2 / 8
短編
花火
しおりを挟む
夏は嫌いだ。嫌になるほど、泣きたくなるほど笑う君を思い出すから。君は覚えていないかも知れないけれど、あの日、夜空は花火でいっぱいで、俺一人が花火を見上げて泣いていた。
・
「おはよう!」
明るく声をかけてきたのは高校に入ってから仲良くなった風心だった。
「顔死んでるよ?」
俺の顔を覗き込みながらおかしそうに笑う。
「夏は苦手なんだよ…」
額に垂れてきた汗を袖で拭い言う。風心の首筋に浮かぶ汗が目に留まり、小さく心臓が脈打つ。雑念を払うようにもう一度汗を払って、二人で並んで歩き出した。もう2年と少し、こうして二人で登下校している。
「こうやってさ~、二人で学校行くのもあと半年だよ」
風心が少し寂しそうに言った。初めて出会ったときは新入生同士で、たまたま同じ道を気がつくと隣に並んで歩いていた。歩くスピードも、歩幅も、慣れない制服も、緊張して歩く姿も同じで、何だか気になってふと顔を合わせて笑っていた。
「俺は風真。君は?」
「風真って言うの?私は風の心でふう!お揃いじゃん!」
そう言ってにっと歯を見せて笑った彼女に、あの時から、今の今までずっと、俺は恋したまんまだ。この関係が壊れるのが怖くて告白すらしていないのだが。それに、風心は入学してから3年に上がるまで、数人とお付き合いをしたらしい。先輩だったり、同じクラスの人だったり、後輩だったり。でも、風心が俺との用事を優先してしまうから、皆残念ながらお別れしたと言っていた。
「…俺が被害被ってるんだよなぁ」
「え?なに?」
「何でもないよ」
元カレ達は俺を気に入らず、少なからず嫌がらせを受けたりした。一人一人相手にしていてもキリがないので、放置していたら収まったが。
「いいじゃん。同じ大学受けるんだし、まだまだ一緒にいられるよ」
「そうだけど、そうじゃないの!」
「いいんだよ。ずっと俺と一緒にいれば」
ふとしたことで居なくなってしまいそうだ、と思ってしまったからなのか、言葉がするすると出た。風心は驚いたみたいに足を止めた。
「ずっとって、どのくらい?」
「ずっとはずっと」
「…大学生の間だけ?」
「ちげーよ。これからもずっとだよ」
耳が熱くなっていくのがわかった。こんな恥ずかしいこと、今まで言ったことがない。
「ずっと、ずっとかぁ」
何故か嬉しそうにしながら風心は手を繋いできた。
「風心…!?」
「ふふ、いいでしょ!」
いつも以上にご機嫌になった風心を見てたら何でも良くなった。好きだなぁと思った。
・
夏休み。恋人になってから初めての夏休みだ。風心が花火大会に行きたいと言うので行くことになった。
「めちゃめちゃ可愛くしてくるからっ」
「それ以上可愛くなってどうするんだ…」
電話越しに風心は楽しそうに笑う。
「風真ってこんな感じなんだね」
あの日以来風心はよくそう言う。君が気づいていないだけで、俺は何も変わったことはしてない。
「すっごい褒めてくれるしさー、優しいしさー、なんだろ、愛情表現がすごい!」
「そうかな。普通だよ」
「んーん!絶対そう!」
小さくありがとうね、と呟かれ俺はこちらこそと言った。毎日のように会って話をして電話も欠かさないけれど、なんだか凄く抱きしめたくなった。
珍しいなと思った。風心が時間通りに待ち合わせに来ないのは。花火が始まる前に屋台を回ろうと話していたのに、もうあと数十分で始まってしまう。
「風真くん?」
聞き慣れた声がして振り向くと風心のお母さんが立っていた。
「あ、こんばんは」
風心と仲良くなってからずっと、風心の家族とも親しくさせてもらっている。付き合い始めた旨を伝えたらとても喜んでくれた。
「風真くん、落ち着いて聞いて、風心がね…」
放たれた言葉は僕の心臓を貫いて。花火の弾ける音と共に、俺の中で何かが切れた。
叫んだような気がする。その叫びは声になったかどうかも危うい。風心のお母さんはそんな俺を見て泣いていたと思う。全身の毛がざわめいて、関係なく咲き誇る花火に殺意が湧いた。
「風真くん。一緒に来てくれる?」
「…はい」
今どんな状態で風心が居るのか想像出来なかった。俺の頭の中にいるのは、いつも笑顔の君なんだ。
・
「ねぇ、パパ。ママってどんなひとだったの?」
