第三帝国再建物語

篠田 雄亮

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帝国再建編

22.

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ワイマル帝国から、ガイル将軍以下数名の部下を護衛しながら国境をやっとの事で越えた時と日を同じくして、海軍司令部でちょっとした事が起きた。

それは、海上に漂流中の所を駆逐艦に救われた南国風の漂流者を海軍最高司令部に連れて来ての事だった。

なんと、海をかなり進んだ所にある島国でどこぞの軍が突然現れ瞬く間に、その一帯の島々を占領していった時に家やなんかが次々と空飛ぶ鉄の化け物と、地を這う鉄の化け物の被害にあったので手漕ぎボートで、逃げて来たという事だった。

これには、その場に居た海軍の将校達も一瞬顔を見合わせてあからさまに戸惑った。

何故なら、この異世界に飛ばされて来たのは自分達だと思っていたのに他にも異世界に飛ばされて来た人間がいるという事だからである。

さすがに、海軍だけで手の終える事ではないとアルフレート・ザールヴェヒター上級大将は判断して帝都ゲルマニアに車を走らせる事にした。

総統府に付くと入口でSS憲兵に武器となる物を預けて行った。

そして、ヒトラーが、居る一番奥の大きな窓際に位置する書斎へとザールヴェヒターがずかずかと向かって行った。

ドアの目の前には、一人のSSと士官二人のSS兵士が小銃を控えて見張っていた。

ザールヴェヒターが通ろうとすると、SSの士官が
「総統に、何の用だ!?」
と訪ねたので
「重大な事態が生じたかもしれないのだ。早く総統閣下に、伝えなくてはならないから通してくれ」
と言うと、SSの士官はやっと階級章に気がついたのか、
「ちょっとお待ちを」
と言ってノックを三回してヒトラーの居る書斎へ入って行った。

そして、ものの三分SSの士官が
「どうぞ」
と言ったのですかさず入って行くと中に空軍の人間が紙の束を脇にはさんで持っていた。

ヒトラーは、話しが終わったのか
「何かね?」
と聞いたのザールヴェヒター
「総統の耳に、はさんでおかなくてはならない事が起きました…」
と言うとヒトラーは、耳にかけていた眼鏡を取って
「上陸部隊の事か?」
と訪ねたのに対して
「海上で、南国風の漂流者が漂っていたのを駆逐艦が救助しましたら漂流者が島国から手漕ぎボートで逃げて来たとの事でした」
と言うと、ヒトラーは少し表情が和らいだ。

それから、
「その漂流者によれば。空飛ぶ鉄の化け物と地を這う鉄の化け物が攻めて来て島国があっという間に占領されたという事でした」
と言うとヒトラーは
「同盟国のか!?」
とあからさまに表情が、再び曇って訪ねたので
「同盟国のか、敵のか正確な情報は今現在わかっておりません…」
と言うと、ヒトラーは
「直ちに、海軍の艦隊を調査に向かわせろ!」
と言った。

こうして、ザールヴェヒターは艦隊を組んで島国の調査に出る事になった。
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