第三帝国再建物語

篠田 雄亮

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帝国再建編

7.

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III号戦車に搭乗したモーデルは、車長の席に着いて周りを双眼鏡で確認しながら戦車隊を前進させた。


その頃、ワイマル帝国の古城に拘留されている高貴な身分の女性を救うべく動いていた旅団は古城の見える丘まで来ていた。

その時、指揮に当たっていたのはシューバッハSS中尉だった。

シューバッハの旅団は、主に歩兵とそれを輸送する輸送車からなっていた。

だから歩兵の装備も短機関銃や小銃、それと木製の柄が着いた手榴弾と銃剣とまれに機関銃や狙撃銃がせいぜいのものだった。

そんな中、シューバッハ中尉はまだ明るいので双眼鏡で古城を見ておく事にした。

正面の城門を見た。
(正面から行くと、いくら相手が弓を撃ってきたりするにせよ被害がでるのがおちだ)

それから、城壁を見た。
(城壁は、見た所かなり古く銃剣で足場を作って侵入する事ができそうだ)

そこで、シューバッハ中尉は日が沈むのを待った。

深夜一時を回ろうかという時、旅団の兵士達は動き出した。

まず始めに、工兵が城壁に見つからないように取りついて銃剣を石と石の間の隙間に差し込んで安定するかどうかを試してみた。

試すと、すんなり銃剣が入って抜ける心配もないので1十五メートルくらいの高さを銃剣で足場をつくりながら渡る事、十分いよいよ城壁を一人の工兵が渡りきり縄を上から下にいる二十九名の工兵に投げた。

そして、渡りきると十人ずつに別れて城門の警備に当たっている帝国兵を片ずける担当と城門を内側から開ける担当それと、城門に殺到するであろう帝国兵を抑える担当とに別れた。

作戦は、スムーズにいって工兵の被害を全くださずに外で待機していた部隊を迎え入れる事に成功した。

半装軌車の機関銃が、唸りをあげて迎撃に来た帝国兵をあっという間に足止めしている間に輸送車が続々と到着して、中から歩兵が短機関銃や小銃を持って一気に敵を蹴散らした。

そして、シューバッハ到着する頃には城の中にある至る建物で帝国兵の掃討作戦が行われていた。

それから、拘留されているだろう建物に入ると確かに牢屋に高貴な身分の女性が居た。

シューバッハ中尉は、異世界の言葉にまだなれていなかったので
「あなたは、小国を統治していた方ですか?」
と異世界の言葉をかなりドイツなまり言葉を片言で聞いた。

その女性は、こくりと頷いたので牢屋の鍵をかけてる所を拳銃を撃って壊すとその女性とお付きの者を部下に輸送車まで案内させた。

そして、高貴な身分の女性とお付きの者を輸送車に乗せると勢いよく城門から外へと出て最高司令部へと引き上げて行った。

こうして、ヒトラーの計画は徐々にではあるが確実に実行に移されていたのだった。
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