最強パーティなのに最下級からなりあがる~怪盗ロゼル一族と神竜の鱗

此寺 美津己

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37.それは最高の夜だった

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終わりがよければ全てよし。

元のランゴバルドに戻り、ロゼルの一党がなんとか動けるようになってから、ぼくらは解散した。
エミリアは、ロゼルの一族と打ち合わせがあると言うので別れ、ぼくらは、冒険者学校までのけっこうな道のりをだらだらと歩いた。

ロウは、自分のコートを脱いで、ぼくに背負われているドロシーにかけてくれた。
割合に人情味のある真祖なのである。彼女は。

さすがに、真夜中をだいぶ回ったこの時間、繁華街からははずれた学校までの道。人通りはまるでない。
それを言ったら、歩いているぼくらのうち半分はひとではないのだが。

アモンは機嫌よく、調子のはずれた戯れ歌を歌って笑っている。
なんと言う歌かきいたら自分で作詞作曲した歌で「望郷竜歌」だと言った。
モデルは、いまごろは、「神竜の息吹」で後片付けをしているラウレスくんらしい。

正門は、ぼくらが近づくとしずしずと開いた。

ネイア先生が仁王立ちでぼくらを迎えてくれた。

「一応は心配いたしました。」

「ランゴバルドが消滅しないかでしょう? ちゃんとうまくやりましたよ。」
ぼくは手をふって、ネイア先生をねぎらった。
使い魔には優しいタイプの魔道士なのである。ぼくは。

「首尾は?」

一応ルールス先生には報告の義務があるのだろう。

「万事つつがなく。ミトラの聖光教会本部から盗んだ鱗は、ロゼル一族からこっそり返させる。」

「それはまたずいぶんと・・・・難しいことを。」

「わたしが、今度『紅玉の瞳』をついだから。新頭領のもとでの初仕事にしては気が利いてない?」

さすがに真祖の意見にもこれは同意できなかったのか、押し黙ったネイア先生だったが。

「え? ご真祖さまがロゼルの頭領になったんですか?」

「そうだよ。冒険者学校は、盗賊の頭領だとはいれないの?」

「ふつうに無理でしょう。」

「なら、黙っててよ。」

ネイア先生は絶句して天を仰いだ。

「ランゴバルド博物館は、所蔵する『神竜の鱗』が三枚になった。東の帝国が所蔵していた一枚は、もともとの国が滅亡してしまって管理者がいなかったらしい。あと海底の難破船からひきあげた一枚で合計三枚。

竜の都から盗まれた一枚は、二フフ副館長が自分のルートをもって、返還するそうだ。」

「・・・・なにをどうやったら・・・そうなるんですか?」

「二フフ館長の依頼は『神竜の鱗』を守れでしょ? 増えたのはオプションみたいなもんだよね!」

あとは、ネイア先生には明日の授業の欠席をお願いしたが、これは無理ではないだろう。学校の課題として、ランゴバルド博物館の徹夜での警備を仰せつかったのだ。
だから授業はお休み!

ドロシーは、ぼくの背中でよく眠っていた。
同室の友人たちを起こすのも憚られたので、ロウの部屋で寝かせることにした。

ぼくらが例によってバルコニーから失礼して、ベッドにドロシーを横にすると、ロウは、それではわたしは夜の散歩に、と、またバルコニーから飛び出って行った。

ため息をついて、勝手知ったるロウの部屋から、寝間着につかえそうな部屋着を探して、ドロシーを起こした。
いくらなんでもギムリウスの糸のコートにロウのトレンチの重ね着では眠りにくいだろう。

「ああ、ルトがいる。」
とろんとした目で、コートのドロシーがぼくを見つめる。
「ここは?」

「ロウ=リンドの部屋。今日は遅いからここに泊まる。明日は授業は休みだからゆっくりしていくといいよ。」

「神竜の鱗はどうなったんだっけ。」

「無事だよ。いまごろは二フフ副館長がもとの場所におさめてるだろう。」

三枚に増えたことをどう説明するのかは知らないが。

「二フフ副館長で竜だったっけ?」

夢でも見たの?と言ってぼくが額をなぜると、ドロシーはほっとしたように、やっぱり夢だったのか、とつぶやいた。

「けっこう、怖いん夢だっんだよ。あのね、二フフ副館長が竜で、わたしに神竜の鱗の在り処を話せって、わたしを手枷でつるしてね。
ギムリスムのボディスーツを切り裂かれて。

なんかそういう願望があるのかな、わたし。」

夢でしょ。
とぼくは微笑む。

「あと、なんだか黒い竜がやってきて、ルトが『神竜の鱗』を持ってるって言って・・・わたし、何をいってるんだろう?」

「ほんとにね。いろいろあって想像と現実がごっちゃになってるんだよ。今夜は、といってもあと何時間かで朝だけど。ゆっくりお休み?」

「ランゴバルド塔がくだけたのもあれも夢・・・なのかなあ。アモンが黒い竜を引きずってきて。」

「夢だろうなあ。」とぼくは笑う。

「じゃあ、ルト。これも夢?」

ドロシーはコートの前を開いた。





ーーーーーーーーー
『怪盗ロゼル一族と神竜の鱗』はこれにて終了です。

ルトたちのこれからは、本編

あなたの冒険者資格は失効しました~最強パおーティが最下級から成り上がるお話
https://www.alphapolis.co.jp/novel/807186218/844632510

をお読みいただけるとうれしいです。
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