愛おしい娘の髪を不器用ながらに結んでいると、そんなことを聞いてきた。
「んー、可愛い人。しっかりしてるようで、ちょっと天然」
「ママかわいいよねぇ」
そのママとそっくりな顔で笑う。全く、将来が心配だ。
「ママが何ー?」
キッチンから顔を出してにこにこと笑う君。
「パパとむうちゃんのないしょのおはなしー!」
「えーずるい!ママも混ぜて!」
「だめ。夢生とのないしょだから」
仲良いのはいいけどさぁ!と言いながら君はまたキッチンに引っ込んだ。
あの日、風心のお母さんから、風心が俺との待ち合わせに向かう途中で交通事故に合い意識不明で助かる確率も低いと言われた。花火の音だけが俺を包み、なにも考えられず、ただただ風心の元へ急いだ。
沢山の管と包帯に包まれ横たわる姿に立ち尽くしたのを覚えている。着ていたであろう浴衣は血に染まり、髪飾りは割れてしまっていて。もう二度と目を開けない予感をさせる真っ白な顔。
「ふ、う……」
なんとか絞り出した彼女の名前も、掠れて音にならなかった。いつも思っていた。そんな男と付き合うくらいなら俺にしておけと。君が、何度も大切にしたかった人に傷つけられ泣いているのを見てきた。俺に気付いて欲しかった。1番君を守れるのは…俺だと思っていた。
迎えに行けばよかったと思った。花火がキレイに見える穴場にしていれば良かった。いや、そもそも花火大会になんて行く約束をしなければ。俺と、恋人になんてならなければ。そんな思いが募って、触れたくて触れたくて仕方がないのに、俺はただ小さく呼吸する風心を見ているしか無かった。
「声を掛け続けてください。必ず届きますから」
医者の声に何も考えられなくなっていた頭が働き出した。風心の家族が必死に声をかけている。俺は風心の手を握り締めた。
「風心。俺はここだよ」
「あの時ねはっきり聞こえたの。風真の声だけはっきり。家族の声もお医者さんの声もまーったく聞こえなかったのに、風真の声だけ届いたの」
夢生の着替えを手伝いながら懐かしそうに話す君。
「その時何故かすごく泣きたくなった。風真はずっと、側に居てくれて、俺がいるよって言ってくれてたのに、それに気づかずにいたから。きっと、たくさん傷つけちゃったと思って」
気にしなくていいよと笑ってみせる。
「近くに居すぎて気づけないなんてね」
「今、俺の側に居てくれてるからいいんだよ」
「むうちゃんもいるもん!」
俺と君の間にいる可愛い娘。
「奇跡だよなぁ」
「ほんとにね」
二人で抱き締める。幸せが溢れた。
二度と目を覚まさないかと思われた。医者にもあと数日意識が戻らなければ覚悟してくださいと言われた。そのくらい風心は危険な状態だった。でも、手放したく無かった。居なくなるなんて考えられなかった。一人にしないで欲しかった。何があっても、振り向いて貰えなくても、俺が1番君を想ってることを、一生かけて伝えたかった。だから、何度も何度も呼んだ。
「むうちゃんは奇跡なの?」
「そうだよ。パパとママの宝物」
大学に無事行けて、結婚して子供ができて、今当たり前のように過ごしているこの日々が奇跡で。
今でも夏の花火の音は苦手だ。あの時のことを鮮明に思い出すから。でも、あえて毎年家族で出かけていく。風心や、夢生が、自分でさえ、ここに存在していられることが素晴らしいことなんだって思えるから。その思いを忘れないために。
風心の手を握り締め続けていたあの日々でさえ、思い浮かぶのは風心の笑顔ばかりで、今にも起きて何しているの?と、笑いかけてくれそうで、その笑顔に救われてきた俺だから、君の1番であるために、今日を大切にする。
「ねっ!来年もまた、皆で花火見ようね!」
そう言って笑う君。
「愛してるよ」
どうしても伝えたくなった。君は驚いたように目を少し見開いた。そしてすぐに嬉しそうに細める。
「ずっと?」
「もちろん。ずっと」
まるでこれからの俺達を後押しするかのように、夜空に大輪の花が咲いた。
・Fin・
・
「おはよう!」
明るく声をかけてきたのは高校に入ってから仲良くなった風心だった。
「顔死んでるよ?」
俺の顔を覗き込みながらおかしそうに笑う。
「夏は苦手なんだよ…」
