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ミステリー
超視覚
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「先生、僕のこの症状は何なんでしょう?」
『言い難いのですが…』
「はっきり仰って下さい」
医師は咳払いをしてからゆっくり口を開いた
『超視覚……
というのをご存知ですか?』
「超……視覚」
僕は2日前通勤中に事故にあい、頭を打った
幸い軽傷で済み脳にも異常は見られなかったのだが、医師によると『超視覚』という後遺症が残ってしまった
超視覚という言葉にはなかなかピンと来ないだろうが、簡単に言えば僕の場合人の感情が色で見えてしまう
人の胸の辺りにその時の感情がまるでオーラのようにボンヤリと見えるようになってしまったのだ
僕はこの事は誰にも言わないようにしようと決めた
これは世界的にもとても珍しい症状らしく、医師には是非研究に協力して欲しいと強く懇願された
しかし断った
いくらお金を積まれても自分の人生をこんな症状でめちゃくちゃにされたくない
僕は普通に生きたいんだ
超視覚にもだんだんと慣れてきて、どの色がどんな感情か分かるようになってきたある日
いつものようにお気に入りのカフェに行くと、お気に入りの隅のテーブルに先客が居た
その先客は数ヶ月前から殆ど毎日のように通っていて、お気に入りの場所はなく
いつも違うテーブルでいつも違うものを注文していた
仕方なくその人の前のテーブルにつくと顔見知りの店員にいつものを頼んだ
いつものテーブルで甘いコーヒーを飲むことが毎日の大切な習慣だったため少し憂鬱な気持ちになった
こっそり手鏡で自分の胸辺りを映すと、案の定うすく濁った色をしていた
「はぁ」と溜息をつき、コーヒーを飲み干すと会計をして店を出た
しばらく歩いていると後ろから女性が走って追いかけてきた
見ると、さっきの先客の女性だった
女性は切れた息を整えてから言った
『これ、忘れ物です』
それは僕のハンカチだった
鞄から手鏡を取り出す時にでも落ちたのだろうか
「ありがとうございます」
これがきっかけとなり、カフェで顔を合わす度に話すようになった
そして僕達は交際を始めた
彼女はとても素敵な女性だった
とても優しくて、絶対に僕が不快に思うことはせず、
そしていつも心の色が綺麗な明るい色をしていた
どんな時も柔らかな笑顔で、それを見る度に僕は癒された
『ねぇ、私のこと愛してる?』
「もちろん、誰よりも愛してるよ」
『…そう、よかった
私もよ』
一瞬色が変わったきがしたがすぐに戻った
僕は彼女といると本当に幸せな気持ちになる
しかし、だんだんと不思議に思うようになってきた
彼女があまりにも僕の不快に思うことをしなさすぎる……いや、
僕の全てを分かりすぎているからだ
交際をはじめてまだ3ヶ月も経っていないのに僕の好み、考え方、感情の全てにおいて彼女は間違えたことが無い
最初は似たもの同士だからだ、運命なんだと思っていたが、超視覚のある僕ならともかく彼女にそんなことが…
ある日、彼女とデートをした帰り道
ついに気になっていたことを聞いてみることにした
「どうして僕の事をこんなにも分かっててくれているんだ?」
『……嫌だった?』
「嫌じゃないよ。むしろ嬉しいけど…」
一瞬彼女の心は曇ったが、すぐにいつもの綺麗な色に戻った
『ならよかった』
僕も安心した
もしかしたら彼女も超視覚を持っているんじゃないかと思ったからだ
もし、
もしも彼女がその能力を持っていたら……
『ところで……』
「なに?」
『もう1人の彼女さんとはいつ別れるの?』
今、僕の心の色は見なくてもわかる
『言い難いのですが…』
「はっきり仰って下さい」
医師は咳払いをしてからゆっくり口を開いた
『超視覚……
というのをご存知ですか?』
「超……視覚」
僕は2日前通勤中に事故にあい、頭を打った
幸い軽傷で済み脳にも異常は見られなかったのだが、医師によると『超視覚』という後遺症が残ってしまった
超視覚という言葉にはなかなかピンと来ないだろうが、簡単に言えば僕の場合人の感情が色で見えてしまう
人の胸の辺りにその時の感情がまるでオーラのようにボンヤリと見えるようになってしまったのだ
僕はこの事は誰にも言わないようにしようと決めた
これは世界的にもとても珍しい症状らしく、医師には是非研究に協力して欲しいと強く懇願された
しかし断った
いくらお金を積まれても自分の人生をこんな症状でめちゃくちゃにされたくない
僕は普通に生きたいんだ
超視覚にもだんだんと慣れてきて、どの色がどんな感情か分かるようになってきたある日
いつものようにお気に入りのカフェに行くと、お気に入りの隅のテーブルに先客が居た
その先客は数ヶ月前から殆ど毎日のように通っていて、お気に入りの場所はなく
いつも違うテーブルでいつも違うものを注文していた
仕方なくその人の前のテーブルにつくと顔見知りの店員にいつものを頼んだ
いつものテーブルで甘いコーヒーを飲むことが毎日の大切な習慣だったため少し憂鬱な気持ちになった
こっそり手鏡で自分の胸辺りを映すと、案の定うすく濁った色をしていた
「はぁ」と溜息をつき、コーヒーを飲み干すと会計をして店を出た
しばらく歩いていると後ろから女性が走って追いかけてきた
見ると、さっきの先客の女性だった
女性は切れた息を整えてから言った
『これ、忘れ物です』
それは僕のハンカチだった
鞄から手鏡を取り出す時にでも落ちたのだろうか
「ありがとうございます」
これがきっかけとなり、カフェで顔を合わす度に話すようになった
そして僕達は交際を始めた
彼女はとても素敵な女性だった
とても優しくて、絶対に僕が不快に思うことはせず、
そしていつも心の色が綺麗な明るい色をしていた
どんな時も柔らかな笑顔で、それを見る度に僕は癒された
『ねぇ、私のこと愛してる?』
「もちろん、誰よりも愛してるよ」
『…そう、よかった
私もよ』
一瞬色が変わったきがしたがすぐに戻った
僕は彼女といると本当に幸せな気持ちになる
しかし、だんだんと不思議に思うようになってきた
彼女があまりにも僕の不快に思うことをしなさすぎる……いや、
僕の全てを分かりすぎているからだ
交際をはじめてまだ3ヶ月も経っていないのに僕の好み、考え方、感情の全てにおいて彼女は間違えたことが無い
最初は似たもの同士だからだ、運命なんだと思っていたが、超視覚のある僕ならともかく彼女にそんなことが…
ある日、彼女とデートをした帰り道
ついに気になっていたことを聞いてみることにした
「どうして僕の事をこんなにも分かっててくれているんだ?」
『……嫌だった?』
「嫌じゃないよ。むしろ嬉しいけど…」
一瞬彼女の心は曇ったが、すぐにいつもの綺麗な色に戻った
『ならよかった』
僕も安心した
もしかしたら彼女も超視覚を持っているんじゃないかと思ったからだ
もし、
もしも彼女がその能力を持っていたら……
『ところで……』
「なに?」
『もう1人の彼女さんとはいつ別れるの?』
今、僕の心の色は見なくてもわかる
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