても塞がりそうだ」
「だから、大丈夫だって……」
「どんなに小さくたって、そこから悪い気が入れば命取りだぞ」苛々と彼はいい、ケトルの湯冷ましを傷にかけて丁寧に洗った。清潔なリネンで水気をとったときには、血は止まっていたが、レッチェンは折りたたんだリネンを押し付け、さらに細長いリネンをリボンのように使って圧迫した。
「手が痺れたら言えよ」
「レッチェン、俺はそんなやわじゃないよ」
ルードルフは苦笑した。「そういう依頼だっただけだ。場が盛り上がるように、多少血を見せろとか……そのくせ、決闘には勝てというから無理難題だよな。初血で勝敗が決まるから、同時に相手も負傷させて審判を悩ませておいて、それから剣を奪った――」
「なんだ、それ」
レッチェンの白い頬がみるみる赤く染まり、ルードルフは息を飲んだ。怒りに緑の瞳をきらめかせ、レッチェンは拳でどんとルードルフの胸を打った。「わざと怪我をしろ、だと? なんだ、その依頼」
「そう珍しい話じゃないだろ……」
レッチェンの剣幕に戸惑いながら、ルードルフは続けた。「名誉決闘の依頼に条件がつくのはよくある話だ。あんまり大差で勝ってしまうと、相手の沽券にかかわるから、適当に劣勢になってから勝てとか、長引かせろとかな。まあ、今日のはなかなか難しかったが」
そこまで言って、ルードルフは言葉を飲み込んだ。レッチェンの緑の瞳には、涙が溜まっていた。
「さっきも言っただろ、馬鹿か、おまえは!」レッチェンは語気荒く言った。「どんなに傷が小さくたって、……死ぬことはある。腕が腫れ上がって熱にのたうち回って、痙攣したあげくに吐いたものを喉に詰まらせて死ぬんだぞ。そんなふうになりたいか」
「レッチェン、俺は荒事師だよ」
なだめるように、ルードルフはささやいた。「そうなったらなったときだ」
「はっ」
嘲るようにレッチェンは息を吐いたが、同時に涙の粒が透明に盛り上がり、淡い色の睫を乗り越えて頬に滑り落ちた。「便利なおもちゃだな、荒事師ってのは……金さえ出せば、政治ごっこの体面を守るのにも使えるし、命がけの楽しい見世物にもなるってわけだ。おまえの依頼主は、おまえが血を流している間、優雅に紅茶と茶菓子でも喫していたのか」
ルードルフは、手を伸ばすと、青年の頬の涙をそっと拭った。「それが世の中だろ」と、彼は言った。
「クソだな、貴族ってのは」
俯いた彼は自嘲するように言い、ルードルフの手を振り払うと、服も着ないで毛布に潜ってしまった。ルードルフは、仕方なくシャツを着ると、たらいの残り湯の始末をしてやり、夕食を買うためにフラウ・アーカイムの酒場に下りて行った。
肉と黒パンだけ手に入れ、さっさと部屋に引っ込もうと思っていたルードルフを、フラウ・アーカイムがしかめつらで引き止めた。「客が来てるよ」彼女は、ルードルフにビールのマグを押し付けながら言った。「エーデルクロッツ、言っとくが、半端な真似したらあたしがとっちめるからね」
酒場の隅のテーブルについていたのは、ユーディ・ドルトムントだった。彼女は、ローブに髪を隠して不自然に大きな鞄を傍らに置いていた。あだっぽくルードルフに微笑みかけ、手を振ってくる。ルードルフは、小さくため息をついて、向かいに座った。
「ルーディ、今日の仕事は大したもんね。わたしでさえあんたの腕のキレが分かったわよ。わざとなんでしょ、同時に血を流して、しかも勝つなんて」
「まあな……」
ルードルフは、ビールを啜った。「それより、今日は、どうしたんだ。何かあったのか、その格好」
ユーディはふふっと笑った。「あんたには世話になったから、出発前に顔を見ておこうかと思って」
ルードルフは、彼女の横顔を見つめた。