額に垂れてきた汗を袖で拭い言う。風心の首筋に浮かぶ汗が目に留まり、小さく心臓が脈打つ。雑念を払うようにもう一度汗を払って、二人で並んで歩き出した。もう2年と少し、こうして二人で登下校している。
「こうやってさ~、二人で学校行くのもあと半年だよ」
風心が少し寂しそうに言った。初めて出会ったときは新入生同士で、たまたま同じ道を気がつくと隣に並んで歩いていた。歩くスピードも、歩幅も、慣れない制服も、緊張して歩く姿も同じで、何だか気になってふと顔を合わせて笑っていた。
「俺は風真。君は?」
「風真って言うの?私は風の心でふう!お揃いじゃん!」
そう言ってにっと歯を見せて笑った彼女に、あの時から、今の今までずっと、俺は恋したまんまだ。この関係が壊れるのが怖くて告白すらしていないのだが。それに、風心は入学してから3年に上がるまで、数人とお付き合いをしたらしい。先輩だったり、同じクラスの人だったり、後輩だったり。でも、風心が俺との用事を優先してしまうから、皆残念ながらお別れしたと言っていた。
「…俺が被害被ってるんだよなぁ」
「え?なに?」
「何でもないよ」
元カレ達は俺を気に入らず、少なからず嫌がらせを受けたりした。一人一人相手にしていてもキリがないので、放置していたら収まったが。
「いいじゃん。同じ大学受けるんだし、まだまだ一緒にいられるよ」
「そうだけど、そうじゃないの!」
「いいんだよ。ずっと俺と一緒にいれば」
ふとしたことで居なくなってしまいそうだ、と思ってしまったからなのか、言葉がするすると出た。風心は驚いたみたいに足を止めた。
「ずっとって、どのくらい?」
「ずっとはずっと」
「…大学生の間だけ?」
「ちげーよ。これからもずっとだよ」
耳が熱くなっていくのがわかった。こんな恥ずかしいこと、今まで言ったことがない。
「ずっと、ずっとかぁ」
何故か嬉しそうにしながら風心は手を繋いできた。
「風心…!?」
「ふふ、いいでしょ!」
いつも以上にご機嫌になった風心を見てたら何でも良くなった。好きだなぁと思った。
・
夏休み。恋人になってから初めての夏休みだ。風心が花火大会に行きたいと言うので行くことになった。
「めちゃめちゃ可愛くしてくるからっ」
「それ以上可愛くなってどうするんだ…」
電話越しに風心は楽しそうに笑う。
「風真ってこんな感じなんだね」
あの日以来風心はよくそう言う。君が気づいていないだけで、俺は何も変わったことはしてない。
「すっごい褒めてくれるしさー、優しいしさー、なんだろ、愛情表現がすごい!」
「そうかな。普通だよ」
「んーん!絶対そう!」
小さくありがとうね、と呟かれ俺はこちらこそと言った。毎日のように会って話をして電話も欠かさないけれど、なんだか凄く抱きしめたくなった。
珍しいなと思った。風心が時間通りに待ち合わせに来ないのは。花火が始まる前に屋台を回ろうと話していたのに、もうあと数十分で始まってしまう。
「風真くん?」
聞き慣れた声がして振り向くと風心のお母さんが立っていた。
「あ、こんばんは」
風心と仲良くなってからずっと、風心の家族とも親しくさせてもらっている。付き合い始めた旨を伝えたらとても喜んでくれた。
「風真くん、落ち着いて聞いて、風心がね…」
放たれた言葉は僕の心臓を貫いて。花火の弾ける音と共に、俺の中で何かが切れた。
叫んだような気がする。その叫びは声になったかどうかも危うい。風心のお母さんはそんな俺を見て泣いていたと思う。全身の毛がざわめいて、関係なく咲き誇る花火に殺意が湧いた。
「風真くん。一緒に来てくれる?」
「…はい」
今どんな状態で風心が居るのか想像出来なかった。俺の頭の中にいるのは、いつも笑顔の君なんだ。
・
「ねぇ、パパ。ママってどんなひとだったの?」
愛おしい娘の髪を不器用ながらに結んでいると、そんなことを聞いてきた。
「んー、可愛い人。しっかりしてるようで、ちょっと天然」
「ママかわいいよねぇ」
そのママとそっくりな顔で笑う。全く、将来が心配だ。
「ママが何ー?」
キッチンから顔を出してにこにこと笑う君。
「パパとむうちゃんのないしょのおはなしー!」
「えーずるい!ママも混ぜて!」
「だめ。夢生とのないしょだから」
仲良いのはいいけどさぁ!と言いながら君はまたキッチンに引っ込んだ。
