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20話 凍った池の下の謎
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12月中旬、厳しい寒波が町を襲い、学校近くの池が完全に凍結した。放課後、みけ子たち探偵団が下校途中、その池のほとりを通りかかった。
「わあ、池が完全に凍っちゃったね」とまりが感嘆の声を上げた。
けんたが氷の上に足を踏み出そうとすると、ユミが慌てて止めた。
「危ないわ!氷が薄いかもしれないわよ」
みけ子は、氷の表面をじっと見つめていた。
「ねえ、みんな。氷の下に何か光るものが見えない?」
探偵団のメンバーは一斉に氷の上に身を乗り出し、みけ子の言う通り、何か小さな光る物体が氷の下に見えることに気がついた。
「本当だ!何かキラキラしてる」とたけるが目を細めて覗き込んだ。
けんたが興奮気味に言った。
「おい、これは探偵団の出番じゃないか?」
みけ子は決意に満ちた表情で頷いた。
「うん、この謎、絶対に解明しよう!」
翌日、探偵団は放課後に集まり、初期調査を開始した。まずは池の周りを歩き、それから近隣住民から情報を集めることにした。
「すみません、この池のことで聞きたいことがあるんですが」とみけ子が丁寧に老夫婦に声をかけた。
老夫婦は優しく微笑んで答えてくれた。
「ああ、この池か。昔は子供たちの遊び場だったんじゃよ。夏は蛍が飛び交って、冬はスケートを楽しんだもんじゃ」
「へえ、スケートができるくらい凍るんですね」とまりが目を輝かせた。
老婦人が付け加えた。
「そうそう、でも最近はめったに凍らなくなってねぇ。今年は珍しく寒いからなぁ」
探偵団は図書館に向かい、地域の歴史書を調べ始めた。ユミが古い資料を丁寧にめくりながら読み上げる。
「ここに書いてあるわ。『明治時代、この池で宝石を載せた馬車が転覆し、積荷が沈んだという伝説がある』ですって」
「宝石!?」けんたが声を上げた。「もしかして、氷の下で光ってるのは...」
たけるが冷静に言った。
「でも、それだとしたら、もうとっくに引き上げられてるはずだよ」
みけ子は考え込みながら言った。
「実際に見てみないとわからないね」
けんたが首をかしげた。
「でも、どうやって確かめるんだ?」
まりが少し不安そうに言った。
「そうよね。氷の上に出るのは危ないし...」
ユミが冷静に提案した。
「まずは安全に観察する方法を考える必要がありますね。氷の厚さや強度を確認しないと」
たけるが力強く言った。
「俺たちだけじゃ難しいかもしれないな。専門家の意見を聞いた方がいいんじゃないか?」
みけ子は真剣な表情で言った。「そうだね。まずは氷の安全性を確認しないと。大人の人に相談しよう」
探偵団は学校の理科の先生、上野先生に相談することにした。
「上野先生、ちょっとお話があるんですが」とみけ子が職員室を訪ねた。
上野先生は優しく微笑んで答えた。
「みけ子さんたち、どうしたの?」
みけ子たちは池の状況と、氷の下に何か光るものを見つけたことを説明した。
上野先生は真剣な表情になり、
「それは興味深いね。でも、氷の上に出るのは危険だよ。まずは氷の厚さを確認しないと」
「どうやって確認するんですか?」とたけるが尋ねた。
上野先生は説明を始めた。
「氷の厚さを測る特殊な機器があるんだ。明日、一緒に池に行って測ってみよう。それと、消防署にも連絡して、安全管理について教えてもらおう」
翌日、上野先生と共に池を訪れた探偵団。消防署からも安全管理の専門家が来ていた。
「氷の厚さは約20センチあります」と測定を終えた上野先生が報告した。
消防署の専門家が説明を加えた。
「この厚さなら大人一人が乗っても大丈夫ですが、子供たちだけで氷の上に出るのは避けてください」
みけ子が質問した。
「安全に氷の下を観察する方法はありますか?」
