Finale Love

卯月 桜🍒

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♪告 白♪

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遥樹は少し戸惑いながらもインターホンを2回鳴らした。
音に目が覚めた弥生は部屋の明かりをつけ除きあなから玄関先を見た。

男の人?
こんな時間にくるなんて誰?

弥生はチエンをしたまま玄関を開けた。

「遥樹君?!」
「こんな夜中にきてごめん」

弥生はチェンをはずし遥樹を部屋に入れた。

「急にきてどうしたの?!」
「今日ライブきたよね?」
「うんー・・・」
「なんですぐ帰ったの?」
「遥樹君、忙しそうだったから」
「あのさー・・・」
「何?」
「今まで連絡しなくてごめん」
「別にいいよ。遥樹君、忙しいと想うから」
「日記送ってくれてあいがとう」
「私が遥樹君に出来ることはそれぐらいだから」
「ねえー弥生ちゃん」
「ん?」
「俺、弥生ちゃんに自分の気持ち、ちゃんと言ってない」
「遥樹君の気持ち、わかってるからいいよ」
「え・・・」
「私のこと、なんとも想ってないんでしょう? だから今まで連絡してこなかったんでしょう? それが遥樹君の気持ちなんでしょう? 今日はそれを伝えにきたんでしょう?」
「弥生ちゃん」
「何?」
「俺の話、ちゃんと聞いてくれる?」

遥樹は話し始めた。

「弥生ちゃんと出会ってから変わった。弥生ちゃんと出会うまでは俺なんかって想ってたし、自信もなかった。けど、弥生ちゃんはそんな俺をいつでも大切に想ってくれた。俺が想う以上に弥生ちゃんは真っ直ぐぶつかってきてくれた。それが俺にとってどれだけ嬉しいくて救われたことか、弥生ちゃんには分かるよね? じゃなきゃ今日のライブには来なかったはずだよね?」
「遥樹君ー・・・」
「なんで俺が『Answer』書けたかわかる? 弥生ちゃんが俺に教えてくれくんだよ。人を好きになる気持ちや人を愛する気持ち。今までの俺じゃ考えられなかった。こんな俺でも好きになってくれる人がいるってこと。それがどれだけ大切で大事なことかわかった」
「遥樹君ー・・・」
「だから、俺と一緒に福岡に帰ってくれない?」
「え・・・?! ちょっ、ちょっと待ってよ?! 急に言われても困る。遥樹君と一緒に福岡に行っても住む所なし、仕事も決まってないじゃん?! それに今そんなお金ない。私のアパートのこともあるし、遥樹君と一緒に行くことなんて出来ない!!」
「住む場所も仕事も決まってるから心配することはない」
「はぁ?!」
「住む場所は俺の自宅で、仕事は俺の仕事を手伝えばいい」
「えっ?!」
「眠くなったから寝ていい?」
「はぁ?!」
「明日、メンバーみんなと俺で福岡に一緒に行こう」

遥樹は安心したように弥生の自宅で寝てしまった。
弥生は呆然とした。

明日メンバーと遥樹君と福岡に行く?
住む場所は遥樹君の自宅?!
仕事は遥樹君の手伝い?!
何がなんだかわかんない!!
この展開の速さは何?!
なんでこうーなるの?!
遥樹君の実家で同棲?!
遥樹君の部屋でこれから一緒に生活するの?!
仕事は遥樹君の手伝いってこと?!
メンバーとも会うってこと?!
マジっすかーーーーー?!

弥生はいっすいも出来ず翌日の朝を迎えた。
遥樹のスマホが鳴り起こすがなかなか起きなかった。
遥樹は寝ぼけたまま言った。

「かわりに電話に出て」
「はぁ?! なんで?! どうして?! 遥樹君の携帯じゃん?!」

遥樹は寝てしまった。
弥生は遥樹の携帯を手にしながらも迷っていた。

いつになったらこの着信切れるんだろう?
ずーーーっと鳴ってるよ。
やっぱ、出なきゃまずいかな?
でもなー・・・。

弥生はしかたく遥樹のスマホに出た。

「はい。もしもし?」
「哲也ですけど、遥樹いますか?」
「はい」
「もしかして、弥生ちゃん?」
「はい」
「遥樹に変わってくれる?」
「それが、寝てて起きないんですよ」
「そっかー・・・」
「はいー・・・」
「弥生ちゃんの自宅の住所教えてくれるかな? 今から向かいに行くから」
「はい」