あの日、風心のお母さんから、風心が俺との待ち合わせに向かう途中で交通事故に合い意識不明で助かる確率も低いと言われた。花火の音だけが俺を包み、なにも考えられず、ただただ風心の元へ急いだ。
沢山の管と包帯に包まれ横たわる姿に立ち尽くしたのを覚えている。着ていたであろう浴衣は血に染まり、髪飾りは割れてしまっていて。もう二度と目を開けない予感をさせる真っ白な顔。
「ふ、う……」
なんとか絞り出した彼女の名前も、掠れて音にならなかった。いつも思っていた。そんな男と付き合うくらいなら俺にしておけと。君が、何度も大切にしたかった人に傷つけられ泣いているのを見てきた。俺に気付いて欲しかった。1番君を守れるのは…俺だと思っていた。
迎えに行けばよかったと思った。花火がキレイに見える穴場にしていれば良かった。いや、そもそも花火大会になんて行く約束をしなければ。俺と、恋人になんてならなければ。そんな思いが募って、触れたくて触れたくて仕方がないのに、俺はただ小さく呼吸する風心を見ているしか無かった。
「声を掛け続けてください。必ず届きますから」
医者の声に何も考えられなくなっていた頭が働き出した。風心の家族が必死に声をかけている。俺は風心の手を握り締めた。
「風心。俺はここだよ」
「あの時ねはっきり聞こえたの。風真の声だけはっきり。家族の声もお医者さんの声もまーったく聞こえなかったのに、風真の声だけ届いたの」
夢生の着替えを手伝いながら懐かしそうに話す君。
「その時何故かすごく泣きたくなった。風真はずっと、側に居てくれて、俺がいるよって言ってくれてたのに、それに気づかずにいたから。きっと、たくさん傷つけちゃったと思って」
気にしなくていいよと笑ってみせる。
「近くに居すぎて気づけないなんてね」
「今、俺の側に居てくれてるからいいんだよ」
「むうちゃんもいるもん!」
俺と君の間にいる可愛い娘。
「奇跡だよなぁ」
「ほんとにね」
二人で抱き締める。幸せが溢れた。
二度と目を覚まさないかと思われた。医者にもあと数日意識が戻らなければ覚悟してくださいと言われた。そのくらい風心は危険な状態だった。でも、手放したく無かった。居なくなるなんて考えられなかった。一人にしないで欲しかった。何があっても、振り向いて貰えなくても、俺が1番君を想ってることを、一生かけて伝えたかった。だから、何度も何度も呼んだ。
「むうちゃんは奇跡なの?」
「そうだよ。パパとママの宝物」
大学に無事行けて、結婚して子供ができて、今当たり前のように過ごしているこの日々が奇跡で。
今でも夏の花火の音は苦手だ。あの時のことを鮮明に思い出すから。でも、あえて毎年家族で出かけていく。風心や、夢生が、自分でさえ、ここに存在していられることが素晴らしいことなんだって思えるから。その思いを忘れないために。
風心の手を握り締め続けていたあの日々でさえ、思い浮かぶのは風心の笑顔ばかりで、今にも起きて何しているの?と、笑いかけてくれそうで、その笑顔に救われてきた俺だから、君の1番であるために、今日を大切にする。
「ねっ!来年もまた、皆で花火見ようね!」
そう言って笑う君。
「愛してるよ」
どうしても伝えたくなった。君は驚いたように目を少し見開いた。そしてすぐに嬉しそうに細める。
「ずっと?」
「もちろん。ずっと」
まるでこれからの俺達を後押しするかのように、夜空に大輪の花が咲いた。
・Fin・
0
あなたにおすすめの小説
6年前の私へ~その6年は無駄になる~
夏見颯一
恋愛
モルディス侯爵家に嫁いだウィニアは帰ってこない夫・フォレートを待っていた。6年も経ってからようやく帰ってきたフォレートは、妻と子供を連れていた。
テンプレものです。テンプレから脱却はしておりません。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
婚約破棄、別れた二人の結末
四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。
その婚約者であったアソンダソン。
婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる