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収穫祭編
十六、港町にて
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アルトバッハとルードルフは、翌朝アルトシュタットを離れ、乗り合い馬車で一路港町ノイエハーフェンへ向かっていた。
ルードルフの胸中は複雑だった……本来であれば、収穫祭の報酬を受け取ったのち、レッチェンと二人でこの馬車に乗っているはずだったのだ。なのに何が楽しくて、この扱いの面倒な腐れ縁の剣士と肩突き合わせて狭い座席に座っていなければならないのだ。乗り合い馬車の外席は板張りで、馬車が揺れるたびに身体が突き上げられるうえ、すぐ前を走る馬の後ろ足が容赦なく乾いた道から埃を蹴立ててくるため、アルトバッハもルードルフも、小麦粉を振りかけられたようになっていた。
(レッチェンを乗せるなら、中席を取ってやった方がいいな……)
ルードルフは一人ごちた。そのとき斜めに馬車が揺れ、アルトバッハの肩がルードルフにぶつかった。座っていたのがルードルフでなかったら、そのまま馬車の外に放り出されていたことだろう。
「おい、気をつけろ」
「うるせえな。狭いんだから仕方がないだろ」当然ながらアルトバッハも不機嫌だった。「くそっ、綺麗な姉ちゃんならともかく、何だっておまえとケツくっつけて半日も揺られてないとならないんだよ」
「奇遇だな。俺も全く同じことを考えていた」ため息混じりに言う。「そもそも、目的地を決めたのはおまえだろう」
「どこに行ったらいいかも分からずにアルトシュタットの下町で管を巻いてたのはどいつだっけか」
あてつけがましく言われて、ルードルフはちっと舌を鳴らした。
しかし、どうやら諜報活動において、アルトバッハに一日の長があることは否めない。この妙に人懐こい男は、特に屋敷の下働きの女や召使いに気に入られるようで、今回のレドリッヒ伯の行き先もそこから彼が聞き出してきたものだった。
風に湿り気が混じり、潮の匂いが濃くなる。海からの風は強く、べたつきながらルードルフの黒髪を乱した。かもめが啼き交わしながら空高く飛んでいる。遠くに青く海が見えた。ノイエハーフェンは公爵直轄領ではあるが行楽地であり、貴族の別荘が多く建てられている。当然ながらレドリッヒ伯の別宅もあり、そこが今回の目的地だった。砂浜が途切れたところに港町は広がっていた。午後に着いた船が積み下ろしを行っている。夏には多くの行楽客が訪れるこの地も、冬が近くなった今ではどこか閑散とし、低い日差しはすでに働く人々の影を長く石畳に落としはじめていた。
夜眠る予定はなく、宿は取らなかった。
馬車とその硬い座席に別れを告げた二人は、饐えた魚の匂いの中、競りが終わった市場の隣の食堂に入り、遅すぎる昼食を取りながら細かな点を確認した。
「どっちが先に行く?」
とアルトバッハが聞いた。二人組で侵入する際、一網打尽となる危険を避けるため、時間差で侵入するのは定石である。あとから侵入する方は、相手が捕まりそうになった時には助けることもできるし、自分だけ逃げることも可能である。ルードルフは考えるまでもなく答えた。「俺が先だ――レッチェンを見つけた場合、助けるには時間がかかる。一方で、おまえがレドリッヒを殺るには一分もあればいいが、そのあと見つかると離脱が難しい」
「ま、妥当なとこか」
アルトバッハは、魚や貝と香草が煮込まれた皿をフォークでつついていたが、一向に減っていない。ルードルフは言った。「今回は、気づかれないことが最優先だ。一度で目的を達することは難しい……好機があればやるが、無理はしない。いいな」
窓の向こうの空が、赤く染まっていた。食堂を出た二人は、ひんやりとした空気の中、空を黒ぐろと切り取る貴族の別荘街へと歩みだした。
水平線に、夕日が落ちようとしている。
そのとき、風の向きが変わった。
夜が来たのだ。
ルードルフ・エーデルクロッツが、石造りの塀を乗り越えたのは、夜半であった。陸地からの冷たい風が彼の黒髪を梳いていった。アルトバッハからの情報どおり、レドリッヒ邸はいくつかの棟に分かれていた。主人が寝起きする本館、召使いたちのための別館、そして、倉庫やワインセラーとなっている石造りの堅牢な建物……
ルードルフの脳裏に、レッチェンのローブが打ち捨てられていた地下牢が浮かんだ。
同じようなところに今も囚われているとするなら……
音もなく塀から滑り降りたルードルフは、枯れた花壇の間を走り、倉庫の裏手に身を潜めた。
本館は、ひっそりと静まりかえっている。ルードルフは、しばし壁に耳をつけて気配を探った後、しゃがみこんで倉庫の扉のかけがねを調べた。これくらいならば自分でも開けられる…彼はふところからナイフを抜くと、切っ先で錠前の内側を探った。カチリと小さな音を立てて、錠前が開いたとき、かすかに鉄錆が匂った。
中は闇だったが、天窓からはやや欠け始めた月がのぞいていた。かつては食糧貯蔵庫として使われていたと思われる空間だった。ひんやりとこもった黴くさい空気の中で、ルードルフはしばらく息を殺していた。
呼吸の、音が聞こえる……
自分のものではない。
闇に慣れた目に、遠くから微かな明かりが染みた。打ち捨てられた棚の向こうに、ぼんやりと明るんで見える部分がある。
慎重に、ルードルフは進んだ。
石組みの床がわずかに切れ、光が差している……揺れているのはろうそくの明かりなのか。
(空気取りの穴だ……つまり、地下に部屋がある)
穴をのぞき込んで、ルードルフは声を飲み込んだ。
ゆるく波打つ髪がろうそくの明かりに光る。青年は、脱力したように身体を石壁に預け、虚ろに目を見開いていた。微かな明かりのなかで、頬や首筋の白さが目に焼きついた。
「レッチェン……!」
~~~~~~~~~
【人物紹介】
◆ルードルフ・エーデルクロッツ
アルトシュタット下町、酒場の二階に下宿する男。用心棒、雇われ剣士、暗殺などなんでもこなす凄腕の荒事師。黒髪、長身、アイスブルーの瞳。
◆レッチェン(レエトヒェン)=ゲオルク・アルブレヒト・フォン・ドルーゼン(ショルシュ)
ルードルフの恋人。名前はたんに赤という意味で、居合わせた酔客がそう呼んだことから定着した。錬金術や医学の知識がある。赤毛、色白、緑の目。どうやら、髪は染めたものらしい。ショルシュはゲオルクの愛称。
◆アルトバッハ
剣士。ルードルフをライバル視している。
子供っぽい性格。殺されたユーディに片思いしており、彼女の敵討ちを企てている。
ルードルフの胸中は複雑だった……本来であれば、収穫祭の報酬を受け取ったのち、レッチェンと二人でこの馬車に乗っているはずだったのだ。なのに何が楽しくて、この扱いの面倒な腐れ縁の剣士と肩突き合わせて狭い座席に座っていなければならないのだ。乗り合い馬車の外席は板張りで、馬車が揺れるたびに身体が突き上げられるうえ、すぐ前を走る馬の後ろ足が容赦なく乾いた道から埃を蹴立ててくるため、アルトバッハもルードルフも、小麦粉を振りかけられたようになっていた。
(レッチェンを乗せるなら、中席を取ってやった方がいいな……)
ルードルフは一人ごちた。そのとき斜めに馬車が揺れ、アルトバッハの肩がルードルフにぶつかった。座っていたのがルードルフでなかったら、そのまま馬車の外に放り出されていたことだろう。
「おい、気をつけろ」
「うるせえな。狭いんだから仕方がないだろ」当然ながらアルトバッハも不機嫌だった。「くそっ、綺麗な姉ちゃんならともかく、何だっておまえとケツくっつけて半日も揺られてないとならないんだよ」
「奇遇だな。俺も全く同じことを考えていた」ため息混じりに言う。「そもそも、目的地を決めたのはおまえだろう」
「どこに行ったらいいかも分からずにアルトシュタットの下町で管を巻いてたのはどいつだっけか」
あてつけがましく言われて、ルードルフはちっと舌を鳴らした。
しかし、どうやら諜報活動において、アルトバッハに一日の長があることは否めない。この妙に人懐こい男は、特に屋敷の下働きの女や召使いに気に入られるようで、今回のレドリッヒ伯の行き先もそこから彼が聞き出してきたものだった。