専門家は少し考えてから答えた。
「透明な箱を使って氷の上から覗き込む方法があります。氷に直接触れずに下を観察できますよ」
この情報を得て、探偵団は調査方法について話し合いを始めるとたけるがこう言った。
「さっきの専門家が言ってた透明な箱、使えそうだよね」
ユミが付け加えた。
「私が調べたところ、水中カメラを使えば氷の下の様子がよく見えるみたい。小さな穴を開けて挿入するだけでいいの」
みけ子はみんなの意見を聞いて、しばらく考え込んでいた。そして、ついに決断を下した。
「よし、透明な箱と水中カメラを組み合わせた装置を作ろう。箱で氷の表面を観察しながら、カメラで氷の下も見られるはずよ」
全員が賛成し、準備を始めることになった。上野先生の指導の下、探偵団は慎重に作業を進めた。
まず、みけ子が大きな透明なプラスチック箱を持ってきた。箱の大きさは60cm x 40cm x 30cmほどで、底が透明なものを選んでいた。
上野先生が説明を始めた。
「まず、箱の底に小さな穴を開けます。この穴は水中カメラのケーブルが通る大きさで十分です」
けんたが質問した。
「先生、穴を開けても大丈夫なんですか?水が入ってこないんでしょうか」
上野先生は頷いて答えた。
「良い質問だね。穴の周りはしっかりと防水処理をします。それに、この箱は氷の上に置くので、水が直接入ってくることはありません」
たけるが工具箱から電動ドリルを取り出した。
「僕が穴を開けてみます」
上野先生が注意を促した。
「気をつけてね。保護メガネも忘れずに」
たけるは慎重に作業を進め、直径約2cmの穴を箱の底中央に開けた。
次に、ユミが防水性の高い小型の水中カメラを箱に近づけた。
「これを穴に固定するんですよね」
上野先生が頷いた。
「そうです。カメラを穴に挿入し、周りを防水シーラントで固定します」
まりが防水シーラントを手に取り、慎重にカメラの周りに塗り始めた。
「こんな感じでいいですか?」
「そうそう、その調子」と上野先生が励ました。
カメラを固定したら、けんたがモニターを持ってきた。
「このモニター、箱のどこに付ければいいんですか?」
上野先生が答えた。
「箱の側面に取り付けるのがいいでしょう。観察しやすい高さを考えてね」
みけ子がモニターの位置を決め、たけるが固定用のブラケットを取り付けた。
「あとは電源の問題ですね」とユミが言った。
上野先生が説明を加えた。
「そうですね。ポータブルバッテリーを使います。カメラとモニター、それに水中ライトもこれで動かします」
けんたがバッテリーを箱の中に設置し、各機器に接続した。
「よし、これで基本的な構造は完成だ」とみけ子が満足げに言った。
上野先生が付け加えた。
「あとは、移動しやすいように底にスキーのような板を取り付けましょう」
探偵団のメンバーは協力して、これらの仕上げ作業を行った。
「これで完成です」と上野先生が宣言した。「この装置があれば、安全に氷の下を観察できますね」
みけ子たちは出来上がった装置を誇らしげに見つめた。
「これなら安全に、でも詳しく観察できるわね」とみけ子が満足げに言った。
けんたが興奮気味に付け加えた。
「氷に穴を開けるのは大人の人に手伝ってもらおうぜ。安全第一だからな」
まりが少し心配そうに尋ねた。
「でも、穴を開けても大丈夫なの?氷が割れたりしない?」
上野先生が安心させるように答えた。
「大丈夫だよ。適切な道具を使えば、氷に小さな穴を開けても全体の強度には影響しないんだ」
そしてみけ子がこう言った。
「素晴らしい装置ができたけど、使用する前にもう少し準備が必要よね」
上野先生が頷いて答えた。
「そうですね。安全確認や天候の様子見など、まだやるべきことがあります」
ユミが付け加えた。
「氷の状態も再確認する必要がありますね。専門家に相談するのもいいかもしれません」
まりが言った。
「準備には時間がかかりそうだけど、焦らず慎重に進めましょう」
たけるも同意した。