弥生は哲也に自宅の住所を教え電話を切った。
車内では弥生のことが話題になっていた。

「遥樹、起きとると?」
「まだ寝てる」
「哲やん、誰と話してたと?」
「昨日話してた弥生ちゃん」
「マジ?!」
「遥樹の電話に弥生ちゃんがでたからね」
「アイツは何イチャイチャしてんだよ?!」
「まー君。ヤキすぎ」
「女とイチャイチャするとは許さん」
「でもさー、弥生ちゃんってホントどんな人なんだろうなー?」
「あべさんの言うとおりっすよね。俺も想像つかないっすから。あのチャロ男で意地っぱりな遥樹さんが会いに行く女性なんすからね。会ってみたいっすよね」
「だから今から遥樹を向かえに行くんだよ」
「弥生ちゃんの所っすか?!」
「そこにうちのVo 遥樹がいるからねー」
「だから哲也さん、弥生ちゃんの住所聞いてたんすか?」
「じゃないと福岡には帰れないからね」
「そっすよねー」

ふと想ったあべっちは哲也に聞いてしまった。

「なあー哲やん」
「ん?」
「まさかだとは想うんだけどさー、弥生ちゃんも俺たちと一緒に福岡に行くと?」
「遥樹のことだからそうだろうな」
「アイツ、マジで連れて行く気?!」
「だろうな」
「連れてくはいいけど、住む場所どーすんだろうな? 
それに弥生ちゃんだって仕事あるだろうと想うし」
「まー君が心配するのもわかるけど、遥樹のことだからちゃんと考えてんじゃねえの」
「まーなー・・・」
「遥樹のことだから実家で一緒に住むんじゃねえの。
仕事だって俺たちのことを手伝うんじゃねえのかな」
「遥樹ならそうだろうな」

弥生の自宅ではようやく遥樹が目覚めた。

「哲也さんたちが向かえにくるって」
「そうー」
「うん」
「昨日言ってたこと考えてくれた?」
「行ってもいいけど・・・」
「何?」
「メンバーにはちゃんと話してほしい。それに、遥の家族にもちゃんと話してほしい」
「メンバーにはまだ話してないけど、俺の家族には話してある」
「話してるの?!」
「うん」
「なんて話したの?」
「それは行ってからのお楽しみ」
「茶化さないでちゃんと話して?!」
「弥生が心配することは何1つない」
「いっ今、弥生って言ったよね?!」
「言った」
「はぁー・・・」
「何? 今のため息? そんなに俺のこと信用できないの? それとも安心できないの?」
「そうじゃなくて・・・」
「じゃ何?」
「そうゆう大事なことは前もって言ってくれない? 
じゃないと、どー構えていいか、わかんないじゃん」
「構えることなんて、ない。弥生は弥生」
「遥ー・・・」
「朝の電話って誰?」
「さっき言った」
「言ったっけ・・・?」
「哲也さんから」
「あーーー。 そーやったね。名古屋からどれぐらいでつくん?」
「混んでなきゃ1時間ぐらい。混んでると1時間半ぐらいかな」
「そんなもんでつくんや」
「うん」
「弥生って、ホントちっちゃいな」
「だから何?」
「ちっちゃくてかわいい」
「それはどーもありがとう」
「福岡行くしたく出来てんの?」
「心配しなくても出来てます」
「いつのまに?!」
「遥が寝てる間に荷造りしてました」
「寝てねえの?」
「寝れませんでした」
「またなんで?」
「遥が急にきてあんな話するからでしょう?! それに・・・」
「何?」
「・・・」
「弥生の気持ち、ちゃんと言ってほしい」
「私は、もうーダメだと想ったから。だから、遥がきた時はビックリした。遥と一緒に福岡に行けるとは想わなかったから。だから言われた時、正直、戸惑った。でも、私の気持ちは、1つしか見えなかった。遥とこうなることを何よりも望んでた。だから嬉しかった」
「不安な想いさせてごめん」
「遥ー・・・」

インターホンが鳴り弥生は玄関を開けた。

「弥生ちゃん?」
「はい」
「哲也だけど、遥樹いる?」
「いますよ。ちょっと待ってていただけますか?」
「うん」

「遥。哲也さんきたよ」
「わかった」

遥樹は玄関先へと行った。

「哲也さん。おはようございます」
「弥生ちゃんとはと話したのか?」
「はい」
「で?」
「で・・・って?」
「俺たちメンバーにはちゃんと紹介してくれないの?」
「あーーー。すみません。哲也さん」
「ん?」
「まー君やあべっちやよっしーには?」
「昨日の夜話したから大丈夫なんやない。みんな弥生ちゃんがどんな人か興味津々」
「そうーなんすかー」
「そやーうちのVoが会いに行った女だからなー」
「そっすよねー」
「みんなから質問攻めになるぞ」
「ですよね」
「まあーいんじゃねえの? みんな待ってるから早く行くぞ」
「あっ・・・はい」
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