風に湿り気が混じり、潮の匂いが濃くなる。海からの風は強く、べたつきながらルードルフの黒髪を乱した。かもめが啼き交わしながら空高く飛んでいる。遠くに青く海が見えた。ノイエハーフェンは公爵直轄領ではあるが行楽地であり、貴族の別荘が多く建てられている。当然ながらレドリッヒ伯の別宅もあり、そこが今回の目的地だった。砂浜が途切れたところに港町は広がっていた。午後に着いた船が積み下ろしを行っている。夏には多くの行楽客が訪れるこの地も、冬が近くなった今ではどこか閑散とし、低い日差しはすでに働く人々の影を長く石畳に落としはじめていた。
夜眠る予定はなく、宿は取らなかった。
馬車とその硬い座席に別れを告げた二人は、饐えた魚の匂いの中、競りが終わった市場の隣の食堂に入り、遅すぎる昼食を取りながら細かな点を確認した。
「どっちが先に行く?」
とアルトバッハが聞いた。二人組で侵入する際、一網打尽となる危険を避けるため、時間差で侵入するのは定石である。あとから侵入する方は、相手が捕まりそうになった時には助けることもできるし、自分だけ逃げることも可能である。ルードルフは考えるまでもなく答えた。「俺が先だ――レッチェンを見つけた場合、助けるには時間がかかる。一方で、おまえがレドリッヒを殺るには一分もあればいいが、そのあと見つかると離脱が難しい」
「ま、妥当なとこか」
アルトバッハは、魚や貝と香草が煮込まれた皿をフォークでつついていたが、一向に減っていない。ルードルフは言った。「今回は、気づかれないことが最優先だ。一度で目的を達することは難しい……好機があればやるが、無理はしない。いいな」
窓の向こうの空が、赤く染まっていた。食堂を出た二人は、ひんやりとした空気の中、空を黒ぐろと切り取る貴族の別荘街へと歩みだした。
水平線に、夕日が落ちようとしている。
そのとき、風の向きが変わった。
夜が来たのだ。
ルードルフ・エーデルクロッツが、石造りの塀を乗り越えたのは、夜半であった。陸地からの冷たい風が彼の黒髪を梳いていった。アルトバッハからの情報どおり、レドリッヒ邸はいくつかの棟に分かれていた。主人が寝起きする本館、召使いたちのための別館、そして、倉庫やワインセラーとなっている石造りの堅牢な建物……
ルードルフの脳裏に、レッチェンのローブが打ち捨てられていた地下牢が浮かんだ。
同じようなところに今も囚われているとするなら……
音もなく塀から滑り降りたルードルフは、枯れた花壇の間を走り、倉庫の裏手に身を潜めた。
本館は、ひっそりと静まりかえっている。ルードルフは、しばし壁に耳をつけて気配を探った後、しゃがみこんで倉庫の扉のかけがねを調べた。これくらいならば自分でも開けられる…彼はふところからナイフを抜くと、切っ先で錠前の内側を探った。カチリと小さな音を立てて、錠前が開いたとき、かすかに鉄錆が匂った。
中は闇だったが、天窓からはやや欠け始めた月がのぞいていた。かつては食糧貯蔵庫として使われていたと思われる空間だった。ひんやりとこもった黴くさい空気の中で、ルードルフはしばらく息を殺していた。
呼吸の、音が聞こえる……
自分のものではない。
闇に慣れた目に、遠くから微かな明かりが染みた。打ち捨てられた棚の向こうに、ぼんやりと明るんで見える部分がある。
慎重に、ルードルフは進んだ。
石組みの床がわずかに切れ、光が差している……揺れているのはろうそくの明かりなのか。
(空気取りの穴だ……つまり、地下に部屋がある)
穴をのぞき込んで、ルードルフは声を飲み込んだ。
ゆるく波打つ髪がろうそくの明かりに光る。青年は、脱力したように身体を石壁に預け、虚ろに目を見開いていた。微かな明かりのなかで、頬や首筋の白さが目に焼きついた。
「レッチェン……!」
~~~~~~~~~
【人物紹介】
◆ルードルフ・エーデルクロッツ
アルトシュタット下町、酒場の二階に下宿する男。用心棒、雇われ剣士、暗殺などなんでもこなす凄腕の荒事師。黒髪、長身、アイスブルーの瞳。
◆レッチェン(レエトヒェン)=ゲオルク・アルブレヒト・フォン・ドルーゼン(ショルシュ)
ルードルフの恋人。名前はたんに赤という意味で、居合わせた酔客がそう呼んだことから定着した。錬金術や医学の知識がある。赤毛、色白、緑の目。どうやら、髪は染めたものらしい。ショルシュはゲオルクの愛称。
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