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第三章 迷宮
第27話 溶岩湖
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話にはきいていたが、その光景をみるのは、初めてだった。
地面をゆっくりと、灼熱し、溶けた岩が流れていく。
それが、向こう岸が見えないほどの広大なエリア二広がっているのだ。
灯り、はない。
灼熱のマグマそのものが、灯りとなっている。
直接、ふれたらもちろん、人の体など骨まで燃え尽きるだろう。
だが、触れていなくとも、この熱にな、そう長くは耐えられない。
ぼくは、耐熱遮蔽を展開して、ティーンと、サリアを包んだ。
「なかなか小器用だな、ヒスイ。」
サリアが言った。
「これで、攻撃魔法がサッパリだ、とか言い出されたら笑うが。」
「攻撃魔法は、2番目くらいには、得意だから、心配してもらわなくてもけっこう。」
そう言いながら、ぼくは辺りを見回した。
視界は必ずしもよくはないが、ひとの気配はない。
たしか、ここは第二階層への降り口とひて、有名な場所だったはずなのだが……。
「観光客が降りられる『安置所』からのルートは、別の場所にある。」
ぼくの心のうちを察したのか、サリアが言った。
「こちら側は、実際に迷宮を攻略している冒険者が、効率よくすすむ、ための別ルートだ。観光客用のルートより、一日早く、また、わたしたちは、蜘蛛の壁を無理やり突破してきたから、さらに半日早い。」
「マグマの中に棲息する蜘蛛がいるって。聞いたけど。」
ティーンが言った。
「いるよ。今まで、誰も倒せたことの無いギムリウス様の特異種、通称“炎熱蜘蛛”がな。
ただし、やつは一体きりで、溶岩湖に踏み込まなければ襲っては来ない。
大抵は、観光客の多い反対岸にいる。」
「観光目的のやつらが、三層に降りたいといったらどうするんだ?」
「炎熱蜘蛛は一匹だけだ。ほかのチームが、やつの注意をひいているうちに、橋を渡って、三層への階段を降りるんだな。」
「三層に降りる階段は、向こう岸の小島のなかにあったはずだ。」
ぼくは、叫んだ。
「ぼくたちは、どこから二層に降りる?」
ぼくらは、溶岩の固まったところ。
黒い岩の上を歩いていた。
右も左も、オレンジ色のマグマが、流れていく。熱気もさることながら、人間には有毒のガスも気になった。
いまのところ、ぼくの障壁がフィルターの役目も果たしているが、こんな高度な障壁をいつまでもはり続けてはいられない。
「もちろん! 本当の冒険者にしか知られていない、隠し通路があるのさ。」
「どこに!?」
迷宮において、層を移動する、ということは、ひとつの世界から世界に移動するということなる。
下層階に降りるから、必ず下りの階段があるとは限らないが、門やドア、移動を象徴する「なにか」はあるはずだった。
サリアの眼鏡が、淡いビンクの光を放っていた。
たぶん、分析のための魔道具なのだとふんでいたが、間違いなさそうだった。
マグマの固まった黒い岩は、そろそろ先端な近い。ここから先は、熔鉱炉と一緒だ。
「ああ、今日はここだ。」
サリアは、軽く頷いて、無造作に。
本当に無造作に、マグマのなかに足を突っ込んだ。
その体が、瞬時に燃え上がった。
■■■■■
グリシャム・バッハは、数時間もおかずに、またやって来た。
魔導師に多い、自分勝手で、破綻した性格の持ち主であることは、明白だったが、少なくとも精力的な人物であることは、間違いない。
西域から、列車を乗り継いでの長旅。
休息をとる間もなく、こうして動き続けているのだから。
それでもマロウドは、椅子をすすめ、秘書のリーシャに茶を入れるよう頼んだ。
グリシャム・バッハは、黙ってそれを見つめている。
さっき、初対面で会ったときのように、いきなり恫喝からはいることは、ないが最低限の儀礼すら無視している。
「昨晩のアルディーン嬢の足取りが分かりました。」
そう言うと、グリシャム・バッハは微かに、顎をひいた。
自分の命じた調査の報告をされるのに、いちいち挨拶はいらない、という訳だ。
自らも若干、人嫌いなところのある魔道院学院長マロウドは、同類を憐れむようは目で、グリシャムを見やった。
「夕食は、食堂でとったおります。同席したのは、同じクラスの女生徒二名。」
「そのものたちの学籍名簿を。」
「お断りします。」
マロウドは、にこやかに返した。
「これは、生徒の保護のためです。」
「……まあ、いい。続けろ。」
「夕食の席上では、アルディーン嬢は、さかんに自分の境遇への不満を口にしていたそうです。教師の無理解、不味い夕飯、このところ、とみに干渉してくる中央軍の監視官たち。」
「なるほど。」
グリシャム・バッハは、椅子の肘掛けを、トントンと人差し指で叩いた。
「興味深いな。」
「……ということで、いつもと全く変わった様子は見られなかった、とのことです。」
「まてっ! いま、アルディーン姫が、周りへの不満を口にしていたと言ってただろうが!」
「アルディーン嬢の話題は、たいてい、周りへの愚痴が多く、友人たちも、ああ、いつものか、とテキトーに相槌をうっていただけのようです。」
最近の若いものは、とグチグチとグリシャムが呟くのを、マロウドは心の中で笑った。
「そのあと、寮の部屋の前までは、一人で戻ったそうです。自習室によることもあるのですが、この日は、違ったようですね。」
「そうして、朝までほったらかしか?」
グリシャムは、魔力を載せた眼光で、マロウドを睨んだが、彼はあっさりとそれをスカした。
「当たり前です。魔道院は、別に刑務所ではありませんからね。
しかし、まあ、深夜から起床時間までは、出入りには、チェックがかかります。
つまり、アルディーン嬢が拉致されたのは、夕食からチェックシステムが作動する深夜までの間、ということになります。」
「それは、時間帯にしてどのくらいだ?」
「まあ、四時間ほどですね。」
「逃げ出すには、充分だなっ!」
グリシャムの頭の中は、あくまでもアルディーンが「逃げた」ことになっているようだった。
マロウドは、ある程度、真相にたどり着いてはいたが、それをグリシャムに教えてやる気にはならなかった。
あまり、積極的に関与することは、禁則事項ではあるが、多少の意地悪は許されるだろう。
「交友関係は、どうなのだ。異性関係は。」
「筆頭魔導師殿。」
マロウドは窘めるように言った。そういう口調出話すことで相手が、さらにイライラするであろうことを計算した上での発言である。
「なんども申し上げますが。
うちは、刑務所でも幼年学校でもないのです。生徒の交友関係や恋愛事情などは……」
それでも、グリシャムが睨んでいたので、マロウドは仕方なく、秘書に声をかけた。
「リーシャ。アルディーン嬢の交友関係は、どうだ?」
「モテてはいましたよ。きれいな子でしからね。」
そう答えたリーシャの、その美貌に、初めて気がついたグリシャムは、目を見開いた。
清楚なスーツに身を包んだリーシャは、まるで聖女のように見えたのだ。
地面をゆっくりと、灼熱し、溶けた岩が流れていく。
それが、向こう岸が見えないほどの広大なエリア二広がっているのだ。
灯り、はない。
灼熱のマグマそのものが、灯りとなっている。
直接、ふれたらもちろん、人の体など骨まで燃え尽きるだろう。
だが、触れていなくとも、この熱にな、そう長くは耐えられない。
ぼくは、耐熱遮蔽を展開して、ティーンと、サリアを包んだ。
「なかなか小器用だな、ヒスイ。」
サリアが言った。
「これで、攻撃魔法がサッパリだ、とか言い出されたら笑うが。」
「攻撃魔法は、2番目くらいには、得意だから、心配してもらわなくてもけっこう。」
そう言いながら、ぼくは辺りを見回した。
視界は必ずしもよくはないが、ひとの気配はない。
たしか、ここは第二階層への降り口とひて、有名な場所だったはずなのだが……。
「観光客が降りられる『安置所』からのルートは、別の場所にある。」
ぼくの心のうちを察したのか、サリアが言った。
「こちら側は、実際に迷宮を攻略している冒険者が、効率よくすすむ、ための別ルートだ。観光客用のルートより、一日早く、また、わたしたちは、蜘蛛の壁を無理やり突破してきたから、さらに半日早い。」
「マグマの中に棲息する蜘蛛がいるって。聞いたけど。」
ティーンが言った。
「いるよ。今まで、誰も倒せたことの無いギムリウス様の特異種、通称“炎熱蜘蛛”がな。
ただし、やつは一体きりで、溶岩湖に踏み込まなければ襲っては来ない。
大抵は、観光客の多い反対岸にいる。」
「観光目的のやつらが、三層に降りたいといったらどうするんだ?」
「炎熱蜘蛛は一匹だけだ。ほかのチームが、やつの注意をひいているうちに、橋を渡って、三層への階段を降りるんだな。」
「三層に降りる階段は、向こう岸の小島のなかにあったはずだ。」
ぼくは、叫んだ。
「ぼくたちは、どこから二層に降りる?」
ぼくらは、溶岩の固まったところ。
黒い岩の上を歩いていた。
右も左も、オレンジ色のマグマが、流れていく。熱気もさることながら、人間には有毒のガスも気になった。