「そうだね。安全第一で、完璧な準備をしてから実行しよう」
それから、いよいよ調査の日がやってきた。探偵団は上野先生と消防署の専門家の監視の下、慎重に氷の上に出た。
みけ子が指示を出す。
「みんな、滑らないように気をつけて。ゆっくり移動しよう」
けんたとたけるが装置を持ち、ゆっくりと氷の上を歩く。
「あそこ!光ってる場所が見えるよ」とまりが指さした。
みけ子が慎重に近づき、装置を設置した。モニターに映し出される映像に、全員が息を呑んだ。
「これは...」ユミが驚いた声を上げた。
上野先生が興奮した様子で説明した。
「これはおそらく、ディノフラジェレートという種類の藻類だね。寒冷な水域でも発光することがあるんだよ」
みけ子たちは感動の声を上げた。
「わぁ、きれい...」
「まるで宝石みたいだ」
そしてみけ子が決意を込めて言う。
「この発見、絶対に記録しなきゃ。ユミ、写真と動画、お願いね」
ユミは慎重に記録を取り始めた。その間、他のメンバーは交代で観察を続け、気温や水温、氷の厚さなどのデータも記録していった。
数日後、探偵団は学校の理科室に集まり、この経験を振り返っていた。
みけ子が言った。
「みんな、今回の探偵活動で学んだことは何かな?」
けんたが答えた。
「俺は、安全第一ってことだな。最初は軽く考えてたけど、氷の上は本当に危険だってわかったよ」
まりが付け加えた。
「私は、自然の神秘さを感じたわ。こんな寒い中でも、きれいな生き物が生きてるなんて...」
たけるが言った。
「僕は、チームワークの大切さを学んだよ。一人じゃできないことも、みんなで協力すればできるんだって」
ユミが静かに話し始めた。
「私は、科学的なアプローチの重要性を再確認しました。事前の調査と適切な道具の選択が、安全で効果的な調査につながったと思います」
みけ子は満足げに頷いた。
そこに上野先生が教室に入ってきて、探偵団の活躍を称えた。
「みんな、素晴らしい発見だったよ。好奇心がこんなにも素晴らしい結果を生み出すんだね」
全員が笑顔で頷き、窓の外に目をやると、小雪が舞い始めていたのだ。
「わあ、池が完全に凍っちゃったね」とまりが感嘆の声を上げた。
けんたが氷の上に足を踏み出そうとすると、ユミが慌てて止めた。
「危ないわ!氷が薄いかもしれないわよ」
みけ子は、氷の表面をじっと見つめていた。
「ねえ、みんな。氷の下に何か光るものが見えない?」
探偵団のメンバーは一斉に氷の上に身を乗り出し、みけ子の言う通り、何か小さな光る物体が氷の下に見えることに気がついた。
「本当だ!何かキラキラしてる」とたけるが目を細めて覗き込んだ。
けんたが興奮気味に言った。
「おい、これは探偵団の出番じゃないか?」
みけ子は決意に満ちた表情で頷いた。
「うん、この謎、絶対に解明しよう!」
翌日、探偵団は放課後に集まり、初期調査を開始した。まずは池の周りを歩き、それから近隣住民から情報を集めることにした。
「すみません、この池のことで聞きたいことがあるんですが」とみけ子が丁寧に老夫婦に声をかけた。
老夫婦は優しく微笑んで答えてくれた。
「ああ、この池か。昔は子供たちの遊び場だったんじゃよ。夏は蛍が飛び交って、冬はスケートを楽しんだもんじゃ」
「へえ、スケートができるくらい凍るんですね」とまりが目を輝かせた。
老婦人が付け加えた。
「そうそう、でも最近はめったに凍らなくなってねぇ。今年は珍しく寒いからなぁ」
探偵団は図書館に向かい、地域の歴史書を調べ始めた。ユミが古い資料を丁寧にめくりながら読み上げる。
「ここに書いてあるわ。『明治時代、この池で宝石を載せた馬車が転覆し、積荷が沈んだという伝説がある』ですって」
「宝石!?」けんたが声を上げた。「もしかして、氷の下で光ってるのは...」
たけるが冷静に言った。
「でも、それだとしたら、もうとっくに引き上げられてるはずだよ」
みけ子は考え込みながら言った。
