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ふいに体の中から燃えるような熱気を感じた。熱い、熱い、痛い。
「桜花!?」
吹の驚いたような声が微かに聞こえるも、その熱気は心臓から血管を辿るように体中を巡って行った。
「あ、つい、あつい、…っ嫌だ、やだ、せっかく…!せっかく思い、だし…っ」
体を掻きむしり狂ったように叫ぶ様に吹は察する。だがしかし、今の桜花を止められるものはない。
「すい、すいっ、おねが、…助けて、お父さんを……お父さんを助けて……!」
そう叫んで桜花は気を失って倒れた。
通信を遮断してから何日か経ったある日、宇宙へは帰らないと宣言したのはつい先程。それまでに桜花は桜花であること、父が母を生き返らせるため研究していること、自分があらゆる人を犠牲にした上で出来上がったセカンドソルジャーであること、吹はずっと前両親が最初に研究対象にした自分の兄であることなどを思い出していた。
吹は両親の顔を見たことも直接話したこともないが、あの二人が自分にした研究は"吹"として目覚めた時から、遺伝子に組み込まれていた。だから、自分が"吹"で、両親が居り、妹がいることも、世界が終わり自分しか存在していない事も分かっていた。
両親の研究は成功と言える。だが、"吹"の能力は高すぎた。産んではいけないものを、両親は生み出した。例えるならばそれは、この地球を廃墟と化させた核兵器よりももっと恐ろしいものである。
「いくら父さんでも、桜花を苦しめるのは赦さない」
小さくごめんねと呟いて桜花の胸元に手を寄せる。柔らかい皮膚で覆われたそこを迷いなく突き破りゆっくりと目的のものを探す。
小さくうごめくソレを発見し優しく優しく取り出した。天に掲げ愛おしそうに眺める姿は何かの儀式かのよう。
自分の指を噛み切って溢れた血を桜花の心臓に降りかけた。
「桜花、僕は君で君は僕だ。他の誰にもこの心臓をあげちゃいけない」
主から離れてもなお脈打つ心臓を、再び優しく元に戻し、自分の血を捧げ続ける彼を止める者は居ない。
次に見たときには綺麗な柔らかい皮膚に傷などなく、呼吸は小さく規則正しい。
「この世界で生きていけるのは僕たちだけ…。それを止められるものは無い。僕の前に立ちはだかるなら、誰であれ赦さない。ユルサナイ」
桜花を抱きかかえ再びゆっくりと歩き始める。最後に桜花が叫んだ言葉が頭の中を駆けてゆく。
「僕が助けたいのは、君なのに」
この小さい妹は優しいのだ。誰よりも優しい。だからこそ、全て終わりにすべきだ。
・next story・
「桜花!?」
吹の驚いたような声が微かに聞こえるも、その熱気は心臓から血管を辿るように体中を巡って行った。
「あ、つい、あつい、…っ嫌だ、やだ、せっかく…!せっかく思い、だし…っ」
体を掻きむしり狂ったように叫ぶ様に吹は察する。だがしかし、今の桜花を止められるものはない。
「すい、すいっ、おねが、…助けて、お父さんを……お父さんを助けて……!」
そう叫んで桜花は気を失って倒れた。
通信を遮断してから何日か経ったある日、宇宙へは帰らないと宣言したのはつい先程。それまでに桜花は桜花であること、父が母を生き返らせるため研究していること、自分があらゆる人を犠牲にした上で出来上がったセカンドソルジャーであること、吹はずっと前両親が最初に研究対象にした自分の兄であることなどを思い出していた。
吹は両親の顔を見たことも直接話したこともないが、あの二人が自分にした研究は"吹"として目覚めた時から、遺伝子に組み込まれていた。だから、自分が"吹"で、両親が居り、妹がいることも、世界が終わり自分しか存在していない事も分かっていた。
両親の研究は成功と言える。だが、"吹"の能力は高すぎた。産んではいけないものを、両親は生み出した。例えるならばそれは、この地球を廃墟と化させた核兵器よりももっと恐ろしいものである。
「いくら父さんでも、桜花を苦しめるのは赦さない」
小さくごめんねと呟いて桜花の胸元に手を寄せる。柔らかい皮膚で覆われたそこを迷いなく突き破りゆっくりと目的のものを探す。
小さくうごめくソレを発見し優しく優しく取り出した。天に掲げ愛おしそうに眺める姿は何かの儀式かのよう。
自分の指を噛み切って溢れた血を桜花の心臓に降りかけた。
「桜花、僕は君で君は僕だ。他の誰にもこの心臓をあげちゃいけない」
主から離れてもなお脈打つ心臓を、再び優しく元に戻し、自分の血を捧げ続ける彼を止める者は居ない。
次に見たときには綺麗な柔らかい皮膚に傷などなく、呼吸は小さく規則正しい。
「この世界で生きていけるのは僕たちだけ…。それを止められるものは無い。僕の前に立ちはだかるなら、誰であれ赦さない。ユルサナイ」
桜花を抱きかかえ再びゆっくりと歩き始める。最後に桜花が叫んだ言葉が頭の中を駆けてゆく。
「僕が助けたいのは、君なのに」
この小さい妹は優しいのだ。誰よりも優しい。だからこそ、全て終わりにすべきだ。
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