いまのところ、ぼくの障壁がフィルターの役目も果たしているが、こんな高度な障壁をいつまでもはり続けてはいられない。
「もちろん! 本当の冒険者にしか知られていない、隠し通路があるのさ。」
「どこに!?」
迷宮において、層を移動する、ということは、ひとつの世界から世界に移動するということなる。
下層階に降りるから、必ず下りの階段があるとは限らないが、門やドア、移動を象徴する「なにか」はあるはずだった。
サリアの眼鏡が、淡いビンクの光を放っていた。
たぶん、分析のための魔道具なのだとふんでいたが、間違いなさそうだった。
マグマの固まった黒い岩は、そろそろ先端な近い。ここから先は、熔鉱炉と一緒だ。
「ああ、今日はここだ。」
サリアは、軽く頷いて、無造作に。
本当に無造作に、マグマのなかに足を突っ込んだ。
その体が、瞬時に燃え上がった。
■■■■■
グリシャム・バッハは、数時間もおかずに、またやって来た。
魔導師に多い、自分勝手で、破綻した性格の持ち主であることは、明白だったが、少なくとも精力的な人物であることは、間違いない。
西域から、列車を乗り継いでの長旅。
休息をとる間もなく、こうして動き続けているのだから。
それでもマロウドは、椅子をすすめ、秘書のリーシャに茶を入れるよう頼んだ。
グリシャム・バッハは、黙ってそれを見つめている。
さっき、初対面で会ったときのように、いきなり恫喝からはいることは、ないが最低限の儀礼すら無視している。
「昨晩のアルディーン嬢の足取りが分かりました。」
そう言うと、グリシャム・バッハは微かに、顎をひいた。
自分の命じた調査の報告をされるのに、いちいち挨拶はいらない、という訳だ。
自らも若干、人嫌いなところのある魔道院学院長マロウドは、同類を憐れむようは目で、グリシャムを見やった。
「夕食は、食堂でとったおります。同席したのは、同じクラスの女生徒二名。」
「そのものたちの学籍名簿を。」
「お断りします。」
マロウドは、にこやかに返した。
「これは、生徒の保護のためです。」
「……まあ、いい。続けろ。」
「夕食の席上では、アルディーン嬢は、さかんに自分の境遇への不満を口にしていたそうです。教師の無理解、不味い夕飯、このところ、とみに干渉してくる中央軍の監視官たち。」
「なるほど。」
グリシャム・バッハは、椅子の肘掛けを、トントンと人差し指で叩いた。
「興味深いな。」
「……ということで、いつもと全く変わった様子は見られなかった、とのことです。」
「まてっ! いま、アルディーン姫が、周りへの不満を口にしていたと言ってただろうが!」
「アルディーン嬢の話題は、たいてい、周りへの愚痴が多く、友人たちも、ああ、いつものか、とテキトーに相槌をうっていただけのようです。」
最近の若いものは、とグチグチとグリシャムが呟くのを、マロウドは心の中で笑った。
「そのあと、寮の部屋の前までは、一人で戻ったそうです。自習室によることもあるのですが、この日は、違ったようですね。」
「そうして、朝までほったらかしか?」
グリシャムは、魔力を載せた眼光で、マロウドを睨んだが、彼はあっさりとそれをスカした。
「当たり前です。魔道院は、別に刑務所ではありませんからね。
しかし、まあ、深夜から起床時間までは、出入りには、チェックがかかります。
つまり、アルディーン嬢が拉致されたのは、夕食からチェックシステムが作動する深夜までの間、ということになります。」
「それは、時間帯にしてどのくらいだ?」
「まあ、四時間ほどですね。」
「逃げ出すには、充分だなっ!」
グリシャムの頭の中は、あくまでもアルディーンが「逃げた」ことになっているようだった。
マロウドは、ある程度、真相にたどり着いてはいたが、それをグリシャムに教えてやる気にはならなかった。
あまり、積極的に関与することは、禁則事項ではあるが、多少の意地悪は許されるだろう。
「交友関係は、どうなのだ。異性関係は。」
「筆頭魔導師殿。」
マロウドは窘めるように言った。そういう口調出話すことで相手が、さらにイライラするであろうことを計算した上での発言である。
「なんども申し上げますが。
うちは、刑務所でも幼年学校でもないのです。生徒の交友関係や恋愛事情などは……」
それでも、グリシャムが睨んでいたので、マロウドは仕方なく、秘書に声をかけた。
「リーシャ。アルディーン嬢の交友関係は、どうだ?」
「モテてはいましたよ。きれいな子でしからね。」
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