第三帝国再建物語

帝国再建編

34．

日本海軍の零式艦上戦闘機が、敵の魔導部隊と会敵してからというもの撃墜とはいかないのだが、多少なりとも迎撃の為に戦闘機を出撃させるのに差し障りのないようになっていた。

零戦が、離陸しようとする敵戦闘機を地上にいる間に破壊しようとすると魔導師の後ろに居た兵士が、機関銃をこれでもかというくらい撃ってくるのでなかなか破壊する事が出来なかった。

これに、ごうを煮やした零戦の搭乗員が空中で無電を使い、こうなったら戦闘機を格納庫ごと仕方ないが爆撃してくれと打ってきた。

当初、日本軍はこの滑走路も占領でき次第すぐ使えるようにしようとしていた。

これには、待機していた爆戦(零戦に爆装をできるようにしたもの)の搭乗員は待ってましたとばかりに飛行機に駆け寄り飛び乗って順番に離て行った。

何故、待機中の爆戦がいたのか疑問に思われるだろうとおもうのだが、その理由として敵は油断しきっていた事にある。

だから、攻撃が予想外にはかどってしまって爆戦にお世話になる訳も無かったのだった。

結局のところ零戦は爆装を施して滑走路に出たはいいが、ひたすら待機状態にあったのだ。

話しは、戻って爆戦が続々と離陸し、編隊ごとに所定の位置につき次第、随時出撃して行った。

その頃、敵空軍基地上空ではというもの相も変わらず
、一進一退の攻防戦が勃発していたのだった。

戦闘は、敵戦闘機が離陸し始めてから徐々にではあるが、敵が何が何でもここは守るという熱い執念に燃えて、猛反撃に対して形勢が逆転しようとしていた。

そんな状態にも関わらず、勇猛果敢に魔導師の撃墜を試みた。

最初は、零戦では無理かと思われたが、そのうち空中戦をしていてある事に気がつく搭乗員が増えてきた。

それは、物凄い速さで移動出来るのだが、ある程度の高度しか身体的についていけないのか飛べず、銃弾には何の備えもなされていないので当たれば、そのまま撃ち殺す事ができるのがわかってきたのだった。

だから、優秀な日本海軍の搭乗員達は敵魔導部隊の頭を抑えるや否や、上空から機銃で攻撃を始めた。

予想通りに、敵魔導部隊は赤子の手をひねるように次から次へと落ちて行った。

こうなると、もう地獄絵図という言葉が似合うくらいの様相を呈してきた。

なかでも、一番酷かったのは零戦のプロペラ部分で敵魔導師と後ろの兵士ごとズタズタにする時はミンチ同然となった。

その時、やっと爆戦が到着し始めた。

爆戦は、次々と敵を片っ端から爆撃していった。

すると、敵は基地を放棄して撤退をし始めたので零戦は、機銃掃射もここぞとばかりに敵輸送トラックや兵士に対して御見舞した。

それから、何時間かたった頃やっと日本軍の地上も敵防御陣地を尽く占領したようで、そのまま敵空軍基地に雪崩込むと大した抵抗も受けずに占領したのが、物凄い速さで揚がった日章旗を見ても解った。

こうして、連合国の占領地を枢軸国が奪取するのに成功したかけがえのない日となったのであった。