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第131話 お願い!勇者に出番を!
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戦場に風が吹き荒れる。
迷宮は、生きるものすべてを拒むような荒涼たる荒地へと姿を変えつつあった。
「はいこれ。」
脈が百打打つ間もあっただろうか。
消えた少女は唐突に再び現れると、クロノに厳重に封印された聖剣を手渡した。
「え、どうやって?」
「ちょうど、ミトラの剣士がこれを持って、『魔王宮』に来ていました。クロノを探してこれを渡したがっていたので預かってきた。」
迷宮内から迷宮外への転移。
転移の中でも最難関の部類に含まれる。実際には事前に、魔法陣を引いておかねば、無理だろう。
ああ、そうだ。人間には、だ。
ギムリウスは人間ではなかった。
クロノは知らなかったがおそらく、ギムリウスの転移の能力は、神々をのぞけば最後方に数えられる。
実際に、フィオリナたちの転移に干渉して、『愚者の盾』の全員をそれぞれ別の場所に転移させることもやってのけたし、自分ひとりならば、こうやって、ザザリの迷宮の内と外でも自在に転移ができる。
ギムリウスに感謝して、クロノは剣を受けとった。
「厳重な封印」は、クロノにとっては意味がない。
剣を柄を握ると、そこから清涼な気が流れ込んでくる。雄叫びをあげて、剣を抜きかけたところで、クロノは周りを見回した。
軍神を降ろしたクリュークは、青銅の肌をもつ魔神の姿となり、剣を握って空を駆け回る。
フィオリナの呼んだ竜巻の余波で、暴風が吹き荒れるこの中では、いかなる飛行魔法でも制御を失って地面にたたきつけられるのは目に見えているが、クリュークは意に介さないようだった。
主にその相手をしているのは、主にリアモンドだった。
黒い猛々しい剣を振りかざし、こちらも自在に宙を駆け回る。
いやくリュークよりも疾いくらいだ。まあ。
もとが竜だからなあ。
とクロノは思った。
クリュークが、あまりの素早さに業を煮やしたのか、稲妻を続けざまに投げつける。
いくつかは、リアモンドに命中したが、青い炎と火花に包まれながら、リアモンドはまったくダメージを負った様子がない。
というより、かわそうとすらしていないのではないか。
反対に、リアモンドのブレスは、クリュークにとってあたれば大きなダメージはさけられないものの様子で、虚空から引き出した盾で防いだり(一撃で盾は溶解した)空間魔法で向きをかえたりと、こちらもダメージは受けないながらも、明らかに防戦に追い込まれている。
あ、えーと、軍神、だよなあ。
ルトとリウは、しゃがみこんで負傷したリヨンの治療にあたっている。
受肉の媒体にされた生き物が、受肉後も生きているはずないのだが、あのふたりならなんとかするだろう。してしまうだろう。
だって、魔王だもの。
ヨウィスは、その近くにとどまり、うつむいたままなにやら糸を操っていた。
肉体的には、彼女がいちばん普通の人間に近いはずだ。なにか攻撃を受ければ、たとえそれが流れ弾であっても即死しかねないのだから、これで正解だろう。
アウデリアとロウ、それにフィオリナは、魔族たちに続けざまに魔法攻撃を行っていた。
だが、付与魔法で究極にまで強化された障壁は、たわみ、へこみ、ひび割れながらもいまのところ保っている。
光が、衝撃が、乱反射して、周りの地面をえぐり取っていた。
クロノは傍らにたつギムリウスを眺めた。
なにか?という顔でギムリウスはクロノを見上げた。
「あのさ・・・ふつうの勇者に出番のある戦いってどこかでやってないかな。」
迷宮は、生きるものすべてを拒むような荒涼たる荒地へと姿を変えつつあった。
「はいこれ。」
脈が百打打つ間もあっただろうか。
消えた少女は唐突に再び現れると、クロノに厳重に封印された聖剣を手渡した。
「え、どうやって?」
「ちょうど、ミトラの剣士がこれを持って、『魔王宮』に来ていました。クロノを探してこれを渡したがっていたので預かってきた。」
迷宮内から迷宮外への転移。
転移の中でも最難関の部類に含まれる。実際には事前に、魔法陣を引いておかねば、無理だろう。
ああ、そうだ。人間には、だ。
ギムリウスは人間ではなかった。
クロノは知らなかったがおそらく、ギムリウスの転移の能力は、神々をのぞけば最後方に数えられる。
実際に、フィオリナたちの転移に干渉して、『愚者の盾』の全員をそれぞれ別の場所に転移させることもやってのけたし、自分ひとりならば、こうやって、ザザリの迷宮の内と外でも自在に転移ができる。
ギムリウスに感謝して、クロノは剣を受けとった。
「厳重な封印」は、クロノにとっては意味がない。
剣を柄を握ると、そこから清涼な気が流れ込んでくる。雄叫びをあげて、剣を抜きかけたところで、クロノは周りを見回した。
軍神を降ろしたクリュークは、青銅の肌をもつ魔神の姿となり、剣を握って空を駆け回る。
フィオリナの呼んだ竜巻の余波で、暴風が吹き荒れるこの中では、いかなる飛行魔法でも制御を失って地面にたたきつけられるのは目に見えているが、クリュークは意に介さないようだった。
主にその相手をしているのは、主にリアモンドだった。
黒い猛々しい剣を振りかざし、こちらも自在に宙を駆け回る。
いやくリュークよりも疾いくらいだ。まあ。
もとが竜だからなあ。
とクロノは思った。
クリュークが、あまりの素早さに業を煮やしたのか、稲妻を続けざまに投げつける。
いくつかは、リアモンドに命中したが、青い炎と火花に包まれながら、リアモンドはまったくダメージを負った様子がない。
というより、かわそうとすらしていないのではないか。
反対に、リアモンドのブレスは、クリュークにとってあたれば大きなダメージはさけられないものの様子で、虚空から引き出した盾で防いだり(一撃で盾は溶解した)空間魔法で向きをかえたりと、こちらもダメージは受けないながらも、明らかに防戦に追い込まれている。
あ、えーと、軍神、だよなあ。
ルトとリウは、しゃがみこんで負傷したリヨンの治療にあたっている。
受肉の媒体にされた生き物が、受肉後も生きているはずないのだが、あのふたりならなんとかするだろう。してしまうだろう。
だって、魔王だもの。
ヨウィスは、その近くにとどまり、うつむいたままなにやら糸を操っていた。
肉体的には、彼女がいちばん普通の人間に近いはずだ。なにか攻撃を受ければ、たとえそれが流れ弾であっても即死しかねないのだから、これで正解だろう。
アウデリアとロウ、それにフィオリナは、魔族たちに続けざまに魔法攻撃を行っていた。
だが、付与魔法で究極にまで強化された障壁は、たわみ、へこみ、ひび割れながらもいまのところ保っている。
光が、衝撃が、乱反射して、周りの地面をえぐり取っていた。
クロノは傍らにたつギムリウスを眺めた。
なにか?という顔でギムリウスはクロノを見上げた。
「あのさ・・・ふつうの勇者に出番のある戦いってどこかでやってないかな。」
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