「アルトシュタットを出るのか」
「ま、いい潮時だしね。ふるさとに戻って店でもやるわ。あんたから大金も貰ったし」
「ユーディ」
ルードルフは、低い声で言った。「何かヤバいことになっているんじゃないのか」
「優しいのね。心配してくれるの?」
娼婦は、そっと手を伸ばすと、耳元をくすぐった。「そんな、誰にでも優しくしちゃ駄目じゃない……」立ち上がりざまに、ユーディは、頬に口づけた。
「よせ」
「これは、お別れのしるし」
彼女は、食事代をテーブルに置くと、席を立った。「もう、馬車の時間だから。じゃあね、ルーディ。生命を大事に。あんたに会えてよかったわ」
「ユーディ……」
そう、そのとき……
まるで、明日また会うとでも言うような、気軽な言葉だけを残して、ユーディ・ドルトムントは、酒場を後にしたのだった。
ビールのマグをカウンターに返すと、フラウ・アーカイムが噛みついた。「あんた、あの女とよりを戻すつもりなの? そういうやり方はあたしが黙ってないよ」ルードルフは、とりあわず、食事を持って酒場を後にした。
ルードルフが部屋に戻ったときには、レッチェンは毛布に潜ったまま寝息を立てていた。ルードルフは、さっきユーディの唇が触れた頬をちょっと触ると、身をかがめて青年の頬にキスをした。彼の赤銅色の髪はまだ雫が枕に染みるほど濡れていた。ルードルフは、新しいリネンを取ると、眠る青年の長い髪を改めて拭き直した。
なぜか一人で夕食を取る気になれず、彼は靴を脱いで恋人の隣に潜り込んだ。少しでも身体が冷えないよう、ルードルフはレッチェンを引き寄せると、包むように抱きしめ、次いで、自分も眠りに落ちた。
~~~~~~~~
【人物紹介】
◆ルードルフ・エーデルクロッツ
アルトシュタット下町、酒場の二階に下宿する男。用心棒、雇われ剣士、暗殺などなんでもこなす凄腕の荒事師。黒髪、長身、アイスブルーの瞳。
◆レッチェン(レエトヒェン)
ひと月前に下町に現れた正体不明の青年。ルードルフの部屋に居候している。名前はたんに赤という意味で、居合わせた酔客がそう呼んだことから定着した。錬金術や医学の知識がある。赤毛、色白、緑の目。どうやら、髪は染めたものらしい。ショルシュとも呼ばれている。
◆フラウ・アーカイム
二人が下宿する酒場のおかみ。
◆ユーディ・ドルトムント
下町上がりの高級娼婦で、知る人ぞ知る情報屋。ルードルフの元恋人。
赤毛の相棒は、ありったけの薪を暖炉に焚べ、たらいで湯を使っていた。たまに灰汁で髪を洗うことはあっても、ほとんど石けんに触れる習慣がないルードルフは、白い泡が気前よくレッチェンの長い髪に絡み、時にしゃぼん玉が髪から離れて虹色に弾ける様子を興味深く眺めた。
「ルーディ? 帰ったのか?」
背を向けたまま、レッチェンは聞いた。「寒っ! さっさと閉めろよ」
「悪い」
上半身だけ裸になった青年の、痩せた背には尖った貝殻骨が浮き上がり、暖炉の明かりに影を作っている。彼は、屈み込んで、髪をたらいの湯に浸けた。手ぐしで梳きながら、泡を洗い流していく。
「長いの、面倒なんだよな……もう、切っちまおうかな。ほら、襟足くらいにさ。その方が虫もつかないし」
「もったいないだろ」
ルードルフは、床板を踏んで彼に近づいた。「面倒なら、俺がやってやろうか? 石けん使うの、楽しそうだし」
「自分に使ったらどうなんだよ」
レッチェンは言った。ルードルフは外套と手袋を椅子に置き、恋人の側に跪いた。手を伸ばし、濡れた髪に触れる。指先で、絡みをほぐしながら、髪が滑らかな流れを作るまで梳いていく。
「もう、石けんの泡なんて残ってないだろ……」
レッチェンは目を薄く開けて言った。