「実際に見てみないとわからないね」
けんたが首をかしげた。
「でも、どうやって確かめるんだ?」
まりが少し不安そうに言った。
「そうよね。氷の上に出るのは危ないし...」
ユミが冷静に提案した。
「まずは安全に観察する方法を考える必要がありますね。氷の厚さや強度を確認しないと」
たけるが力強く言った。
「俺たちだけじゃ難しいかもしれないな。専門家の意見を聞いた方がいいんじゃないか?」
みけ子は真剣な表情で言った。「そうだね。まずは氷の安全性を確認しないと。大人の人に相談しよう」
探偵団は学校の理科の先生、上野先生に相談することにした。
「上野先生、ちょっとお話があるんですが」とみけ子が職員室を訪ねた。
上野先生は優しく微笑んで答えた。
「みけ子さんたち、どうしたの?」
みけ子たちは池の状況と、氷の下に何か光るものを見つけたことを説明した。
上野先生は真剣な表情になり、
「それは興味深いね。でも、氷の上に出るのは危険だよ。まずは氷の厚さを確認しないと」
「どうやって確認するんですか?」とたけるが尋ねた。
上野先生は説明を始めた。
「氷の厚さを測る特殊な機器があるんだ。明日、一緒に池に行って測ってみよう。それと、消防署にも連絡して、安全管理について教えてもらおう」
翌日、上野先生と共に池を訪れた探偵団。消防署からも安全管理の専門家が来ていた。
「氷の厚さは約20センチあります」と測定を終えた上野先生が報告した。
消防署の専門家が説明を加えた。
「この厚さなら大人一人が乗っても大丈夫ですが、子供たちだけで氷の上に出るのは避けてください」
みけ子が質問した。
「安全に氷の下を観察する方法はありますか?」
専門家は少し考えてから答えた。
「透明な箱を使って氷の上から覗き込む方法があります。氷に直接触れずに下を観察できますよ」
この情報を得て、探偵団は調査方法について話し合いを始めるとたけるがこう言った。
「さっきの専門家が言ってた透明な箱、使えそうだよね」
ユミが付け加えた。
「私が調べたところ、水中カメラを使えば氷の下の様子がよく見えるみたい。小さな穴を開けて挿入するだけでいいの」
みけ子はみんなの意見を聞いて、しばらく考え込んでいた。そして、ついに決断を下した。
「よし、透明な箱と水中カメラを組み合わせた装置を作ろう。箱で氷の表面を観察しながら、カメラで氷の下も見られるはずよ」
全員が賛成し、準備を始めることになった。上野先生の指導の下、探偵団は慎重に作業を進めた。
まず、みけ子が大きな透明なプラスチック箱を持ってきた。箱の大きさは60cm x 40cm x 30cmほどで、底が透明なものを選んでいた。
上野先生が説明を始めた。
「まず、箱の底に小さな穴を開けます。この穴は水中カメラのケーブルが通る大きさで十分です」
けんたが質問した。
「先生、穴を開けても大丈夫なんですか?水が入ってこないんでしょうか」
上野先生は頷いて答えた。
「良い質問だね。穴の周りはしっかりと防水処理をします。それに、この箱は氷の上に置くので、水が直接入ってくることはありません」
たけるが工具箱から電動ドリルを取り出した。
「僕が穴を開けてみます」
上野先生が注意を促した。
「気をつけてね。保護メガネも忘れずに」
たけるは慎重に作業を進め、直径約2cmの穴を箱の底中央に開けた。
次に、ユミが防水性の高い小型の水中カメラを箱に近づけた。
「これを穴に固定するんですよね」
上野先生が頷いた。
「そうです。カメラを穴に挿入し、周りを防水シーラントで固定します」
まりが防水シーラントを手に取り、慎重にカメラの周りに塗り始めた。
「こんな感じでいいですか?」
「そうそう、その調子」と上野先生が励ました。
カメラを固定したら、けんたがモニターを持ってきた。
「このモニター、箱のどこに付ければいいんですか?」
上野先生が答えた。
「箱の側面に取り付けるのがいいでしょう。観察しやすい高さを考えてね」
