上 下
52 / 57
本編

第51話

しおりを挟む
ダンジョンの受付の建物みたいに入ると何やら子供が泣きながら話しているのが聞こえてきた
「サーシャさんたちの所に行かせてください!お金ならあるので...!」
「いや、君の年齢の子を連れて行くのは絶対に無理だ。サーシャたちと同じランクの人かせめて同じレベルの人たちのパーティーじゃないと...いくらお金があるといっても責任が取れないからな」
「っ...!でもお父様とお母様が...!」
と受付の近くでいきなり泣いてしまって職員さんも驚いておろおろしている
んー僕的には一緒に行ってもいいしなんかローブきて顔隠してるから訳アリ感半端ないから話も聞きたいし...どうしよかなあおくんたちはどう思ってるんだろう?と思い二人のほうを見ると二人も僕のほうを見ていて目が合った
「あらんお兄ちゃん!あおたちが連れて行ってあげようよ!あおたちもサーシャさんたちに用事があるし!」
「クロがちゃんと守るから!お願いあらんお兄ちゃん!」
「あはは、やっぱ考えることは一緒だね!あの子に常時結界発動するからいいよ」
「ならあおたちが話しかけてくるね!」
と言ってあおくんとクロくんが泣いてる子に近づいて少し話してから僕のほうに帰ってきた
「この人があらんお兄ちゃんだよ!すごく強いからサーシャさんの所に行けるよ!」
「うんうん、だから心配しないで!お金もいらないよ!」
「ほ、ほんとにいいんですか?」
と心配そうに見上げてくる(多分)
「大丈夫!今、君に結界を張るね!.......よし!これでもう大丈夫!」
結界が完成した瞬間に回りがざわっとしたけど無視して受付に行き、手続きを済ませダンジョンに入った。


「よし!ここら辺でへんでいいかな?とりあえず自己紹介をしよっか」
と近くに認識阻害の結界?みたいなのを張ってみんなで座った。
「はい!まずはあおから!さっきも言ったけどあおだよ!今はあらんお兄ちゃんとゆうりお兄ちゃんと一緒に住んでるの!それでこっちがクロ!あおにとって家族と同じ意味での大事な人!幼馴染みたいなのだよ!んでさっき言ってた…」
「この人があらんお兄ちゃんだよ!あおと一緒に引き取ってもらったの!すっごく優しくてお料理上手で強いんだよ!あとゆう兄ちゃんのことがすっごく大好きなかわいい人!」
「んもー!クロー!あおが言いたかったのに!」
「いや!あおってばクロの分も言っちゃったからあらんお兄ちゃんのだけは言おうと思って」
「はいはい、喧嘩はそこまでまずはこっちの子の話も聞かないとでしょ!」
と少し強めにいうとびくってした後2人して謝って抱き着いてきた。それをかわいいなぁと思いながら2人の頭をなでてもう一人の子のほうを見てると話してくれた
「えーとまず僕の名前はカインと言います。今回は僕を同行させてくれたことに感謝を、報酬は金貨20枚自分を無事にサーシャさんとテテさんのお2人に会わせてくれれば依頼達成です。それにしてもみなさんとっても仲良しですね」
「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいな。でもねカインくんも何か大変な事情があって会いに行くんでしょ?なら僕たちはお金は取らないよ。お父様とお母様を助けるために使って?ね!2人ともそれでいいよね?」
あらま、あおくんはもう寝ちゃってた。クロくんも少しうとうとしてる。あまり寝てないから仕方ない
「カインくんごめんね一時間ぐらい寝かせてあげていい?今日ほとんどずっと起きてたから」
と言いカインくんのほうを向くとなぜか涙を流しながらうつむいてた
「え!ごめん!僕なんか変なこと言ったかな!?」
「いや…ちがくて…!こん、こんな初めて会った人に優しくされたの初めてで…!」
それを聞いた瞬間に気づいたらカインくんを抱きしめてあげてた
「そう…そっか、大丈夫。お兄ちゃんと友達になろっか。君が貴族だろうが何だろうが友達になれるよ!こっちの二人だってもう一人の子だっていい子だから態度は変えないよ」
と言ってカインくんの頭も撫でてあげて彼が泣き止むまでずっとくっついていた。
しおりを挟む

処理中です...