「おまえの髪に触るの、好きなんだよ」
ルードルフは言い、乾いたリネンを取ると、青年の肩にかけた。
その時だった…
ルードルフの肘から、ぽたりと血液が落ち、リネンに一つ赤いしみができた。
「あ、悪い」
剣士は、ごく平静に言って、身体を引いた。「止まったと思ってた」
レッチェンの表情が変わった。彼は、ルードルフを振り返った。
「なに…おまえ、怪我してるのか?」
「大した傷じゃない」
シャツの左袖には、血が滲みて花のようになっていた。
「馬鹿、おまえ」
レッチェンが、ルードルフのシャツを乱暴に引っ張ったので、胸元のボタンが一つ弾け飛んだ。
「見せろ!」
「大した傷じゃないって」言いながらも、ルードルフは逆らわず、シャツを脱いで左腕を示した。敵の細剣の先端が軽くかするように調整した結果、血の脈が傷ついて一見派手に見える出血こそしたものの、肉も骨もほとんど影響はなかった。
「動脈ではないな……」レッチェンはつぶやき、リネンに歯を立てて細く破った。「これなら、縫わなくても塞がりそうだ」
「だから、大丈夫だって……」
「どんなに小さくたって、そこから悪い気が入れば命取りだぞ」苛々と彼はいい、ケトルの湯冷ましを傷にかけて丁寧に洗った。清潔なリネンで水気をとったときには、血は止まっていたが、レッチェンは折りたたんだリネンを押し付け、さらに細長いリネンをリボンのように使って圧迫した。
「手が痺れたら言えよ」
「レッチェン、俺はそんなやわじゃないよ」
ルードルフは苦笑した。「そういう依頼だっただけだ。場が盛り上がるように、多少血を見せろとか……そのくせ、決闘には勝てというから無理難題だよな。初血で勝敗が決まるから、同時に相手も負傷させて審判を悩ませておいて、それから剣を奪った――」
「なんだ、それ」
レッチェンの白い頬がみるみる赤く染まり、ルードルフは息を飲んだ。怒りに緑の瞳をきらめかせ、レッチェンは拳でどんとルードルフの胸を打った。「わざと怪我をしろ、だと? なんだ、その依頼」
「そう珍しい話じゃないだろ……」
レッチェンの剣幕に戸惑いながら、ルードルフは続けた。「名誉決闘の依頼に条件がつくのはよくある話だ。あんまり大差で勝ってしまうと、相手の沽券にかかわるから、適当に劣勢になってから勝てとか、長引かせろとかな。まあ、今日のはなかなか難しかったが」
そこまで言って、ルードルフは言葉を飲み込んだ。レッチェンの緑の瞳には、涙が溜まっていた。
「さっきも言っただろ、馬鹿か、おまえは!」レッチェンは語気荒く言った。「どんなに傷が小さくたって、……死ぬことはある。腕が腫れ上がって熱にのたうち回って、痙攣したあげくに吐いたものを喉に詰まらせて死ぬんだぞ。そんなふうになりたいか」
「レッチェン、俺は荒事師だよ」
なだめるように、ルードルフはささやいた。「そうなったらなったときだ」
「はっ」
嘲るようにレッチェンは息を吐いたが、同時に涙の粒が透明に盛り上がり、淡い色の睫を乗り越えて頬に滑り落ちた。「便利なおもちゃだな、荒事師ってのは……金さえ出せば、政治ごっこの体面を守るのにも使えるし、命がけの楽しい見世物にもなるってわけだ。おまえの依頼主は、おまえが血を流している間、優雅に紅茶と茶菓子でも喫していたのか」
ルードルフは、手を伸ばすと、青年の頬の涙をそっと拭った。「それが世の中だろ」と、彼は言った。
「クソだな、貴族ってのは」
俯いた彼は自嘲するように言い、ルードルフの手を振り払うと、服も着ないで毛布に潜ってしまった。ルードルフは、仕方なくシャツを着ると、たらいの残り湯の始末をしてやり、夕食を買うためにフラウ・アーカイムの酒場に下りて行った。
肉と黒パンだけ手に入れ、さっさと部屋に引っ込もうと思っていたルードルフを、フラウ・アーカイムがしかめつらで引き止めた。「客が来てるよ」彼女は、ルードルフにビールのマグを押し付けながら言った。「エーデルクロッツ、言っとくが、半端な真似したらあたしがとっちめるからね」
酒場の隅のテーブルについていたのは、ユーディ・ドルトムントだった。彼女は、ローブに髪を隠して不自然に大きな鞄を傍らに置いていた。あだっぽくルードルフに微笑みかけ、手を振ってくる。ルードルフは、小さくため息をついて、向かいに座った。
「ルーディ、今日の仕事は大したもんね。わたしでさえあんたの腕のキレが分かったわよ。わざとなんでしょ、同時に血を流して、しかも勝つなんて」
「まあな……」
ルードルフは、ビールを啜った。「それより、今日は、どうしたんだ。何かあったのか、その格好」
ユーディはふふっと笑った。「あんたには世話になったから、出発前に顔を見ておこうかと思って」
ルードルフは、彼女の横顔を見つめた。
「アルトシュタットを出るのか」
「ま、いい潮時だしね。ふるさとに戻って店でもやるわ。あんたから大金も貰ったし」
「ユーディ」
ルードルフは、低い声で言った。「何かヤバいことになっているんじゃないのか」
「優しいのね。心配してくれるの?」
娼婦は、そっと手を伸ばすと、耳元をくすぐった。「そんな、誰にでも優しくしちゃ駄目じゃない……」立ち上がりざまに、ユーディは、頬に口づけた。
「よせ」
「これは、お別れのしるし」
彼女は、食事代をテーブルに置くと、席を立った。「もう、馬車の時間だから。じゃあね、ルーディ。生命を大事に。あんたに会えてよかったわ」
「ユーディ……」
そう、そのとき……
まるで、明日また会うとでも言うような、気軽な言葉だけを残して、ユーディ・ドルトムントは、酒場を後にしたのだった。
ビールのマグをカウンターに返すと、フラウ・アーカイムが噛みついた。「あんた、あの女とよりを戻すつもりなの? そういうやり方はあたしが黙ってないよ」ルードルフは、とりあわず、食事を持って酒場を後にした。
ルードルフが部屋に戻ったときには、レッチェンは毛布に潜ったまま寝息を立てていた。ルードルフは、さっきユーディの唇が触れた頬をちょっと触ると、身をかがめて青年の頬にキスをした。彼の赤銅色の髪はまだ雫が枕に染みるほど濡れていた。ルードルフは、新しいリネンを取ると、眠る青年の長い髪を改めて拭き直した。
なぜか一人で夕食を取る気になれず、彼は靴を脱いで恋人の隣に潜り込んだ。少しでも身体が冷えないよう、ルードルフはレッチェンを引き寄せると、包むように抱きしめ、次いで、自分も眠りに落ちた。
~~~~~~~~
【人物紹介】
◆ルードルフ・エーデルクロッツ
アルトシュタット下町、酒場の二階に下宿する男。用心棒、雇われ剣士、暗殺などなんでもこなす凄腕の荒事師。黒髪、長身、アイスブルーの瞳。
◆レッチェン(レエトヒェン)
ひと月前に下町に現れた正体不明の青年。ルードルフの部屋に居候している。名前はたんに赤という意味で、居合わせた酔客がそう呼んだことから定着した。錬金術や医学の知識がある。赤毛、色白、緑の目。どうやら、髪は染めたものらしい。ショルシュとも呼ばれている。
◆フラウ・アーカイム
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◆ユーディ・ドルトムント
下町上がりの高級娼婦で、知る人ぞ知る情報屋。ルードルフの元恋人。
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