Another World

第一章

睡眠

小さな村に、物知りなおじいさんがいました。
村人のよき相談相手であり、豊富な知識の持ち主です。
今晩のメニューの相談、投資のアドバイス、人気アイドルの話。
様々な話をするのです。
近頃、少年が頻繁に訪れていました。
おじいさんは、内心、その少年の相手に疲れていましたが、しぶしぶ、相手をしていました。
村人に頼りにされ、尋ねられれば答えずにはいられない。
おじいさんは、そんな性格でした。
けれど、おじいさんは途中で疲れ眠ってしまいました。
毎日、毎日、少年は同じような事を、何時間も繰り返し聞くのです。


「こら！あんたは、また、そんなもんばっかりみて！！」
母親の怒声に、少年は体を縮めました。
言い訳をしようにも、出来るはずもありません。
エッチな画像を写したまま、古いパソコンはフリーズしていたのですから。