みけ子がモニターの位置を決め、たけるが固定用のブラケットを取り付けた。
「あとは電源の問題ですね」とユミが言った。
上野先生が説明を加えた。
「そうですね。ポータブルバッテリーを使います。カメラとモニター、それに水中ライトもこれで動かします」
けんたがバッテリーを箱の中に設置し、各機器に接続した。
「よし、これで基本的な構造は完成だ」とみけ子が満足げに言った。
上野先生が付け加えた。
「あとは、移動しやすいように底にスキーのような板を取り付けましょう」
探偵団のメンバーは協力して、これらの仕上げ作業を行った。
「これで完成です」と上野先生が宣言した。「この装置があれば、安全に氷の下を観察できますね」
みけ子たちは出来上がった装置を誇らしげに見つめた。
「これなら安全に、でも詳しく観察できるわね」とみけ子が満足げに言った。
けんたが興奮気味に付け加えた。
「氷に穴を開けるのは大人の人に手伝ってもらおうぜ。安全第一だからな」
まりが少し心配そうに尋ねた。
「でも、穴を開けても大丈夫なの?氷が割れたりしない?」
上野先生が安心させるように答えた。
「大丈夫だよ。適切な道具を使えば、氷に小さな穴を開けても全体の強度には影響しないんだ」
そしてみけ子がこう言った。
「素晴らしい装置ができたけど、使用する前にもう少し準備が必要よね」
上野先生が頷いて答えた。
「そうですね。安全確認や天候の様子見など、まだやるべきことがあります」
ユミが付け加えた。
「氷の状態も再確認する必要がありますね。専門家に相談するのもいいかもしれません」
まりが言った。
「準備には時間がかかりそうだけど、焦らず慎重に進めましょう」
たけるも同意した。
「そうだね。安全第一で、完璧な準備をしてから実行しよう」
それから、いよいよ調査の日がやってきた。探偵団は上野先生と消防署の専門家の監視の下、慎重に氷の上に出た。
みけ子が指示を出す。
「みんな、滑らないように気をつけて。ゆっくり移動しよう」
けんたとたけるが装置を持ち、ゆっくりと氷の上を歩く。
「あそこ!光ってる場所が見えるよ」とまりが指さした。
みけ子が慎重に近づき、装置を設置した。モニターに映し出される映像に、全員が息を呑んだ。
「これは...」ユミが驚いた声を上げた。
上野先生が興奮した様子で説明した。
「これはおそらく、ディノフラジェレートという種類の藻類だね。寒冷な水域でも発光することがあるんだよ」
みけ子たちは感動の声を上げた。
「わぁ、きれい...」
「まるで宝石みたいだ」
そしてみけ子が決意を込めて言う。
「この発見、絶対に記録しなきゃ。ユミ、写真と動画、お願いね」
ユミは慎重に記録を取り始めた。その間、他のメンバーは交代で観察を続け、気温や水温、氷の厚さなどのデータも記録していった。
数日後、探偵団は学校の理科室に集まり、この経験を振り返っていた。
みけ子が言った。
「みんな、今回の探偵活動で学んだことは何かな?」
けんたが答えた。
「俺は、安全第一ってことだな。最初は軽く考えてたけど、氷の上は本当に危険だってわかったよ」
まりが付け加えた。
「私は、自然の神秘さを感じたわ。こんな寒い中でも、きれいな生き物が生きてるなんて...」
たけるが言った。
「僕は、チームワークの大切さを学んだよ。一人じゃできないことも、みんなで協力すればできるんだって」
ユミが静かに話し始めた。
「私は、科学的なアプローチの重要性を再確認しました。事前の調査と適切な道具の選択が、安全で効果的な調査につながったと思います」
みけ子は満足げに頷いた。
そこに上野先生が教室に入ってきて、探偵団の活躍を称えた。
「みんな、素晴らしい発見だったよ。好奇心がこんなにも素晴らしい結果を生み出すんだね」
全員が笑顔で頷き、窓の外に目をやると、小雪が舞い始めていたのだ。
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